ωとする。

回転の話
・回転と人体
・回転のベクトル
・回転角速度と速度の関係
1
回転と人体
人間は回転をどこで感じるか?
内耳で感じる。
耳がやられると、目まいがする。平衡感覚がおかしくなる。
三半規管
半円状の器官が、
垂直な面上にある。
中にリンパ液が入っている。
流れが変わると、半規管中の
感覚毛が感知して、神経を通して
脳に信号が行く。
2
角速度ベクトル

回転を表すベクトル
オメガ
大きさは、単位時間に回った角度。
単位は、ラジアン/秒
rad/s
方向は、回転面に垂直
向きは右ねじが進む方向

回転ベクトルの向きに注意。
日常会話の「回転の方向」と
ベクトルの向きは違う。
問題:地球の自転の角速度ベクトルの
方向を図示せよ。理由も述べよ。
3
角速度ベクトルは何を表すか?
(1)単位時間に回る角度
角速度ベクトルの大きさ(長さ)から
(2) 回転面
角速度ベクトルに垂直
(3) どちら向けの回転か。
問題 角速度ベクトルが(3,3,0) rad/sのときに、
a) 角速度の大きさを求めよ。
b) 回転面と回転の方向を図示せよ。

ラジアンの復習
平面角
半径1の円上の弧の長さ。
0から2πの範囲。
単位:ラジアン(rad)
無次元量
扇形の半径がr,
弧の長さが
の時、
中心角は、



r
復習
radian ラジアン
似た単語
radius 半径
1
O
θ
5
無次元量とは
教科書p.383
物理の4つの基本単位で表せない量
m(メートル) 長さ
kg(キログラム)質量
s (秒)
時間
A (アンペア) 電流-> 後期の電磁気でやります。
例:
個数 N (個)
角度 θ(ラジアン)
6
比率
ratio
同じ単位の物の割り算
例:あるクラスの女子の比率は1/2 = 女子の人数/全体
の人数
例2:雨が降る日は1/4 = 雨が降る日/全部の日数
・比率は一般には足せない。
上記の1/2 + 1/4 = 3/4 を求めても、意味がない。
・分母が同じなら足せる場合もある。
例:ずっと晴れている日は1/3=晴れの日/全部の日数
上記の数字と足して、1/4 + 1/3 = 7/12
晴れた日か雨が降る日になる確率
7
解答:地球の自転
自転の向きは矢印の通り。
太陽が東から西へ進むように見えるので、
地球は西から東に動いている。
あるいは、時差から考えてもよい。
(日本とアメリカ西海岸の時差は17時間、
東海岸とは14時間、日本が進んでいる。)

したがって、角速度ベクトルは、
回転軸上の方向で
上向き(南極から北極に向かう向き)。
8
回転している時の速度
点Pが点Aのまわりに円運動をしているとする。
このときの角速度ベクトルをωとする。
回転軸上の点Oから点Pへの動径ベクトルをrとする。
点Pの速度は、
v  ω r
A

で書ける。

P
r
O
問1.上の式の両辺の単位を調べよ。
問2.上の式を証明せよ。
9
問1の解答:単位
v  ω r
左辺は速度なので、単位は
m/s
(メートル毎秒)
ωの単位は、rad/s (ラジアン毎秒)
ラジアンは無次元量。
rの単位は、m (メートル)。
したがって右辺の単位は、m/s で左辺と同じ。
10
v  ω r
問2の解答:
A

点Pを通り、ベクトルωに垂直な面に
回転面がある。回転の中心をAとする。
P
θ
O
r
の証明
v  AP  r sin 
速度ベクトルvの向きは、
円の接線の方向で、
紙面の表から裏。
これは
の向きと一致する。
ω r
11
補足:
v  APの証明
  r '


弧の長さ
r ' 
角度
両辺を微分すると、r’が一定なら、
d
d
 r'
dt
dt
P
A
v  r '
12
円運動の速度は接線方向(半径に垂直)になること。
補足
動径ベクトルをx, y座標で書くと、
r  e x a cos   e y a sin 
a r
v
時間で微分する。半径aや単位ベクトルは
一定(時間が進んでも同じ)。θが変化する。
dr
d
v
  e x a sin   e y a cos  
dt
dt
 a  e x sin   e y cos  
rとvの内積をとると0なので、円運動の速度は動径ベクトルと
直交する。
13
・力のモーメント
・角運動量
・力のモーメントと角運動量の関係
14
力のモーメント
教科書p.50
F
ある質点mが原点Oからrの位置にあり、
m
mに力Fが加わっているとする。
この時の、点Oのまわりの力のモーメントは、
N  rF
r
O
図でNの方向は、スクリーンを(裏から表に)貫く方向
15
力のモーメントの問題
N  rF
問題1 力の大きさおよび位置が一定で、力の角度を変化させる。 F
力のモーメントの大きさが最大および最小になる時の角度を求め、
図示せよ。
m
r
O
問題2 長さ2aのシーソーがあり、支点Oはシーソーの中央にある。
質点mがシーソーの端にあるとする。
シーソーと水平線のなす角をθとする時、
mにかかる重力によって生じる、支点0のまわりの力のモーメントを求めよ。
O
m
16
力のモーメントの問題1の解答
問題1 力の大きさおよび位置が一定で、力の角度を変化させる。
力のモーメントの大きさが最大および最小になる時の角度を求めよ。
N  rF
N  r  F  rF sin 
力のモーメントの定義
sin 
sin 
の最大値は1で、θ=π/2, 3π/2nの時。
の最小値は0で、θ=0, πの時
m
r
O
17
力のモーメントの問題2の解答
O
N  rF
やり方その1
m
r
の求め方
成分で書くと、

O
y
F  mge z
z
r  (r cos ,0, r sin )
x
F  (0,0,mg )
r  F  (0, mgr cos ,0)
yのプラス方向。紙面表から裏への方向。
18
力のモーメントの問題2の解答
N  rF
の求め方
やり方その2
r

O
青いベクトルと赤いベクトルの
y
なす角は、π/2 + θ
F  mge z
z
x


19
力のモーメントの問題2の解答
青いベクトルと赤いベクトルの
なす角は、π/2 + θ


sin      cos 
2

r

O
y
F  mge z
z
x


N  r  F  mga sin      mga cos 
2

r
紙面に垂直で、紙面の表から裏。
F
20
三角関数の公式
sin     sin 
cos   cos 


sin      cos 
2



cos     sin 
2

1
y
0
y  sin 

4

2
π
y  cos 
2π

21
モーメントとは。
r  A の形
動径ベクトル(位置を表す)
r
A ベクトル。特別な場合は、スカラー(1次元ベクトル)。
N  r  F 力のモーメント
L  r  p 角運動量もモーメントの1つ。
p  mv
その他のモーメント
慣性モーメント
(前期に勉強します。)
双極子モーメント(後期の電磁気で出てきます。)
22
角運動量とは。
運動量
角運動量
p  mv
既にやった。
L  mr  v  r  p
v
ベクトル積
r
ある基準点Oの周りの
角運動量。
m
O
問題
半径aの円上を一定の速さvで回っている粒子の
角運動量ベクトルを求めよ。
23