予想をやや下回る8月米雇用統計

ご参考資料
2016年9月5日
予想をやや下回る8月米雇用統計
ポイント① 雇用者数は減速
9月2日に発表された8月分米国雇用統計によれば、非
農業部門の雇用者数は前月比15.1万人増と事前の市
場予想(18万人増)を下回り、6月の27.1万人増、7
月の27.5万人増から減速しました。失業率は4.9%と前
月から横ばいでした。また、民間部門全雇用者の時間当た
り賃金は前月比0.1%の上昇に留まり、前年同月比でも
2.4%の上昇と7月の2.7%を下回りました。
ポイント② 年内利上げの観測
全般的に前月や事前の市場予想を下回る内容であった
ことなどから、 FRB(米連邦準備制度理事会)が次回9
月20、21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で昨
年12月以来の利上げに踏み切るためには決め手に欠くよう
です。
しかし、失業率は米国で概ね完全雇用と考えられる5%
を4ヵ月連続で下回り、労働需給が引き締まった状態が続
いていると言えます。失業率や賃金上昇率の水準から見て、
現在の政策金利の水準は低すぎる感も否めません。
市 場 で は 9 月 や 大統 領 選 挙直 前 の 11 月 1 、 2 日 の
FOMCでの利上げ公算はそれほど高くないとの見方が多い
ようですが、12月13、14日の今年最後のFOMCでの利上
げを予想する声はかなりあるようです。
ポイント③ 統計発表後、米ドル高・円安
9月2日の米国為替市場では米ドル高・円安方向に動き、
一時7月末以来の1米ドル=104円台をつけ、利上げ観測
の高まりを反映しているようでもあります。しかし、雇用統計
の発表直後には一時的に米ドル安に振れた局面もあり、そ
の内容の評価よりも、統計発表が為替市場でのポジション
調整のきっかけになった面が強いように見受けられます。
今後の為替市場の動向を占う上では、9月20、21日の
FOMCに向けて、米国の各経済指標が利上げを促すよう
な堅調な動きを示すのか、FOMC での利上げの有無、
FOMC後の声明などでの金融政策の方向性への言及など
が注目されます。
重要
イベント
9月15日
9月16日
9月21日
米国小売売上高(8月)
米国消費者物価指数(8月)
米国金融政策発表
図1:米非農業部門雇用者数と失業率
期間:2005年1月~2016年8月、月次
(1,000人)
800
米非農業部門雇用者数前月比増分(左軸)
(%)
12
米失業率(右軸)
600
11
400
10
200
9
0
8
-200
7
-400
6
-600
5
-800
4
-1,000
2005
2007
2009
2011
2013
2015
3
(年)
(出所)米労働省データより野村アセットマネジメント作成
図2:米失業率、賃金上昇率と政策金利
期間:1998年1月~2016年8月、月次
(%)
8
(%)
2
政策金利(FF金利目標値上限、左軸)
時間当たり賃金(左軸、前年同月比)
7
3
失業率(右軸、逆目盛)
6
4
5
5
4
6
3
7
2
8
1
9
0
10
-1
1998
2001
2004
2007
2010
2013
(出所)米労働省、FRBデータより野村アセットマネジメント作成
11
2016 (年)
図3:米ドル実質実効為替レートと円/米ドル為替レート
期間:2012年1月1日~2016年9月2日、日次
(円/米ドル)
(2010年=100)
円/米ドル(左軸)
130
125
米ドル実質実効為替レート(右軸)
120
120
110
115
100
110
90
105
80
100
70
95
60
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
90
(出所)JPモルガン、Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
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