教員の自己点検・自己評価報告書 所属学部 経営学部 所属学科 職 位 地域ビジネス学科 准教授 最終学歴 立教大学大学院経済学研究科修士課程修了 学 位 経済学修士 氏 名 阿部 克己 専門分野 経済学 Ⅰ 教育活動 ○目標・計画 (目標)現代日本経済が直面している企業をめぐる経営環境の変化をとらえつつ、そのなかで中小企業 のあり方・方向についての基礎的・専門的知識と応用力を養い、地域経済を担う企業の一員となる人材 を育てる。 (計画)演習では、2年次は基礎的素養をつけ、3年次は中小企業についての知識を深めて、4年次は、 自分で取り組む課題を探っていけるようにしている。講義科目では、実例をさまざまに入れたり、考 え方の転換を説明したり、 経営者を登場させたりなど、 持続的に興味が持てるように組み立てている。 とくに、産学連携の課目である地域ビジネス特講では、企業経営者の報告とその企業の社員の方々の 多側面からの報告があったことが本年度の特徴となっていた。 ○担当科目(前期・後期) (前期)中小企業論入門、総合マネジメント入門Ⅱ、企業研究、地域ビジネス特講Ⅳ、総合演習Ⅰ、専 門演習Ⅰ、専門演習Ⅲ (後期)中小企業論、中小企業金融論、総合マネジメント入門Ⅰ、総合演習Ⅱ、専門演習Ⅱ、専門演習Ⅳ ○教育方法の実践 演習では、本・映像・資料に限定することなく、フィールドワーク(企業見学)を適宜取り入れて、中 小企業の現場の一端を把握できるように組み立てている。講義科目では、資料等をビジュアルな形で 提示することにより、理解しやすい形を取るように努めている。 ○作成した教科書・教材 ベースとしては、その年のテーマに合った既存の著作を教科書として活用しているが(ただし、 「企 業研究」においては拙編著[『中小企業の経営力とは何だ』も補完教材として使用) 、必要に応じて日々 の新聞からのピックアップ・独自な資料(私の作成資料を含む)を表示・配付して、教科書の補完教 材としている。 ○自己評価 2015 年度前期後期を通じて予定通り講義を行うことができた。演習においても、当初の計画通り、 合議で決めたテキストの輪読を中心としたゼミ活動を進めることができた。とくに 3 年次ゼミでは、 企業見学として製造業の工場を訪れたことが、演習活動における特記事項であった。 Ⅱ 研究活動 ○研究課題 日本経済の進むべき方向と中小企業・地域経済活性化について ○目標・計画 (目標)グローバル化が進行しているが、日本経済の先行きについては閉塞感が漂っている。しかしそ の中にあって、成熟化した日本経済のあるべき姿をさぐり、それとの関連で今後の日本経済の担い手 として期待されている中小企業の展開方向を追究する。 (計画)90 年代以降継続する低成長の日本経済の意味を追究して、成長のあり方をアベノミクスとのか かわりで考察して、日本にふさわしい成長のあり方を見定める。そしてそれをふまえて中小企業及び 地域経済の方向性を探ってみる。 ○過去の研究業績(特許等を含む) (学術論文) 阿部克己「リーマン・ショック後の中小企業」 、中小企業家同友会全国協議会『企業環境研究年報』第 16 号、2011 年 12 月 1 阿部克己「デフレ脱却の方途はどこにあるか」 、中小企業家同友会全国協議会『年頭展望レポート』第 1 号、2012 年 2 月 阿部克己「終了を迎える中小企業金融円滑化法と中小企業に求められること」 、中小企業家同友会全国 協議会『年頭展望レポート』第 2 号、2013 年 1 月 (その他) 『中小企業における男女平等参画事例調査報告書』 〔共同研究につき分担執筆〕 、名古屋市総務局、2009 年3月 『地域経済活性化と統計の役割に関する研究』 (2006~2009 年度文部科学省科学研究費補助金 基盤 研究(B)2008 年度調査報告書〔共同研究につき分担執筆〕 ) 、2009 年 11 月 『経営理念の役割と労使関係』 (社労士総研 研究プロジェクト報告書〔共同研究につき分担執筆〕 ) 、 社会保険労務士総合研究機構、2012 年 3 月 阿部克己「リーマン・ショックの影が拡大しつつある」 ( 「DORの眼」 ) 、中小企業家同友会全国協議 会『同友会景況調査報告』第 101 号、2012 年 10 月 阿部克己「量の時代から質の時代へ――中小企業の立ち位置を考える」 ( 「DORの眼」 ) 、中小企業家 同友会全国協議会『同友会景況調査報告』第 111 号、2015 年 4 月 ○科学研究費補助金等への申請状況、交付状況(学内外) 平成 18 年度~平成 21 年度:科学研究費補助金(基盤研究B)研究分担者 ○所属学会 日本中小企業学会、経済統計学会 ○自己評価 リーマン・ショックの影響は深く大きい。日本経済・世界経済の変容の先が見えていない。他方、 社会格差は確実に進行して生活の豊かさが見えない社会へと進みつつある。そのなかで、どのような 成長のあり方がこれからの日本社会に求められるかは、現代の中小企業を考えて行く上で不可欠の前 提である。そこで経済成長の歴史的意味、なぜ成長を追いかけるのか等について、広く深く考えなけ れば今後は見えてこない。こうした地味な作業の継続がきわめて重要であると考えている。 Ⅲ 大学運営 ○目標・計画 (目標)全学委員会等に積極的に関与し、大学および学部の運営に貢献する (計画)主に、就職委員会の一員として、委員会活動において分担された役割を担当し、この役割を通 じて委員長を支えていく。 ○学内委員等 就職委員会委員 ○自己評価 2015 年度から就職委員会の一員となった。学生の就職活動に関連する様々な取り組みを実行する支 援について、委員会の一員として作業にかかわることができたことは、視野を広げることにつながっ たととらえている。 Ⅳ 社会貢献 ○目標・計画 (目標)中小企業の現状にかかわる諸問題への協力 (計画)中小企業家同友会全国協議会及び愛知中小企業家同友会の諸調査・分析に参加・協力。 ○地域連携・社会貢献等 中小企業家同友会全国協議会が年 4 回おこなっている「景況調査」の調査表の設計・分析メンバー、 愛知中小企業家同友会主催の勉強会、景況調査分析会議等に参加 ○自己評価 中小企業家同友会全国協議会が発行している「同友会景況調査報告(DOR) 」 (年 4 回発行)にお ける 4 半期ごとの景況分析及びその時々の問題についての全国調査 ( 「特別調査」 ) への協力を通じて、 2 中小企業政策の元となる現状把握の面で寄与している。またこうした全国的な分析だけではなく、 「地 域ビジネス特講Ⅳ」で産学連携の視点でゲストスピーカー講義をお願いしている愛知中小企業家同友 会の景況分析会議他の勉強会にも参加して、産学連携の基盤づくりをすすめるとともに、愛知県内の 中小企業の実態の諸側面についての把握にも努めたい。 Ⅴ その他の特記事項(学外研究、受賞歴、国際学術交流等) 特になし Ⅵ 総括 本年度は、教育活動、大学運営、社会貢献において当初かかげていた目標・計画をかなり達成する ことができたと考えている。しかし研究活動への取り組みは、日本経済の先行きが不鮮明な状況に置 かれているので、その変容の意味をとらえるために、経済学・経営学における諸分野の歴史的検討を 進めるとともに、必要に応じて他分野の研究にも関連してくるので、かなり困難な過程が待ち受けて いるようである。とはいえ、ここを乗り越えないと中小企業のあるべき姿も見えてこないわけである から、引き続き努力したい。 3
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