物理2013

鮫島 俊之
蓮見 真彦
members
鮫島俊之(さめしまとしゆき)
名古屋大学・静岡大学・工学博士・ソニー・Max Plank
Institute・東京農工大学・教授
講義担当
蓮見真彦(はすみまさひこ)
東京大学・理学博士・理化学研究所・東京農工大学・
学習支援室長
演習担当
Introduction
1.教科書 タイトル:新・基礎 力学
(ライブラリ新・基礎物理学)
出版社:サイエンス社
ISBN:978-4781910970
2.講義ノートはホームページからダウンロード
1)http://www.tuat.ac.jp/~sameken/
2)講義ノートのメニューバーをクリック
3)2013年 物理学及び演習 (1年次後期) のコーナー
の物理 (ppt)をクリック
Introduction
3.演習と宿題は学習支援室蓮見室長が担当する。
学習支援室ホームページからダウンロード
1) http://www.tuat.ac.jp/~gakusyu/
2)演習問題 及び 宿題 をクリック
Introduction
4.必修科目
5.成績評価: 絶対評価
S:100〜90,A:89〜80,B:79〜70,C:69〜60,
D:59〜0
S〜Cは単位認定される。E1クラスと同一評価、
演習30点
宿題20点
中間試験+期末試験 50点
Introduction
6.物理授業用ノートを用意すること
7.講義・演習・宿題の流れ
講義:毎回所定のテーマの解説をする。
演習:前回答案返却→前回問題解説→
今回問題配布・実施→今回答案回収
宿題:講義前に前回答案回収→
演習後今回問題配布
平成24年度電気電子工学科E2 物理学基礎・
物理学基礎演習 期末テスト問題抜粋
問2 物理得意のUさんがまたしても力F=(-2x, -8y, 0) [N]を持ちだ
した。今度は質量m [kg] 長さが2 [m]の剛体棒が図のように棒の一
端が原点OにありX軸上に横たえてある。Uさんはクリスマス時と同じ
ように、時刻0 [s]で重心初速度v=(0,1,0) [m/s]で棒を打ち出すそう
である。以下の問題に答えよ。
(1) 原点Oにある棒の端は原点を動かない
が自由に回転できるようにしてある。このと
き棒は原点を支点として反時計回りに回転
的運動をするだろう。まず、Uさんの力Fが
保存力かどうか確かめたい。回答欄①に
保存力であるか否かに丸をつけよ。そして
回答欄②に、①の答えの証明を数式を用い
て表せ。棒が重心初速度v=(0,1,0)で打ち出された瞬間の棒の回転
運動の慣性モーメントIを回答欄③にmと数値を用いて表せ。
  F z 
Fy
Fx
 00  0
y
平成24年度電気電子工学科E2 物理学基礎・
物理学基礎演習 期末テスト問題抜粋
x

またそのときの角運動量Lを回答欄④にmと数値を用いて成分で表
せ。時刻t [s]において重心の位置がrG=(x,y,0)にあるときの棒が受
ける力のモーメントNを回答欄⑤に成分で表せ。棒が回転運動を続
けるかどうかはmの大きさにかかっている。例にならって回答欄⑥に
mの条件を表せ(例はもちろん間違いである。表現の仕方の例であ
る)。⑥を満たした棒の回転運動はどんなだろうか、回答欄⑦にあな
たの考えを200字以内の文章で表せ。短い数式を一つ使ってよい。
①ノムラ
④
②ノムラ
⑤
③
1. 運動の表し方(1)
1.1 位置と座標系
1.2 二次元極座標と孤度法
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
1.4 ベクトルの基本的性質
1.1 位置と座標系
質量mの質点Pの位置rは三次元直交座標系(デカルト
座標系)を用いて表すことができる。
r   x, y , z 
もし位置に時間変化がある場合、時間の関数を用いて、
Z
r  t    x  t  , y  t  , z  t  
P
と書く。二次元表現で表現できる場合
m
もある。 r  t    x  t  , y  t  


0
一次元表現もある
r  t    x  t  
X
Y
1.1 位置と座標系
問 : 農 工 大 小 金 井 キ ャ ン パ ス は 緯 度 35.699o, 経 度
139.158oにある。農工大小金井キャンパスの地球中心
からの位置を直交座標表示してみよう。地球は真球で
半径を6378.137kmとする。
フジイ
1.2 二次元極座標と孤度法
PからX-Y平面に下ろした垂線の足をQとする。
OXとOQが挟む角をθ、OZとOPが挟む角をφ、
OPの長さをrとすると、
OQ  r sin 
QP  r cos 
Z
であるから、
r   r sin  cos , r sin  sin  , r cos 
となり、三次元直交座標の成分は
r ,  ,  を用いて表される。
X
φ
P
m
O
θ
Y
Q
1.2 二次元極座標と孤度法
r   r, ,  を極座標という。
2次元表現もある。
φが常に90°なら r   r cos , r sin  
物体はX-Y平面内にあり、
r   r,  である。
農工大小金井キャンパスは緯度35.699o,経度139.158o
にあるから、極座標なら農工大小金井キャンパスの地
球中心からの位置は、
noko  6.3781  106 , 2.4287,0.9477 
となる。
1.2 二次元極座標と孤度法
X-Y平面内、半径aの円の位置の極座標表現は、
r   a,  と書くことができる。
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
位置Pは基準点からの成分表示で表される。
数学のベクトルの性質を持っている。
大きさがあり、向きがある。
位置P点が少し動いてP’になったとしよう。
rp   x p , y p , z p 
rp '   x p ' , y p ' , z p ' 
rp p '   x p '  x p , y p '  y p , z p '  z p 
足し算可能(もちろん引き算も可能)
rp '  rp  rp p '
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
rp p '   x p '  x p , y p '  y p , z p '  z p 
のようなものを変位ベクトルと呼ぶ。
大きさが小さければ、
r   x, y, z 
と書いたりする。
問 X-Y平面内、半径rの円の位置が θ =0から θ まで
動く時に描く軌跡の円弧の長さを求めよ。
θ=0からΔθまで少し動いたとき、ベクトルは
r   r,0
r   r cos  , r sin  
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
変位ベクトルは
r   r  cos   1 , r sin  
大きさは、
r  r  cos   1  r  sin    2r 2 1  cos  
2
2
2
2
三角関数には以下の性質がある。
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
Δθは小さいので、2次までの近似とすると、
r  2r 2 1  cos   ~ r

である。よって円弧の長さは、 ARC  0 rd  r
2
円周の長さは、 ARC   rd  2 r
0
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
sin x  
odd
i
n 1
n
3
5
x
x
x
 x


n!
3!
5!
1.4 ベクトルの基本的性質
1.ベクトルは成分表示される量 A   Ax , Ay , Az 
2.ベクトルは加算的である。
A B  C
A
x
 Bx , Ay  By , Az  Bz    Cx , C y , Cz 
3.掛け算は2種類ある
1)内積(inner product, scalar product)
ベクトル・ベクトル=スカラー
A B  C
Ax Bx  Ay By  Az Bz  C
A  B  AB cos
A A  A
2
A B  B  A
1.4 ベクトルの基本的性質
2)外積(outer product, vector product)
ベクトルxベクトル=ベクトル
A B  C
A B
y
z
 Az By , Az Bx  Ax Bz , Ax By  Ay Bx    Cx , C y , C z 
A  B  AB sin  e
A A  0
A  B  B  A
外積のXYZ成分はYZ→ZX→XYの順番に並べて
行けば簡単に求められる。
1.4 ベクトルの基本的性質
位置ベクトルは:
Z
P
m
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
0
X
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
Y
1.4 ベクトルの基本的性質
位置ベクトル
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
速度ベクトル
d
d
d

v  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
dt
dt
 dt

加速度ベクトル
 d2

d2
d2
a  t    2 rx  t  , 2 ry  t  , 2 rz  t  
dt
dt
 dt

数学の勉強:指数関数
指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。
a b
ee
e 
a b
ab である。Multiplication rule
e
e
ab
である。Power rule
de ax
 ae ax である。ordinary differential equation
dx
a, b はどんな数でも成り立つ。
定義:
eia  cos a  i sin a
Euler's formula
aは実数
数学の勉強:指数関数
e  cos a  i sin a
ia
定義:
aは実数
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
e x   an x n と置く
n
上下を見比べれば
d x
e   an nx n1
dx
n
 e x   an x n
n
an n  an1
an1
an 
n
1
an 
n!
数学の勉強:指数関数
ex  
n
xn
n!
 ix 
である。
定義を使って、
n
m m
n 1 n
i
x
i
x
ix
e 

 i
n!
n!
n
even m!
odd
 cos x  i sin x
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
2.運動の表し方(2)
2.1 速さ
2.2 速度
2.3 加速度
2.4 等加速度運動
2.5 等速円運動
2.速さ、速度、加速度
位置ベクトルは:
Z
P
m
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
0
X
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
Y
2.速さ、速度、加速度
位置ベクトル
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
速度ベクトル
d
d
d

v  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
dt
dt
 dt

加速度ベクトル
 d2

d2
d2
a  t    2 rx  t  , 2 ry  t  , 2 rz  t  
dt
dt
 dt

2.速さ、速度、加速度
位置
r  t   r  t   rx  t   ry  t   rz  t 
速さ
v  t   v  t   vx  t   v y  t   vz  t 
2
2
2
2
2
2
加速度の大きさ
a t   a t   ax t   a y t   az t 
2
2
2
2.4. 等加速度運動
位置ベクトル
r  t   t , t 2 , t 
の軌跡をとる物体の速度と加速度ベクトルを求めよ。
物体の運動を説明せよ。
速度ベクトル
v  t   1, 2t ,1
加速度ベクトル
a  t   0, 2,0
・時刻ゼロでの速度ベクトル、加速度ベクトルの向き
を求めよ。
・十分時間が経ったときの位置、速度、加速度ベクト
ルの向きを求めよ。
シゲノ
2.5. 等速円運動
問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの
物体の座標ベクトルの成分を
r  t    r cos t, r sin t 
と書くとき、
物体の線速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の加速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の座標ベクトルの成分を
r  t   re
it
と複素指数表示するとき、物体の線速度を求めよ。
物体の加速度を求めよ。
2.5. 等速円運動
r  t    r cos t, r sin t 
d r t 
v t  
   r sin t, r cos t 
dt
d v t 
a t  
 r 2 cos t, r 2 sin t
dt

r  t   re
it
d r t 
v t  
 ireit
dt
d v t 
a t  
  r 2eit
dt

2.5. 等速円運動
r t   r
v  t   v  r
2
v
a  t   a  r 
r
2
r t   v t   0
a  t    r  t 
2
周期T T 
2

v t   a t   0
3. 力と運動
3.1 ニュートンの第一法則
3.2 ニュートンの第二法則
3.3 ニュートンの第三法則
3.4 いろいろな力
3. 力と運動
問: +x方向に磁束密度Bで磁場が働いている。また、
荷電粒子が+y方向に速度vで運動している。
(1)磁束密度B,粒子の速度vをベクトル表示せよ。
(2)磁束密度Bの中を速度v で運動する荷電粒子には

 
F  qv  B
(1)
という力が働く。qは帯電粒子の電荷量である。この式
(1)を用いて、荷電子が受ける力の大きさと、その方向
を求めよ。
ナカムラ
3. 力と運動
問
(1) v   0, v, 0 
B   B, 0, 0 
(2) F  qv  B  q  0, 0, vB 
∴粒子は-Z方向にvBの大きさの力を受ける。
このように、外積は 3次元ベクトルを考えた時に初め
てでてくる不思議な掛け算である。
3. 運動の3法則
1.慣性の法則 F  0 d p  0
the principle of inertia
dt
2.運動の法則
dp
F
dt
ma  F
Equation of motion
3.作用反作用の法則(運動量保存則)
Law of action and reaction
(Principle of Momentum Conservation)
問.上記3法則について皆さんの体験を述べよ。
ノムラ
3. 運動の3法則
ちから
F がある。これはベクトルである。
ベクトルだからこう考えることができる。
F  F1  F2
F 0
のとき
F1   F2 である。
力のつり合い状態という。
このとき運動の形態は維持される。
3. 運動の3法則
床に質量mの箱が静止している。
箱には重力Fg=mgが働いている。
箱が動かないとき、箱が床に置か
れた事により発生する垂直抗力N
と重力が釣り合っていると考える。
Fg  N  0
N
m
Fg
静止形態は維持される。
身の回りに沢山の類似例がある。
実は目に見えないが大気もこんな状態である。
気流を考えなければ空気が地表にのっかっており、
重力と垂直抗力が釣り合っている。
3. 運動の3法則
問
大気1気圧はパスカル表示で
101325 Pa(=N/m2)である。
重力加速度gは9.806 m/s2である。
地表に乗っかっている大気の
単位1m2あたりの質量を求めよ。
フジイ
大気
地表
3. 運動の3法則
床に静止している質量mの箱を
図のように水平に押す。
箱が動かないとき、
力Fに抗して摩擦力Rが働き
二つの力は釣り合っている。
m
R
F
F R0
摩擦力は箱が床に置かれた事により発生する垂直抗
力Nを使って、  N
と表す。
F  N  0
3. 運動の3法則
疑問:垂直抗力は上向きだった。
しかしRは横向き(力の向きの反対
向き)だった。上向きの力から
なぜ横向きの力が生じるのだろう?
N
N
m
R
F
Fg
は明らかに大きさに限界がある。
よって非常に大きな力を加えれば、
m
m
k
となって物体は動き始める。
F  N  0
3. 運動の3法則
dp
力は運動量の時間微分 F 
と表す。
dt
だから力を時間積分すると運動量の変化になる。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
これを力積という。
3. 運動の3法則
v
問 同じ質量mの物体が速さvで真正面 v
衝突する。
m
衝突前の全運動量は mv  (  mv )  0
である。衝突後も運動量は不変である。
衝突後の運動の形態はどうなるか?
問 同じ質量mの物体二つがばね
常数kで繋がっている。外力を受けず
重心が静止した状態で振動するとき、
全運動量はいくらか。
角振動数ωはいくらになるだろうか。
シゲノ
m
m
k
m
3. 運動の3法則
問:質量Mの太陽の周りを回転運動する、 M=2.0x1030kg
質量mの地球を考えよう。
Y m=5.9x1024kg
地球と太陽の間に働く万有引力以外に r=1.5x1011m
外力は無く、重心が静止しているとき、

全運動量はいくらか。
m
r
運動量が保存する作用反作用
O θ
のルールにてらして地球と太陽
X
M
の運動を考えよ。
ナカムラ
いろいろな力
万有引力
GmM
F 
r
3
r
弾性力
F  k x
粘性抵抗力
F  Cv
力のモーメント
こりおり力
xは変位
N  r  F 角運動量 L  r  p
F  2mv  
mr2ω
3. 運動の3法則
問 質量Mとmの物体二つがばね
常数kで繋がっている。外力を受けず
振動するとき、角振動数ωはいくらに
なるだろうか。
k
K
M
k
m
mM
mM
である。換算質量という。Reduced mass

になる。ここで、 K 
M>>mの場合は?
M=1.5mの場合は?
ノムラ
壁
k
m
1.5m k
m
4.いろいろな運動(1)
4.1 放物運動
4.2 空気抵抗
4.3 束縛運動
4.4 単振動
4.いろいろな運動(1)
力は運動量変化をもたらすと学んだ。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
こんな関係があった。
もし一定の力が作用したとき、t秒後の経過を考
えると運動量の変化は、
p  F  t
になる。これは時間経過がごく短時間の場合は、
運動量の変化は僅かであることを示している。
4.いろいろな運動(1)
もし予めp=(px,0,0)であり、F=(0,0,Fz)なら、
t秒後には
p=(px,0, Fzt)であり、
Δp=(0,0, Fzt)である。
即ち、
px
t 
Fz
までは
力による運動は初速度pxが主役である。
px
そして、 t  F のとき、加速度による運動が支
z
配的になる。
4.1 放物運動parabolic movement
v0の初速で質量mの物体を水平θの角度で投げ上
げる。
y
加速度は a  t   0,  g 
θ
x
v  t   v0 cos , v0 sin   gt 
速度は
g 2

位置は
r  t    v0 cos  t , v0 sin  t  t 
2 

x  v0 cos t
g 2
g
x2
y  v0 sin  t  t  x tan  
2
2  v0 cos 2
4.1 放物運動parabolic movement
これは放物線運動である。
・位置の大きさ(原点からの距離)はどうなる?
g 2

2
2 2
r  r  t   r  t   v 0 cos  t   v0 sin  t  t 
2 

2
2
2

g 
1 g  2
g
 v 0 t cos   sin  
t   v 0 t   t  sin  t  1
2v0 
4  v0 
v0

2
位置は始めはtに比例して大きくなる。等速運動
そのうち、t2に比例して急激に大きくなる。
・位置の大きさの変化がt的からt2的に切り替わる時刻
はいつ?
4.1 放物運動parabolic movement
2
1 g  2
g
r  v 0 t   t  sin  t  1
4  v0 
v0
・位置の大きさの変化がtからt2に切り替わる時刻t0はいつ?
2
1 g  2
g
t
~

sin

t0  1
  0
4  v0 
v0

だろう。
2v0
t0 ~
 sin   1  sin  2
g

である。
物体はt0までは概ね等速度運動、t0を超えると等加速度運
動と言える。
4.1 放物運動parabolic movement
・t0のときの原点からの距離r0は
r0 ~
・X軸上への落下点までの距離r1は
r0,r1,r2
r1 
r2 
1  sin 
2v 02 sin  cos 
g
v 0 sin 
2
・最高高さ到達点までの距離r2は
r0
 sin  

2g
4v 02
2g
g=v0=1のとき
r1 
v 02
g
r1
r2 
r2
θ
v 02
2g
2

2
4.2 空気抵抗
空気の粘性抵抗下でt=0でz=0、z方向に速度 -v0をもつ
質量mの物体の運動を考えよう。
粘性抵抗力は
運動の式は
v
F  Cv
v
maz  mg  Cvz
d 2z
dz
m 2  mg  C
dt
dt
を解こう
4.2 空気抵抗
dz
v
と置く。
dt
dv
m
 mg  Cv
dt
mg
V v
C
dV
m
 CV
dt
と置く。
dV
C
割り算と掛け算をする。
  dt
V
m
積分をする。
整理する。
vは・・・・・・・・
C
ln V   t  a
m
V e
C
 t a
m
v  Ae
C
 t
m
 Ae
mg

C
C
 t
m
4.2 空気抵抗
vはt=0で-v0だから、
mg
 v0  A 
C
よってvは
 mg
  m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C
従ってzは
C
 t
m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
4.2 空気抵抗
問:-v0=0のとき、落下のごく初期t<<小のとき、
v   gt
1 2
z   gt
2
と、近似できることを示せ。
-v0がゼロでない時どうなるか考えよ。
C

mg

 m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
4.2 空気抵抗
問:-v0=0のとき、落下のごく初期t<<小のとき、
C
C

t

t
mg
mg
mg
mg mg  C  mg

 m
m
v
 v0  e 

e 
~
  gt
1  t  
C
C
C
C  m  C
 C

C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0   1  e  
t
C C

 C
2
C



t


m mg
mg
m
mg
C
1
C
mg


m

t~
t
 t   t   
1  e  
C C 
C C m
2m   C
 C
1 2
  gt
2
4.2 空気抵抗
問:空気抵抗中の物体の速度v と位置z は次の式で書け
ることを学んだ。
 mg
  m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C
C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
この運動はC→0 のとき、通常の自由落下運動の速度、
位置と一致することを示せ。
4.2 空気抵抗
C
 mg
  m t mg  mg
  C  mg
v
 v0  e 
~
 v0   1  t  
C  C
 C

 m  C
 v0  gt
C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0   1  e  
t
C C

 C
2

m  mg
C
1
C


  mg
~ 
 v0   t   t   
t


C C
2m   C
 m
  v0t 
1 2
gt
2
4.2 空気抵抗
ストークス則
F  Cv  6 rv
終端条件
球形条件
η:流体の粘度 [Pa・s]
mg  Cv  6 rv
4
mg   r 3 g
3
2  g 2
g
2
v
r 
4 r
9
18
4.2 空気抵抗
問:-Z 方向に重力加速度を受けて落下運動する質量m
の物体が速さv で運動するとき、v及びv 2 に比例する抵
抗力F =-Cv +D v 2 を受けるとする。十分時間がたった
後、この物体の速度がどうなるか考えよ。
F  mg  Cv  Dv 2  0
C  C 2  4mgD
v
2D
4.2 空気抵抗
C→0なら
C  C 2  4mgD
mg
v

2D
D
慣性抵抗
D→0なら
C  C  4mgD
v
~?
2D
2
粘性抵抗
ナカムラ
電気電子工学科E2 物理学及び演習 中間テ
スト問題 2008年12月18日(木)
問1. 惑星Qを調査中の二人の探検家が同時にそれ
ぞれ穴に落ちた。穴の深さは0.5mと10mだった。
落下時は惑星Qの重力加速度g (=1 m/s2)と、大気の
粘性抵抗(抵抗率C(=50 Nsm-1))のみが働く。0.5 mと
10 mの穴の底に達するまでの時間としてもっとも確か
らしい値をそれぞれ下表から選べ。二人の探検家の体
重はそれぞれ同じ質量50kgとする。
表1:0.5s, 1.0s, 1.5s, 2.0s, 2.5s, 3.0s, 3.5s, 4.0s,
4.5s, 5.0s, 5.5s, 6.0s, 6.5s, 7.0s, 7.5s, 8.0s, 8.5s,
9.0s, 9.5s, 10.0s
ドナタカ?
お話:オームの法則
電界強度中の電荷の運動以下の式で表される。
d 2 x m dx
m 2 
 eE
dt
t dt
ここでmは電荷の質量、tは運動のライフタイム、Eは電界強度である。
電荷の位置xが時間t=0でゼロ、速度ゼロのとき電界強度によって
生じる電荷の運動は上式を解くことによって与えられる。
問 上式は空気粘性抵抗下での物体の落下の式
d 2z
dz
m
について、
m 2  mg  C
C
dt
dt
t
mg  eE
とした場合に相当する。時刻tでの電荷の速度を求めよ。
お話:オームの法則
速度は
t
 
dx et E 
t
v

1  e 
dt
m 

単位面積当たりの電流は
i  env
だから電流値は、
t
 
e2nt E 
t
i  env 
1

e


m 

となる。ここで取り扱う時間tが電荷の運動のライフタイムτよりずっと
長い場合を考えよう。このとき、
であるから、電流と速度は、
e2nt E
i~
m
となり、時間に依存しない量となる。
お話:オームの法則
2
よって面積Sを通過する電流Iは I  S e nt E
m
であり、電界強度が一定なら、距離Lで電位降下はV=EL
となるから、
S e 2nt
I
V
L m
電流は電圧に比例する。
これがオームの法則である。
e2nt
係数  
を物質の電気伝導率という。
m
1
m
r


係数
を物質の電気抵抗率という。
2
 e nt
抵抗は R  L r  L 2m
である。
S
S e nt
お話:オームの法則
S:結局電子の速さはいくらだろう?
レールガンより速いのかな?
N:先生の解説によると、固体中の電子の速さは
et E
v
m です。Eは電界強度です。
S:電界強度は電位Vを長さLで割ったものだ。
Nさんのスマホに使われているシリコン トランジスタ
の長さLはいくらですか?
N:・・・・・・・・・・
確か、本によると、約50nmです。
S:え、小さいね。電位は?
N:・・・・・・・・・・
確か、本によると、0.5Vです。
S:ならば電界強度は、1.0x107 V/mになります。
大きいな。
お話:オームの法則
N:シリコンのτとmはいくらなんですか?
S:大学で、 τ~1x10-13 s, m~3x10-31 kg
と教わった。
N:え、小さすぎませんか?
S:でも教わった。信じましょう。
N:じゃ、信じましょう。英語で
et E 1.6  1019  1  1013  1  107
5
v
~
~
5.3

10
m/s
31
m
3  10
S:530 km/s!!凄い、レールガンよりスマホの電子の方が速い!
スマホの電子は東京~大阪間1秒程度で行く速さで仕事をして
るんですね。電子はいい子です。
N:私はいい子です。
4.3 束縛運動
滋野君が1m/sで地表を歩いている。
滋野君の質量は59 kgである。
地球の質量は5.9x1024 kgである。
作用反作用ルールに基づけば、
地球は滋野君と反対方向に運動量があるはずである。
なぜそう感じないのだろうか?
滋野君との作用反作用によって
地球はどのくらいの速さで動くだろうか?
シゲノ
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
時刻ゼロで質量mの物体を初速v0で傾角αの斜面上り
向きに打ち出した場合を考える。斜面と物体の動摩擦
係数をμとする。斜面に沿ってx座標をとる。時刻ゼロの
物体の位置を0とする。物体は斜面を移動して停止し、
その後斜面を下り始める。以下の①-⑩の欄の問をm,
g,(重力加速度), v0,α,μのうち適当な記号を用いて答え
よ。
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
物体が斜面を上るときの摩擦の力は(①)と書けるので、x方
向の運動の式は(②)となり、これを用いて時刻tにおける速
度は(③)と書ける。物体が位置0から斜面を上り停止するま
でに要した時間は(④)となる。そして物体が停止するまでに
移動した距離は(⑤)である。さらに物体が斜面を下るときの、
摩擦の力は(⑥)となるので、物体が斜面を下るときのx方向
の運動の式は(⑦)となる。物体が斜面を上って下り、再び位
置0の地点に戻ってくるまでに重力のする仕事(⑧)であり、
摩擦力のする仕事は(⑨)である。
よって位置エネルギーの基準点を
位置0に取ったとき、物体が位置0
にもどってきたときの力学的エネル
ギーは(⑩)となる。
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
4.3 束縛運動
時刻ゼロで初速v0で斜面上がり向き
に物体を打ち出した場合を考える。
斜面に沿って座標をとる。
1)摩擦が無い場合
θ
運動の式は、
d 2x
m 2  mg sin 
dt
v
g
(1)
F  mg sin  を与えるポテンシャルエネルギーがある
だろうか?
Yes,なぜなら(1)式は運動の向きによって変わらない。
ポテンシャルエネルギーは U ( r )  mg sin  x  C (2)
である。
4.3 束縛運動
時刻tでの位置と速度は
1
x (t )   g sin  t 2  v0t
2
v  t    g sin  t  v0
v
θ
(3)
時刻tのときの運動エネルギーEは、
1
1
2
2
E  t   mv  t   m  v0  g sin  t 
2
2
g
4.3 束縛運動
時刻tのときのポテンシャルエネルギーUは、
 1

U  mg sin    g sin  t 2  v0t   C
 2

1
  mg 2 sin 2  t 2  mg sin  v0t  C
2
1
2
  m  g sin  t  v0   C  v0 2
2
m 2
E  U  C  v0
2
よって、
運動エネルギーEとポテンシャルエネルギーUの和はい
つも一定。
4.3 束縛運動
v
(2)摩擦がある場合、動摩擦係数
をμとすると、運動の式は、
d 2x
m 2    N  mg sin 
dt
 mg sin    cos 
θ
この場合ポテンシャルエネルギーは
U (r)  mg   cos  sin   x  C
と書くことができるだろうか?
g
4.3 束縛運動
v
それはできない。
x地点の下りの運動の式は、
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
θ
g
同じ地点で、上りと下りの運動の方向によってかかる
力が違う場合はポテンシャルエネルギーを定めること
ができない。
4.3 束縛運動
以下の問題を考えてみよう。
x
v
0
v
0
時刻ゼロで、位置x=0であり、
初速v0で斜面上向きに物体を
打ち出す。
θ
g
x=x0で物体が停止した瞬間に
物体に打撃を加えて物体の速度をv0として斜面を下らせる。
時刻t、場所xに物体がいるときの諸特性は以下のとおり。
運動の式
上り
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
(1)
下り
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
(2)
4.3 束縛運動
速度
上り
下り
ただし、
v   g sin    cos  t  v0
v   g sin    cos  t  T   v0
v0
T
g  sin    cos  
(3)
(4)
(5)
位置
1
2
x


g
sin



cos

t
 v0t


(6)
上り
2
1
2
下り x   g  sin    cos   t  T   v0  t  T   x0(7)
2
2
(8)
v
ただし、
0
x0 
2 g  sin    cos  
4.3 束縛運動
x
斜面下り運動の停止条件を
考えてみよう。
速度は
ただし、
v0
θ
g
v   g sin    cos  t  T   v0
v0
T
g  sin    cos  
(4)
(5)
1
2
位置は x   2 g  sin    cos   t  T   v0  t  T   x0 (7)
2
v
0
ただし、
(8)
x0 
2 g  sin    cos  
4.3 束縛運動
止まるには速度がゼロになる必要がある。止まる時間は
v0
t
T
 g  sin    cos 
だから、条件は sin    cos   0
sin    cos   0
それでは、
のときの意味は何か?
速度と時間との関係をグラフに描く
と右図のようになる。
赤が停止条件
sin    cos   0
青は止まらない条件
sin    cos   0
  tan 
v
sin    cos   0
O
v0
T
t
sin    cos   0
4.3 束縛運動
・止まる条件の場合、赤の線に示すように時間Tから速
度は徐々に小さくなり、ついにゼロになる。
・止まらない条件では、速度は時間とともにかえって速く
なる。青の破線に示すように、
v
静止した物体が時刻
v0
v0
t

 g  sin    cos   g  sin    cos 
2v0  cos 

g   2 cos2   sin 2  
から等加速度運動を行うように見える。
sin    cos   0
O
v0
T
t
sin    cos   0
4.3 束縛運動
振り子の運動はおなじみである。
でも単純ではない。
円弧接線方向の力成分は
F  mg sin 
線運動量は
θ
d
p  ml
dt
dp
d 2
運動の式は、
 ml
 mg sin 
2
dt
dt
d 2
g
  sin 
2
dt
l

g
l
とおく。
l
mg
4.3 束縛運動
d 2
2



sin 
2
dt
d
を両辺に掛けて積分しよう。フジイ!
dt
1  d 
2


cos   C


2  dt 
2
θ
l
最下点θ=0の角速度をω0とおくと
1 2
C  0   2
2
2
 d 
2
2

2

cos


1




0


dt


mg
4.3 束縛運動
d 2
2



sin 
2
dt
d d 2
d
2
  sin 
2
dt dt
dt
=
=
1  d 
2


cos   C


2  dt 
2
d
を両辺に掛け
dt
て
dt で積分しよう。
4.3 束縛運動
d

dt
2 2  cos   1  02
もし、最下点から見て高さHから振られた
とすると、
l0 
2 gH
H
0   2
l
d

dt
θ
l
エネルギー保存則
H
2 cos   1 
l
mg
微分方程式は振り子の運動が高さHに依存することを示
している。しかし式解くのは難しい・・・・・・
4.3 束縛運動
l
H 
2
から振り子を振り出すとしよう。

初期角度は  0  3
d
1
 2 cos     2 cos   1
dt
θ
l
2
さらにg=9.8, l=1としよう。有効桁2桁まで取ると、

g
~ 3.13
l
d
 3.13 2 cos   1
dt
mg
4.3 束縛運動

初期角度  0  からの変化を差分的に
3
数値計算しよう。
  3.13 2 cos   1t

i  i 1    3.13 2 cos i 1  1t
θ
l

mg
4.3 束縛運動
l
計算結果:H 
, g=9.8, l=1のとき、
2

g
0 

~ 3.13
であり、
3
l
θの時間変化は、
θ
l
mg
4.3 束縛運動
1周期は2.16 sである。
d 2
これを、θ<<小
2
~



2
の場合の解
dt
   0 cos t 

3
cos 3.13t と比べてみよう。(破線)
θ
l
mg
4.3 束縛運動
2
d
数値計算の結果、    2 sin 
dt 2
の運動の周期は、H=0.5, g=9.8, l=1
のとき、2.16 sだった。
θ
これに対し、θ<<小の近似解、
d 2
2
~



2
l
dt
mg
の場合の運動の周期は、2.01 sである。
なぜθ<<小の近似解の方が周期が短いのだろう?
シゲノ
4.3 単振動
P76[10] θ~0のときの振り子の角振動数は  
f  h  p g q i r 
g
l
の関数の微分は
f  h  p  g  q  i  r   h  p  g  q  i  r   h  p  g  q  i  r 
であり、
f h  p  g  q  i  r 



f
h  p
g q
i r 
dh  p 
p
ここで、 h  p  
dp
である。
4.3 単振動
θ~0のときの振り子の角振動数は
 g



1
2

g
l
1
l
1
1 1
  
g
2l
g 
g
1
l
1 1
  
g 
2  gl

1
2
1
l2
g l 

l l 
1  g l 
l  
 
2 g
l 
4.3 単振動
再び。X-Y平面において半径rを一定角速度ωで回転し
ている質量mの物体を考えよう。
Y
位置ベクトルは
r   r cos t , r sin t 
であるから、

m
運動量ベクトルは
θ
p   mr sin t, mr cos t 
力ベクトルは
F    mr 2 cos t , mr 2 sin t 
運動エネルギーは
1
mr 2 2
E
p p 
2m
2
X
4.3 単振動
・物体には F   mr 2 cos t , mr 2 sin t 
の中心向きの力が常に働いている。大きさは
F  mr 2
である。
・力によって運動の向きは刻々と変わる。
よって運動量は時間によって変化する。
p   mr sin t, mr cos t 
・しかし物体の速さは変わらない。
運動量の大きさも変わらない。
・よって運動エネルギーは時間一定である。
v  r
p  mr
mr 2 2

2
4.3 単振動
円運動のX成分だけ取り出してみよう。
x  r cos t
Y
p x  mr sin t

m
Fx  mr 2 cos t
θ
Fx  m x
2
Fx   kx
X
k  m 2
即ち等角速度円運動のひとつの成分は、単振動の運動をする。
周期は
2
m
T
 2

k
角振動数は  
k
m
4.3 単振動
d 2x
運動方程式は、 m 2  kx
dt
で、このような形の方程式の解は
x  a cos(t   ),  
k
m
の形になる。このような形の一つの角振動数の三角関数
で表されるような運動を、単振動(調和振動)という。
例えば、右図のような、ばね定数k、質量m
のおもりがついたばねの運動は単振動周期
m
k
運動である。
単振動は、半径aの円周上を定角速度ωで回転する点の
正射影と同じ運動である。
4.3 単振動
変位に比例する力が働く質量mの物体の運動方程式を
d 2x
m 2  kx
dt
と書く。   k / m
(1)
とする時、
(ⅰ) x  A cos t   
(ⅱ) x  A sin t   
(ⅲ) x  B sin t  B cos t
は、いずれも式(1)の解である.
4.3 単振動
問 変位に比例する引力が働くとき、質量mの物体の
運動方程式は
2
d x
m 2  kx
dt
(1)
で表される。   k / m
とする時、
次の初期条件が与えられた時の解を
x  A cos t   
の形に書いてみよ。
(ⅰ)t=0でx=a,v=0
(ⅱ)t=0でx=0,v=v0
(ⅲ)t=0でx=a,v=v0ただし、a,v0>0
ノムラ
4.3 単振動
問 変位に比例する力と一定の力を受けて運動する質量
mの質点の運動方程式は
d 2x
m 2  kx  F
dt
である。この方程式の解を求めよ。
初期条件がt=0でx=0,v=v0である場合の解を求めよ。
ノデ
5.いろいろな運動
5.1 空気抵抗のもとでの放物体の運動
5.2 減衰振動
5.3 強制振動
5.2 減衰振動
粘性抵抗下のバネの運動を考える。
・変位に比例した復元力がある。
・速度に比例した抵抗がある。
予想
抵抗が小さければバネは振動を続ける。
しかし抵抗はゼロではないから少しずつ衰える。
遂には止まってしまう。振動数は抵抗が無い場合より
小さく、周期は長いだろう。-振動をしながら衰える運
動
抵抗が非常に大きければバネは自然長位置を越えて
向こう側に行くことができないまま衰え、遂には止まって
しまう。-振動せず衰える運動
5.2 減衰振動
バネを引っ張り、時刻ゼロで手を離した
場合を考えよう。
バネ常数k, 粘性抵抗係数α、
自然長の位置をゼロとする、
時刻ゼロではバネの速度は当然ゼロ。
k
m
これまでの勉強によって、運動の式は式のように書ける。
2
d x
dx
m 2  kx  
dt
dt
5.2 減衰振動
運動の式
d 2x
dx
m 2  kx  
dt
dt
整理
d 2x
k
 dx
 x
2
dt
m
m dt
解を仮定する
x  et
特性式

k
   0
m
m
2

解の条件
k
  

 
 
2m
 2m  m
2
5.2 減衰振動

k
  

 
 
2m
 2m  m
解の条件
一般解
xe


2m
t
k
  

  0
 2m  m
2

 Ae


2
   k

  t
 2m  m
2
   k
 
  t
 2m  m
2
 Be




を境に運動の形態が大きく変わる。
抵抗のないときの固有角振動数


抵抗因子
2m
k
0 
m
5.2 減衰振動
一般解
xe
① 0  
t
 Ae
 2 02 t
 Be

2
2





のとき、
0
x  e   t  Aeit  Be  it 
実数条件
  2 02 t
xe
t
 Ae
it
 A*e
 it

 e   t   A  A * cos t  i  A  A * sin t 
e
t
 p cos t  q sin t 
5.2 減衰振動
教科書の通りになる。
X=0の時刻t0は、
x  ae  t cos t   
t0   

2
 n
X=0で見た振動の周期は
T
2


2
 
2
0
予想通り抵抗が無いときより周期は長くなる。
振幅が減衰しながら振動する運動。
2
5.2 減衰振動
速度は? dx
dt
 ae
t
  cos t      sin t    
時刻ゼロで速度はゼロだから

tan    

加速度は?
d 2x
t

ae
dt 2

2
2




 cos t     2 sin t   

5.2 減衰振動
抵抗が無いときの位置と速度の計算例
速度
位置
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗が無いときの位置と速度の計算例
負方向復元力の 正方向復元力の
ために速さ増大 ために速さ減少
位置
速度
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗下での位置と速度の計算例
速度
位置
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗下での位置と速度の計算例
負方向復元力のために速さ増大するが、正方向粘性抵
抗力のために速さは位置ゼロになる前に減少に転じる。
位置
時間(s)
速度
5.2 減衰振動
一般解
xe
t
 Ae
 2 02 t
②抵抗が大きくなり、  0
 Be
  2 02 t
になると、ωは小さくなる。
x  e   t  Aeit  A * e  it 
 e  p cos t  q sin t 
t
 e  p  qt 
t
x  ae   t cos t   
 cos t  cos    sin t  sin   

 ae  cos    sin   t 
 ae
t
 t

5.2 減衰振動
  0 を臨界制動という。グラフの赤線の場合であ
る。βを少しずつ大きくすると、グラフのように、少しずつ
減衰振動の振幅が小さくなることが分かる。

tan    

位置
5
4
3
2
1
β=0
時間(s)
5.2 減衰振動

tan    

速度
速度を見てみよう。最初はゼロである。減衰振動の場合
は負から正へと変化する。しかし、βが大きくなると速さ
は小さくなる。臨界制動でもバネは動くから速度はある
がその向きは負のままである。
5
43
2
1
β=0
時間(s)
5.2 減衰振動
一般解
xe
t
 Ae
 2 02 t
③抵抗が非常に大きく 0  
xe
t

 Ae
 Ae


なら、
 2 02 t
    2 02 t
 Be
  2 02 t
 Be

 Be
  2 02 t


    2 02 t
過減衰という。二つの指数減衰関数の組み合わせで
ある。
5.2 減衰振動
速度はt=0で0だから、
xe
t
 Ae
   
 A e


 2 02 t

 2 02 t

 Be
  2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


過減衰という。二つの指数減衰関数の組み合わせで
ある。
 2 02 t
  2 02 t
t
  0 なら x  e
Ae
 Be

 

 Ae


 2 02 t
 Ae
02

t
2
5.2 減衰振動
位置
位置と速度をグラフで示した。臨界制動から、βが大きく
なるにつれて位置はゆっくり変化しゼロへと至る。よって
速さはβが大きくなるにつれて小さくなり、速さのピークは
遅くなる。
7, 9,11
20
β=5
速度
20
時間(s)
7, 9,11
β=5
5.2 減衰振動
xe
 at
e

t
b
のとき、bを時定数という。t=bのとき x 
xが実効的効果的な時間範囲をbで表す。
物理や電気工学で頻繁に用いられる。
x  Ae
02

t
2  なら時定数は
e
1
である。
2

2
0
ω0=5, β=20のとき、時定数は、1.6 s
抵抗が無いとき、 ω0=5は1/4周期を0.31 sで振動運動する。
バネは大きな粘性抵抗によりゆっくり運動することになる。
5.2 減衰振動のまとめ
運動の式
d 2x
dx
m 2 
 kx  0
dt
dt
k
0 
m
t=0でv=0のとき、
①減衰振動


2m

tan    

x  ae
t
  02   2
cos t   
t
②臨界制動 x  ae  cos    sin   t 
③過減衰
   
x  A e



 2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


5.2 減衰振動のまとめ
LCR直列回路
式は
2
d I
dI I
L 2 R  0
dt
dt C
電流は抵抗下のバネのおもり位置と同じ時間変化をす
る。
0 
1
LC
R

2L

1
R2
 2
LC 4 L
5.2 減衰振動のまとめ
LCR直列回路
式は
2
d I
dI I
L 2 R  0
dt
dt C
臨界制動条件:
L
R2
C
L
R2
C

1
R2
 2 0
LC 4 L
L
R2
C
なら減衰振動的に電流が流れる。
なら過減衰的に電流が流れる。
x  Ae
02

t
2
5.2 減衰振動のまとめ
問
L=1 mH, C=1 μF
R=10Ωのとき

1
R2
 2
LC 4 L
3.12E+04
を有効桁2桁で求めよ。 フジイ
問
2

2
0
 RC となり有名なRC時定数である。
L=1 mH, C=1 μF、R=10KΩのとき
2

2
0
シゲノ
 RC を求めよ
5.3 強制振動
強制的に周期的力を加えて振動を
励起する場合を考えよう。
運動の式は
2
d x
dx
m 2 
 kx  mf 0 cos t
dt
dt
d 2x
dx
2

2



0 x  f 0 cos t
2
dt
dt
F
k
m
5.3 強制振動
F
d 2x
dx
2

2



0 x  f 0 cos t
2
dt
dt
k
定常解
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
0   2
2
cos  t   
m
5.3 強制振動
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
2
0  
2
F
cos  t   
k
m
固有振動数ω0を持っていても必ず外力の振動数にな
らって振動する。大変不思議だ。
しかし、よく見ると振幅は外力の振動数が固有振動数
に一致した時に大きくなる。共振という。
さらに抵抗βが小さいほど共振現象は顕著になる。
5.3 強制振動
x
f0

2
0

   2  
2 2
2
cos  t   
f0

04
 
1   
  0 

2
2
  2   2
 
  0 0 

f0

04
 
1   
  0 

2
2
2

1 
  2 
 Q  0 

cos  t   
F
k
m
cos  t   
抵抗βが小さいほど共振現象は顕著になる。
Q値を用いるとQが大きいほど共振現象は顕著になる。
5.3 強制振動
0
Q
2
V
LCR回路の場合、
R
1

0 
2L
LC
だったから、
~
0 1 L
Q

2 R C
Rが小さいと共振振幅が大きくなる。
5.3 強制振動
固有振動数ω0を持っていても必ず外力
の振動数にならって振動する。
しかし、振幅は外力の振動数が
固有振動数に一致した時に大きくなる。
F
k
m
問 それではいろいろな振動数の外力が加わった時バネ
はどんな反応をするだろうか?
ナカムラ
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
2
0  
2
cos  t   
5 連成振動
2つの質量mの物体がそれ常数k1,k2に繋がれて振動している。
運動を調べよう。
k2
1
2
m
K1 m
k2
Nさんの予想:1と2の運動は、以下の2つの場合に分けられるだ
ろう。即ち同位相と逆位相場合である。
5 連成振動
同位相運動は、
1
k2 m
2
k1 m
k2
逆位相運動は、
1
2
m k2
k1
同位相で動く時k1には力が働かないから、角振動数2mの球が2k2
のばねに繋がって動いている場合と同じである。だから変位x1, x2は
k2 m
2k 2
k2
x1  x2  a cos(t   ),  
= 2m
m
5 連成振動
逆位相運動は、
2
1
k2 m
k1
m k2
m
k1の相対運動が加わる。換算質量は K 
2
2 k1
1 
m
だから、
k  2k1
加速度及び力の加算性を使うと、逆位相角振動数は  
m
だろう。よって、
k  2k1
x1   x2  b cos(t   ),  
m
5 連成振動
Nさんの答え:
 k2 
 k 2  2 k1 
x1  a cos 
t   b cos 
t m
 m 


 k2 
 k 2  2 k1 
x2  a cos 
t   b cos 
t m
 m 


5 連成振動
N君:私は真面目に計算します。物体1と2の運動の式はそれぞ
れの変位をx1,x2とすると、
x1
x2
2
d x1
2
1
m 2  k 2 x1  k1  x1  x2 
dt
d 2 x2
k2 m K1 m
k2
m 2  k 2 x2  k1  x1  x2 
dt
となる。上式は X= x1+x2, Y= x1-x2 とおいて解くように教わっ
た。
d2X
m 2  k 2 X
dt
d 2Y
m 2    k 2  2k1 Y
dt
5 連成振動
X及びYは振動数、

k2
m
と   k 2  2k1
m
で振動する単振動である。
X  X 0 cos
とおけば、
x1 
x2 
k2
t
m
Y  Y0 cos
k 2  2k1
t
m
X  Y X0
k 2 Y0
k 2  2k1

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
X Y X0
k 2 Y0
k 2  2k1

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
ふたつのバネを新たなバネでつなぐことにより、2つの異なる振
動が生じた。不思議!