為替相場の見通し-米ドルの対円相場は緩やかな上昇を予想

情報提供⽤資料
マ - ケ ッ ト 情 報
2016年8⽉25⽇
為替相場の⾒通し
-⽶ドルの対円相場は緩やかな上昇を予想2012年の秋に始まった為替相場の円安基調は、昨年末に⼀旦終了して急速な円⾼に転じました(図表
1)。1ドル=100円を下回る円⾼は、本邦輸出企業の収益悪化を通して⽇本経済に打撃を与えると考えら
れています。以下では、為替レートに影響を及ぼすさまざま論点を整理することを通して、主に⽶ドル/
円相場の先⾏きを展望します。
当レポートのポイント
・⽶国では年内に利上げが⾏われる可能性がある⼀⽅、⽇本や欧州では緩和的な⾦融政策が当⾯
継続すると⾒られます。このため、内外⾦利差の拡⼤などを背景に、⽶ドルが円やユーロに対し
て緩やかに上昇すると予想しています。
・ただ、11⽉の⽶国⼤統領選挙までは、ドルの上値が抑えられるものと考えます。
8⽉24⽇
3ヵ⽉予想レンジ
⽶ドル/円
100.45
96
〜
107
ユーロ/円
113.15
110
〜
117
(単位:円)
成⻑率格差・⾦利格差はドル⾼要因
⽶国、⽇本、ユーロ圏の今後4四半期の実質GDP
成⻑率を⽐較すると、⽶国が⽇本やユーロ圏を上回
る⾒込みです(図表2)。⽶国では、堅調な個⼈消
費や住宅投資に加え、ドル⾼やエネルギー安の⼀服
を受けて企業部⾨にも底打ちの兆しが⾒えてきまし
た。
(円)
(図表1)⽶ドル/円とユーロ/円相場の推移
180
(期間:2005年1⽉〜2016年8⽉)
160
140
120
100
⽶ドル/円
80
ユーロ/円
60
05/01
06/07
08/01
09/07
11/01
12/07
14/01
15/07
(年/⽉)
※2016年8⽉は、8⽉24⽇時点
(図表2) 実質GDP成⻑率予想(ブルームバーグ予想)
⼀⽅、⽇本は0.5-1.0%、ユーロ圏は1.0-1.5%と
考えられる潜在成⻑率を上回る成⻑は、当⾯、期待
薄と思われます。このような経済成⻑率の格差は、
ドル⾼要因になると考えています。
また、⽶国では連邦準備制度理事会(FRB)の年
16年3Q
16年4Q
17年1Q
17年2Q
⽶国
2.6
2.3
2.1
2.2
⽇本
1.0
0.8
0.9
0.8
ユーロ圏
1.5
1.3
1.0
1.2
(注)前年同期⽐(単位:%)
内利上げが予想される⼀⽅、⽇本やユーロ圏では現
(図表3)⽇⽶2年⾦利差と⽶ドル/円レート
在の緩和的な⾦融政策の継続、または拡⼤が予想さ
(⽶国2年⾦利-⽇本2年⾦利)
(円)
れています。⾦融市場でFRBによる利上げ観測が⾼
140
まる過程では⽶国の短期⾦利の上昇が⾒込まれる⼀
130
4
⽅、⽇欧の短期⾦利は当⾯、低位で安定すると考え
120
3
ています。その結果、⽇⽶・欧⽶の⾦利差の拡⼤が、
110
2
ドル相場を押し上げると予想しています。
100
1
90
0
ドル円相場は、2012年の秋以降、⽇⽶2年⾦利差
の緩やかな拡⼤を上回るペースで円安が進みました
が、本年1⽉以降の円⾼進⾏によって、円安の⾏き
80
過ぎ感は、概ね解消されていると考えられます(図
70
表3)。
(%)
5
(期間:2005年1⽉〜2016年8⽉)
⽶ドル/円(左軸)
‐1
2年⾦利差(右軸)
‐2
05/01 06/01 07/01 08/01 09/01 10/01 11/01 12/01 13/01 14/01 15/01 16/01
※2016年8⽉は、8⽉24⽇時点
(年/⽉)
(図表1-3の出所)Bloombergのデータより岡三アセットマネジメント作成
<本資料に関してご留意いただきたい事項>
■本資料は、投資環境に関する情報提供を⽬的として岡三アセットマネジメント株式会社が作成したものであり、特定のファンドの投資勧誘を⽬的として作成し
たものではありません。■本資料に掲載されている市況⾒通し等は、本資料作成時点での当社の⾒解であり、将来予告なしに変更される場合があります。また、
将来の運⽤成果を保証するものでもありません。■本資料は、当社が信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するもの
ではありません。■投資信託の取得の申込みに当たっては、投資信託説明書(交付⽬論⾒書)をお渡ししますので必ず内容をご確認のうえ、投資判断はお客
様ご⾃⾝で⾏っていただきますようお願いします。
1
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マ - ケ ッ ト 情 報
(図表4) ⽇本の貿易収⽀(3ヵ⽉移動平均)
⽇本の対外収⽀は円安要因に
2000
貿易⿊字は円の上昇要因、貿易⾚字は円の下落要
1000
⽇本⼤震災以降、⽇本の貿易収⽀は⾚字に転じまし
500
た。⾃動⾞輸出の減少や、原発の停⽌によってエネ
0
ルギー輸⼊が拡⼤したことが主な原因となりました。
‐500
その後、円安が輸出を刺激し、エネルギー価格の低
‐1000
下が輸⼊⾦額を押し下げたため、2015年以降は貿易
‐1500
収⽀の⾚字が概ね解消しました(図表4)。
‐2000
05/01
しかし、今後は年初来の円⾼が輸出を抑制し、エ
⼀服することが⾒込まれます。その結果、貿易収⽀
(期間:2005年1⽉〜2016年6⽉)
1500
因になると考えることができます。2011年3⽉の東
ネルギー価格の底打ちに合わせて輸⼊⾦額の低下も
(10億円)
(年/⽉)
06/04
07/07
08/10
10/01
11/04
12/07
13/10
15/01
16/04
(出所)財務省、Bloombergのデータより岡三アセットマネジメント作成
は再び悪化に転じることが予想されます。貿易収⽀
による為替相場への影響にはタイムラグがあると⾒
られるものの、中期的には円相場の下落要因になる
と考えています。
(図表5)IMFの購買⼒平価(Purchasing Power Parity)
200
(円)
(期間:1990年〜2018年)
190
180
170
購買⼒平価の観点からは中⽴
160
国際通貨基⾦(IMF)が算出した購買⼒平価は、
140
150
1990年以降、1ドル=190円から継続的に円⾼が進
130
120
み、ここ数年は100円〜102円の⽔準で推移していま
110
す(図表5)。購買⼒平価の観点からは、現在の為替
100
1990
⽔準が継続しやすいことを⽰していると思われます。
2018年:101.5円
1993
1996
1999
2002
2005
2008
2011
2014
2017
(年)
※2016年-2018年はIMF予想
(出所)IMF World Economic Outlook, April 2016より
岡三アセットマネジメント作成
中期的なドル⾼を予想
以上のことから、今後3ヵ⽉程度の為替相場は、ドル⾼円安が進むことをメインシナリオと考えます。しか
し、⽶国の利上げ観測が市場に醸成されるまでにしばらく時間がかかる可能性があります。また、11⽉の⼤
統領選までは⺠主党と共和党の両陣営とも、ドル⾼を容認するとは考えられません。そのため、⽬先はドル
の上値の重い展開が想定されます。また、ある程度円安が進めば、本邦輸出業者の「ドル売り・円買い」が
待ち構えていると⾒られ、1ドル=107円を上回って急激に円安が進むことは予想していません。
ユーロ圏では、欧州中央銀⾏(ECB)が量的緩和・マイナス⾦利を継続し、秋から来年にかけて、主要国
で重要な国⺠投票や選挙が予定されていることが不透明要因になると考えています。そのため、ユーロも円
と同様に対ドルで軟調な展開が続くと予想しています。
ドル円相場を巡っては「中央銀⾏の⾦融政策への信頼性」と「⽶国経済の腰の強さ」が当⾯の焦点になる
と考えています。FRBのイエレン議⻑が今週末のジャクソンホール・シンポジウムで触れる可能性のある⾦
融政策の新たな枠組み、9⽉に⽇本銀⾏から発表される「総括的な検証」を踏まえた新たな⾦融政策の⽅向性
に注⽬が集まるものと思われます。
以上 (作成:投資情報部)
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登
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