仮説実験授業と自己実現

科学的認識と表現と自己実現
仮説実験授業と斉藤喜博
斉藤喜博とロジャース
• ロジャースの原則
– 無条件の受容
– 共感的理解
– 自己一致
• 斉藤の授業原則(発問ではない問いかけ)
– 二択の提起
– 自分にもわからない
– 正解がない(どの答えも正解)
行動と科学的認識(1)
• 個人は「科学的認識」をもつと、モラルを尊重
した行動をとるようになるのか。
a 正しい認識が正しい行動の基礎となる。
b 認識と行動は全く別ものだ。
• 他の個人の行動を変える(改善する)のに、
科学的認識は有効か。
a 本人の内的意思こそが行動を変える。
b 科学的認識に基づいた「働きかけ」で行
動を変えることができる。
仮説実験授業とは何か
• 科学的認識は、科学的真理の獲得の筋道を
できるだけたどって到達するような教育方法
によって学ぶのが、効果的である。
• 科学の発展の歴史を踏まえながら、科学的な
方法(実験的な方法)によって、科学的知識を
獲得していくのが効果的である。
• 科学を学ぶ目的は、知識の獲得だけではなく、
科学や生活に対する主体的な態度を育てる
ことも含む。
仮説実験授業の方法
• 教材を分野別に「系統的」に配列する。(学習指導
要領とは異なる。)
• その系統性に沿って、学ぶべき知識とそれを確かめ
る実験を配列する。
• それぞれの知識を確認するための「問題」を配置し、
過去の科学研究の歴史を踏まえた「選択肢」を3つ
程度与える。
• はじめに「選択肢」にそって意見分布をとり、その後
討論をする。
• 討論の結果を踏まえて、意見分布を再度とる。
• 実験で確認する。
仮説実験授業の意味
• 系統的に学ぶので、理解しやすいし、高度な
ことを学ぶことができる。
• 過去の科学史を踏まえた選択肢が構成され
ているので、「間違った意見」も説得力をもつ
ことが多い。また、正しい選択よりも、相手を
説得することを高く評価するので、成績にか
かわらず、討論に参加できる。
• コミュニケーションをとり、主体的な関わりを
成長させることができる。