電磁気全般の話 1 電磁気の構成 2 電磁気が関係した現象、応用 医学 生体内:膜、神経 測定方法:NMR、心電図、血糖値測定、など。 自然現象 雷 地球の磁場、宇宙の磁場 日常生活 身の回りの電磁波 スマートフォン、携帯電話 送電線 ガンの原因の1つとも言われている。 電気製品:テレビ、洗濯機、など。 興味のある人はレポート課題で調べてみて下さい。 3 ある年のレポートのテーマ分布 医療関係18 MRI(磁気共鳴画像法)and/or NMR(核磁気共鳴)11 PET(ポジトロン断層撮影)2、ベータトロン1 X線CT、心電図、光ピンセット、電磁波の生体への影響(ガン) 製品7 電磁誘導3 自転車のライト、綿菓子作り、 IH (電磁誘導加熱)調理 電磁波4 電子レンジと携帯電話、 GPS測量(カーナビ)、ラジオ放送、TVのアンテナの形 電磁波5。 電磁波、電波、赤外線、電波の測定、ピラミッドの謎 自然 7 オーロラ4、雷2、プラズマ1 エネルギー3 燃料電池、電気エネルギーの損失、エアコン コンピュータ関係2 記録の物理、メモリ。 他 2 大学と高校の電磁気の比較。原子と原子核の大きさの実験、 4 ここからベクトルの話 5 2つの表記方法 1)場の考え方: オイラー(Euler)の考え方 z A(r, t ) y 2)粒子についていく考え方。 ラグランジュ(Lagrange) 電磁気だと、 x A(r Δr, t t ) A(r, t ) ・電場 E(r,t)を考えるのは、場の考え方。 ・荷電粒子を追いかけて行くのは、ラクランジュの考え方。 6 「場(ば)」の考え方 場:field 電磁気や流体力学では、「場」の考え方を使う。 座標と時間を指定すると、 ある場の量が決まる。(スカラー、ベクトル) 電場、磁場、電荷、粒子密度など。 z (r, t ) 空間の各点で定義される。 A(r, t ) y x 2次元スカラー場の例は以前図示した。 ( x, y) xy 問題1 問題2 2次元ベクトル場 A( x, y) x, y を図示せよ。 A( x, y) y, x を図示して前問の結果と比較せよ。 ヒント:座標上のいろいろな点において、矢印を書く。 7 ベクトルの矢印 追加ページ y (1,3)のベクトルを図示せよ。 (数学のベクトルとして) 数学の場合は特に指示がなければ、 原点を始点にして、 x方向1, y方向に3進んだ点を 終点とする矢印を書く。 -1 3 2 1 1 0 -1 2 x 8 ベクトル場の書き方の説明 A( x, y) y, x ベクトル(矢印) 場所 (矢印の始点) 例: A(1,2) 2,1 追加ページ y 2 1 0 1 2 x (1,2)を始点とする、 ベクトル(-2,1)の矢印を描く。 x方向へ-2, y方向へ+1 行った場所がベクトルの終点になる 9 補足:ベクトル 数学のベクトル:自由に平行移動してよい。 y ベクトルの成分表示 A 3,2 2 1 0 1 2 x 物理のベクトル:平行移動できない。 y 作用点(始点)が大事。 例:点(1,1)において、 ベクトル(3,2)を書け。 2 1 0 1 2 x 10 偏微分(へんびぶん) 前期の復習 教科書p.376 partial differentiation 2変数以上の関数で、1つの変数について微分する x :xについて微分する。(yを一定とみる) 11 前期の復習 偏微分の記号 f x 読み方はいろいろある。 ・ラウンドディー ・パーシャルディー ・ディー 英語では、 ・rounded d ・partial d ・d 英語なら、rounded d over rounded x 日本語なら、ラウンドx 分の ラウンドf または ディーf, ディーx (これだと普通の微分と同じ読み方になるので、 ラウンドの方がよい。) 12 前期の復習 偏微分の例 p( x, y) x y sin x cos y x 3 xについての偏微分 2 (yは定数だと思って微分する。) p( x, y) 2 2 3x y cos x cos y 1 x yについての偏微分 (xは定数だと思って微分する。) p( x, y ) 3 x 2 y sin x ( sin y ) y 2 x y sin x sin y 3 13 場の微分 grad , x ベクトル , y z A Ax , Ay , Az ラウンド gradient: 勾配 グラジエント に対して、 Ax Ay Az divergence:湧き出し、 divA 吸い込み x y z ダイバージェンス Ay Ax Az Ay Ax Az rot A , , z z x x y y rotation:回転 ローテーション 14 場の微分 , x 問題1 grad , , y ∇:ナブラ を使えば、 z div A A, rot A A と書けることを示せ。 内積 外積 補助問題:2つのベクトルPとQに対して、内積と外積の 角度を使った定義および成分表示を書け。 問題2 ベクトル場 divA rot A A( x, y) x, y に対して、 を計算せよ。 A( x, y) y, x についても同様に求めよ。 ヒント 2次元ベクトルはz成分が0の3次元ベクトルと と考えてrotを計算する。 15 教科書 p.378-379 ここから面積積分の話 16 場の微分 grad , x ベクトル , y z A Ax , Ay , Az ラウンド 復習 gradient: 勾配 グラジエント に対して、 Ax Ay Az divergence:湧き出し、 divA 吸い込み x y z ダイバージェンス Ay Ax Az Ay Ax Az rot A , , z z x x y y rotation:回転 ローテンション 17 divとrotの意味 復習 y y 2 11 2 0 2 11 2 0 divA 2 rot A (0,0,0) x x divA 0 rot A (0,0,2) divは湧き出しや吸い込みを示す量。 rotは回転を示す量。回転軸の方向もわかる。 18 べき関数の微分 微分の定義は df f (x + h) - f (x) = lim dx h →0 h 前期の復習 (数2) 微分の定義を使って、関数の微分を求めた。 a) f ( x) = c(定数) -> f ( x) 0 b) f (x) = x -> f ( x) 1 c) f (x) = x 2 -> f ( x) 2 x d) f (x) = x -> f ( x) 3x 2 e) f (x) = x 3 n nは自然数 -> n 1 f ( x) nx 19 積分は微分の逆 数2の復習 dx x C 2 x xdx 2 C 3 x 2 x dx 3 C af ( x)dx a f ( x)dx f ( x) g ( x)dx f ( x)dx g ( x)dx n 1 x x dx n 1 C n C は積分定数 20 積分とは 積分はたし算: 微小量をたくさん加える。 ・高校の数学の積分は、 1次元(直線上)。F ( x) f ( x)dx ・大学では、いろいろな領域での積分 1) 線積分 2) 面積積分 3) 体積積分 積分する領域によって名前が付いている。 21 面積積分 y xy面上の小さい面積要素を考える。 dS dxdy ある面S上で関数f(x,y)を積分する ことができる。 f ( x, y)dS dx dyf ( x, y) 問題 dS dy dx x (1) 関数f(x,y)=xyについて、 0≦x≦1, 0≦y≦1の正方形上で 上記(1)の積分を求めよ。 次の問題で、方向を加えた面積積分を考えます。 22 補足 f ( x, y) の意味 f (x) 変数x, yの関数 変数xの関数 f ( x, y) xy の意味 ある関数f(x,y)の関数形がxy f ( x) x 3 2 関数f(x)の関数形が23 x 2 3 補足 なぜ dS dxdy か? dxはx軸方向の微小量 dyはy軸方向の微小量 dx すると、xy面に平行な面の 微小面積dSは、 dS dxdy 0 x (dxとdyのかけ算の意味) になる。 y dS dy dx x 24 ここから 方向を含む面積積分の話 25 方向を含む面積積分 dS ndS ベクトル dS n dSは面積の微小量。スカラー nは法線ベクトル 面に垂直なベクトル。 外向けをプラスにとる。 一般には法線ベクトルの長さはいろいろであるが、 ここでは単位ベクトル(長さが1)にする。 26 法線ベクトル補足 normal vector 垂直なベクトル 2次元空間内: 線上の法線ベクトル (直線でも曲線でもよい) 3次元空間内: 面上の法線ベクトル (平面でも曲面でもよい) 直線上のどの点でも 法線ベクトルの 方向は同じ 場所によって 方向が違う 27 方向を含む面積積分 dS ndS なぜ、わざわざ法線ベクトルをかけて、 方向のある面積積分にするのか? dS n 流れ出す量を表すには、法線ベクトルと内積を取ると便利 A A n A n が大きい 面から流れ出る量が多い。 n A n A 水の流れ n 面の法線 ベクトル が小さい 面から流れ出る量が少ない。 28 方向を含む面積積分の問題 問題 ベクトルA=(y,x,0)に対して、 面S: 0≦y≦1, 0≦z≦1, x=1 の正方形上で A dS を求めたい。 z S 1) 右の図をノートに書き、 0 x 正方形を図示せよ。 2) この正方形の法線ベクトル を求めよ。 (ただし、原点から見て外向けの方向にとる。) 3) 正方形上の点(1,y,z)における を求めよ。 4) をこの面上で求めよ。 y n dS A dS 5) 積分 A dS S を求めよ。 29 補足 x=1は1次元では点、2次元では線、3次元では面を表す。 y z y x 0 1 0 1 x x 0 1 30 式x=1が3次元では面を表す (1)1次元、2次元、3次元と増やしてみて理解する。 (前のページ) (2) x=1は、x座標が一定であることを示す。 ある点のx座標は、yz平面への距離。 平面から距離一定の点の集合は、平面になる。 例: 教室の壁から一定の距離にある点の集合は、 壁に平行な面になる。 31 補足:スカラー場とベクトル場 スカラー:1成分、方向がない。 例 温度 個数 面積 dS dxdy 体積 密度 ベクトル:2成分以上。矢印で表す。 例 速度ベクトル、 加速度ベクトル 電場、磁場(後で電磁気でやります。) 方向を持った面積要素 dS ndS 32 ここから ガウスの定理 33 ガウスの定理(divergence) 後で電磁気で使います。 ベクトル場Aに対して A d S (div A ) dV S V 表面積全体の 積分 dS S (1) V わきだし 体積内の積分 表面に垂直、外向きのベクトル 34 ガウスの定理の補足 A d S (div A ) dV S (1) V ・コメント「面積積分=体積積分が疑問」について 両辺の単位を比較してみる。 divは場所に関する微分が入っている。 両辺とも(長さ)の2乗の単位になる。 ・コメント「左辺はベクトル、右辺はスカラーで積分?」 左辺は内積を取っているので、スカラーになる。 右辺のdivAもスカラーになる。 したがって、両辺ともスカラーになる。 35 定積分の補足 f ( x)dx 不定積分:場所を指定しない積分 定積分:決まった場所での積分 高校の定積分 1次元で積分:区間を指定 大学の定積分:3次元空間内 面上の積分 S dS b a f ( x)dx 立体の中の積分 dV V どこで積分するかを、 積分記号の下または右下に書く。 36 ガウスの定理(divergence) 続き S ベクトル場Aに対して A d S (div A ) dV S V (1) V わきだし 意味 ある立体の表面積から出ていく流れは、 内部からの湧き出しと同じ。 37 ガウスの定理の証明 )dV A dS (div A S (1) V 問題1 微小直方体(1辺Δx, Δy, Δz)に関して、 (1)式の右辺と左辺をそれぞれ書いて変形し、 (1)が成立することを示せ。 S V 小問に分けると、 1) xy面に平行な2面に関して、それぞれ法線ベクトルを図示せよ 2) 法線ベクトルの成分を書け。 3) 1)の面に関して、スカラーのdSはdx, dy, dzを使って どう書けるか。 4) ベクトル dS を求めよ。 5) 1)の2つの面について、 A dS を求めなさい。 S ただし A ( Ax , Ay , Az ) 6) 6面について(1)の左辺を計算せよ。 38 ここで微分の復習 39 微分の定義 前期の復習 教科書p.367-368 y = f(x) の微分 df f ( x x) - f ( x) lim dx x→0 x 関数 Δ デルタ と読む。 Δx xが少し変化した量 lim lim x 0 引き算と割り算 limitの略。極限、限度。 Δxが0に近づいた時の値。 xが少しだけ変化した時に、y=f(x)がどのくらい変化するか 割合を示す。 微分の図形的意味は後のページへ。 40 前期の復習 微分の補足 Δxとは xの増分(=増加した分) もし、xがΔxだけ増えると、 x → 0 x x + x x とは x がどんどん小さくなること。 41 直線の傾きとは 前期の復習 y Δy Δx 0 y 直線の傾き= x x 傾斜が急かどうかを表す。 42 曲線の傾きとは? その点での接線の傾き。 場所によって傾きが違う。 青い点での傾き大きい 赤い点での傾き小さい 43 接線の傾きをどう定義するか? 前期の復習 y=f(x) 直線の傾きを求めるには、2点必要. 44 接線の傾きをどう定義するか? 前期の復習 赤い点での傾きを求めるには、 曲線上の点(黄色)との傾きを求める。 黄色、緑、青と近づけると、 赤い点での傾きに近くなっていく。 45 微分の図形的意味 y df f ( x x) f ( x) lim dx x0 x y=f(x) 前期の復習 f(x+Δx) 接線 f(x) x 青い点線の傾きが x+Δx x f ( x x) f ( x) x Δxが0に近づくと、青い実線に近づいていく。 df dx は接線の傾きを現す。 46 微分の復習、終わり 47 偏微分の場合も同様 df f ( x x) f ( x) lim dx x0 x zについての偏微分は、 Az ( x, y, z) Az ( x, y, z z) Az ( x, y, z) lim z 0 z z 48 偏微分の場合も同様 df f ( x x) f ( x) lim dx x0 x zについての偏微分は、 Az ( x, y, z) Az ( x, y, z z) Az ( x, y, z) lim z 0 z z limを省いて書くと、 Az ( x, y, z) Az ( x, y, z z) Az ( x, y, z ) z z 両辺にΔzをかけて、左辺と右辺を入れ替えると、 Az ( x, y, z ) Az ( x, y, z z ) Az ( x, y, z) z z 49 ここから 連続の式 50 連続の式 問題2 ガウスの定理(1)を使って、流体に関する連続の式 d divv 0 dt を示せ。 v 流体の密度 流体の速度 51 問題2の解説(連続の式を導く) 流体の場合、 ( x, y, z, t ) 場所(x,y,z)だけでなく、時間tによ 単位時間で ある領域内の変化=入ってくる量-出ていく量 d dV v dS S dt V dS (1) vは単位時間の変位。 面に平行な方向の流れは、出入りに関係ない。 vが外向けの時、dSとの内積がプラス。 外向けの流れで領域内の水量が減る。 dS 流体中に仮想的な箱を 考える。 (本当の箱を置くと 流体が箱にぶつかって、 流れが乱れるので 仮想的な箱) (1)式が定義できるには、 ・定量化されている必要。ρ(密度)が定義できるか。 ・領域が定義できるか。 52 流体の密度 ( x, y, z, t ) ρ as a function of x, y, z and t 補足 f(x)は1変数の場合。 f of x f as a function of x x, y, z, tの関数 場所(x,y,z)だけでなく、 時間tによっても違う 53 仮想的な箱でないとなぜ乱れるのか? 本当の箱を流れの中に置くと、水は箱をよけて流れる。 54 流体の密度の解説 ( x, y, z, t ) v( x, y, z, t ) ある時間tにおける、ある場所(x, y, z)での密度と速度 55 左辺の意味 dV 密度の体積積分 =体積内の質量全体 V d dV dt V 質量の時間変化 56 v dS 右辺の意味 S v 密度x 速度 = 質量の流れ (単位時間に単位面積から 出る質量) kg/m3 × m/s = kg/m2s S v dS 面Sから出る質量の流れ 次のページに図 57 v方向による違い。 d dV v d S S dt V v 外 内 n 速度が外向けの時、 右辺の内積は正。 右辺全体は負。 左辺で質量が減るので負。 dS ndS v n 速度が内向けの時、 右辺の内積は負。右辺全体は正。 左辺で質量が増えるので正。 58 教科書p.380-382 線積分 ストークスの定理 59 積分 integration 微分 (元の意味は統合) 積分はたし算: 微小量をたくさん加える。 ・高校の数学の積分は、 1次元(直線上)。 differentiation (元の意味は差別化) 「差」を取る。 f ( x)dx ・大学では、いろいろな領域での積分 1) 線積分 曲線上での積分 2) 面積積分 面での積分 3) 体積積分 立体の体積内での積分 積分する領域によって名前が付いている。 A dl C A d S S f dV V 60 積分の基本的性質 高校の数学の1次元積分では、 b a a c c b a b c f ( x)dx f ( x)dx f ( x)dx 大学では、もっと一般的に領域の積分を考える A B A B 領域Aでの積分+領域Bでの積分=領域「A+B」での積分 61 線積分 ベクトル場Aに対して A dl dl C を考える。 dl エル。lineから ある曲線Cに沿った 微小ベクトル 積分すると長さになる。 微小ベクトルとは。 高校の数学で、dxやΔxは勉強した。スカラーの微小量。 では微小ベクトルはどのような量か? 長さが微小。方向は変わる。 62 線積分の例題 問題 図のように、xy面上に原点を中心とする、 一辺の長さ2の正方形がある。 A=(y,-x)とする。 A -1 (1) 辺AD上で図の方向のベクトル (2) 辺AD上で A dl dl を求めよ。 を求めよ。 B y 0 1 D x 1 C -1 AD (3)他の辺についても同様に積分を求め、正方形の周囲全体で A dl を求めよ。 C 63 ここから ストークスの定理 64 ストークスの定理 後で電磁気で使います。 ベクトル場Aに対して ) dS A dl (rot A C S (1) dS 表面に垂直、外向きのベクトル dS Cは曲面Sの周囲 問題 微小長方形(1辺Δx, Δy)に関して、 y (1)式の左辺と右辺をそれぞれ書いて変形し、 (1)が成立することを示せ。 dl Δy Δx x 65 divとrotの意味 y y 2 11 2 0 2 11 2 0 x rot A (0,0,0) 回転していないベクトル場は、 rot A がゼロになる。 x rot A (0,0,2) 回転しているベクトル場は、 rot A が回転面に 垂直方向になる。 66 ストークスの定理の意味 面Sでのベクトル場の回転を 右辺 2通りの方法で表現している。 (rot A ) d S dS ndS S rot A は回転を表すベクトル。 面Sの法線方向の成分 ( rot A) n は、面Sでの回転を表す。 rot A 回転していない場では、 rot A 0 回転している場では、 が回転面と 垂直方向になる。 67 rot A ストークスの定理の意味 A dl 左辺 C A A dl 0 dl 回転していない場では、 経路上の微小ベクトルとの 内積がゼロになる。 A A dl 0 dl ベクトル場が回転していると、 内積が値を持つ。 68 ストークスの定理の補足 長さの単位をm(メートル)とした時に、 ストークスの定理の両辺の単位が何になるか、 説明して下さい。 69 ガウスの定理(divergence) 以前見せたパワーポイント ベクトル場Aに対して A d S (div A ) dV S 表面積全体の 積分 V S (1) V わきだし 体積内の積分 これがヒント。 補足:コメント「面積積分=体積積分が疑問」について 両辺の単位を比較してみる。 divは場所に関する微分が入っている。 両辺とも(長さ)の2乗の単位になる。 70 ストークスの定理の場合 A d l ( rot A ) d S C S 左辺は長さの積分なので、 単位は(Aの単位) ×m 右辺の面積積分の単位は、m2 rotA は微分が含まれているので、 単位は,(Aの単位)/m よって右辺の単位は (Aの単位)/m × m2 = (Aの単位)× 左辺の単位と等しくなる。 m になり、 71 3次元極座標をやる前に 復習をします。 1.三角関数の復習(高校数学) 2.2次元極座標の復習(高校の数学B) 3.円筒座標の復習(前期) 72 三角関数の復習 高校の数学1,数学2 図のように、直角三角形を置く。 (角度φが水平からの角度、直角部分が右下) 水平の辺 cos 斜辺 垂直の辺 sin = 斜辺 斜辺 φ 垂直の辺 水平の辺 高校では、角度はθ(シータ)を用いたが、 後で極座標や円筒座標と比較するために、 φ(ファイ)を使っている。 73 2次元極座標 高校の数学3の復習 質点の位置P(x,y)を2次元極座標(r,φ)で表す。 x r cos y r sin y P(x,y) r r≧0 0≦φ<2π 0 φ x 高校ではθを使うが、 後の都合でφを 使っている。 74 質問:なぜφの範囲を0からπにして、 rをマイナスも考えないか? ぐるっと回った時に、 rがプラスからマイナスになるのは、 不連続な変化になってしまう。 y 0 x rはずっとプラスにしておく。 75 2次元極座標、続き r=一定の図形 y 半径rの円 x 0 φ=一定の図形 半直線 y 0 x 76 円筒座標系(前期の復習) 77 教科書p.2の1-1図の右 円筒座標系 z 質点の位置P(x,y,z)を円筒座標(r,φ,z)で表す。 x r cos y r sin zz 0 x P(x,y,z) φ r Q 点P(x,y,z)のxy平面上への射影を Qとする。 OQの長さがr, x軸からOQへの角度がφ φ(ファイ) 角度によく使う記号。 0≦φ<2π z=0にすると、2次元極座標になる。 78 y 円筒座標系:大きく書くと 質点の位置P(x,y,z)を円筒座標(r,φ,z)で表す。 x r cos z P(x,y,z) y r sin zz 0 φ x y r Q 79 円筒座標系の問題 前期の復習 問題 「r=一定」「φ=一定」「z=一定」は それぞれどのような面になるか。 それぞれ3次元空間内に図示せよ。 80 教科書p.2の1-1図の右 前期の復習 円筒座標 z P 0 x P(x, y, z) y r Q x r cos y xy平面 y r sin Q r O zz x 81 一定の図形 z=一定 x 前期の復習 z 0 xy面からの距離が一定。 無限に広がる平面 y r=一定 r x 0 y 円筒座標のrの定義に注意。 xy平面に射影した時の原点からの 距離 (つまり、z軸との距離) r=一定は、円筒の側面になる。 上下に無限に続いている。 82 一定の図形、続き 前期の復習 φ一定 φはxy面上に射影した時の、 x軸からの角度。 0 x y φ=一定の図形は、 半平面。上、下、rが大きくなる方向 には無限に広がる。 z軸の反対側には行かない。 φの範囲は0から2π。 反対側は違うφになる。 83 参考:極座標(後期に詳しくやります。) z θ 0 x P P(x,y,z) z r Q r Q θ y O y y Q O x x 角度が2種類必要。片方がθ、もう片方がφ。 -> 円筒座標の角度φと同じ測り方。 rの取り方が違うことに注意。 極座標では原点からの距離。 円筒座標では、xy面上に射影してから、原点からの距離。 極座標は球対称な場を考えるときに使う。 例:電荷が球状に分布している場合。 84 円筒座標を使うメリット ・円運動、らせん運動、円筒の 対称性を持つ系 (例えば直線電流の周りの磁場)を 扱いやすい。 85 3次元極座標 86 補足 不等号 同じ意味です。 ≦ 高校ではこちら 水平線が2本。 大学ではこちらが多い。 水平線が1本。 87 3次元極座標 教科書p.2の図1-1の真ん中の図も参照 z P(x,y,z) ある点Pの直交座標(x, y, z)と 極座標(r, θ、φ)の関係 r θ 0 r: 点Pから原点までの距離 y θ:z軸からOPへの角度 x Q φ:x軸からOQへの角度 (点Qは点Pをxy平面に投影した点) 問題 直交座標x, y, zと、極座標r, θ、φの関係は 以下であることを示せ。 x r cos sin 0 2π y r sin sin 0 π z r cos 0r ←不等号に注意 θは両方とも ≦(イコールあり) 88 なぜθはπまで、φは2πまでか? y θ r 0 θ x 2次元空間は、x,yの正負により、4つの象限に分けられる。 2次元極座標だと、角度は1個でよくて、0から2π。 89 なぜθはπまで、φは2πまでか? z P(x,y,z) θ φ 0 x r y Q 3次元空間は、x,y,zの正負により、8個の象限に分けられる。 角度は2個必要。1個めの角度が0から2πで平面上の回転。 2個めはz方向の角度で、0からπでよい。 (もしz方向も0から2πにすると、余分になる。) 90 3次元極座標の問題 z P(x,y,z) θ 0 x x r cos sin 0 2π y r sin sin 0 π z r cos r 0r y 問題4 3次元空間内で、以下の図形をそれぞれ描け。 (別々の図にすること。) (a) r=一定、 (b) φ=一定、 (c) θ=一定、 (d) r=一定、φ=一定 (e) r=一定、θ=一定、 (f) φ=一定、 θ=一定 91 次に、3次元極座標で 体積の微小部分を求める 92 3次元極座標 z P(x,y,z) θ 0 x 教科書p.2の図1-1の真ん中の図も参照 x r cos sin 0 2π y r sin sin 0 π z r cos r 0r y 問題1 極座標の基本単位ベクトル e r , e , e を図に描け。 (r,θ,φが増える方向の単位ベクトル) 問題2 体積の微小部分を3次元極座標で書くと、 dV r 2 sin drdd (1) と書けることを示せ。(図を描いてみること。) 問題3 式(1)を「r≦a、φ、θは全範囲」で積分して、 半径aの球の体積が得られることを確かめよ。 93 体積の微小部分とは (x, y, z)座標 z dz dx P(x, y, z) ez x ex dy ey 0 dV dxdydz y x,y,z方向に長さa, b, cの直方体の体積を 積分で求めるには、 V dx dy dz x y z abc a b c 0 0 0 a 0 b 0 c 0 94 平面角と弧の長さ 扇形の弧の長さ= θ r θ r θ θ r r 単位はラジアン 半径x 中心角 r 半円の場合 円の場合 2 2 r 95 教科書 p.229 数学編の最後: 立体角 96 平面角 (高校の数学) 半径1の円上の弧の長さ。 0から2πの範囲。 単位:ラジアン(rad) 1 O θ 立体角: 空間的な広がりを表す量 中心0から半径1の球に投射した時の 球上の面積 単位:ステラジアン(sr) O Ω 別の表現 点Oから出る半直線が、半径1の球の表面に 切り取る面積 次のページで図解 97 立体角の図解 (球の半径が1の場合) 大きな立体角 小さな立体角 (a) 立体角<2π (b) (c) 2π<立体角<4π 立体角=2π (半球の表面積) (d) 立体角=4π (球の表面積) 98 問題: ある閉曲面上の微小面積dSの法線ベクトルnが ベクトルrとなす角をθとする。 dSが原点Oに対して作る立体角をdΩとする。 この時、 cos d 2 dS r であることを、図を使って説明せよ。 n 大文字の「オメガ」 抵抗の単位として使う時は、 「オーム」とも読む。 r dS O ω 小文字のオメガ 99 ここから、 電磁気 100 電荷とは electric charge 静電気 セーターを脱ぐ時 ドアに触った時など、 パチパチ音がすることがある。 物体が電気を帯びている。 これを「電荷」と呼んでいる。 1C(クーロン): 1A(アンペア)の電流が1秒間に運ぶ 電気の量 電子1個の電荷: 1.6 x 10-19クーロン 101 教科書p.225-226 クーロンの法則 電荷Q1からベクトルrの位置にある電荷Q2が受ける力は、 ベクトルで書くと、 1 Q1 Q 2 F er 2 4 0 r 単位 Q: C(クーロン) r: m F: N(ニュートン) Q2 Q1 同じ符号の電荷 の時に反発力 前についている定数の値 0 1 k =9.0 x 109 N・m2/C2 4 0 真空の誘電率 er 動径方向の 単位ベクトル r er r 前期に やった 「誘電」の意味は後で。 102 定理と法則の違い 定理 theorem 数学で使う。証明できる。 例:3平方の定理 ガウスの定理、ストークスの定理 法則 law 自然科学、社会学、日常用語にも使う。 証明できる法則も、経験則もある。 例:電場に関するガウスの法則 クーロンの法則。オームの法則。 103 クーロンの法則の補足 イプシロン 誘電率の意味は後で出てきます。 今はとりあえず、何かの定数だと思って下さい。 104 MKS単位系 m(メートル), kg(キログラム),s(秒) を使って表した単位系。 電磁気ではこれに、 C(クーロン)またはA(アンペア)を 加えて使う。 105 クーロンの法則(補足) 1 Q1Q2 F er 2 4 0 r 経験則(実験から発見) 18世紀後半にクーロンさんが法則として 提唱した。 106 クーロンの法則 問1 1 k 4 0 1 Q1Q2 F er 2 4 0 r の単位を、クーロンの法則から求めよ。 m(メートル), s(秒)、kg(キログラム), C(クーロン) を使って書け。 補助問題:力Fの単位を、m, s, kgを使って書け。 問2 2つの電荷の間に働く力を大きくするには、 どうすればよいか書け。 問3 距離rを横軸にして、クーロン力のグラフを書け。 問4 xy面上の原点に正の電荷Q1を置く。 いろいろな点に正の電荷Q2を置いた時に、受ける力を ベクトルで書け。 107 クーロン力の特徴 1 r2 長距離力。 純粋なクーロン力はかなり遠くまで行っても減衰しない。 他の電荷で遮蔽されることが多い。(水中など) たんぱく質の構造:電荷のクーロン力の効果が大きい。 電荷が変わると立体構造が変わる可能性。 (立体構造が変わると性質が変わる。) 例:狂牛病は、たんぱく質が正しくfold(折りたたみ) しなくなる。 だが、なぜ正しくfoldしないかは明確ではないし、 間違ったfoldのたんぱく質を正しくする方法は 今の所ないらしい。 108 電場の定義 教科書p.227-230 電場 E ある場所に単位電荷を置いた時に、受ける力。 電荷qの粒子に作用する力は 電位 F qE 単位電荷を無限遠から その点まで運ぶのに要する エネルギー r Er dr 問題:閉じた曲面Sで囲まれた領域Vを考える。 領域V内の電荷をQとする。 Q E d S 0 であることを、クーロンの法則を使って示せ。 ヒント:電荷が1個だとして、その電荷の位置を原点にして、 微小面積dSで原点への立体角を考える。 109 閉曲面(閉じた曲面とは) 大きさが有限で、空間を切り分けるような曲面。 中に水を入れて振っても水が漏れない。 閉曲面の例:球の表面。 開曲面の例:球面に穴があいた場合。 閉曲線:閉じた曲線 元の所に戻って来る曲線 110 いろいろな積分 閉曲線の積分(ぐるっと一周する積分)の 場合、積分記号に○を付けることがある。 面積積分の場合、2次元なので、 積分記号を2つ書く場合がある。 (省略して1個でもよい。) 体積積分の場合、3次元なので、 積分記号を3つ書く場合がある。 (省略して1個でもよい。) 111 電場に関するガウスの法則 Q E dS 0 問題 電荷を電荷密度 (r ) (r ) div E 0 教科書p.228の下から ガウスの法則: 積分形 で書くと、上の式は、 ガウスの法則: 微分形 と書けることを示せ。 112 密度とは 密度= ある量 体積、面積、長さのどれか 例: 人口密度=人口/ 面積 113 いろいろな密度 (1)体積密度 (普通の密度) 単位体積当たりの量 (volume) density density per volume 電荷の場合 電荷密度、または 電荷の体積密度 単位 (2)面密度、または面積密度 単位面積当たりの量 area density density per area (3)線密度 単位長さ当たりの量 line density density per length C/m3 電荷の面積密度 単位 C/m2 電荷の線密度 単位 C/m 114 電荷密度とは (r) 単位体積の電荷 電荷/体積 単位は、C/m3 クーロン 毎 立方メートル 電荷密度を体積で積分すると、全部の電荷になる。 dV Q 115 ここから保存場の話 116 「経路によらない」とは。 英語で言うと、 does not depend on the path. 始点と終点を固定する。 どの経路をとっても、変わらない時、 「経路によらない」と言う。 117 保存場 教科書p26 一般に、あるベクトル場 r1 A(r) の経路Cに沿った積分、 A(r ) dr r0 C が経路によらない時、 A(r) は「保存場」であるという。 (特に力の場合は「保存力」という。) 始点 r0 と終点 r1 を固定して、 経路Cを変化させても、変わらない場合が保存場。 保存力の例 重力、クーロン力(後で証明) 保存力でない例:摩擦力、空気抵抗 118 保存場の問題 一般に、あるベクトル場 r1 教科書p26 A(r) の経路Cに沿った積分、 A(r) dr r0 C が経路によらない時、 A(r ) は「保存場」であるという。 (特に力の場合は「保存力」という。) 問題1 保存場 A(r ) の 任意の閉曲線に沿った積分について、 A(r ) dr 0 を示せ。 問題2 クーロン場は保存場であることを示せ。 119 問題1を微分形で書くと ) dS A dr (rot A C S 左辺が任意の閉曲線に対して0なら、 rot A 0 保存力の微分形を使った定義 問題2のクーロン力の場合 E(r) Q 4 0 r 2 er 3次元極座標でrotを書いて rotE=0を示せる。 (余裕のある人は、やってみて下さい。) 120 保存場その2 教科書p.234 問題2により、 クーロン場は保存場なので、 r E dr r0 の右辺は経路によらず同じになる。 したがって電位が定義できる。 特に、動径方向に経路をとり、r0=∞にとると、 r Er dr あるいは、 E grad 121 電位の補足 r Er dr E grad gradは勾配(傾き)を 表す。 電位は山の高さのようなもの。 正電荷を置いた時に、電位の低い方に動く。 r 具体的な例を後で考える。 122 電位と電場 教科書p.234 クーロン場は保存場。 違う経路でも積分 r r0 E dr の値が変わらない 積分値を1つの記号で書ける。 r 電位 E dr r0 特に、動径方向に経路をとり、r0=∞にとると、 r Er dr 逆は E grad 123 静電場の例題 124 ガウスの法則 Q E dS 0 教科書p.232, 236-237 積分は領域Vの面について。 Q:領域Vの「中」の電荷 問題 半径aの球の内部に、密度ρで一様に 電荷が分布しているとする。 この時の電場を球の外と中で求めよ。 電位も求めよ。グラフに示せ。 方法1:微小電荷からのクーロン力を積分する。(大変) 方法2:ガウスの法則を使う。 ガウスの法則は元々クーロンの法則を使っているので、 結果は同じになるはず。 ガウスの法則を使って計算してみて下さい。 ヒント:半径rの球内の電荷を考える。 125 ここから磁場の話 126 磁場の例 自然界 ・地球磁場 地球内部でFeやNiが溶けている。 導電性で電流が流れると磁場を作る。 地磁気は反転している。 過去7600万年で171回。 一番最近は70万年前。 ・宇宙磁場 生体内の磁場 電荷が動けば磁場ができる。 人間が作った電磁波 ・携帯電話の電磁波 ・医療機器 磁場を利用した計測。 例:MRI (磁気共鳴イメージング) 127 電流とは 電流Iは、電荷Qの流れ dQ I dt 単位も割り算 単位時間にどれだけの電荷が 流れるか。 C(クーロン) A(アンペア) s(秒) 交通流(交通の流れ)と似ている 1分間に自動車が何台通るか。 128 電流の作る磁場 教科書p.274, 275 ビオ・サバール(Biot-Savart)の法則 電流の微小部分 Ids が ある点Pに作る磁場は、 微小部分から点Pへのベクトルを r とすると、 I I dH ds r ds e r 3 2 4 r 4 r 問題 I ds r er r r P 磁場の単位は、 A/m A:アンペア 電流Iが直線状に流れている時、 電流から距離bの点での磁場を ビオ・サバールの法則から求めよ。 しかし対称性を使って、もっと簡単に出す方法もある。 (次のページ) 129 参考:ビオ・サバール(Biot-Savart)の法則 I フランス人の物理学者、ビオさんとサバールさんが 1820年に発見した。 130 動径ベクトルの復習 z r er r の説明 er r O x r r er y 動径ベクトル。原点から点Pまでのベクトル。 動径ベクトルの長さ 動径方向の単位ベクトル したがって、 r rer P r er r 131 ビオ・サバールの法則:補足 電流の微小部分 Ids が ある点Pに作る磁場は、 微小部分から点Pへのベクトルを r とすると、 I I dH ds r ds e r 3 2 4 r 4 r dは微小量 H I ds r ×は外積 ds I r P 磁場の単位は、 A/m A:アンペア r er r 磁場 電流 単位はアンペア[A] 電流に沿った微小長さ 電流の微小部分から点Pまでの動径ベクトル 132 補助問題 1 f ( x) tan x を微分せよ 前ではやりません。 133 電流の作る磁場 アンペールの法則 教科書p.276-279 対称性を使う方法 ある閉曲線の周りで磁場を積分すると、 この閉曲線を貫く電流Iに等しい。 問題1 問題2 H ds I s I Hs 電流Iが直線状に流れている時、 電流から距離rの点での磁場を、 アンペールの法則を使って求めよ。 ストークスの定理を用いて、上記のアンペールの 法則は、 rot H j と書けることを示せ。 電流密度。 j は単位面積を流れる 134 ストークスの定理 (復習) ベクトル場Aに対して A d l (rot A ) d S C Cは曲面Sの周囲 S dS 表面に垂直、外向きのベクトル dS dl 135 135 電場と磁場の比較 クーロンの法則 ガウスの法則 1 Q E e 2 r 4 0 r Q E dS 0 対称性が高い場合に 便利 電荷があると、電場ができる。 ビオ・サバールの法則 アンペールの法則 I dH 2 ds e r 4r H ds I s 電荷が動くと電流になる。 電流があると磁場ができる。 発展問題(興味のある人はやってみて下さい。) 136 前回の電荷が一様に分布した球の作る電場を、 クーロンの法則から(対称性を使わずに)出してみよ。 対称性が高い場合、低い場合 とは。 オレンジの部分に電荷が分布している 場合の電場は、クーロンの法則を使って、 微小電荷からの電場を積分する。 対称性が低い Er 青い部分に電荷があるとする。 中心から距離rの点では、 電場の大きさが等しいと考えられる。 (対称性が高い) したがって、ガウスの法則を使って 計算できる。 137 ここから、導体と誘電体の話 138 導体 電気を通す。 例:金属 教科書p.237 電場があると、電子がすぐ動く。 電場の中で電荷が表面に来る。 導体内の電場はゼロ。 導体面上では電位が等しい。 E 導体が電荷Qを持ち、電位Vとする。 この時QとVにQ=CVが成立し、比例係数Cを 電気容量と言う。 単位はF(ファラッド)=C(クーロン)/V(ボルト) - -- + ++ + 表面だけに電荷 E 0 問題1:導体の表面の電荷密度がσである時、導体表面の電場は、 であることを、ガウスの法則を使って示せ。 問題2:2枚の平行な導体板でコンデンサーを作る。 極板の面積をS, 間隔をdとする時、 を示せ。 0S C d 139 コンデンサー 電荷をためておくところ。 iPhoneにも使われている。 140 絶縁体 (誘電体) 教科書p247 電気を通さない。 例:空気、大部分の物質 電場中でも電子は少ししか動けない。 外部から見ると、表面だけに 電荷があるように見える。 (しかし誘電体のどこを切っても 同じように電荷分布している。 導体は中は電荷はいない。) 外から見ると 分極電荷:正負に分けて取り出せない。 E 中では + + - +- + + + - + - ++ + - ++ + - ++ 誘導分極 141 分極ベクトル P 教科書p247-249 方向は図のように、 負の電荷から正の電荷に向かう方向 大きさは、表面電荷σに等しい。 P n 分極方向の 単位ベクトル E + + - - P 多くの場合、分極ベクトルは電場に比例(同じ向き) P e 0 E → 0 e 真空の誘電率(クーロンの法則で 出てきた) 電気感受率(無次元量) electric susceptibility 142 英単語:感受率、分極 教科書p.250までの部分 導体の間に誘電体をはさむ 真空の時 S C0 0 d Q0 C0V 0 E 0 Q0 Q0 Q0 0 S V 誘電体の時、電圧Vは真空中と同じ。 従って、電場Eも真空中と同じ。電荷が異なる。 極板上の電荷をQ, 誘電体の分極電荷を-Q’ とする。電場EはQ-Q’によって作られる。 Q0 Q Q Q Q0 Q 面密度で、 0 0 E 誘電分極で P n P e 0 E 0 E P 0 E e 0 E 0 (1 e ) E D 0E P とおく。電束密度と言う。 V -Q’ Q’ Q+ - + + - + + + + - + - + -Q - 143 電束密度 D 0E P P e 0 E 0 (1 e ) とおくと D E e Dに対する ガウスの法則 領域内の 真の電荷 D dS Q Q E dS Q誘導電荷も 0 電気感受率の値 水 80 ベンゼン 1.2 CO2 9.9x 10-4 水の話は電気伝導の所でまたします。 純水と不純物が入った水の違い。 含む 微分形 div D 144 磁場の空間変化と電流の関係 教科書p.297から 既に見たように、 アンペールの法則の微分形 rot H j 定常電流の周りの磁場。 電流が定常でない場合。空間のある部分で 電荷がたまることがある。この場合は、 D rot H j t D D 0E P div D 電束密度 マクスウェル方程式の1つ。 使い方は後でやります。 145 教科書p.255-256 電気抵抗 電荷の時間変化 dQ I dt 導体に流れる電流Iと電位差Vは比例する。(オームの法則) I: 電流.単位はA =C/s(秒) V: 電圧.単位はV (ボルト) R: 抵抗 単位はΩ(オーム) V RI 長さℓ、断面積Sの針金の場合、 R S ρ:抵抗率 (物質によって違う) σ=1/ρ: 電気伝導率 Rの逆数を電気伝導度と言う。 Ωの逆数1/ΩをS(シーメンス)と呼ぶことがある。 電流密度 j (単位面積を流れる電流) を使って書くと、 j E 英単語 → 抵抗 後でマクスウェル方程式と一緒に使う。 146 電位と電場 電位 単位電荷を無限遠からその点まで運ぶのに要する エネルギー r Er dr r2 r1 r2 r1 2 1 Er dr Er dr Er dr 電場が一定だとすると、 2 1 E dr E r2 r1 r2 r1 V 2 1 電位差 V Ed d r2 r1 とおくと、 距離 E V /d 147 問題 V RI 問題1 抵抗率の単位を求めよ。 問題2 電気伝導率の単位を求めよ 問題3 j j E 電流密度 R S ρ:抵抗率 σ=1/ρ: 電気伝導率 を示せ。 (単位面積を流れる電流) 148 補足:単位の話 (勉強レポートの内容から) Ax Ay Az divA x y z Az Ay Ax Az rot A , , z z x y Ay Ax x y divもrotも微分が入っている。 A の単位 divA の単位 m(メートル) なぜ微分の単位が割り算になるかは、微分の定義のため。 df f ( x x) f ( x) lim dx x0 x 149 補足:単位の話 その2 電位 r E dr r0 φの単位 = E(電場)の単位 x m(メートル) 150 ここから、 磁性体の話 151 磁極に作用する力 教科書p.264 「磁極」Qm が磁場H中にある時、作用する力は、 F Qm H 電場中の電荷に似ている。 Qm 磁極 Wb (ウェーバー) H 磁場 A/m しかし電荷と違い、片方の符号の磁極を 単独では取り出せない。 152 磁極に作用する力 Qm1 , Qm2 Qm1Qm 2 F e 2 r 4 0 r の間に作用する力は、 2つの磁極 F Qm1H 教科書p.265 Qm1 , Qm2 0 磁荷 真空の透磁率 より、磁極の作る磁場は、 Qm 2 H e 2 r 4 0 r 電場の場合と同様に、ガウスの法則が成立する。 153 磁位 m 教科書p.266 一番上の行 無限遠からある場所Pまで単位磁極を運ぶのに 要する仕事。 m H ds P あるいは、 H grad m 154 磁気モーメント 磁極 Qm Qm と Qm の位置から Qm があり、 Qm d とする。 m Qm d 教科書p.265, 266 までの ベクトルを を磁気モーメントという。 Qm d 単位:Wb・m 問題: 磁気モーメントmが磁場H中に、 mとHのなす角θで置かれた時、 磁気モーメントの受ける力のモーメントを求めよ。 m を一定にしたまま、dを小さくした極限を 磁気双極子と呼ぶ。 155 磁性体 教科書 p.267 磁場の中に入れると、磁場と相互作用する物質。 電場の中の誘電体と似ている。 H M 磁化 M 単位体積あたりの磁気モーメント m M V 多くの磁性体で M M 0 m H 単位:Wb/m2 は 磁場と同じ方向。 χm:帯磁率 magnetic susceptibility 156 磁束密度 教科書p.269下-p.270 B 0 H M M 0 m Hが成立するような物質では、 B 0 (1 m )H H 0 (1 m ) 0 透磁率 permeability 真空の透磁率 157 磁束 教科書p.285 B 0 H M H 磁束密度 磁化 磁場 ある断面積を通るBを積分したものを、 磁束と呼ぶ。 B dS dS B 単位はWb(ウェーバー) 158 電磁誘導 教科書p.286 ある閉回路の中を通る磁束 が時間的に変化する時は、 変化の速さに比例した起電力が生じる。 d Ve E ds dt 問題 微分表示で上の式は、 B rot E t と書けることを示せ。 ヒント:ストークスの定理を使う。 ファラデーの 電磁誘導の法則 磁場の中で閉回路を 回転させると、 閉回路を貫く磁束が 変化して起電力が 生まれる。 例:自転車のライト 159 レンツの法則 教科書p.286 補足パワポ 電磁誘導で流れる電流の向きは、 その電流の作る磁場が、 誘導の原因となった磁場の変化に さからうように生じる 160 なぜ、磁束は常微分で、磁束密度は偏微分か? 磁束密度は、場所と時間の関数 Br, t 他の変数もあるので、 時間についての微分は偏微分になる。 B (偏微分:2変数以上の関数を 1つの変数で微分する) t 磁束密度を面積について積分すると、 時間だけの関数となる。 t B t d dt dS B B dS したがって、時間に関する微分は普通の微分。 d t dt 161 マクスウェルの方程式 B rot E t D rot H j t div D div B 0 教科書p.299-302 電磁誘導 磁場が変化すると、 電場ができる。 アンペールの法則 電流や電束密度の時間変化 で磁場ができる。 ガウスの法則 (クーロン則を使う) 単独磁荷はない。 D E B H , , は物質によって値が違う。 j E 162 時間変化しない場合は、静電場か静磁場を考えればよい。 時間変化する場合は、電場と磁場の両方を考える必要。 電磁波の話 163 マクスウェルの方程式 B rot E t D rot H j t div D div B 0 電磁誘導 磁場が変化すると、 電場ができる。 アンペールの法則 電流や電束密度の時間変化 で磁場ができる。 ガウスの法則 (クーロン則を使う) 単独磁荷はない。 D E B H , , は物質によって値が違う。 j E 164 時間変化しない場合は、静電場か静磁場を考えればよい。 時間変化する場合は、電場と磁場の両方を考える必要。 電磁誘導の応用 金属探知機(空港で飛行機に乗る前) 弱い磁場の中を荷物を通す。 もし金属があれば、磁場を切るので、電流が流れる。 その電流を探知する。 9.11事件以降、パイロットは、ハイジャッカーの 言う通りにしなくてよいことになった。 それまでは、犯人が言う場所に連れて行けば、 乗客の安全が守られることが多かった。 金属探知機だけでは、9.11の犯人は見つけられないが、 初歩的なハイジャッカーを探すことはできる。 参考:Physics for Presidents 翻訳は『今この世界を生きているあなた のためのサイエンス』 165 電磁波に関する問題 教科書p.302-305 一様な媒質中を伝わる電磁波を考える。 電磁波の進む方向をz軸とする。 E,D,B,Hの各成分は、zとtだけの関数で、x,yにはよらない。 媒質中には電荷も電流もないとする。 マクスウェル方程式を成分で書き、 1) 電磁波は横波である(電場、磁場のz成分が0になる) ことを示せ。 2 2) 次の微分方程式が導かれることを示せ。 2 E x 1 Ex (波動方程式) 2 2 1 v 3) とおく時、 z t E x f ( z vt) g ( z vt) の関数形が2)の微分方程式の解になっていることを確かめよ。 4) Eがx方向の時、Hがy方向であることを示せ。 166 縦波と横波 動画のサイト http://www.asahi-net.or.jp/~zn6t-szk/physics/sin1.html 上が横波、下が縦波。 赤い部分に着目する。 167 問3の補足 y A sin( kx t ) Ex f ( z vt) g ( z vt) は波になる。 168 電磁波の続き 特に真空中で 0 , 0 の測定値から、 1 0 0 を求めると、光速度の測定値に一致することが知られている。 光も電磁波も横波であることと合わせて、 「光は電磁波である」とマクスウェルは考えた 169 電磁波のイメージ 電場や磁場は、電磁波の進行方向に垂直な方向に 振動している。 H 進行方向 E 電場が大きくなる場所を追うと、 進行方向に進んでいく。 170 電荷が磁場から受ける力 F qv B 教科書p.271 q 電荷 B 磁束密度 ×は外積 v 電荷の速度 問1 両辺の単位が等しくなることを確かめよ。 問2 運動方程式を書け。 問3 運動方程式をx,y,z成分で書け。 磁場はz方向とする。 問4 運動方程式を解いて、速度と座標の 時間変化を求めよ。 xy面内で円軌道になることを示せ。 171 電荷が電場から受ける力 F qE q 電荷 E 電場 電場の定義の所でだいぶ前に出てきた。 電場と磁場の両方ある所では、 前ページの力を加えて、 F qE v B B v この力を「ローレンツ力」と呼ぶ 磁束密度 電荷の速度 172 ベクトル積(外積) 前期の復習 A B ベクトル A, B のなす角をθとする。 ベクトル積 A B は、 ベクトル A, B に垂直で、 B A 大きさは A B A B sin のベクトルである。 θはAからBに向けて測り、右ねじのしまる(進む)向きを ベクトル A B の向きとする。 問1.A A1, A2 , A3 とB B1, B2 , B3 に対して、 AB の成分表示 A B A2 B3 A3 B2 , A3 B1 A1 B3 , A1 B2 A2 B1 を示せ。 173 前期の復習 成分の覚え方 A B A2 B3 A3 B2 , A3 B1 A1B3 , A1B2 A2 B1 A 1 2 ③ B 3 ① 1 ② 1 2 3 1 ① 第1成分 A2 B3 A3 B2 174 三角関数の微分 前期の復習 sin x cos x cos x sin x 175 グラフを使った説明 sin x cos x 前期のパワポ 「微分は接線の傾き」を使う。 1 y y sin x 0 π y cos x 2π x ・原点でsinxの傾きは1.cos xの値も1. ・sinxの頂上(x=π/2)で傾きは0.cos xの値も0 176 微分方程式の問題 前期の復習 微分方程式: 関数の微分を含む式 例: dy a(定数) dx y ax b いろいろな関数の微分を知っていれば、 微分方程式を解くことができる(場合もある。) 問題 次の微分方程式を解け。 2 dy 2 dy d y (1) sin x (2) cos x (3)d y cos x (4) sin x 2 dx dx dx dx 2 2 2 d y d y (5) y (6) 2 Cy C 0 2 dx dx 177 (6)の補足 合成関数の微分 dy dy du dx du dx 前期のパワポ 教科書p.369 y sin ax の微分を求めたい時、 dy cos u u ax とおくと、 y sin u 例 du du a dx dy dy du dy a a cos ax dx du dx du 2 d y 2 2 a sin ax a y 2 dx 178 バネの運動方程式 前期のパワポ 例1:強さkのバネに質量mのおもりがついている場合、 バネの、伸びxに比例した力F=-kxで 縮ませようとする力が働く。 壁 F kx k 0 x したがって運動方程式は、 2 d x m 2 kx dt (tは時間) 問題1 上の微分方程式を解いて、運動を求めよ。 (意味:xをtの関数として求めよ。) 179 前期のパワポ 単振動の角振動数と周期 x(t ) A sin t k m 2 k m sinφのφの部分を「位相」と呼ぶ。単位はrad(ラジアン) ωは角速度または角振動数と呼ばれる。 単位はrad/s。単位時間当たりに何rad進むかを表す。 sin関数の周期は2π(=360°)。 1周するのに必要な時間を周期と呼ぶ。Tとおくと、 T 2 2 m T 2 k 180 質量分析計の原理 マクマリー 『有機化学(上)』第8版、 12章、構造決定 磁場の中に荷電粒子を一定速度で入れると、 荷電粒子は曲がる(円運動をする)。 円運動の半径は、質量/電荷 に比例する。 分子Mをイオン化する。 (高エネルギーの電子をぶつけると、 分子から価電子がはじきだされる。 磁場で曲げる 検出する 90度程度でよい (1周の円にする必要はない) 181 ローレンツ力を用いて電磁誘導の法則を導く F qv B 磁場の中で電子が動く。 ↓ 電流が流れる ↓ 起電力ができると考える。 182 電磁誘導 教科書p.286 ある閉回路の中を通る磁束 が時間的に変化する時は、 変化の速さに比例した起電力が生じる。 B dS d Ve dt ファラデーの 電磁誘導の法則 183 交流発電機の原理 B dS B 長方形に曲げた針金を 一定の磁場Hの中で、 C 一定の角速度ωで回転させる。 BCと磁場(x軸方向)のなす角 をθ=ωtとする。 図の法線ベクトルnは、n (sin , cos ) A D y 磁束密度はx方向なので、 B dS BdS sin C 面積内のどこでもBやθは一定なので、 B sin dS BS sin t 0 sin t B θ x n 184 B 交流発電機の原理 右下の図の位置で、 針金AB内の荷電粒子を考える。 磁場はx方向で、(B,0,0) AB内の電子の方向は、 B点での接線方向。 (-sinθ,cosθ,0) F q v B すると、 A D y v B (0,0, B cos ) 正の荷電粒子1個が受ける力 は、Z方向(BからAに)、 qBcosθ。 B θ C x n 185 相互インダクタンス 2つのコイルがあるとする。 コイル1を流れる電流 I 1 が コイル2に作る磁束を 2 とおくと、比例する (ビオサバールやアンペールの法則で電流と磁場は比例) 2 MI1 I1 が時間的に変化するとき、 2 も変化する。 d 2 dI1 V2 M dt dt 電磁誘導の法則より、 M を相互インダクタンスと呼ぶ。 186 自己インダクタンス コイルが1個の場合でも、 流れる電流が変化 →磁場が変化 -> 電流が変化する。 -> 電磁誘導で起電力 dI V L dt L 自己インダクタンス または単に インダクタンス インダクタンスの単位: H: ヘンリー 問題 インダクタンスの単位 H(ヘンリー)を、 kg, m, s, Cで表しなさい。 187 単位の補足:アンペア(A)とクーロン(C) 相互の関係 dQ I dt 電荷Qの時間変化が電流I A=C/s C=A・s SI単位系では、アンペア(A)が基本単位に入っている。 理由:電流の方が測定しやすい。 概念的には、クーロンの方が理解しやすい。 試験では「○○で表せ」と指定された方に 変換できるようにしておく。 188 相互インダクタンス 2つのコイルがあるとする。 コイル1を流れる電流 の作る磁束を と I1 2 おくと、比例する。 (ビオサバールやアンペールの法則で電流と磁場は比例) 2 MI1 I1 が時間的に変化するとき、 2 も変化する。 d 2 dI1 V2 M dt dt 電磁誘導の法則より、 M を相互インダクタンスと呼ぶ。 189 電気回路 直流回路 direct current 電流の流れる方向が一定 交流回路 alternating current 電流の流れる方向が時間とともに変わる 190 抵抗と電源の作る回路 オームの法則: 電圧=抵抗×電流 E (r R) I E I R r 起電力 V(ボルト) 電流 A(アンペア) 外部抵抗 電池の内部抵抗 191 Ω(オーム) 電力の導出 問題2により、 クーロン場は保存場なので、 F QE から、 r E dr r0 r Q F dr r0 右辺は仕事の定義。電位差をVとすると、 W QV 電圧が一定だとする。 dW dQ V VI dt dt 192 消費電力 教科書 P VI 電力=電圧x電流 電力の単位 W(ワット)= V(ボルト)× A(アンペア) 単位時間あたりのエネルギーを表す 193 電気回路 直流回路 direct current DC 電流の流れる方向が一定 例:乾電池で動く懐中電灯 交流回路 alternating current AC 電流の流れる方向が時間とともに変わる 例:家庭のコンセントに来ている電気 194 交流発電機の原理 B dS 長方形に曲げた針金を 一定の磁場Hの中で、 一定の角速度ωで回転させる。 B A C BCと磁場(x軸方向)のなす角 をθ=ωtとする。 図の法線ベクトルnは、n (sin , cos ) D y 磁束密度はx方向なので、 B dS BdS sin C 面積内のどこでもBやθは一定なので、 B sin dS BS sin t 0 sin t B θ x n 195 問題 電磁誘導の法則を使って、起電力を求めよ。 ここから 電力の話 196 電力 電圧と電流の積を「電力」と呼ぶ。 P VI 単位は、 W=V×A ワット=ボルト×アンペア 問題 電力の単位は、時間あたりのエネルギー の単位と一致することを示しなさい。 197 実効値 交流 V V0 cos t コンセントに書いてある「100V」は、 V0 のことではない。 V0 実効値 2 V0 V0 V0 2 2 を表示する理由:、 1) 最大値はめったにとらない。 2) 最大値はずれやすい。苦情が出やすい。 3) 電力の平均値との関係(後で見ます) 198 交流電流の実効値 交流 I I 0 cos t 電気製品に書いてある「2A」(アンペア)などは、 I 0 のことではない。 I 0 実効値 2 I0 I0 2 199 交流の電力 問題 交流電圧と電流が V V0 cos t I I 0 cos t である場合、 (1)電力の時間変化の式を書きなさい。 (2) グラフを書きなさい。 (3)電力の平均値を求めなさい。 200 ここから 交流回路 201 抵抗と交流回路 V RI S V V0 cos t オームの法則 問 抵抗を流れる電流は、どのような 時間変化をするか。 202 コンデンサーと交流回路 Q CV dQ I dt S V V0 cos t コンデンサーの 電荷=電気容量×電圧 電流と電荷の関係 問 コンデンサーを流れる電流はどの ような時間変化をするか。 203 コイルと交流回路 V V0 cos t dI Ve L dt 電流が変化すると、 起電力ができる。 L インダクタンス 問 コイルを流れる電流はどのような 時間変化をするか。 204
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