国立市債権管理・回収指針 平成25年4月 国 立 市 1 策定の目的 市の有する債権には、市税など法律上強制徴収手続が定められている債権(以 下「強制徴収公債権」という。)と、定められていない債権が存在する。 このうち強制徴収手続が定められていない債権については、債権の性質が明 らかではなかったことなどから、適切な処理ができていないものがあった。 しかしながら、市がその有する債権を適切に徴収・回収することは、市の安 定的な財政基盤を確立する上で極めて重要であるばかりでなく、市民負担の公 平性にもかなうものである。 そこで、国立市では、全庁的な観点から債権管理・回収事務の適正化を図る ため、平成21年度から市税等以外の市債権の適正な管理・回収業務に関する 行動を始め、平成24年度には「市税等以外の市債権回収等推進プロジェクト チーム」を設置し、市債権の適正かつ統一的な管理・回収についての検討を重 ねてきた。 本指針は、同プロジェクトチームの検討の結果を踏まえ、国立市の債権の管 理・回収についての基本方針を定めたものである。 なお、本指針(及び後記市債権管理回収マニュアル)で扱う市債権は、上記 の経緯から、強制徴収公債権を除いた債権(非強制徴収公債権及び私債権)と する。またこれらの債権の管理・回収の具体的な方法については、別途「国立 市債権管理・回収マニュアル」に規定するものとする。 2 基本方針 市は、市の安定的な財政基盤の確立及び市民負担の公平性の観点から、滞納 の防止及び滞納金の適切な回収について、全庁的に、厳正な姿勢で臨むものと する。また、市の有する債権の適切な管理・回収の必要性を、危機管理の観点 及び内部統制の観点からも捉えるものとする。 3 職員の心得 (1) 法令遵守 職員は、債権管理・回収業務を遂行するに当たっては、地方自治法等の 関係法令を遵守し、適切に行うものとする。 (2) 取組意識 職員は、自らが市の歳入確保及び市民負担の公平化の担い手であること、 のみならず滞納金の放置は行政の怠慢であることを常に強く意識し、責任 感をもって債権管理・回収業務に当たるものとする。 (3) 市民への感謝 職員は、市民からの適切な納付が、市の財政基盤・行政サービスの根 幹となっていることを認識し、納付を行った市民に対する感謝の意を忘 れないよう心掛けるものとする。 4 管理・回収強化のための取り組み (1) 滞納の未然防止 ①管理の徹底 貸付金の貸付け等に当たっては、滞納の未然防止の観点から、貸付審 査を強化する。 ②早期納付の促進(滞納額及び滞納者数の削減) 納付の呼びかけを積極的に行うなど、納期内納付の促進を図る。納期 限を過ぎた場合には、直ちに督促・催告や納付相談を行い、長期滞納に なる前に適切に対応することで、滞納額及び滞納者数の削減に努める。 (2) 基本的な徴収体制の確立 ① 収体制の確立 原則として各債権所管課において管理・回収業務を行うが、これを支 援するため、必要に応じて政策経営部収納課が指導・助言を行う。 ②滞納整理に係るノウハウの共有化 収納課に蓄積されている滞納整理に関するノウハウを活用するなど、 庁内連携を強化する。 ③人材育成及び専門性の向上 外部研修への参加や庁内研修の実施により、専門的なノウハウの習 得・蓄積を図る。 ④台帳等の整備 後日の債権回収のために台帳(書面又は電磁的記録による)の整備を 行うとともに、督促状・催告状の写しを保管するなど証拠の保全にも努 める。また、債権管理のために使用する督促状、催告書等について、標 準様式を整備する。 ⑤滞納者情報の集約・共有化 国立市個人情報保護条例に規定する必要な手続を経た上で、滞納者情 報の集約・共有化を行い、効率的な回収を図る。 (3) 管理回収マニュアル及び条例の整備 ①マニュアルの整備 債権の管理・回収の具体的方法を示したマニュアルを整備し、債権管 理・回収業務の適正な遂行を図る。 ②債権管理条例の制定 債権の管理に関する条例を制定し、必要な条例・規則等の整備を行う。 5 徴収対策の検証 収納課及び各債権所管課において、定期的に徴収対策及び債権管理の適正化 状況等について報告及び検証を行う。 6 回収及び不納欠損処理 (1) 民事訴訟手続の利用 支払督促手続や訴えの提起など、民事訴訟手続を利用しての債権回収 を図る。 (2) 回収不能債権の処理 債務者の困窮・行方不明などやむを得ない事情により回収困難となっ た債権については、債権管理条例に従い債務の免除・権利放棄など適切 な債権消滅手続をとった上、不納欠損処理を行う。 7 生活困窮者への対応 滞納者が生活に困窮している場合には、納付相談を行った上で納期限を延期 したり、無理のない額での分割納付としたりするなど、丁寧な対応を心がける。 また、滞納者が生活保護費を受給している場合には、生活保護法の趣旨に鑑 み、債権管理・回収の手法について十分な配慮・対応をする。 8 延滞金・遅延損害金等の適正な徴収 債権の管理に関する条例施行後、地方自治法231条の3第2項に基づき延 滞金に関する条例を策定し、適切に延滞金を徴収する。同条例の適用のない債 権については、個別に又は条例で遅延損害金の率を定め、適切に徴収する。 なお地方自治法231条の3第2項に定める督促手数料については、今後の 検討課題とする。 9 個人情報の保護 地方公務員法上の守秘義務及び国立市個人情報保護条例の規定に留意して、 適切に債権管理を行う。
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