電磁気学I 第13回授業 演習 (pp.851-858の問題より) 問題13. ある導線に2.4 Aの電流が流れている。x軸に沿って0.75 mの長さ B = (1.6k ) [T ] を持つ導線の直線部分が,一様な磁場 の中にある。電 流が+x方向に流れているとき,導線のこの部分に作用する磁気力はどれ ほどか? 問題14. 図29.25に示すように,2本の柔軟な導線 で吊るした導体が単位長さあたり0.04 kg/mの質量 を持っている。導線のある領域の磁場が紙面の表 から裏に向けて3.6 Tであるとき,支持導線の張力 をゼロにするためには,導体にどれほどの電流を 流さなければならないか? 電流を流すべき方向 はどちらか? 問題21. 図29.28に示すように,電流Iが流れている 半径rの水平なリングの下側に強い磁石が置いてあ る。リングのある位置で磁場Bが鉛直線と角度θを なすとき,リングに作用する合力の大きさと方向 を求めよ。 問題14. 図29.25に示すように,2本の柔軟な導線 で吊るした導体が単位長さあたり0.04 kg/mの質量 を持っている。導線のある領域の磁場が紙面の表 から裏に向けて3.6 Tであるとき,支持導線の張力 をゼロにするためには,導体にどれほどの電流を 流さなければならないか? 電流を流すべき方向 はどちらか? 単位長さあたりの質量をρ,導線の長さをl,重力加速度をgとすると, 導体に働く重力の大きさはρlg。 【解答】 問題13. ある導線に2.4 Aの電流が流れている。x軸に沿って0.75 mの長さ B = (1.6k ) [T ] を持つ導線の直線部分が,一様な磁場 の中にある。電 流が+x方向に流れているとき,導線のこの部分に作用する磁気力はどれ ほどか? 電流Iの向きで大きさが導線の長さのベクトルをlとすると,磁気力Fは F = Il × B = (2.4 [A])(0.75i [m]) × (1.6k [T]) = 2.4 × 0.75 ×1.6(i × k ) [ N] = 2.88(− j ) [ N] = −2.88 j [ N] 問題21. 図29.28に示すように,電流Iが流れて いる半径rの水平なリングの下側に強い磁石が 置いてある。リングのある位置で磁場Bが鉛直 線と角度θをなすとき,リングに作用する合力 の大きさと方向を求めよ。 まず,リング状の微小要素dsにはたらく力dFを 考える。 dsの向きはリングを上から見た時に右回りの向き。 → Bとdsは直交しているので,dFの大きさは これと同じ大きさの上向きの磁気力が働くようにすればよい。 IlB = ρlg ρlg ρg (0.04 [kg/m]) × (9.8 [m/s 2 ]) = = ∴ I = lB B (3.6 [T]) = 0.11 [A ] dF = I | ds × B | = IB ds ∴ 電流を流す向きは図の左から右の向き。 dFの向きは,dsからリング中心に向かう 向きから角度θだけ上に向いた方向。 → dFをリング面内方向成分とリングに 垂直な方向成分とに分けて考える。 リング一周についての積分を行うと,対称 性よりリング面内方向成分の合力はゼロ。 → リングに垂直な方向成分(向きは上向き) を積分すればよい。この成分はリング上のど こでも同じ大きさで,以下のとおり。 dF sinθ = IB sinθ ds dF sinθ = IB sinθ ds ds = r dφ F = ∫ IB sinθ ds = ∫ リング全体に働く合力の大きさFは = rIB sinθ ∫0 2π 0 dφ = rIB sinθ (2π ) = 2πrIB sinθ リング上の積分について,積分の始点からの 角度をφとすると,ds = r dφ。 向きは上向き。 2π IB sinθ r dφ
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