インド石炭 インドネシア石炭輸出に影響

インド:インド石炭 インドネシア石炭輸出に影響
2016 年 7 月 28 日掲載
7 月 15 日付けの地元報道によると、最大の石炭輸入国である中国・インドは、大部分は豪州・インドネ
シアと安定した石炭貿易を行ってきた。中国・インドの鉄鋼業・電力業は、豪州・インドネシアから石炭
を安定的に供給され、その量は世界全体貿易量の 2/3 を占めている。
最近、インドの大量輸入国の立場が弱まり、大手供給国インドネシアに影響を与えている。インドは、
エネルギーの自給増を目指し、国内石炭生産の倍増、再生可能エネルギーの増加、エネルギー分配網の改
善を図っている。国内石炭生産の大幅増は、インドは輸入に頼らないことを意味する。インドは数箇所の
沿岸部を除いて、2017 年までに一般炭輸入を中止する。
インドネシア石炭鉱業協会(ICMA)の会長は、インドの変化は、インドネシア石炭鉱業にとって脅威であ
り、将来、インドはアジアへの輸出国となり、インドネシアはインドと競争しなければならないとした。
インドネシアが輸出する一般炭は、他の石炭より品位が低いため、現在の石炭市況では、インドの輸入者
が、より高発熱量炭をより安価に入手できる点が問題だとした。
インドネシアからインドへの輸出は、2016 年 1 月~2 月は前年度同期比で 23%減であった。インドネ
シア国内では、Sumatra での森林火災による石炭生産の中止、石炭の不法採掘の取り締まり、Kalimantan
での海賊事件による石炭海運の中止等が発生している。
豪州は、世界第二位の石炭輸出国だが、インドの石炭自給の流れを心配しているが、インドの国内石炭
生産量の成長率は低めに想定している。
(石炭開発部 辻
誠)
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