別紙様式1 平成27年度学術研究推進経費 共同研究推進経費 研究成果概要報 告 書 個人研究支援経費 プロジェクトの名称 持続可能な社会の実現のために、都市における、生物多様性に気付かせ る話題提供・教材開発・街づくり提案 報告者氏名・所属・職名 プロジェクト担当者 (氏名・所属・職) 三上修・函館校・准教授 三上修・函館校・准教授 研究内容及び成果の概要 五稜郭公園におけるスズメのサクラへの食害の影響評価 サクラの花が目立つのは、虫や鳥を誘引し、花粉を運ばせるためである。しかし、スズメはくちば しが短いために、正面から蜜を吸うことができず、サクラの花の付け根を引きちぎってしまい、花 見に影響する可能性がある。そこで、この影響が五稜郭公園においてどの程度であるかを評価した 。その結果、スズメによって落とされた花の数は、約40万と推定された。これはかなりの数だが、 五稜郭公園全体から見ると0.5%にも満たない。一方で、スズメが、サクラにつく害虫を食べるなど によって、サクラにプラスの面も持っていることが示唆された。そのため、スズメがサクラを食害 している姿も、環境教育あるいは観光資源として活用していく方が、都市における人と野生生物と の共存の形として好ましいと考えらえる。 函館市内を流れる亀田川が鳥類多様性に与える影響の評価 函館市内を流れる亀田川は、緑地を含みつつ流れており、函館市の生物多様性を高めていると考え られる。それを、鳥類を対象生物として評価した。その結果、亀田川は周辺の住宅地と比べて、通 年を通して15種以上多くの鳥類種が生息すること、夏は、上流で多くの種が見られるが、冬は、下 流で多くの種が見られるなど季節的な違い明らかになった。 当該研究で残された課題と今後の展望 どちらの研究成果も函館市民にとって身近な話題である。論文として受理されないと公表ができな いので、なるべく早く受理をめざし、函館市民にわかりやすい形で公表したい。サクラの食害につ いては、環境教育あるいは観光資源として使え、亀田川の研究については、函館市内の環境政策に とって重要な示唆があるので、受理されれば市の担当職員にも報告し活用してもらいたい。 成果の公表の状況 教育現場で活用可能な分野等 スズメによるサクラの盗蜜の話は、花の進化、それに対するスズメの抜け道という観点で、生物教 育に使える。実際、本年度の本学で行われた生命環境基礎実験で材料として用いた。わかりやすく かみ砕くことで、中高の理科教育の教材としても使えると思われる。 配布又はダウン 論文が受理され次第一般の方にでもわかるような簡単な形で、研究室ウェブサイ ロード可能な資 トに掲載する。 料 問い合わせ先 代表者:三上修 mail :[email protected]
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