実存主義(1)

実存主義-1
「はじめに」
(1) 実存主義とは
(2) キルケゴール
(3) ニーチェ
実存主義-1
「学習の目標」
(1) 実存主義が「今いる私」を出発にして,自分
自身の生き方を探す思想であることを説明で
きる。
(2) キルケゴールの実存の三段階と自分を取り
戻す,主体的真理の生き方が説明できる。
(3) ニーチェの「神は死んだ」と超人の生き方を
説明できる。
(1) 実存主義のまとめ
① 19世紀(1801~1900)の後半から,ヨーロッパでは
産業革命と資本主義が進んだ。
② 人々は物質的に豊かになったが,大衆化・均一化
し自分の生き方を失う人が増えた。
これを人間疎外という。
③「今,現実に存在する私」を出発に考え自分の本当
の生き方を取り戻そう。これが実存主義である。
④実存主義には神との関係を「有る・なし」で考えた,
二つの流れがある。
(2) キルケゴールのまとめ
① デンマークの思想家1813~55
② 絶望を「死に至る病」とした。
③ ヘーゲルが真理を合理的,普遍的に考えたことを
批判。
④ 自分がどう生きるかという主体的真理を唱える。
⑤ 絶望を通して,美的・倫理的・宗教的の実存の三段
階を経験するとした。
⑥ 単独者として神の前にひとり立つ時,本当の自分
が見つかる。
(3) ニーチェのまとめ
① ドイツの思想家1844~1900
②「神は死んだ」と新しい価値観の創造を唱える。
③キリスト教を弱者の奴隷道徳(ルサンチマン)と批判。
④世界は目的も意味もないただの繰り返しとした。
(永劫回帰)
⑤人生の無意味さを受け入れる,運命愛を主張。
⑥運命愛を受け入れる強い人間,超人が理想像。
実存主義-2
「はじめに」
(1) ヤスパース
(2) ハイデッガー
(3) サルトル
出典: フリー百科事典
『ウィキペディア
(Wikipedia)』
実存主義-2
「学習の目標」
(1)ヤスパースの4つの「限界状況」に直面し
「超越者」を感じ取る人の生き方が説明で
きる。
(2) ハイデッガーのただ生きる「ひと」と「死
への存在」を意識した人の,生き方の違いが
説明できる。
(3) サルトルの「実存は本質に先立つ」と「自
由と責任」を負う人の生き方が説明できる。
(1) ヤスパースのまとめ
① ドイツの思想家1883~1969
出典: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』
② 「限界状況」を超え「超越者・包括者」
を感じた時,本当の自分に出会える。
③ 逃げたり,変えられない4つの苦しみ(争い・罪
悪感・苦しみ・死)を限界状況という。
④ 超越者(包括者)を感じ取った人々と出会い,対
立しながらも仲間を通じて自分を見つけようとす
ることを「愛しながらの戦い」または「実存的交わ
り」 という。
(2) ハイデッガーのまとめ
① ドイツの思想家1889~1976
出典: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』
② 「死への存在」,死について真剣に
考える時,人は本当の自分が見つかる。
③ 人はある状況の中で生きている。(現存在)
④ 人は世界の中で周囲の物事や,他人に気を使
い生きている。(世界内存在)
⑤ 本来の生き方を見失い,その不安から逃げる
ために雑談や,気晴らしをしている人のことを
「ひと」ダス=マンと言う。
(3) サルトルのまとめ
① フランスの思想家1905~1980
出典: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』
② 「実存は本質に先立つ」=人は最初から「あな
たはこうだ!」と決められた存在ではなく,自分
自身が作り上げていくものである。
③ 自分自身のことは自分自身で作り上げていく
自由がある。だからこそ,そのことに対して責任
を負わなければならない。
④ 自分自身を作り上げるためには,アンガジュマ
ン(社会参加)をしなければならない。