J-REITの投資環境 - みずほ投信投資顧問株式会社

情報提供資料
J-REITの投資環境
2016年9月12日作成
足元の投資環境と今後の見通し
足元の投資環境(6月以降)
J-REIT市場(東証REIT指数)は、6月の英国の欧州連合
(EU)離脱決定を受け、世界的にリスク回避の動きが広
がったことなどから大きく下落しましたが、その後は、金
融市場が落ち着きを取り戻すにつれ、値を戻しました。
7月に入ると、欧州経済の先行き不透明感などからやや軟
調に推移する場面もみられましたが、J-REITの相対的に
高い配当利回りなどが見直され、1,850ポイントをはさん
での底堅い値動きとなりました。
東証REIT指数と10年国債利回り
および利回り格差の推移
2015年12月30日~2016年9月2日
(ポイント)
(%)
東証REIT指数:左軸
2,000
0.4
1,950
0.3
1,900
0.2
1,850
0.1
1,800
0.0
1,750
▲0.1
1,700
しかし、7月末の日銀金融政策決定会合において、次回9
月の会合時に、金融緩和政策に関して総括的な検証を行う
ことが示され、金融政策の先行き不透明感が強まり、10
年国債利回り(長期金利)が急上昇したことなどから、JREIT市場は下落基調で推移しました。8月以降も長期金利
の動向などをにらみながら、上値の重い展開となっていま
す。
▲0.2
1,650
▲0.3
10年国債利回り:右軸
1,600
15/12
(%)
16/2
16/4
16/6
16/4
16/6
▲0.4
16/8
(年/月)
4.0
3.8
利回り格差
3.6
今後の見通し
3.4
長期金利の上昇は、J-REITにとって利回り格差の縮小に
つながり、短期的にはマイナスと捉えられる可能性があり
ます。9月の日銀会合が注目されますが、黒田総裁が追加
緩和について“必要なら躊躇すべきではない”としている
ことに加え、マイナス金利幅の拡大についても“まだ十分
可能”と示していることから、日銀による緩和的な金融政
策は今後も継続されるとみられます。
そのような環境下において、利回り商品としてのJ-REIT
投資の魅力は引続き高い状態が続くと考えられます。10
年国債とJ-REITの利回り格差は、1月末時点の3.3%程度
から8月末時点では3.6%程度まで拡大しています。
また、不動産市況をみると、8月のオフィスビル空室率は
3.90%と8年ぶりの低水準となっているほか、賃料は
32ヵ月連続で上昇するなど、改善が継続しています。加
えて、訪日外国人旅行者数が7月単月で229.7万人と過去
最高を記録し、11月中には年間2,000万人を突破すると
見込まれるなどの好材料もあります。良好な投資環境を背
景に、足元では分配金見通しを引き上げるJ-REITが多く
みられるなど、J-REIT各社の業績はおおむね堅調といえ
ます。
目先は、世界的な金融政策への思惑から、J-REIT市場は
値動きの荒い展開となる可能性がありますが、日銀のマイ
ナス金利政策の下、上記要因などから、中期的に上昇基調
で推移する展開を想定します。
3.2
3.0
15/12
16/2
16/8
(年/月)
J-REITの1口当たり実績配当金額の推移
(ポイント)
2006年8月~2016年8月
90
80
70
60
50
40
06/8
08/8
10/8
12/8
14/8
16/8
(年/月)
※過去1年間に権利落ちとなった配当金額をポイント(実績配当金
額=東証REIT指数×実績配当利回り÷100)で示したもの。
新規上場や合併などが行われた際に、データ算出上の影響によ
り値が低下することがあります。
出所:ブルームバーグ等が提供するデータを基にみずほ投信投資
顧問が作成。
※上記グラフは、将来における東証REIT指数、10年国債利回り、
利回り格差およびJ-REITの1口当たり実績配当金額の推移を示
唆、保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
1/6
J-REITの投資環境
2016年9月
J-REIT市場について
東証REIT指数(配当込み):左軸
予想配当利回り:右軸
東証REIT指数:左軸
2016年8月末
2016年7月末
月次騰落率
東証R EIT 指数
1,823.54
1,869.32
▲2.45%
東証R EIT 指数(配当込み)
3,325.60
3,394.01
▲2.02%
3.54%
3.42%
J -R EIT 予想配当利回り
-
先月の市場環境
8月の『国内リート市場(東証REIT指数(配当込み))』は下落しました。
長期金利の上昇に加え、活発な資金調達の実施などが重しとなり、やや軟調な展開となりました。
*グラフの期間は、2016年7月29日~2016年8月31日
今後の見通し
目先、世界的な金融政策への思惑から、値動きの荒い展開となる可能性があります。
ただし、日銀のマイナス金利政策のもと、相対的な配当利回りの高さから資金流入が期待されること、不動産
市況は改善が継続しており、保有物件の賃料上昇に伴う配当金増加が想定されることなどから、中期的に上昇
基調で推移する展開を予想します。
出所:ブルームバーグ等が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における東証REIT指数およびJ-REITの予想配当利回りの推移を示唆、保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
2/6
J-REITの投資環境
2016年9月
J-REIT市場について
J-REITの時価総額推移
(兆円)
14
J-REITの市場規模
(2001年9月10日~2016年8月31日)
時価総額
11兆6,449億円
銘柄数
55銘柄
(2016年8月31日現在)
12
不動産タイプ別構成比率
10
8
6
4
2
0
01/9 03/3 04/9 06/3 07/9 09/3 10/9 12/3 13/9 15/3
(年/月)
J-REITと10年国債の利回り推移
(%)
12
(2001年9月10日~2016年8月31日)
利回り格差
J-REIT
10年国債
10
8
6
3.6%
4
3.5%
2
0
▲0.1%
▲2
01/9
03/9
05/9
07/9
09/9
主な国内資産の利回り比較
(%)
5
(2016年8月末現在)
※J-REITおよび株式は配当利回り
4
3.5%
2.2%
13/9
15/9
(%)
6
5
(2016年8月末現在)
REIT配当利回り
利回り格差
3.5% 3.6%
10年国債利回り
4.0% 2.4%
2.8%
4.4%
2.6%
3.4%
3
2
1
0.6%
1
0
0
▲0.1%
1.8%
1.6%
2
▲1
(年/月)
主要国REITと10年国債の利回り比較
4
3
11/9
▲0.1%
▲1
J-REIT
株式
(東証一部)
10年国債
日本
米国
英国
豪州
出所:ブルームバーグ、一般社団法人投資信託協会、S&P、各投資法人が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※主要国REITの利回りで用いた指数は次のとおり。日本:東証REIT指数、米国:FTSE NAREIT All Equity REITs指数、英国:FTSE EPRA
/NAREIT UK指数、豪州:S&P/ASX200REIT指数。利回りは、指数構成銘柄の変更などにより、大きく変動することがあります。
※利回り格差は、小数第2位を四捨五入しているため、REIT配当利回りから10年国債利回りを控除した値と一致しない場合があります。
※上記グラフは、将来におけるJ-REIT市場等の動向を示唆、保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
3/6
J-REITの投資環境
2016年9月
J-REIT市場について
J-REIT 時価総額上位10銘柄
(2016年8月31日現在)
順位
銘柄名
主なスポンサー
主な
運用対象
騰落率
予想
配当利回り
時価総額
1ヵ月
3ヵ月
6ヵ月
1年
1
日本ビルファンド投資法人
三井不動産、住友生命保険
オフィス
0.5% ▲2.7% ▲4.1%
27.5%
8,938億円
2.73%
2
ジャパンリアルエステイト投資法人
三菱地所、三井物産
オフィス
▲1.8% ▲6.3% ▲9.6%
22.4%
7,961億円
2.71%
3
野村不動産マスターファンド投資法人
野村不動産ホールディングス
10.9%
-
7,141億円
3.40%
4
日本リテールファンド投資法人
三菱商事、ユービーエス
▲6.2% ▲8.3% ▲8.1%
7.4%
5,929億円
3.66%
5
ユナイテッド・アーバン投資法人
丸紅、極東証券
総合
▲3.7%
5.3%
5.7%
19.5%
5,442億円
3.26%
6
日本プロロジスリート投資法人
プロロジス
物流
▲2.5%
3.3%
5.5%
16.7%
4,574億円
3.35%
7
大和ハウスリート投資法人
大和ハウス工業
総合
3.0%
9.0%
26.1%
33.5%
4,433億円
3.19%
8
オリックス不動産投資法人
オリックス
総合
▲2.5%
4.8%
7.2%
22.2%
4,380億円
3.29%
9
日本プライムリアルティ投資法人
東京建物、大成建設、安田不
動産等
複合
1.6% ▲2.1%
0.2%
19.9%
3,994億円
3.06%
10
アドバンス・レジデンス投資法人
伊藤忠グループ
住宅
3.2%
13.2%
3,588億円
3.52%
総合
商業施設
2.3% ▲0.8%
▲3.0%
0.0%
出所:ファクトセットが提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記投資法人名は、J-REITの時価総額上位10銘柄として挙げたものであり、上記投資法人の発行する投資証券および投資法人債への
投資を推奨するものではありません。
日銀によるJ-REITの買入状況
(億円)
210
月間買入額(左軸)
180
(2010年12月~2016年9月※) (億円)
3,500
買入累計額(右軸)
3,000
150
2,500
120
2,000
90
1,500
60
1,000
30
500
0
10/12
(2016年9月1日現在)
年間
買入予定額
900億円
2016年
買入実施額
624億円
買入累計額
3,327億円
0
11/12
※2016年9月は1日現在。
12/12
13/12
14/12
15/12
(年/月)
出所:日銀が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記は、将来における日銀によるJ-REITの買入状況を保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
4/6
J-REITの投資環境
2016年9月
不動産市場について
都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)オフィスビルの賃料・空室率の推移
(円/坪)
24,000
(2001年9月~2016年8月) (%)
11
賃料:左軸
23,000
空室率:右軸
10
22,000
9
21,000
8
20,000
7
19,000
6
18,000
5
17,000
4
16,000
3
15,000
2
14,000
01/9
03/9
05/9
07/9
09/9
11/9
13/9
18,322円
3.90%
1
15/9
(年/月)
J-REITと都心5区オフィスビルの空室率の推移
(%)
(2001年9月~2016年8月※)
10
9
都心5区オフィス
8
J-REIT(オフィス)
7
J-REIT
6
5
3.90%
4
3
1.90%
2
1
※J-REITおよびJ-REIT(オフィス)の空室率は、2016年6月までのデータを表示。
0
01/9
03/9
05/9
07/9
09/9
11/9
13/9
1.40%
15/9
(年/月)
東証REIT指数と都心5区オフィスビルの賃料の推移
(円/坪)
25,000
(2001年9月※~2016年8月) (ポイント)
3,000
賃料:左軸
23,000
2,500
東証REIT指数:右軸
21,000
2,000
19,000
1,500
17,000
1,000
15,000
13,000
01/9
05/9
07/9
09/9
11/9
13/9
18,322円
500
※東証REIT指数は、基準日である2003年3月31日のデータより表示。
03/9
1,823.54
ポイント
0
15/9
(年/月)
出所:ブルームバーグ、三鬼商事、一般社団法人投資信託協会が提供するデータを基にみずほ投信投資顧問が作成。
※上記グラフは、将来における不動産市場の動向を示唆、保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
5/6
【投資信託のお申込みに際しての一般的な留意事項】
●投資信託に係るリスクについて
●投資信託に係る費用について
投資信託は、主として国内外の株式、公社債および不動
産投資信託証券(リート)などの値動きのある証券等(外
貨 建 資 産 に 投 資 す る 場 合 には 為 替 変 動 リス ク も あ り ま
す。)に投資しますので、ファンドの基準価額は変動しま
す。したがって、投資者の皆さまの投資元金は保証されて
いるものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、
投資元金を大きく割り込むことがあります。ファンドの運
用による損益はすべて投資者の皆さまに帰属します。また、
投資信託は預貯金と異なります。
投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類
や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、
リスクの内容や性質が異なりますので、お申込みの際は
投資信託説明書(交付目論見書)を必ずお読みください。
●投資信託は、預金商品、保険商品ではなく、預金保険、
保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。登録
金融機関が取り扱う投資信託は、投資者保護基金の対象
ではありません。投資信託の設定・運用は、投資信託委
みずほ投信投資顧問株式会社が運用する投資信託につい
ては、ご投資いただくお客さまに以下の費用をご負担いた
だきます。
■直接ご負担いただく費用
購入時手数料:上限3.78%(税抜3.50%)
換金時手数料:換金の価額の水準等により変動する場合
があるため、あらかじめ上限の料率等を
示すことができません。
信託財産留保額:上限0.5%
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
運用管理費用(信託報酬) ※ :上限 年2.16%(税抜
2.00%)
※上記は基本的な料率の状況を示したものであり、成功報
酬制を採用するファンドについては、成功報酬額の加算
によってご負担いただく費用が上記の上限を超過する場
合があります。成功報酬額は基準価額の水準等により変
動するため、あらかじめ上限の額等を示すことができま
せん。
託会社が行います。
■その他の費用
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があ
ります。投資信託説明書(交付目論見書)等でご確認くだ
さい。
≪ご注意≫
上記に記載しているリスクや費用の項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきまし
ては、みずほ投信投資顧問株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高
の料率を記載しております。
投資信託をお申込みの際は、販売会社から投資信託説明書(交付目論見書)をあらかじめ、または同時にお渡しいたしま
すので、必ずお受け取りになり、投資信託説明書(交付目論見書)の内容をよくお読みいただきご確認のうえ、お客さまご
自身が投資に関してご判断ください。
商 号 等/ みずほ投信投資顧問株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第398号
加 入 協 会/ 一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
みずほ投信投資顧問株式会社は、2016年10月1日に新光投信株式会社、DIAMアセットマネジメント株式会社、みずほ信託銀行株式会
社(資産運用部門)と統合し、商号をアセットマネジメントOne株式会社(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号、加入協会
(一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会))に変更する予定です(関係当局の認可等を前提とします)。
本資料で使用している指数について
●東証REIT指数は、株式会社東京証券取引所(㈱東京証券取引所)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など同指数に関
するすべての権利・ノウハウは、㈱東京証券取引所が有しています。
●FTSE®は、London Stock Exchange Groupの会社が所有する商標であり、ライセンス契約に基づき、FTSE International
Limitedが使用します。NAREIT®はNAREITが所有する商標です。
●「Standard & Poor’s®」「S&P®」「スタンダード&プアーズ」は、スタンダード&プアーズ ファイナンシャル サービシーズ エル
エル シーが所有する登録商標です。
本資料のご利用にあたっての注意事項等
本資料は、みずほ投信投資顧問(以下、当社といいます。)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目
的に作成されたものではありません。本資料は法令に基づく開示書類ではありません。本資料の作成にあたり、当社は情報の正確性等につ
いて細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。本資料に記載した当社の見通し、予測、予想、
意見等(以下、見通し等)は、本資料の作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、本資料に記載した当
社の見通し等は、将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。
※最終ページの「本資料のご利用にあたっての注意事項等」を必ずご覧ください。
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