平成27年度福岡県消費生活センターにおける消費生活相談の概要

平成28年5月30日
平成27年度福岡県消費生活センターにおける消費生活相談の概要
~マイナンバーなどに関する問い合わせや相談が増加~
福岡県消費生活センターが、平成27年度に受け付けた消費生活相談の概要を、次のとおり取
りまとめましたので公表します。
1
対象期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日
2
平成27年度福岡県消費生活センターにおける消費生活相談の特徴・・・・・・・ 資料1
(1)相談件数等の状況
相談件数は9,812件で、前年度の10,464件に比べ、652件の減少(対前年度比
6.2%の減少)となっています。
※福岡県及び市町村に寄せられた相談件数は53,648件で、3,122件の減少(対前年度比5.
5%の減少)となっています。
(2)年代別相談状況
相談件数を年代別でみると、70歳以上からの相談件数が一番多く、次に60歳代、40歳
代の順となっています。
(3)商品分類別相談状況
ア 相談の内容
相談件数を商品分類別でみると、「デジタルコンテンツ」が13年連続で第1位となって
おり、このうち76.8%がアダルト情報サイト等の有料サイトの利用料などを名目にした
架空請求に関する相談です。第2位は「不動産貸借」、第3位は「商品一般」となっていま
す。なお、26年度第4位であった「フリーローン・サラ金」は、さらに減少し、27年度
は第6位となっています。
イ 増加した相談・減少した相談
○増加した相談
商品名
他の行政サービス
健康食品
H27年度 H26年度
155
187
80
142
差(増減率)
75 (+93.7%)
45 (+31.7%)
○減少した相談
商品名
デジタルコンテンツ
フリーローン・サラ金
差(増減率)
1,826 -208 (-11.4%)
417 -106 (-25.4%)
H27年度 H26年度
1,618
311
・他の行政サービス
・・・
マイナンバーに関する問い合わせ先などの相談が増加
・健康食品
・・・
定期購入(複数回の購入)と認識せずに注文し、中途解約できないかと
いう相談が増加
・デジタルコンテンツ
・・・
アダルト情報サイト等の有料サイト利用料などの架空請求に関する相談
が減少
・フリーローン・サラ金
3
・・・
改正貸金業法施行(H22 年:総量規制の導入等)以降、毎年相談が減少
平成27年度消費生活相談の具体的事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 資料2
(健康食品、興信所)
資料1
(1) 相談件数等の概況
福岡県消費生活センターに寄せられた相談
14,000
12,000
12,709
587
11,147
11,003
585
565
10,000
相
談
件
数
(
件
)
8,000
8,165
6,244
6,856
6,000
10,464
526
6,356
9,812
539
5,950
役務に関
する相談
商品に関
する相談
4,000
2,000
その他
相談
3,957
3,706
4,194
3,582
3,323
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
0
【参考】
県及び市町村に寄せられた相談
60,000
56,271
56,770
41,123
45,268
46,306
12,709
11,147
11,003
10,464
9,812
23年度
24年度
25年度
26年度
27年度
53,704
52,270
40,995
53,648
50,000
相 40,000
談
件 30,000
数
(
件 20,000
)
10,000
市町村
43,836
0
(2) 年代別相談状況
・年代別相談件数順位
1 位・・・70 歳以上
(全相談件数の 16.1%)
2 位・・・60 歳代
(
〃
15.9%)
3 位・・・40 歳代
(
〃
15.9%)
県
14,000
12,000
相
談
件
数
(
件
)
12,709
1,109
11,147
11,003
1,547
1,074
892
1,485
1,815
10,000
1,694
8,000
6,000
921
9,812
不明
1,102
70歳以上
1,612
1,577
1,694
1,665
1,564
1,582
1,952
1,826
1,774
1,876
1,645
1,436
1,618
1,222
1,164
1,107
466
349
403
367
974
23年度
24年度
25年度
26年度
1,870
1,614
2,171
4,000
2,234
2,000
0
1,575
10,464
60歳代
1,559
50歳代
1,413
40歳代
1,556
30歳代
1,326
20歳代
19歳以下
305
27年度
(3) 商品分類別相談状況
「デジタルコンテンツ」は平成 15 年度から 13 年連続で第1位、
「不動産貸借」が昨年度
に引き続き第2位となっている。昨年度第4位であった「フリーローン・サラ金」は今年
度は6位になっている。
上段:内容 中段:件数 下段:全体比
(相談件数:上位5位)
順位
年度
27年度
26年度
25年度
24年度
23年度
1
2
3
4
5
デジタルコンテンツ
不動産貸借
商品一般
相談その他
インターネット接続回線
1,618
607
408
369
345
(16.5%)
(6.2%)
(4.2%)
(3.8%)
(3.5%)
デジタルコンテンツ
不動産貸借
商品一般
フリーローン・サラ金
インターネット接続回線
1,826
542
484
417
353
(17.5%)
(5.2%)
(4.6%)
(4.0%)
(3.4%)
デジタルコンテンツ
不動産貸借
フリーローン・サラ金
商品一般
相談その他
1,589
669
488
388
387
(14.4%)
(6.1%)
(4.4%)
(3.5%)
(3.5%)
デジタルコンテンツ
フリーローン・サラ金
不動産貸借
相談その他
工事・建築
1,837
708
701
374
249
(16.5%)
(6.4%)
(6.3%)
(3.4%)
デジタルコンテンツ
フリーローン・サラ金
不動産貸借
相談その他
工事・建築
(2.2%)
新聞
2,358
982
862
362
246
246
(18.6%)
(7.7%)
(6.8%)
(2.8%)
(1.9%)
(1.9%)
※「デジタルコンテンツ」とは、携帯電話やパソコン等を利用するサービスに関連した相談のこと。
出会い系サイトやアダルト情報サイト、オンラインゲームなどの相談がある。
※「商品一般」とは、商品分類を特定できない、または特定する必要のないものを言う。
近年は、不審な電話勧誘や架空請求に関する相談が目立つ。
※「相談その他」とは、解雇・未払賃金と言った労働問題に関する相談、事業者からの経営相談などの
消費者問題以外の相談。
資料2
平成27年度の消費生活相談の具体的事例
平成27年度に福岡県消費生活センターに寄せられた苦情・相談事例の中で、注意を要する事
例とアドバイスは次のとおりです。
1 健康食品 142件 → 187件 (45件増)
【相談事例】
① 定期購入と認識せずに注文
インターネット広告を見て500円と思い、健康食品を申し込んだ。届いてから書類を確
認すると4ヶ月の定期購入になっており、初回のみ500円、次回から3,900円と記載
されている。負担なしで解約できないか。(60代 女性)
② 注文した覚えのない商品の送付
昨日注文した覚えのないサプリメントが届き、請求書が同封されていた。以前この業者
からマットを購入したことはある。業者に確認すると、以前別の商品を購入した人に試供
品を送っている。1ヶ月以内に断りがない場合は定期購入になり、文書と電話でその旨を
説明しているとのことであった。説明を聞いた覚えがない。どうしたらよいか。(70代
男性)
【アドバイス】
事例①のように定期購入であることを認識せずに注文し、後から気づいて解約したいがで
きないという相談が増加しています。このような定期購入は、初回は安価な価格で商品を提
供し、2回目以降価格が上がるという例が多く見られます。インターネットでの買い物やテ
レビショッピングなどの通信販売にはクーリング・オフ制度がなく、基本的には業者が決め
た返品特約に従うこととなります。最近はスマートフォンでの購入が増えており、画面が小
さいためか、説明をよく読まずに注文していることが多いようです。通信販売で注文する際
は、購入条件や返品特約などをきちんと確認してから購入するようにしましょう。定期購入
の安価な金額ではなく、定価を支払って購入回数を減らすなどの交渉が可能な場合もありま
す。
また、事例②のように別の商品を注文した顧客に、サンプルを送り、断りがない場合は定
期購入にされてしまったという事例も若干あります。必要ない商品のサンプルを送るという
電話があったり、実際送ってきた場合は、放置せず、きっぱり断るようにしましょう。
2
興信所 48件→73件
(25件増)
【相談事例】
① アダルトサイトのワンクリック請求について、インターネットで「消費者センター」を検索
し表示された相談窓口に相談した。契約書を送付するので記入後に返送するよう言われたが、
送られてきた契約書を確認すると公共機関ではなく興信所だとわかったので断りたい。(6
0代 男性)
② スマホでアダルトサイトを閲覧していると、突然登録料32万円請求を請求する画面になっ
たので、あわててネットで相談窓口を検索し、県外の興信所に相談した。「このようなサイ
トに対して、以前は放置しておくようアドバイスしていたが、最近は裁判所から訴状が届く」
と脅され、調査の契約を交わし7万5千円支払ってしまった。(30代 男性)
【アドバイス】
アダルトサイトを閲覧中、突然、高額の登録料を請求する画面になり、あわててインター
ネット等で調べた興信所と契約してしまったという相談が増加しています。
また、インターネットで「消費者センター」等で検索すると上位に広告がでてくるため、
公的な「消費生活センター」と勘違いして、相談の電話をかけてしまうことが多いようです。
興信所は調査をする事業者であり、請求を止めるための交渉や払ってしまったお金を取り戻
すことはできません。また、いわゆるワンクリック請求に対しては支払う義務はありません
ので、解決するために興信所等と契約をする必要もありません。公的な消費生活センターで
は相談は無料ですので、料金の話等が出てきた場合はきっぱりと断りましょう。