地域活性化のジレンマ

Ⅰ:地域活性化とは
停滞、衰退しつつある地域を再び成長させること。
目的
・地域経済の拡大
・街を賑やかに
・人口の増大
・住民の生活をより便利に
地域活性化の種類
・観光の活性化(今回はこれに注目する)
・産業の活性化
・組織、地域コミュニティの活性化
Ⅱ:地域活性化の効果
一箇所の観光地が
地域活性化
当然観光客は増え、収益
は上がるだろう
競争相手が近くに存在し、
観光客数に影響し合う場合どうなるのか?
(展開系ゲームで見ていく)
Ⅲ:地域活性化ゲームの前提
・ある県の観光地A,Bがあるとする。
・観光地A,観光地Bには毎年合わせてN人の観光客が来るとし、
人気の高い観光地には𝑁1 人、低い方には𝑁2 人来るとする。(N=
𝑁1 + 𝑁2 )
・地域活性化をすることによって相手より人気が高くなるとする。
・もともと人気が高い方の町が地域活性化しても観光客数は𝑁1 の
まま変わらないものとする。
・最初はBよりAの方が人気が高いとする。
・観光地Aが地域活性化にかける費用を𝐶𝐴 、観光地Bが地域活性
化にかける費用を𝐶𝐵 とする。
・観光地Aが観光客一人当たりから得れる収益をα、観光地Bが
観光客一人当たりから得れる収益をβとす。
・ゲームの利得は「観光客×一人当たりから得れる収益ー地域活
性化費用」とする。
・地域活性化に失敗はないものとする。
Ⅳ:展開系ゲームで見る地域活性化
(
活性化する
A 、 B
(𝑁1 α-𝐶𝐴 、 𝑁2 𝛽-𝐶𝐵 )
A
活性化する
活性化しない
(𝑁2 α、 𝑁1 𝛽-𝐶𝐵 )
活性化する
(𝑁1 α-𝐶𝐴 、 𝑁2 𝛽)
B
活性化しない
A
活性化しない
)
(𝑁1 α、 𝑁2 𝛽)
Ⅴ:展開系ゲームで見る地域活性化ー分析
初めに観光地Aの戦略を確認する
観光地Bが地域活性化をしないとすると・・・
地域活性化をした場合、観光地Aの利得は𝑁1 α-𝐶𝐴
地域活性化をしなかった場合、観光地Aの利得は𝑁1 α
観光地Bが地域活性化をしない場合
観光地Aも当然ながら地域活性化をしない方がよい
Ⅴ:展開系ゲームで見る地域活性化ー分析
観光地Bが地域活性化をとすると・・・
地域活性化をした場合、観光地Aの利得は𝑁1 α-𝐶𝐴
地域活性化をしない場合、観光地Aの利得は𝑁2 α
この二つの利得の大小関係で地域活性化を行うべきか否か
を決める
観光地Bが地域活性化を行う場合、
・(𝑁1 − 𝑁2 )α>𝐶𝐴 のとき、観光地Aは地域活性化を行い
・(𝑁1 − 𝑁2 )α<𝐶𝐴 のとき、観光地Aは地域活性化を行うべき
ではない
Ⅴ:展開系ゲームで見る地域活性化ー分析
次に観光地Aの行動をふまえて観光地Bの戦略と実現する
戦略の組を確認する
(𝑁1 − 𝑁2 )α>𝐶𝐴 のとき、観光地Bの実現しうる利得は
地域活性化を行った場合、𝑁2 𝛽-𝐶𝐵
地域活性化を行わなかった場合、𝑁2 𝛽 となる。
(𝑁1 − 𝑁2 )α>𝐶𝐴 のとき、
観光地Bは地域活性化を行わない方がよい。
このとき実現する戦略の組は、
(地域活性化をしない、地域活性化をしない)となる。
Ⅴ:展開系ゲームで見る地域活性化ー分析
(𝑁1 − 𝑁2 )α<𝐶𝐴 のとき、観光地Bの実現しうる利得は
地域活性化を行った場合、𝑁1 𝛽-𝐶𝐵
地域活性化を行わない場合、𝑁2 𝛽 となる。
この二つの利得の大小関係で実現しうる戦略の組が決まる。
(𝑁1 − 𝑁2 )β>𝐶𝐵 のとき、
観光地Bは地域活性化を行った方がよい。
このとき実現する戦略の組は、
(地域活性化をする、地域活性化をしない)となる。
(𝑁1 − 𝑁2 )β<𝐶𝐵 のとき、
観光地Bは地域活性化を行わない方がよい。
このとき実現する戦略の組は、
(地域活性化をしない、地域活性化をしない)となる。
Ⅵ:まとめ
人気の低いBにとっては
(𝑁1 − 𝑁2 )α>𝐶𝐴 かつ(𝑁1 − 𝑁2 )β>𝐶𝐵 となるような場合にのみ
地域活性化を行った方がよいが、
もとから人気の高かったAはそれに対抗して
地域活性化を行うべきではない。
両観光地共に地域活性化を行うべきではない場合が存在する。
競争相手がいる場合、必ずしも地域活
性化をすることは有効ではない。