中医方剤解説 424 中医方剤薬効分類 方剤名 効能 書籍 主治および証 病機 生薬組成 方意 消導化積剤 消食導滯剤 1 消食和胃 ほ わ がん 保和 丸 丹溪心法 ほ わ がん 保和 丸 医級 だいあんがん 大安丸 医方集解 山査子 180g・神麹 60g・半夏・茯苓各 90g・陳皮・連翹・萊菔子各 30g 粉末を水で丸にし、1 日 6~9g湯で服用する。約 1/10 量を水煎し服用してもよ い。 <主治> 食積 腹満、痞え、ときに腹痛、腐臭のある曖気、呑酸、悪心、嘔吐、食べたくない、下痢、舌苔が厚膩、脈が滑な どを呈す。 <病機> 飲食過度、暴飮暴食などにより食積が内停し、胃失和降を引き起こした状態である。 食積内停が化熱して胃気上逆、気機阻滞を引き起こすので、腹満、痞え、ときに腹痛、腐臭のある曖気、呑 酸、悪心、嘔吐を呈する。食不消のために食べたくなくて飲食を嫌う。脾運を阻害したときには下痢もみられ るが、食積が少しでも解消するので、下痢すると気持ちがよい。舌苔が厚膩、脈が滑は、裏の積滞を示す。 <方意> 本方(保和丸<丹溪心法>)は食積に対する代表方剤であり、消食化滞、理気和胃、清熱の効能をもつ。 主薬は消食導滞の山査子で、全ての飲食積滞に有効であり、特に肉食油膩の積に適している。消食健脾の神 麹は酒食陳腐の積に、下気消食の萊菔子は殻麺の積に有効であり、主薬を補佐して消食導滞を強める。行気化 滞、和胃止嘔の陳皮・半夏、および健脾利湿、止瀉の茯苓は、脾胃を調和させて運化を促進する。清熱散結の 連翹は、積滞化熱を消除する。全体で食積を消導し、健脾和胃することができる。 <参考> 加減法 積停が強いときは、枳実・檳榔子などを加える。 舌苔が黄で脈が数のときは、黄連を加える。 便秘には、大黄を加える。 消食和胃 <丹溪心法>の保和丸 +麦芽 60g 丸にして 1 回 6~9gを服用する。 主治は食積。 本方(保和丸<医級>)は、保和丸<丹溪心法>に消食の麦芽を加えて効能を強めている。 消食和胃・健脾 <丹溪心法>の保和丸 +白朮 60g 丸にして 1 回 1~9gを服用する。 主治は、食滞がつづき食欲不振、下痢など脾虚の症候を伴うもの、および小児の食積。 本方(大安丸)は、保和丸<丹溪心法>に、健脾の白朮を加えて運化を強めている。
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