インドネシア:石炭価格回復 現時点では石炭生産量への

インドネシア:石炭価格回復 現時点では石炭生産量への影響なし
2016 年 8 月 18 日掲載
8 月 8 日付けの地元報道によると、インドネシア石炭鉱業協会(ICMA)は、一般炭の石炭会社は、2016
年は、物流と債務の制約から、ここ数カ月の強い石炭価格回復にもかかわらず、その生産量は増加できな
いだろうとした。
最大消費国である中国(国内生産能力の抑制)、他の新興アジア市場、特に先進国韓国の予測しなかった
輸入増にて、世界の一般炭価格は急激に上昇している。アジアの一般炭価格は、5 月中旬以降、約 30%上
昇し、65 USD/トンとなった。
しかし、ICMA 会長は、インドネシアの石炭会社は、最近の石炭価格下落にて、その生産量を大幅に削
減しており、その生産量を直ちに増やすことは期待できないとした。ICMA 会長によると、2016 年度石炭
輸出量は 300 百万トンに留まり、また、2017 年度も同様のレベルとのこと。しかし、2017 年度、もし石炭
価格が持続的に上昇するならば、生産者は生産量を増やす。一方、インドネシアの小規模な石炭会社の多
くは、資金繰りが困難な状況にあり、債務返済義務を負い、生産量を削減した会社は、銀行の貸付を得る
ことが困難である。生産計画の変更を検討する前に、今後 6~12 カ月間の石炭価格が持続的であるかどう
か見極める必要がある。
Bukit Asam(PTBA)社の CEO は、物流には制約があり、石炭価格上昇だけでは増産とはならないとした。
(石炭開発部 辻
誠)
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