平成27年度の消費生活相談の状況について 1 宮城県内の相談件数の推移 県全体の件数は1,159件大幅減少 宮城県消費生活センターと県内6か所に設置されている県民サービスセンターを合わせた 県に寄せられた相談件数は7,741件で前年度と比較すると1,081件減少した。相談件数は,平 成25年度に食品偽装等の問題により一時的に増加したものの減少傾向にある。 一方,各市町村で受けた相談件数は12,972件で前年度と比較すると 78件減少しているが, 横ばい傾向であり,市町村での相談が全相談件数の約6割を占めている。 表1 消費生活相談件数の推移 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 対前年増減 県 市町村 合計 2 相談件数 8,330 8,442 9,639 8,822 7,741 -1,081 うち苦情 7,257 7,303 8,555 7,927 6,925 -1,002 相談件数 11,385 11,306 12,494 13,050 12,972 -78 うち苦情 9,562 9,809 11,039 11,839 11,581 -258 相談件数 19,715 19,748 22,133 21,872 20,713 -1,159 うち苦情 16,819 17,112 19,594 19,766 18,506 -1,260 宮城県に寄せられた消費生活相談の状況 (1)アダルト情報サイトなどの「デジタルコンテンツ」に関する相談が5年連続最多 スマートフォンの急速な普及などを背景として,アダルト情報サイトなどの「デジタ ルコンテンツ」に関する相談は,前年度より 289件減少したものの 1,503件で他を大きく 引き離して1位となり,全相談の約20%を占めている。 また,20歳未満から70歳代までの各年代においてもそれぞれ最多の相談件数となってい る。 相談内容としては,「無料の動画を見ようと思い,年齢確認をクリックしたら,突然ア ダルトサイトに登録になり,利用料を請求された。」などといった“ワンクリック請求 ”や,「コンテンツ利用料の未払いがある。支払わないと訴訟を提起する。」などの内 容のメールが届く“架空請求”などである。 (2)「インターネット接続回線」に関する相談が大きく増加 インターネット接続回線(光ファイバー回線など)に関する相談が前年度より120件増 え,439件の相談が寄せられた。また,順位も 6位から2位に上がった。平成27年2月から 光ファイバー回線の卸売りサービスが実施され,それに伴い,相談が増加したものとみ られる。 相談内容としては,「インターネットが現在使用中の料金よりも安くなると言われ契 約したが,実は安くならないことが判明した。」,「契約中の通信会社を名乗り,光回 線が安くなると電話で勧誘され申し込んだ。後日相手方から封書が届き,契約先が変わ ったことに初めて気づいて解約を申し出ると違約金がかかり,電話番号も変わるといわ れた。」などといった相談である。 なお,平成28年5月から改正電気通信事業法が施行され,問題のある販売方法を規制す るために初期契約解除制度などが導入されており,相談内容の動向を今後も注視する必 要がある。 (3)「携帯電話サービス」も増加 前年度と比較して39件増加し133件と約40%増加した。 内容としては,「申し込んだ覚えのないサービスの料金が請求された。」,「解約を 申し出たら高額な解約金を請求された。」などの相談である。 (4)その他平成27年度の特徴 ① 60歳代以上の高齢層について 60歳代以上の高齢層からの相談が依然として全相談件数の3割を占めている。また,販 売購入形態別に見ると,訪問販売・電話勧誘販売・訪問購入などの自宅にいて巻き込ま れるトラブルが多い。 ② 20歳代以下の若年層からの相談について 20歳代以下の若年層からの相談が, 840件と前年度に比較して 187件18%の減少となっ ている。 ③「他の行政サービス」に関する相談が増加 他の行政サービスに関する相談が19件増加して119件になった。これは,大手企業など の個人情報流出のほか,国勢調査やマイナンバー制度に便乗して,行政機関を名乗り流 出した個人情報の削除を持ちかける不審電話などが増加したことが要因としてあげられ る。 ④「マルチ・マルチまがい」に関する相談は横ばい マルチ・マルチまがいの商法に関しては前年度の100件に対して96件と横ばいではある ものの,20歳代からの相談が31件と一番多くなっている。 ⑤ 多重債務に関する相談は減少 多重債務に関する相談は平成 22年度の貸金業法改正以降減少傾向が続いており,前年 度より 63件減少し262件となった。しかし,「生活費を補うため,複数社から借入をし たが,返済で収入の半分がなくなり支払が困難。」,「息子がギャンブル依存で複数社 から借金している。自分は年金暮らしであり,息子の借金は息子が解決してほしいが, どうしたらよいかわからない。」など,生活苦に起因するものもあり,依然として注視 する必要がある。 表2 多重債務に関する相談件数の推移 抽出区分\年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度 H26年度 H27年度 フリーローン・サラ金 1,524 1,096 274 355 326 237 185 その他 192 171 98 123 125 88 77 計 1,716 1,267 372 478 451 325 262 表3 商品サービス別(中分類)による相談件数(上位10) 順 位 相談件数 商品・サービス 1 デジタルコンテンツ 2 H27年度 H26年度 1,503 1,792 インターネット接続回線 439 319 3 商品一般 359 398 4 相談その他 348 356 5 不動産貸借 323 407 6 フリーローン・サラ金 309 413 7 工事・建築 256 288 8 四輪自動車 179 224 9 携帯電話サービス 133 94 10 他の行政サービス 119 100 表4 無店舗販売に関する販売購入形態・年代別の相談件数 形態\年代区分 訪問販売 電話勧誘販売 通信販売 マルチ・マルチまがい ネガティブ・オプション 訪問購入 その他無店舗 無店舗販売計 無店舗販売以外 不明・無関係 合 計 20歳 20 30 40 50 60 70 80 90歳 不明 27年度計 未満 歳代 歳代 歳代 歳代 歳代 歳代 歳代 以上 7 39 45 49 46 84 90 65 3 103 531 1 29 45 79 114 124 121 47 0 120 680 163 263 392 451 417 409 162 49 2 245 2,553 2 31 7 11 9 17 8 3 0 8 96 1 0 3 0 1 3 0 4 0 10 22 0 3 5 6 10 17 7 9 2 9 68 1 5 0 4 4 4 5 2 0 4 29 175 370 497 600 601 658 393 179 7 499 3,979 22 218 338 319 331 337 198 72 7 370 2,212 8 47 98 144 165 203 164 81 11 629 1,550 205 635 933 1,063 1,097 1,198 755 332 25 1,498 7,741
© Copyright 2025 ExpyDoc