教育省、投獄歴のある学生にペルグラントを支給するパイロット

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
教育省、投獄歴のある学生にペルグラントを支給するパイロットプログラム
「セカンドチャンス・ペル」に参加する大学 67 校を発表(6 月 24 日)
教育省(Department of Education)は 6 月 24 日、投獄歴のある個人に対して連邦学
資援助へのアクセスを拡大することにより、質の高い教育プログラムへの参加が増加する
か否かを検証するパイロットプログラム「セカンドチャンス・ペル(Second Chance Pell)」
に参加する大学 67 校を選出したことを発表した。
本プログラムは、一定条件を満たす投獄歴のある米国人に対し、低所得層学生を対象と
した連邦奨学金「ペルグラント(Pell Grant)」を受給して大学での教育を受ける機会を
提供し、刑期を終えた受刑者が就職して家族を経済的に支えられるように支援することを
目指している。
米国は、受刑率が世界で最も高く、約 220 万人が刑務所で服役中で、毎年数千人が釈
放されているが、更生教育プログラム参加者は、3 年以内に再び投獄される確率が、同プ
ログラム不参加者と比較すると 43%低く、また、更生教育プログラムへの投資 1 ドルに
つき、再収監者に要する 3 年間のコスト 4~5 ドルが節約可能とする研究結果が、ランド
社(RAND Corporation,)により 2013 年に発表されている。
ジョン・キング教育長官(John B. King Jr)は、投獄歴のある個人に対する教育及び
職業訓練の促進により、コミュニティの安全と税金の節約に好影響を与えることは明白と
発言し、同プログラムに参加する大学の取組みを称賛した。これらの大学が提供する教
育・職業訓練プログラムには、投獄歴のある学生約 1 万 2,000 人が参加するものと予測さ
れている。
なお、本プログラムに参加する大学 67 校のリストは、
<http://www2.ed.gov/documents/press-releases/second-chance-pell-institutions.pdf>か
らダウンロード可能。
Department of Education, 12,000 Incarcerated Students to Enroll in Postsecondary
Educational and Training Programs Through Education Department's New Second
Chance Pell Pilot Program
http://www.ed.gov/news/press-releases/12000-incarcerated-students-enroll-postsecond
ary-educational-and-training-programs-through-education-departments-new-secondchance-pell-pilot-program