マーケットが きく変動するなか、中国株は堅調に推移

情報提供⽤資料
マ - ケ ッ ト 情 報
2016年7⽉13⽇
マーケットが⼤きく変動するなか、中国株は堅調に推移
-中国株の中⻑期的な投資魅⼒向上への期待-
英国の欧州連合(EU)からの離脱問題を巡り、世界の⾦融市場が⼤きく揺れるなか、本来なら変
動が⼤きくても不思議ではない新興国株が底堅く推移しており、特に中国株の堅調さが⽬を引く展開
となっています。今後、中国株は統合再編により収益⼒の改善が⾒込まれる国有企業や、政府が重点
分野とする先端・次世代分野に関連するセクターなどの中⻑期的な投資魅⼒向上が期待されます。
(図表1)各国株価指数の騰落率(6⽉23⽇以降)
英国⺠投票後、中国株は好パフォーマンス
(%)
英国の国⺠投票でEUからの離脱派が勝利した後、
6
世界の⾦融市場は⼤きく変動しましたが、新興国
4
株は総じて底堅く推移しています(図表1)。欧
2
州経済の先⾏きに不透明感が台頭したことで、⽶
(期間:2016/6/23〜2016/7/12)
5.4 5.4 5.2
4.6
3.0 2.7
1.8
0
国の利上げ時期が遅れるとの⾒⽅が強まり、新興
-2
国市場からの⽶ドル資⾦引き揚げ懸念が後退した
-0.9
-4
ことが、その要因の⼀つになっている模様です。
-2.9 -3.0
-6
-6.9
イタリア株
フランス株
ドイツ株
⽇本株
⽶国株
フィリピン株
景気は安定成⻑の動きを⾒せていること、などが
インド株
インドネシア株
②住宅市場の回復やインフラ投資などに⽀えられ、
ブラジル株
昨年の⾼値から⼤きく調整が進展していたこと※、
英国株
-8
を引きます。その要因としては、①中国株は既に
中国株
新興国の中でも、中国株の相対的な堅調さが⽬
(注)英国⺠投票の投票⽇(6⽉23⽇)を起点とした各国株価指数の騰落率
⽶国株:S&P500種指数、英国株:FTSE100指数、⽇本株:⽇経平均株価指数、
※中国上海総合指数は2015年6⽉12⽇⾼値から2016年1⽉28⽇安値
ドイツ株:DAX指数、フランス株:CAC40指数、イタリア株:イタリアFTSE
まで約49%下落
MIB指数、中国株:中国 上海総合指数、インドネシア株:ジャカルタ総合指数
フィリピン株:フィリピン総合指数、インド株:S&P・BSEセンセックス指数、
構造改⾰を進めながら安定成⻑を⽬指す中国
ブラジル株:ブラジルボベスパ指数
あるものと考えられます。
中国政府は、過剰な⽣産能⼒の削減に取り組む⼀
(出所)Bloombergのデータより岡三アセットマネジメント作成
⽅で、GDP成⻑率で前年⽐6.5%以上の安定成⻑を
(図表2)中国固定資産投資の推移(年初来累計、前年⽐)
⽬指しています。具体的には、過剰⽣産設備の削減
による景気への下押し圧⼒をインフラ投資(固定資
25
産投資)や不動産開発投資などで緩和するという形
で⾏われています。
20
固定資産投資の内訳を⾒ると、⺠間部⾨が過剰設
備の削減等の影響により減速する⼀⽅、国有部⾨が
15
⼤きく伸びています(図表2)。⺠間企業からは、
「国進⺠退」との批判も聞こえてきますが、中国政
10
府は、政策の舵取りを機動的に⾏うために国有企業
に景気の下⽀えの役割を担わせていると⾒られます。
中国政府は、7⽉15⽇に発表される4-6⽉期GDP
の結果を踏まえた上で、今後も積極的な財政政策と
穏健な⾦融政策により安定成⻑の実現を図るものと
思われます。
(期間:2013/12〜2016/5)
(%)
国有部⾨
5
全体
⺠間部⾨
0
2013/12
2014/5
2014/10
2015/3
2015/8
2016/1(年/⽉)
(出所)Bloombergのデータより岡三アセットマネジメント作成
<本資料に関してご留意いただきたい事項>
■本資料は、投資環境に関する情報提供を⽬的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を⽬的として作成し
たものではありません。■本資料に掲載されている市況⾒通し等は、本資料作成時点での当社の⾒解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、
将来の運⽤成果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するもの
ではありません。■投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付⽬論⾒書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客
様ご⾃⾝で⾏っていただきますようお願いします。
1
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マ - ケ ッ ト 情 報
(図表3)最近の主な国有企業の統合の動き
統合促進による国有企業の収益⼒改善に期待
このように国有企業が固定資産投資を通じて景気
を下⽀える構図となっていますが、株式投資を考え
なると思われます。
現在、中国政府は国有企業の統合を加速させてお
ます(図表3)。中国政府は国有企業の統合を進め
2016年
ることで、過剰設備の是正を図り経営効率を⾼める
ことを⽬指しています。同時に、世界トップクラス
の規模の企業とすることでスケールメリットを享受
し、海外での受注案件などにおける国際競争⼒を⾼
「中国中⾞」←中国南⾞と中国北⾞が合併
(鉄道事業の売上⾼で世界1位に)
電⼒
「国家電⼒投資」
←中国国家核電技術と中国電⼒投資が合併
海運
「中国遠洋海運」←中国遠洋運輸と中国海運が合併
(輸送能⼒で世界4位に)
2015年
る上では、国有企業の経営効率の改善がポイントに
り、国有企業の⼤型合併や統合協議が活発化してい
鉄道
中国電信と中国聯通が業務提携
通信 (設備の共同建設・共⽤、サービスなどで全⾯的に
業務提携)
鉄鋼
宝鋼集団と武漢鋼鉄集団が事業統合を協議開始
(統合が実現すればグループの粗鋼⽣産量は世界2位)
(出所)各種資料より岡三アセットマネジメント作成
(図表4)「中国製造2025」における重点産業
めることも意図しているものと⾒られます。
国有企業の経営効率が⾼まり、収益⼒が改善され
1
次世代情報技術産業
ることになれば、中⻑期的な投資対象としての魅⼒
2
⾼性能NC制御⼯作機械・ロボット
向上につながると考えられます。
3
航空・宇宙⽤設備
4
海洋⼯程設備およびハイテク船舶
5
先進的軌道交通設備
6
省エネルギー・新エネルギー⾃動⾞
7
電⼒設備
8
農業設備
9
新素材
先端・次世代分野のセクターに注⽬
また、中国政府は重化学⼯業に偏った産業構造か
ら脱却し、先進国に伍する技術⼒を有する製造業を
育てることにも取り組んでいます。2025年までを
10
視野に⼊れた製造業発展のための施策「中国製造
バイオ医療
(出所)各種資料より岡三アセットマネジメント作成
2025」では、政府が重点的に注⼒する10の産業を
掲げています(図表4)。鉄鋼、セメント、化学な (図表5)中国・⽇本・⽶国・ドイツの研究開発投資(対GDP⽐率)
どは過剰⽣産能⼒の調整が今後も続くことが想定さ
れるため、先端・次世代分野の製造業を育成するこ
とは、中国経済の⻑期的な成⻑⼒を⾼める重要な取
り組みと⾔えます。
中国の研究開発投資は、これまでも増加傾向にあ
りましたが、対GDPで⾒た投資⽐率は⽇⽶独の⽔準
(%)
(期間:2000年〜2014年)
4
※⽶国は2013年まで
3
2
に⽐べるとまだ低い⽔準にあります(図表5)。今
後、こうした次世代分野の研究開発に⼒を⼊れるこ
⽇本
ドイツ
1
⽶国
とで、中国製造業の国際競争⼒の向上が期待される
ことから、ITや⼯作機械、ロボット、新素材、バイ
オなど重点産業に関連するセクターの今後の動向が
注⽬されます。
中国
0
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
(注)データは推計値または予想値、暫定値を含む
(出所)経済協⼒開発機構(OECD)資料より岡三アセットマネジメント作成
以上(作成:投資情報部)
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ません。
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【岡三アセットマネジメント】
商
号:岡三アセットマネジメント株式会社
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登
録:⾦融商品取引業者 関東財務局⻑(⾦商)第370号
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