楽読 (ラクヨミ) 2016年9月21日 Vol. 1,142 日銀の「総括的な検証」と新しい枠組み 日銀の 総括的な検証」と新しい枠組み ~長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入~ 9月21日、日本銀行(以下、日銀)は金融政策決定会合で、これまでの金融政策の総括的な検証を行なった 上で、金融緩和強化のための新しい枠組みの導入を決定しました。 「総括的な検証」 については、9月初旬に行なわれた講演で、日銀の正副総裁が揃って金融緩和の縮小と言 う方向の議論ではない、と述べていたこともあり、金融政策決定会合の公表文も、それに即した内容となりまし た。主な内容は、1)2%の物価安定目標の実現を阻害したのは、原油価格の下落や2014年の消費税率引き上 げ後の需要の弱さ、国際金融市場の不安定さからであった、2)マイナス金利の導入と国債買い入れにより長短 金利は大きく低下し、金融機関の貸出態度は積極的であった反面、金融機関の利ザヤ縮小といった影響が見 られた、となっています。 これらの検証結果を踏まえ マイナス金利付き量的・質的金融緩和を強化する形で これらの検証結果を踏まえ、マイナス金利付き量的 質的金融緩和を強化する形で、「長短金利操作付き量 「長短金利操作付き量 的・質的金融緩和」の導入が決定されました。主な内容は、①日銀当座預金の一部に▲0.1%のマイナス金利 を適用し、10年物国債金利はゼロ%程度で推移するよう、長短金利の操作を行なう(イールドカーブ・コントロー ル)、②物価上昇率が2%の目標を安定的に超えるまで、マネタリーベースの拡大を継続する(オーバーシュー ト型コミットメント)となっています。今回の新しい枠組みを推進することで、日銀は2%の物価安定目標をできる だけ早期に実現し、政府の財政運営、成長力強化の取り組みとの相乗効果により、日本経済をデフレからの脱 却と持続的な成長に導くことが可能と考えている、としています。 発表直後 日本 金融市場は新し 枠組み 導入を好感し 株高 円安 米ド 高となり 10年国債利回り 発表直後の日本の金融市場は新しい枠組みの導入を好感し、株高、円安・米ドル高となり、10年国債利回り は一時ゼロ%を上回りました。 なお、米国でも同日に金融政策が発表されます。直近のFRB(米連邦準備制度理事会)高官の発言などから、 今回は政策の現状維持を見込む向きが多いものの、年内の利上げが予想されていることから、その発表内容 が注目されます。 物価と日銀当座預金金利、貸出態度の推移 日・米の国債利回りと円(対米ドル)の推移 (2012年1月初~2016年9月20日) (2012年1月初 2016年9月20日) (%) 3.0 10年米国国債(左軸) 円( 対米ドル)(右軸) 120 1.5 2.0 100 1.5 80 金利差(米国‐日本)(左軸) 40 0.0 20 10年日本国債(左軸) 12/1 13/1 14/1 15/1 0 16/1 30 25 1.0 20 0.5 15 0.0 10 60 0.5 -0.5 (%ポイント) 企業からみた金融機関の貸出態度・ 全産業DI(「緩い」-「厳しい」)(右軸) 140 2.0 2.5 10 1.0 (2012年1月~2016年8月*) (2012年1月 2016年8月 ) (%) (円) 日銀当座預金金利(左軸) -0.5 -1.0 (年/月) 消費者物価指数(除く生鮮食品)(左軸) 0 (消費税率引き上げの影響を除く) 12/1 (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) 13/1 14/1 15/1 5 16/1 (年/月) * 物価は16年7月まで 全産業DIは四半期ベース、16年4-6月まで ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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