過去 30 年間の州政府・地方公共団体による矯正のための支出

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
過去 30 年間の州政府・地方公共団体による矯正のための支出の増加率、P-12
公教育支出の増加率の約 3 倍(7 月 7 日)
教育省(Department of Education)は 7 月 7 日、矯正及び教育のために拠出される州
政府及び地方公共団体の支出を検証した報告書「矯正及び教育目的の州政府及び地方公共
団体の支出の傾向(Trends in State and Local Expenditures on Corrections and
Education)」を発表した。
これによると、過去 30 年間で、州政府及び地方公共団体による刑務所関連支出は、就
学前から小・中・高等学校の公教育のための支出額の増加率の 3 倍の割合で増加している
ことが明らかにされた。
具体的には、23 州において、矯正のための住民 1 人あたりの支出額の増加率は、プリ
スクールから高校 3 年生まで(P-12)の児童・生徒 1 人あたりの公教育支出額の増加率
の 2 倍以上で、さらには、アイダホ・ミシガン・モンタナ・ノースダコタ・サウスカロラ
イナ・サウスダコタ・ウエストバージニアの 7 州では、矯正のための予算は公教育予算の
増加率の 5 倍の割合で増加しているという。
主要な結果は以下の通り。
 1979-80学年度から2012-13学年度までの約30年間で、州政府及び地方公共団体に
よる P-12教育のための支出は2,580億ドルから5,340億ドルに倍増した一方、矯正
のための支出は170億ドルから710億ドルの約4倍に増加。
 全州において、P-12教育目的での支出増加率は矯正目的での支出増加率を下回り、
大半の州において、矯正目的での支出額増加率は教育目的のものを100ポイント
以上上回る。
 人口の変化で修正後も、ニューハンプシャー州とマサチューセッツ州の2州を除い
ては、矯正支出増加率は P-12教育支出増加率を上回る。
 1989-90学年度から2012-13学年度までの約20年間で、州政府及び地方公共団体の
高等教育予算はほぼ横ばいであるのに対し、矯正のための予算は約90%増。
 フルタイム学生1人あたりの州政府及び地方公共団体による高等教育予算は平均
28%減であるのに対し、国民1人あたりの矯正目的での支出は44%増。
なお、本報告書は、
<http://www2.ed.gov/rschstat/eval/other/expenditures-corrections-education/brief.pdf
>からダウンロード可能。
Department of Education, Report: Increases in Spending on Corrections Far Outpace
Education
http://www.ed.gov/news/press-releases/report-increases-spending-corrections-far-outp
ace-education