⼒学 第1回 質点の振動運動 担当: 明愛国,杉正夫 1 授業の進め方 前半の45分〜60分が講義 後半は演習.各自が問題を解く 成績評価 テスト2回(30%×2)+演習課題の成績(40%) 2 連絡先 明 愛国(木曜1限担当) Email: 居室: オフィスアワー: 杉 正夫(月曜1限担当) Email: [email protected] 居室: 東4-522号室 オフィスアワー: 月曜2限(授業の後) 3 ⼒学(Mechanics)とは 運動の三法則に基づいて, 物体の運動の理解・予測 複数物体間の相互作⽤の理解 などを⾏う学問 II類の専門科目の根幹となる 4 5 ⼒学で⽤いる物理量と変数 (1) 物理量 変数 変数の次元 単位 質量 kg 位置(ベクトル) m 時間(絶対時間※) s 絶対時間: 空間全体に共通の時間が存在するという考え方 (相対性理論では成り⽴たない) 6 ⼒学で⽤いる物理量と変数 (2) 物理量 変数 変数の次元 単位 速度 m/s 加速度 m/s2 ⼒ N = kgm/s2 運動量 kgm/s エネルギー J = kgm2/s2 仕事 J 7 変数と微積分の関係 位置 時間 で微分 速度 時間 で微分 積分 積分 加速度 運動方程式で与えられるのは加速度 に関する式 それを2回積分して,位置 と時間 との関係を得る 8 運動の3法則 第1法則:慣性の法則 物体は「⼒」の作⽤を受けない限り, 静止または等速直線運動を続ける 第2法則:運動の法則 運動の変化は「⼒」に⽐例し, ⼒の及ぼされる方向に⾏われる( 第3法則:作⽤反作⽤の法則 ) 物体1が物体2に「⼒」を及ぼすとき, 物体2は物体1に対して 同じ⼤きさで逆向きの⼒を及ぼす (運動の3法則は,⼒とは何かということに ついては述べていない) 9 より現代的な物理学の考え方で言うと, 運動の3法則は以下の2法則にまとめられる 質量保存則 物体の質量は不変 運動量保存則 外界からの⼒を受けない物体系の全運動量は⼀定 例えば前ページの作⽤反作⽤の法則は, 運動量保存則 の両辺を 時間 で微分して と求まる 10 11 自由振動(単振動) 以下のようなバネ・マス系(摩擦なし) 質点の質量 バネ定数 の線形バネ (自然⻑からの変位に⽐例した⼒を出す) 質点の座標 (バネが自然⻑の時 とする) 12 運動方程式を⽴てる この微分方程式を解くと⼀般解は となる 上式の変数は以下の通り :系の固有角振動数 :初期位相 (初期値によって決まる) 13 自由振動の解の意味 質点の座標 は,時間 に対して正弦波 となるように振動する その正弦波の周波数は 周期は , である 質量 が⼤きいほど周期は⻑くなり, バネ定数 が⼤きいほど周期は短くなる 14 減衰振動 以下のようなバネ・マス・ダンパ系 質量 ,バネ定数 ,座標 の取り方は 先ほどの自由振動の時と同じ ダンパ(ダッシュポット)を追加 粘性抵抗⼒(=速度に⽐例した抵抗⼒)を発⽣ 粘性減衰係数 15 運動方程式を⽴てる なので となる 上の方程式の解は,粘性減衰係数 により変わることが知られている (1) の値 16 という解を仮定して これを(1)式に代入すると以下の式を得る で なので,上式の条件は (2) となる.(2)式を特性多項式という 17 (2)式の特性多項式を, 式として解く に関する2次方程 (3) ただし と置いた (2)式(=(3)式)の解は,2次方程式の解の 公式から 判別式 の値によって場合分けが必要 18 (場合1) ( ) のとき のどちらも実数解 2つの解の重み付き線形和が⼀般解となる と ( は初期値によって決まる ) のとき, 系は過減衰であるという 19 ( (場合2) ) のとき どちらも複素数解 2つの解の重み付き線形和が⼀般解 ( ) のとき, 系は減衰振動であるという 20 (場合3) ( ) のとき 実数の重解 ということは,この場合の解は の1つだけ? ↑こう考えるのは間違い 初期値に対する解の自由度は2つあるはず (座標の初期値 と速度の初期値 を それぞれ指定可能なはずなので) つまり場合1,場合2と同様に, ⼀般解は積分定数を2つ含む形と なっていなければおかしい 21 (場合3)の⼀般解の求め方 定数変化法を使う 解の形を と仮定する は単なる定数ではなく, の関数だとする この解を運動方程式 に代入 22 代入した式を整理すると, となり, を得る. つまり は の2次以下の多項式で, となる. よって場合3の⼀般解は 23 本日は課題は出しません 次回から課題を出します 24
© Copyright 2024 ExpyDoc