(1)ユビキタス(ユビキタス社 会) 702-254 竹下 拓郎 目次 1.言葉の意味 2.問題提起 3.ユビキタスの歴史 4.ユビキタスの位置付け 5.ブロードバンドとの関係 6.これからのユビキタス 7.これから改善すべき例 8.ユビキタスに関するHP 1.ユビキタス言葉の意味 最近、「ユビキタス(Ubiquitous)」もしくは 「ユビキタス・ネットワーク」、「ユビキタス・ コンピューティング」という言葉が聞かれ るようになった。ユビキタスとは、ラテン語 で「遍在」「いつでも、どこにでも存在す る」という意味だ。では、何が遍在するの だろうか? 2.問題提起 「ユビキタス・ネットワーク」をネット上で検索す ると、多くの紹介文が「あらゆるコンピューター がネットワークに接続された状態で、誰もが、い つでも、どこでも情報にアクセスできる状態」と まとめている。すでに今日において我々は、家 庭や職場におけるインターネット接続、携帯電 話に代表されるモバイル、公衆無線LANサービ ス(ホットスポットサービス)に代表されるワイヤ レスネットワークなどに囲まれているが、現在 のネットワーク環境とユビキタス環境は何か違 うのだろうか? 3.ユビキタスの歴史 「ユビキタス」もしくは「ユビキタス・コンピューティング」と いう概念を最初に唱えたのは、米Xerox Palo Alto Research Center(PARC)の故Mark Weiser氏 ( http://www.ubiq.com/weiser/ )だ。同氏は、ユビキ タス・コンピューティングを第3の波と位置付けた。第1 の波では、多くのユーザーが1台の大型コンピューター にアクセスする。第2の波は、まさに現在がこれにあた り、1人のユーザーが1台のPCを利用する。第3の波で は、1人のユーザーの周りを多くのコンピューターが取 り囲むのだ。つまり、ユーザーが使いたい時に、自分の 情報ネットワークにアクセスできる、人間中心のコン ピューティング環境であり、一般に「ユビキタス・ネット ワーク」と呼ばれるものは「ユビキタス・コンピューティン グ・ネットワーク」の意を含んでいる。 4.ユビキタスの位置付け 「ユビキタス・ネットワーク」の位置付けは若干 誤解されているかもしれない。インターネットは、 いわゆるナローバンド・ネットワークからブロー ドバンド・ネットワークへと成長してきており、今 後、ユビキタス・ネットワークという新たなステー ジへとシフトアップするのだ、といった右肩上が りのイメージを抱いている人も多いかもしれな い。たしかに、ユビキタスという単語は、ブロー ドバンドインターネットの普及と共に語られるよ うになった。 5.ブロードバンドとの関係 「ユビキタスネットワーク=ブロードバンドの次のイン ターネット」という捕らえ方は、必ずしも的を射ていない。 ユビキタス環境で重要なのは、ユーザーが任意のタイ ミングでネットワークに接続可能だということであり、回 線がブロードバンドである必要はない。例えば、2002年 に入って日産、トヨタ、ホンダといった自動車メーカーか ら車載システム付きの自動車が発売された。トヨタの 「G-BOOK」では、携帯電話不要の接続環境を提供して いるが、その最大通信速度は144kbpsだ。もちろん、提 供されるサービスやコンテンツによっては、足回りの回 線が広帯域であったほうがいいものもあるだろうし、 ネットワークに接続される端末数が増えれば、やりとり されるデータの総転送量も増加するので、基幹部分は 超ブロードバンド化される必要があるだろう。 6.これからのユビキタス いつでもどこでもインターネットに接続可 能な環境を目指して、公衆無線LANサー ビスも着実にエリアを広げている。また、 携帯電話からのインターネット接続も当た り前になってきた。しかし、ユビキタスネッ トワークが目指しているものは、もっと“ユ ビキタス”なのだ。 7.これから改善すべき例 例えば、ホットスポットサービスを提供している 街角のカフェで、自分のノートPCからインター ネットに接続し何か調べ物をしながらコーヒーを 飲んでいたとする。コーヒーを飲み終われば店 を出なければならず、そうすると一時的にネット ワークから切断されてしまうだろう。自動車に 乗って次の目的地である図書館へ移動してい る間は、車載システムからネットワークに接続し なければならない。さて、図書館に着いたら、今 度は目の前にプリンターがあるのに、自分のPC からデータをプリントアウトできない。 7.これから改善すべき例について 例では、場所を移動すると対応する端末を 切り替える必要があり、さまざまなインター ネット接続端末に囲まれていても、常に1ユー ザー1端末の閉じた世界のままだ。ユビキタ スネットワークが実現すると、自分が移動す るのにつれて接続端末をシームレスに切り替 えることが可能になるという。究極的には、い つでもどこからでもインターネットにアクセス するために、ノートPCやPDAといった端末を携 帯する必要性もなくなってしまうかもしれない。 8.ユビキタスに関するHP ■e-Japan重点計画2002 /www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/020618honbun.pdf ■ユビキタスネットワーク技術の将来展望に関する調査研究会 /www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/yubikitasu/inde x.html ■日立製作所「ミューチップ」 /www.hitachi.co.jp/ubiquitous/kaihatsu/tech06.html ■ソニー、常時接続対応のホームAVゲートウェイ製品群「CoCoon」を発表 /www/article/2002/0904/cocoon.htm ■三洋電機、“ユビキタス・デジカメ”を参考出品 /www/article/2002/0704/nirepo14.htm ■2010年、ユビキタスによって世界が変わる /internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0930/spe cial.htm
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