畜産学の花形 家畜 家畜化しやすい動物種 家畜化しやすい動物種 日本

家畜
畜産学の花形
育種
繁殖
栄養
生物を遺伝的に
改良すること
生物の個体が
増えること
生物が必要な物質を
体外から取り入れて
利用すること
野生動物を馴化し(domestication)、人の管理下
において飼育及び繁殖を行い、有用な畜産物、労力な
どを提供する動物の総称
domestic animal 飼いならされた動物
farm animal 農場の動物
livestock 生きている貯蓄
アジアゾウ
家畜遺伝学
家畜育種学
家畜繁殖学
家畜発生学
家畜化しやすい動物種
ウナギ
家畜栄養学
家畜飼養学
© ウィキペディア
群居性が強く、順位制で群れの秩序を保つ動物
単独生活でなわばりを守る動物
© wikipedia
家畜化しやすい動物種
草食性または雑食性で、広食性であること
肉食性(餌の調達が困難)
ヒツジは群れたがる性質をもち、
群れから離されるとストレスを
受ける
コアラは草食性でユーカリや
アカシア、ティーツリーの葉
や芽を食べる
先導者に従う傾向がとても強い
狭食性なので餌の調達が困難
環境適応力が高いこと
大胆でヒトに慣れやすい動物
野生と異なる環境に適応できない動物
警戒心が強く臆病な動物
性質が温和で行動が遅鈍であること
オスが性的に優位で、配偶関係が不定
凶暴な動物、行動が俊敏な動物(馴致できない)
一夫一妻制の動物
日本の家畜
ウミウ
© ウィキペディア
© ナイス・ポーク・チバ推進協議会
代表的な家畜の一覧
哺乳類
ウシ
ウマ
ヒツジ
ヤギ
アルパカ
ラクダ
スイギュウ
リャマ
ロバ
ヤク
ウサギ
モルモット
ブタ
ハムスター
マウス
ラット
イヌ
ネコ
フェレット
ミンク
鳥類
昆虫
ニワトリ
アヒル
ハト
七面鳥
ガチョウ
ホロホロ鳥
アイガモ
キジ
ダチョウ
ウズラ
インコ
オウム
ミツバチ
カイコ
家畜化の歴史
家畜
家畜化の正確な時期は完全に解明されていない
およその時期
場所
原種
イヌ
1~3万年前
西アジアなど
オオカミ
ヒツジ
1万年以上前
西アジア
ムフロン
ヤギ
1万年以上前
西アジア
ベアゾール
ブタ
8千年~1万年前
中国・西アジア
イノシシ
ウシ
8~9千年前
西アジア
オーロックス
ニワトリ
5~8千年前
東南アジア
セキショクヤケイ
ウマ
5~6千年前
南ヨーロッパ
タルパン
ネコ
3~4千年前
北アフリカ
リビアヤマネコ
ネコの最古の飼育例はキプロス島の9500年前の遺跡から見つかっている
© Minette Layne
ギンギツネ
イヌの近縁種でありながら家畜化
されたことがなかった
家畜化による動物自身の変化
体格の小型化(家畜化の初期段階)
頭骨の短縮
下顎骨が短くなる
繁殖能力の増大
性成熟の早期化・繁殖季節の消失・産子数の増加
変異(形質)の増大
自然淘汰されるはずの変異個体が保護されるため
自己防衛力の低下
育種により病気抵抗力が増大しているケースもある
和牛その1
黒毛和種
© EMBRYO PLUS
褐毛和種
1950年代にソ連のドミトリー・
ベリャーエフが大人しいキツネを
選抜して交配し始める
わずか40世代後にイヌの
様に尾を振り人になつく
個体が生じた
丸い耳や斑模様など野生
にはない個体が生じた
・家畜化は比較的速く進行した可能性がある
・攻撃的な母親から生まれて、人になれた雌に育てられると?
和牛その2
日本短角種
褐毛で有角
粗飼料利用性に優れ放牧に
適している
主に東北や北海道で飼育
© EMBRYO PLUS
無角和種
黒毛で無角
粗飼料利用性に優れ放牧に
適している
主に山口県で飼育
黒毛で有角
肉質が優れている
霜降り肉になりやすい
日本全国で飼育
褐毛で有角
粗飼料利用性に優れ放牧に
適している
主に高知県と熊本県で飼育
© Wikipedia
乳牛 その1
ホルスタイン・フリーシアン
ブラウンスイス
ドイツ原産でオランダで乳用
に改良された
明治時代に日本に輸入
有角で増体が良く乳量が多い
スイス原産でアメリカで乳用
に改良された
昭和時代に日本に輸入
有角で寒暑耐性がある
© flickr
© TravelBlod
乳牛 その2
ガンジー
英仏海峡のガンジー島原産で
乳用に改良された
明治時代に日本に輸入
環境適応性が高い
イギリス原産の肉牛
© Chapeltoon Farm © Poank SapiGenit
© Lazy JS Ranch
アバディーンアンガス
ショートホーン
ジャージー
英仏海峡のジャージー島原産
で乳用に改良された
明治時代に日本に輸入
小型・有角でやや神経質
© Wikipedia
コブ牛(ゼブ牛)
ヘレフォード
© Wikipedia
© Sagwadi farm
インドの牛
© Poank SapiGenit
© SAHIWAL DAIRY FARMS
コブ(肩峰):脂肪が蓄積しており、旱魃や飢餓に対応
*ガウルやバンテンと違って脊椎の棘突起で支えられていない
長くて垂れ
下がった耳
垂皮(頚垂、胸垂、腹垂):体表面積を大きくして熱放散
アフリカの牛
クリ(乳肉役兼用)
ンダマ(役肉兼用)
© City
© Wikipedia
© animal zone
© www.vestrapboran.com
カンクレー(役乳兼用)
オンゴール(役乳兼用)
ギル(乳役兼用)
サヒワール(乳用)
© ウィキペディア
© lubomir hlasek www.hlasek.com
© Carl-Johan Svensson
家畜化と品種
ウシ
オーロックス
ブタ
イノシシ
ニワトリ
セキショクヤケイ
現在のウシ
現在のブタ
現在のニワトリ
100品種以上
400品種以上
300品種以上
アンコール(乳肉役兼用)
ボラン(肉用)
ブタとイノシシ
家畜
ニワトリの家畜化の結果
ニワトリは約5000年前に家畜化されたと考えられている
イノシシ
ブタ
毛色
褐色
白、赤、褐、灰、黒色
頭骨
強力な顎と鋭い牙
下顎骨の短縮
発育(90 kg)
1年
6ヶ月
腸の長さ
17 m
26 m
性成熟
遅い
早い
繁殖性
季節繁殖
周年繁殖
産子数
5頭
10頭
性質
荒い
大人しく従順
行動範囲
広い
狭い
アメリカでの改良の結果
© Dr. Panl Aho, Poultry USA, 2002
西暦
平均出荷日齢
平均出荷生体重
飼料要求率
斃死率
1925年
112日
1.00 kg
4.7
18%
1935年
98
1.18
4.4
14
1945年
84
1.40
4.0
10
1955年
70
1.50
3.0
7
1965年
63
1.59
2.4
6
1975年
56
1.68
2.1
5
1985年
49
1.90
2.0
5
1995年
45
2.09
1.9
5
2005年
45
2.45
1.9
5
講義について
毎回出席を取る
中間試験と期末試験の結果で成績を決める
ノートは持ち込み不可です
© Wikipedia
© BackYardChickens Forum
セキショクヤケイ
ブロイラー
成鶏体重 1 kg前後
年間産卵数 20~30個
成鶏体重 5 kg前後
年間産卵数 100~150個
ブロイラーの腹水症
© Kensa_Taro症例集
腹水症発生率は4.7%と推定されている(Maxwell HM,
Robertson GW. Bri Poult Sci. 1998. 39: 203-215)
肺高血圧症により右心室が機能不全になり、その結果
肝静脈圧が上昇し、体液が腹部に漏出する症状
高海抜地、寒冷地、換気が不十分な鶏舎で発生しやすい
腹部に体液が漏出する
肝臓表面が凸凹で硬化し、包膜が肥厚する
この授業のスライド
下のWebサイトからダウンロードできます
http://web.agr.ehime-u.ac.jp/~seisan/
chikusou/slides/slides.htm