フーリエ解析(2015年度) レポート問題 1月7日(木)午後4時迄に、工学部本館4 F 応数事務室(D2-401) を左に(廊 下を北から南にへ行った場合)曲がった突き当たりにあるメールボックスに入れ たらいいように(分かり易く)してもらっているので提出のこと。 個人的には、定期テスト(1月25日)時間中に見回りに行く時まで受け取る が、当方の都合上出来るだけ上記期間中に提出して欲しい。 学科名は必ず書くこと。 書いていなければせこいようであるが減点する。成 績の名簿転記に手間取るため。 問題1. フーリエの定理は f (x) は (−∞, ∞) で定義された周期 2π の関数とし、[−π, π] でディリクレの条件(区分的になめらか)をみたすとすると 1 {f (x 2 + 0) + f (x − 0)} = a0 2 + ∑∞ k=1 (ak cos kx + bk sin kx). a0 , ak , bk は f (x) から決まるフーリエ係数、難しく言えば直交関数(関数空間に おける直交基底)への射影、同じことであるが成分(基底との内積)である。す ∫π ∫π ∫π なわち a0 = π1 −π f (x)dx, ak = π1 −π f (x) cos kxdx, bk = π1 −π f (x) sin kxdx. 任意の x を固定して x0 とする。(積分変数の x と区別したいがためである) 任意の自然数 n に対し、 ∑ Sn = a20 + nk=1 (ak cos kx0 + bk sin kx0 ) とおく。すると ∫π ∑ Sn = π1 −π f (x){ 12 + nk=1 (cos kx cos kx0 + sin kx sin kx0 )}dx ∫π ∑ = π1 −π f (x){ 12 + nk=1 (cos k(x − x0 )}dx. (1) 21 + cos θ + cos 2θ + · · · + cos nθ = を使うと(θ = x − x0 とおく) Sn = 1 π sin(n+ 21 )θ 2 sin θ2 ∫π −π という有名な式変形が導かれる。ちなみに f (x) sin{(n+ 12 )(x−x0 )} 2 sin x−x0 2 sin{(n+ 21 )(x−x0 )} x−x 2 sin 2 0 dx はディリクレ核と言わ れることからこの式変形はディリクレによってなされたと思われる。 (1)が眼目 であるが、あるいはこの式自体は当時は知られていたかもしれない。 ただ(1) の恒等式を初めから知なくても、 (1)を導くことはディリクレくらいの人には容 易であろうと思う。知っていればその証明は工学部2回生で十分可能である。 (1)を示せ。 ここで F (x) = x−x0 ) 2 x−x0 2 f (x)( sin とおくと F (x0 + 0) = f (x0 + 0), F (x0 − 0) = f (x0 − 0) は当然であるが、 (2)F+′ (x0 ) = f+′ (x0 ) を示せ。ここに f+′ (x0 ) は f の x0 における右方微係数であ (x0 ) る。その定義は周知のことと思うが f が x0 で連続であれば limh→0,h>0 f (x0 +h)−f h である。今は x0 での連続性が分からない(ただし (x0 , x0 + h] では連続としてよ い)ので定義式の f (x0 ) は f (x0 + 0) に変えないといけない。 このことはフーリエの定理を導く (limn→∞ Sn = 12 {f (x0 + 0) + f (x0 − 0)}) ために 必要である。 問題2. x e f (x) = −x −e 0 (0 < x < l) (−l < x < 0) (x = 0) のフーリエ級数を求めよ。f (x) は奇関数であることに注意。 問題2−1. (出来る人だけでよい。おまけ点が加算される) 問題2の f (x) の l = 3 としたグラフと(忘れないように)、そのフーリエ級数の有限和の10項ま での和と50項までの和のグラフをコンピュータで描け。 問題3. x 軸の区間 [0, l] に熱の導体(針金ということにする)があり、両 端は断熱(そこから熱の流入も流出もない)されているとする。話しを簡単にす るため、両端の温度は常に0℃とする。更に最初に適当な位置に焼きごてを当て て、直後に(その時刻を t = 0 とする)針金全体になめらかな温度分布が与えら れているとする。この初期温度を f (x) とする。その後の時刻 t 、位置 x におけ る針金の温度を u(x, t) としたとき、u のみたす方程式は(空中に熱の放散もない 理想的な状態を考える。また線状比熱 ρ も一定とする) 2 (1) ∂u − a ∂∂xu2 = 0, a は正定数 ∂t であることを示せ。 (2)初期条件:u(x, 0) = f (x) (3)境界条件:u(0, t) = u(l, t) = 0 (0 ≤ t < ∞) を u がみたすことは当然であろう。 次ぎに(1)、(2)、(3)をみたす u(x, t) を求めよ。
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