2016年度 実解析第一・第二 配布問題 (第7回)

2016 年度 実解析第一・第二 配布問題 (第 7 回)
88 次の値を求めよ.
∫
∞
π/2 ∑
(a)
0
n=1
∫
sin nx
dx
2n
(b)
∞
log 3 ∑
log 2
ne−nx dx
n=1
(
)
1
|x|2
89 φ : (0, ∞) × R → R を φ(t, x) :=
exp −
で定める.
(4πt)d/2
4t
d
(a) 各 k ∈ N, i1 , . . . ik ∈ {1, . . . , d}, t > 0 について,以下を示せ:
k
∂ φ
∂kφ
sup k (t, x) < ∞.
(t, x) < ∞,
sup x∈Rd ∂t
x∈Rd ∂xi1 · · · ∂xik
∫
(b) f を R 上の md -可積分関数とする.u(t, x) :=
d
Rd
φ(t, x − y)f (y)md (dy) とおく.このと
き u ∈ C ∞ ((0, ∞) × Rd ) なること,および,各 (t, x) ∈ (0, ∞) × Rd で
∑ ∂ 2u
∂u
(t, x) =
(t, x)
∂t
∂x2i
i=1
d
なる事を示せ (この関係式を熱方程式といい,k(t, x, y) := φ(t, x − y) を Gauss 核という).
(c)* 前小問の仮定に加えて,f は連続とする.u を前小問の通りに定義された関数とすると
き,u(t, x) は t ↓ 0 のとき f (x) に (x について) 各点収束する事を示せ (注:実際は,広義
一様収束する).
90 f : Rd → R を md -可積分関数とする.
(1) 各 ξ ∈ Rd について,C-値関数 x 7→ f (x)eix·ξ は md -可積分になることを示せ (ただし,x · ξ
は Rd の標準内積).
∫
√
d
(2) fˆ : R → C を fˆ(ξ) :=
f (x)e −1x·ξ dx と定める.fˆ は連続関数になることを示せ.
Rd
(fˆ を f の Fourier 変換という)
91 f ,fˆ は前問の通りとする.
(a) f が C 1 -級, lim sup |f (x)| = 0 かつ f と
R→∞ |x|≥R
√
∫
−1ξi fˆ(ξ) =
Rd
∂f
がともに md -可積分のとき,
∂xi
√
∂f
(x)e −1x·ξ md (dx)
∂xi
を示せ (ただし,i = 1, . . . , d).
√
∂ fˆ
(b) x 7→ xi f (x) が md -可積分のとき, (ξ) = −1
∂ξi
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∫
Rd
√
xi f (x)e
−1x·ξ
md (dx) を示せ.
92 X = [0, 1), F = B([0, 1)), µ を m1 の [0, 1) への制限とする.また,各 x ∈ [0, 1) に対して,x の 2
進展開の第 n 項を fn (x) と書くことで,X 上の可測関数列 (fn )∞
n=1 を定める (2 進展開は,2 進有
n
1∑
理数に対しては有限個の項を除き 0 となるよう定めるものとする).Sn =
fk とおく.Sn
n k=1
が 1/2(どこでも値 1/2 を取る定数関数) に µ-概収束することを,以下の手順に従って示せ.
(a) a ∈ R とし,φ : [a, ∞] → (0, ∞) を単調増加関数とする.g : X → R を可測関数とし,
E := {x ∈ X | g(x) ≥ a} とおく.次の不等式を示せ:
∫
∫
1
1
µ(E) ≤
φ(g) dµ ≤
φ(g) dµ
φ(a) E
φ(a) X
−
(b) A+
n,ε := {x ∈ X | Sn (x) − 1/2 ≥ ε}, An,ε := {x ∈ X | Sn (x) − 1/2 ≤ −ε} とおく.各 λ > 0
で,次の不等式を示せ:
∫
+
−nλ(ε+1/2)
µ(An,ε ) ≤ e
eλ(f1 +···fn ) dµ
∫X
−nλ(ε+1/2)
µ(A−
eλ((1−f1 )+···(1−fn )) dµ
n,ε ) ≤ e
∫
X
∫
λ(f1 +···fn )
(
λ((1−f1 )+···(1−fn ))
1 + eλ
2
)n
e
dµ =
e
dµ =
(c) 各 λ > 0 で
を示せ
X
X
(
)
1 + eλ
λ
λ2
(d) (1) log
− ≤
を示せ.
2
2
8
∞
∞
∑
∑
+
(2)
µ(An,n−1/2 ),
µ(A−
) がともに収束することを示せ
n,n−1/2
n=1 }
{
1
1 とおく.
(e) Bn := x ∈ X | Sn − ≥ √
2
n
(
)
(1) µ lim sup Bn = 0 を示せ
n=1
n→∞
(2) Sn は n → ∞ で 1/2 に概収束することを示せ
(注:(fn )n∈N は各 εk ∈ {0, 1}(k = 1, . . . , m)) に対して
1
2m
をみたす.このことから,(fn )n∈N は「表が出れば 1,裏が出れば 0」という値を返す硬貨投げ
の n 回目の結果 (を表す数学モデル) とみなすことができる.その観点からは,この問の結論は
「硬貨投げの反復試行に対する大数の法則」に相当する).
µ({x ∈ X | fk = ϵk
N
93 Φ : {0, 1} → [0, 1) を,Φ((an )n∈N ) :=
∞
∑
n=1
(k = 1, . . . , m)}) =
1
23n−2
+
an
3n−1
2
+
1 − an
と定める.Φ が単射である
23n
ことを示せ.また,これを用いて, 92 の Sn について,
}
{
1
L := x ∈ [0, 1) Sn (x) は n → ∞ で に収束しない
2
は非可算集合であることを示せ.
94 前問の集合 L は [0, 1) で稠密であることを示せ
16