2016 年度 無機化学演習 到達度試験 予告問題 7/25 実施予定 筆記

2016 年度 無機化学演習
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到達度試験 予告問題
7/25 実施予定
筆記用具・関数電卓・時計・飲料 (500 mL ペットボトル 1 本、ラベルは剥がすこと)
または水筒のみ持込可
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携帯電話等、通信可能な電子機器を電卓・時計として使用してはならない。
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物理定数は以下の値を使用せよ。
1.
Avogadro 定数
𝑁A = 6.022 × 1023 mol−1
電荷素量
𝑒 = 1.602 × 10−19 C
Faraday 定数
𝐹 = 𝑁A 𝑒 = 9.649 × 104 C mol−1
気体定数
𝑅 = 𝑁A 𝑘B = 8.314 J K −1 mol−1
真空の誘電率
𝜀0 = 8.854 × 10−12 J−1 C2 m−1
トンネル内の照明等に用いられているナトリウムランプは、Na 原子の励起状態 [Ne]4p1
から基底状態 [Ne]3s1 への遷移に伴う発光 (Na D 線) を利用している。
(a) 基底状態における電子の全軌道角運動量量子数 𝐿、全スピン角運動量量子数 𝑆 を求
め、この電子配置から生じる準位の項記号を記せ。
(b) 上記の励起状態における電子の全軌道角運動量量子数 𝐿、全スピン角運動量量子数
𝑆 を求め、この電子配置から生じる準位の項記号をすべて記せ。
(c) 電子配置 [Ne]4s1 をもつ状態からの発光は観測されない。理由を簡単に説明せよ。
2.
次の結合はどちらに分極しているか。分極がごく小さい場合には「分極していない」と
答えること。
(a) N–H (b) C–H (c) C–Mg (d) I–Cl
3.
NaF は塩化ナトリウム型構造をとる。Born–Landé 式を用い格子エンタルピーを kJ mol−1
単位で求めよ。Na–F 距離 = 2.31Å、Born 指数= 7 とせよ。また塩化ナトリウム型構造の
Madelung 定数は ℳ = 1.7476 である。
4.
以下の酸化物のうち、(a) 酸性酸化物・(b) 塩基性酸化物・(c) 両性酸化物はどれか。
Al2 O3 ・BeO・CO2 ・MgO・P2 O5・SO2 ・Sb2 O3・SnO
5.
(a) 298 K における銀–塩化銀電極 AgCl (s) + e− ⇄ Ag (s) + Cl− (aq) の標準電極電位
𝐸 ∘ を、AgCl の溶解度積 𝐾sol = 1.77 × 10−10 および半反応 Ag+(aq) + e− ⇄ Ag(s) の標準電
極電位 𝐸°(Ag + ⁄Ag) = +0.7996 V を用いて計算せよ。
(b) この温度で、電極隔室中の塩化物イオンの濃度が 0.1 M のときの電極電位を求めよ。
6.
次のイオンは複数の等価な共鳴構造を有する。それらの Lewis 構造式を描け。共有結合
に携わる電子対は線で表しても差し支えない。(a) NO−
2
7.
(b) CO2−
3
次の分子がどのような形をとるか VSEPR 則を用いて説明せよ。また結合を混成軌道モデ
ルで説明する場合、太字の原子はどのような混成軌道をもつか。(a) 𝐗𝐞F4
8.
(b) 𝐏F5
ハロゲン間化合物 ICl の分子軌道はエネルギーの低い順に 1σ, 2σ, 3σ, 1π, 2π, 4σ である。
(a) これらの分子軌道のラベルに g や u がつかないのはなぜか。(b) ICl 分子の基底状態
の電子配置を予測せよ。(c) ICl 分子の分極の向きはこの電子配置で説明できるか。
9.
(a) BF3 分子が 1 本の 3 回軸、3 本の 2 回軸をもつことを、図を描いて説明せよ。
(b) この分子は鏡映面を 4 枚もつが、それらは 3 枚と 1 枚の鏡映面からなる 2 つのグル
ープに分けられる。各グループに属する鏡映面を 1 枚ずつ図示せよ。
10. CO2 は 𝐷∞ℎ 点群に属する。分子軸を 𝑧 軸と定めたとき、次の原子軌道はそれぞれどの
既約表現に属するか。(a) C 2s (b) C 2p𝑥
𝐷∞ℎ
𝐸
(c) C 2p𝑦
(c) C 2p𝑧
∞𝐶2′
2𝐶𝜙
𝑖
∞𝜎v
2𝑆𝜙
Σg+
1
1
1
1
1
1
Σu+
1
−1
1
−1
1
−1
𝑧
Σg−
1
−1
1
1
−1
1
𝑅𝑧
Σu−
1
1
1
−1
−1
−1
Πg
2
0
2 cos 𝜙
2
0
−2 cos 𝜙
(𝑅𝑥 , 𝑅𝑦 )
Πu
2
0
2 cos 𝜙
−2
0
2 cos 𝜙
(𝑥, 𝑦)
Δg
2
0
2 cos 2𝜙
2
0
2 cos 2𝜙
Δu
2
0
2 cos 2𝜙
−2
0
−2 cos 2𝜙
⋮
⋮
⋮
⋮
⋮
⋮
𝑧2, 𝑥 2 + 𝑦 2
(𝑥𝑧, 𝑦𝑧)
(𝑥𝑦, 𝑥 2 − 𝑦 2 )
⋮
C2v
𝐸
𝐶2
𝜎v (𝑥𝑧)
𝜎v′ (𝑦𝑧)
A1
1
1
1
1
𝑧
𝑥 2, 𝑦 2, 𝑧2
A2
1
1
−1
−1
𝑅𝑧
𝑥𝑦
B1
1
−1
1
−1
𝑥, 𝑅𝑦
𝑥𝑧
B2
1
−1
−1
1
𝑦, 𝑅𝑥
𝑦𝑧
11. 右図は AH2 分子についての Walsh 図である。ただし 𝐶2v
点群に属する分子では分子面が 𝑦𝑧 平面となる座標系
2𝜎u
2b2
を用いている。この図を用いて以下の事実を説明せよ。
(a) BeH2 分子は直線である。
(b) H2O 分子は曲がっている。ただし結合角の値に言及
する必要はない。
12. [7/12]
13. [7/19]
3a1
2𝜎g
1b1
1πu
1b2
2a1
1𝜎u
1a1
1𝜎g
90
𝐶2v
結合角
180
𝐷∞h