今日のヘッドライン 今日のヘッドライン

Today’s Headline
ご参考資料
ご参考資料
ジュネーブから今を見る
今日のヘッドライン
ジュネーブから今を見る
今日のヘッドライン
オセアニア
2016年10月4日
オーストラリアの利下げ見通しは後ずれ
オーストラリア準備銀行は、政策金利の据え置きを発表しました。市場では2017年の利下げが見込まれていますが、
今回の声明公表後、想定する利下げ時期については、2017年第1四半期から2017年中旬に後ずれしています。
オーストラリア準備銀行:市場予想通り政策
金利を据え置き
2016年10月4日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)
は、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを市場予想
通り、過去最低の1.5%で据え置きました(図表1参照)。インフ
レ率は低いものの、予想以上の商品価格の回復が景気の
下支えとなっていると見られます。
今回の金融政策会合はロウ総裁、デベル副総裁体制となっ
て初の会合でした。
どこに注目すべきか:ロウ総裁、インフレ水準、
堅調な国内経済
オーストラリアのインフレ率が横ばいであることなどを踏まえ
市場では、今回のRBAによる政策金利の据え置きが予想さ
れていました。また、今回の声明文のトーンから、今後の金
融政策の方向性については利下げへのバイアスが感じられ
るものの、利下げ時期の後ずれも想定されます。
まず、オーストラリアの先物市場が想定する利下げ時期を
見ると、声明公表前は、半数程度が2017年第1四半期の利
下げを想定していました。しかし、RBAの声明公表後、半数
程度が利下げを想定する時期は2017年中旬に後ずれして
います。
利下げ時期の予想が後ずれした背景には、まずロウ総裁が、
インフレについて過度な懸念は見られず、目標の短期的な
下振れをある程度受け入れていると考えられることがありま
す。例えば声明では、インフレはかなり低い水準にあり、非
常に抑制された労働コストの伸びや海外の非常に低いコス
ト圧力を踏まえると、この状況はしばらく続く公算が大きいと
述べており、従来と表現に違いは見られませんでした。
次に景気動向については、海外の経済は平均を下回る成
長と見ているものの、オーストラリア国内の経済については
声明で、緩やかなペースでの経済成長が続いているとして
います(図表2参照)。
鉱業投資の大幅な落ち込みは、住宅建設や公的需要、輸出
などその他分野の成長で相殺され、家計消費は妥当なペー
スで成長していると述べています。家計と法人の心理に関す
る指標は引き続き平均を上回っているとしており、利下げを正
当化するにはやや難がある表現と見られます。
なお、ロウ総裁は就任に当たり金融政策に対する考えを9月
に政府に表明しています。その中で、ロウ総裁は金融システ
ムの安定性の重要性を強調しており、GDP(国内総生産)成
長率は底堅く、失業率が低水準で、過去にみられたシドニー
の住宅価格上昇が続くようであれば、利下げに対し慎重な姿
勢を維持させる可能性も考えられます。
極端な豪ドル高や、インフレ率の低下といったことがおきない
限り、利下げは視野に入れつつもタイミングは慎重に決めるも
のと思われます。
図表1:オーストラリアの政策金利推移
(日次、期間:2014年10月3日∼2016年10月4日)
%
2.75
2.50
2.25
2.00
1.75
1.50
1.25
14年10月3日
2016年10月は
政策金利据え置き
1.5
15年10月3日
16年10月3日
図表2:オーストラリアのGDP成長率と消費者物価指数
(四半期、前年同期比、期間:2011年7-9月期∼2016年4-6月期)
6.5
%
4.5
実質GDP成長率
インフレ率
3.3
2.5
0.5
11年9月
1.0
13年9月
15年9月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
ピクテ投信投資顧問株式会社
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と
したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に
よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆
あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、
その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、
作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ
び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構
の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ
ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも
のではありません。