物理2015

鮫島 俊之 蓮見 真彦
members
鮫島俊之(さめしまとしゆき)
名古屋大学・静岡大学・工学博士・ソニー・Max Plank
Institute・東京農工大学・教授
講義担当
蓮見真彦(はすみまさひこ)
東京大学・理学博士・理化学研究所・東京農工大学・
学習支援室長
演習担当
members
TA 電気電子工学科・鮫島研究室
12257015生方詢也
12257018太田康介
12257021小川喜洋
12257045菅原 崇
12257049曽根原翔
Introduction
1.教科書 タイトル:新・基礎 力学
(ライブラリ新・基礎物理学)
出版社:サイエンス社
ISBN:978-4781910970
2.講義ノートはホームページからダウンロード
1)http://www.tuat.ac.jp/~sameken/
2)講義ノートのメニューバーをクリック
3)2015年 物理学及び演習 (1年次後期) のコーナー
の物理 (ppt)をクリック
Introduction
3.演習と宿題は学習支援室ホームページからダウン
ロード
1) http://www.tuat.ac.jp/~gakusyu/
2)演習問題 及び 宿題 をクリック
Introduction
4.必修科目
5.成績評価: 絶対評価
S:100〜90,A:89〜80,B:79〜70,C:69〜60,
D:59〜0
S〜Cは単位認定される。E1クラスと同一評価、
演習30点
宿題20点
中間試験+期末試験 50点
Introduction
6.物理授業用ノートを用意すること
7.講義・演習・宿題の流れ
講義:毎回所定のテーマの解説をする。3章か
ら予定
演習:前回答案返却→前回問題解説→今回問
題配布・実施→今回答案回収
宿題:前回答案提出(前日水曜日13時までに
学習支援室) →演習後今回問題配布
取り組んでみよう
大方針:
1.まず大まかに特徴を調べる。
2.次に数学的解を求める。
3.最後にきちんと解の特徴をチェックする。
取り組んでみよう
電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 中間テスト問題
2014年12月11日
問1 図のように、水平な床の上で一端を
固定したばね定数kのばねに質量mのおも
りを繋いだ。ばねを自然長からaだけ伸ばして静かに手を離したところ、おも
りは動き始め、ばねの長さが自然長より短い位置で一端静止した後、逆向き
に動き始めてある位置で再び静止した。その後、おもりが動くことはなかった。
静止摩擦係数をμ、動摩擦係数をμ’として以下の各問に答えよ。
(1) 自然長の位置を原点Oとしたときのおもりの変位をxとして、手を離してか
ら最初におもりが一端静止する位置まで移動する間のおもりの運動方程式
を立て、おもりが一端静止した位置を求めよ。
取り組んでみよう
(2) 同様に、おもりが一端静止した位置から最終的に静止する位置まで移動
する間のおもりの運動方程式を立て、おもりが最終的に静止した位置を求め
よ。
(3) 手を離してから最終的におもりが静止
するまでにばねの弾性力がした仕事、および摩擦力がした仕事を求めよ。
(4) この現象が起こるためにaが満たすべき条件を求めよ。
(5) 床との摩擦が小さい場合、おもりは徐々に振幅が小さくなる振動運動を
する。以下の3項目について、摩擦力が働く場合のおもりの振動と、講義・演
習で学んだ粘性抵抗が働く場合のおもりの減衰振動との相違点を説明せよ。
(i) 振動の周期
(ii) 時間の経過とともに振幅が減少する割合
(iii) 十分時間が経過した後のおもりの状態
取り組んでみよう
問5 圭佑の夢:圭佑は得意の電気工作の腕を
振るって、クリスマスツリーのデコレーション用に
図のような電動式円錐振り子を取り付けた。
紐の長さは1.0 mであり、錘の重さは 1.0 kg で
ある。鉛直からの角度π/6で、上から見て反時
計回りに上手く回すことができた。
振り子の支点から見た錘の角運動量の大きさ⑤と向き⑥を答えよ。圭佑は
錘の角運動量が分かったので大満足したが、悪戯好きの秀尚が砂を詰めて
作った錘袋に針で穴を開けてしまった。すると袋の穴から黄金色の砂が落ち
てきた。その美しいこと!
取り組んでみよう
解答欄の図中に錘から1.0 m下の地面に落ちた
砂粒の様子を描け。砂粒が十分重く空気抵抗が
無視できる場合と、砂粒が軽く空気抵抗が非常
に大きい場合の両方を描け。落ちた砂粒の位置
とツリーの中心からの距離を答えよ。必要なら、
重力加速度g = 9.8 m/s2とせよ。
1. 運動の表し方(1)
1.1 位置と座標系
1.2 二次元極座標と孤度法
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
1.4 ベクトルの基本的性質
1.1 位置と座標系
質量mの質点Pの位置rは三次元直交座標系(デカルト
座標系)を用いて表すことができる。
r   x, y , z 
もし位置に時間変化がある場合、時間の関数を用いて、
Z
r  t    x  t  , y  t  , z  t  
P
と書く。二次元表現で表現できる場合
m
もある。 r  t    x  t  , y  t  


0
一次元表現もある
r  t    x  t  
X
Y
1.1 位置と座標系
問 : 農 工 大 小 金 井 キ ャ ン パ ス は 緯 度 35.699o, 経 度
139.158oにある。農工大小金井キャンパスの地球中心
からの位置を直交座標表示してみよう。地球は真球で
半径を6378.137kmとする。
1.2 二次元極座標と孤度法
PからX-Y平面に下ろした垂線の足をQとする。
OXとOQが挟む角をθ、OZとOPが挟む角をφ、
OPの長さをrとすると、
OQ  r sin 
QP  r cos 
Z
であるから、
r   r sin  cos , r sin  sin  , r cos 
となり、三次元直交座標の成分は
r ,  ,  を用いて表される。
X
φ
P
m
O
θ
Y
Q
1.2 二次元極座標と孤度法
r   r, ,  を極座標という。
2次元表現もある。
φが常に90°なら r   r cos , r sin  
物体はX-Y平面内にあり、
r   r,  である。
農工大小金井キャンパスは緯度35.699o,経度139.158o
にあるから、極座標なら農工大小金井キャンパスの地
球中心からの位置は、
noko  6.3781  106 , 2.4287,0.9477 
となる。
1.2 二次元極座標と孤度法
X-Y平面内、半径aの円の位置の極座標表現は、
r   a,  と書くことができる。
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
位置Pは基準点からの成分表示で表される。
数学のベクトルの性質を持っている。
大きさがあり、向きがある。
位置P点が少し動いてP’になったとしよう。
rp   x p , y p , z p 
rp '   x p ' , y p ' , z p ' 
rp p '   x p '  x p , y p '  y p , z p '  z p 
足し算可能(もちろん引き算も可能)
rp '  rp  rp p '
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
rp p '   x p '  x p , y p '  y p , z p '  z p 
のようなものを変位ベクトルと呼ぶ。
大きさが小さければ、
r   x, y, z 
と書いたりする。
問 X-Y平面内、半径rの円の位置が θ =0から θ まで
動く時に描く軌跡の円弧の長さを求めよ。
θ=0からΔθまで少し動いたとき、ベクトルは
r   r,0
r   r cos  , r sin  
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
変位ベクトルは
r   r  cos   1 , r sin  
大きさは、
r  r  cos   1  r  sin    2r 2 1  cos  
2
2
2
2
三角関数には以下の性質がある。
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
1.3 位置ベクトルと変位ベクトル
Δθは小さいので、2次までの近似とすると、
r  2r 2 1  cos   ~ r

である。よって円弧の長さは、 ARC  0 rd  r
2
円周の長さは、 ARC   rd  2 r
0
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
sin x  
odd
i
n 1
n
3
5
x
x
x
 x


n!
3!
5!
1.4 ベクトルの基本的性質
1.ベクトルは成分表示される量 A   Ax , Ay , Az 
2.ベクトルは加算的である。
A B  C
A
x
 Bx , Ay  By , Az  Bz    Cx , C y , Cz 
3.掛け算は2種類ある
1)内積(inner product, scalar product)
ベクトル・ベクトル=スカラー
A B  C
Ax Bx  Ay By  Az Bz  C
A  B  AB cos
A A  A
2
A B  B  A
1.4 ベクトルの基本的性質
2)外積(outer product, vector product)
ベクトルxベクトル=ベクトル
A B  C
A B
y
z
 Az By , Az Bx  Ax Bz , Ax By  Ay Bx    Cx , C y , C z 
A  B  AB sin  e
A A  0
A  B  B  A
外積のXYZ成分はYZ→ZX→XYの順番に並べて
行けば簡単に求められる。
1.4 ベクトルの基本的性質
位置ベクトルは:
Z
P
m
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
0
X
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
Y
1.4 ベクトルの基本的性質
位置ベクトル
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
速度ベクトル
d
d
d

v  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
dt
dt
 dt

加速度ベクトル
 d2

d2
d2
a  t    2 rx  t  , 2 ry  t  , 2 rz  t  
dt
dt
 dt

数学の勉強:指数関数
指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。
a b
ee
e 
a b
ab である。Multiplication rule
e
e
ab
である。Power rule
de ax
 ae ax である。ordinary differential equation
dx
a, b はどんな数でも成り立つ。
定義:
eia  cos a  i sin a
Euler's formula
aは実数
数学の勉強:指数関数
e  cos a  i sin a
ia
定義:
aは実数
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
e x   an x n と置く
n
上下を見比べれば
d x
e   an nx n1
dx
n
 e x   an x n
n
an n  an1
an1
an 
n
1
an 
n!
数学の勉強:指数関数
ex  
n
xn
n!
 ix 
である。
定義を使って、
n
m m
n 1 n
i
x
i
x
ix
e 

 i
n!
n!
n
even m!
odd
 cos x  i sin x
im xm
x2
x4
cos x  
1


2!
4!
even m !
i n 1 x n
x3
x5
sin x  
 x


n!
3!
5!
odd
2.運動の表し方(2)
2.1 速さ
2.2 速度
2.3 加速度
2.4 等加速度運動
2.5 等速円運動
2.速さ、速度、加速度
位置ベクトルは:
Z
P
m
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
0
X
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
Y
2.速さ、速度、加速度
位置ベクトル
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
速度ベクトル
d
d
d

v  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
dt
dt
 dt

加速度ベクトル
 d2

d2
d2
a  t    2 rx  t  , 2 ry  t  , 2 rz  t  
dt
dt
 dt

2.速さ、速度、加速度
位置
r  t   r  t   rx  t   ry  t   rz  t 
速さ
v  t   v  t   vx  t   v y  t   vz  t 
2
2
2
2
2
2
加速度の大きさ
a t   a t   ax t   a y t   az t 
2
2
2
2.4. 等加速度運動
位置ベクトル
r  t   t , t 2 , t 
の軌跡をとる物体の速度と加速度ベクトルを求めよ。
物体の運動を説明せよ。
速度ベクトル
v  t   1, 2t ,1
加速度ベクトル
a  t   0, 2,0
・時刻ゼロでの速度ベクトル、加速度ベクトルの向き
を求めよ。
・十分時間が経ったときの位置、速度、加速度ベクト
ルの向きを求めよ。
2.5. 等速円運動
問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの
物体の座標ベクトルの成分を
r  t    r cos t, r sin t 
と書くとき、
物体の線速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の加速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の座標ベクトルの成分を
r  t   re
it
と複素指数表示するとき、物体の線速度を求めよ。
物体の加速度を求めよ。
2.5. 等速円運動
r  t    r cos t, r sin t 
d r t 
v t  
   r sin t, r cos t 
dt
d v t 
a t  
 r 2 cos t, r 2 sin t
dt

r  t   re
it
d r t 
v t  
 ireit
dt
d v t 
a t  
  r 2eit
dt

2.5. 等速円運動
r t   r
v  t   v  r
2
v
a  t   a  r 
r
2
r t   v t   0
a  t    r  t 
2
周期T T 
2

v t   a t   0
3. 力と運動
3.1 ニュートンの第一法則
3.2 ニュートンの第二法則
3.3 ニュートンの第三法則
3.4 いろいろな力
3. 力と運動
問: +x方向に磁束密度Bで磁場が働いている。また、
荷電粒子が+y方向に速度vで運動している。
(1)磁束密度B,粒子の速度vをベクトル表示せよ。
(2)磁束密度Bの中を速度v で運動する荷電粒子には

 
F  qv  B
(1)
という力が働く。qは帯電粒子の電荷量である。この式
(1)を用いて、荷電子が受ける力の大きさと、その方向
を求めよ。
3. 力と運動
問
(1) v   0, v, 0 
B   B, 0, 0 
(2) F  qv  B  q  0, 0, vB 
∴粒子は-Z方向にvBの大きさの力を受ける。
このように、外積は 3次元ベクトルを考えた時に初め
てでてくる不思議な掛け算である。
3. 運動の3法則
1.慣性の法則 F  0 d p  0
the principle of inertia
dt
2.運動の法則
dp
F
dt
ma  F
Equation of motion
3.作用反作用の法則(運動量保存則)
Law of action and reaction
(Principle of Momentum Conservation)
問.上記3法則について皆さんの体験を述べよ。
3. 運動の3法則
ちから
F がある。これはベクトルである。
ベクトルだからこう考えることができる。
F  F1  F2
F 0
のとき
F1   F2 である。
力のつり合い状態という。
このとき運動の形態は維持される。
3. 運動の3法則
床に質量mの箱が静止している。
箱には重力Fg=mgが働いている。
箱が動かないとき、箱が床に置か
れた事により発生する垂直抗力N
と重力が釣り合っていると考える。
Fg  N  0
N
m
Fg
静止形態は維持される。
身の回りに沢山の類似例がある。
実は目に見えないが大気もこんな状態である。
気流を考えなければ空気が地表にのっかっており、
重力と垂直抗力が釣り合っている。
3. 運動の3法則
問
大気1気圧はパスカル表示で
101325 Pa(=N/m2)である。
重力加速度gは9.806 m/s2である。
地表に乗っかっている大気の
単位1m2あたりの質量を求めよ。
TA1
10339.29
大気
地表
3. 運動の3法則
床に静止している質量mの箱を
図のように水平に押す。
箱が動かないとき、
力Fに抗して摩擦力Rが働き
二つの力は釣り合っている。
m
R
F
F R0
摩擦力は箱が床に置かれた事により発生する垂直抗
力Nを使って、  N
と表す。
F  N  0
3. 運動の3法則
疑問:垂直抗力は上向きだった。
しかしRは横向き(力の向きの反対
向き)だった。上向きの力から
なぜ横向きの力が生じるのだろう?
N
N
m
R
F
Fg
は明らかに大きさに限界がある。
よって非常に大きな力を加えれば、
となって物体は動き始める。
F  N  0
3. 運動の3法則
dp
力は運動量の時間微分 F 
と表す。
dt
だから力を時間積分すると運動量の変化になる。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
これを力積という。
3. 運動の3法則
問 同じ質量mの物体が速さvで真正面 v
衝突する。
m
衝突前の全運動量は mv  (  mv )  0
である。衝突後も運動量は不変である。
衝突後の運動の形態はどうなるか?
問 同じ質量mの物体二つがばね
常数kで繋がっている。外力を受けず
重心が静止した状態で振動するとき、
全運動量はいくらか。
角振動数ωはいくらになるだろうか。
m
v
m
TA2
k
TA3
m
3. 運動の3法則
問:質量Mの太陽の周りを回転運動する、 M=2.0x1030kg
質量mの地球を考えよう。
Y m=5.9x1024kg
地球と太陽の間に働く万有引力以外に r=1.5x1011m
外力は無く、重心が静止しているとき、

全運動量はいくらか。
m
r
運動量が保存する作用反作用
O θ
のルールにてらして地球と太陽
X
M
の運動を考えよ。
TA4
いろいろな力
万有引力
GmM
F 
r
3
r
弾性力
F  k x
粘性抵抗力
F  Cv
力のモーメント
こりおり力
xは変位
N  r  F 角運動量 L  r  p
F  2mv  
mr2ω
3. 運動の3法則
問 質量Mとmの物体二つがばね
常数kで繋がっている。外力を受けず
振動するとき、角振動数ωはいくらに
なるだろうか。
k
K
M
k
m
mM
mM
である。換算質量という。Reduced mass

になる。ここで、 K 
M>>mの場合は?
壁
M=1.5mの場合は?
TA5
k
m
1.5m k
m
3. 運動の3法則
問:地球と太陽の間に働く万有引力のみ
M=2.0x1030kg
により質量Mの太陽と質量mの地球が回 Y m=5.9x1024kg
転運動している。重心が静止していると
r=1.5x1011m
き、作用反作用のルールに基づけば、

運動は
m
r
天動説的だろうか?それとも
O θ
地動説的だろうか?
X
M
TA1
4.いろいろな運動(1)
4.1 放物運動
4.2 空気抵抗
4.3 束縛運動
4.4 単振動
4.いろいろな運動(1)
力は運動量変化をもたらすと学んだ。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
こんな関係があった。
もし一定の力が作用したとき、t秒後の経過を考
えると運動量の変化は、
p  F  t
になる。これは時間経過がごく短時間の場合は、
運動量の変化は僅かであることを示している。
4.いろいろな運動(1)
もし予めp=(px,0,0)であり、F=(0,0,Fz)なら、
t秒後には
p=(px,0, Fzt)であり、
Δp=(0,0, Fzt)である。
即ち、
px
t 
Fz
までは
力による運動は初速度pxが主役である。
px
そして、 t  F のとき、加速度による運動が支
z
配的になる。
4.1 放物運動parabolic movement
v0の初速で質量mの物体を水平θの角度で投げ上
げる。
y
加速度は a  t   0,  g 
θ
x
v  t   v0 cos , v0 sin   gt 
速度は
g 2

位置は
r  t    v0 cos  t , v0 sin  t  t 
2 

x  v0 cos t
g 2
g
x2
y  v0 sin  t  t  x tan  
2
2  v0 cos 2
4.1 放物運動parabolic movement
これは放物線運動である。
・位置の大きさ(原点からの距離)はどうなる?
g 2

2
2 2
r  r  t   r  t   v 0 cos  t   v0 sin  t  t 
2 

2
2
2

g 
1 g  2
g
 v 0 t cos   sin  
t   v 0 t   t  sin  t  1
2v0 
4  v0 
v0

2
位置は始めはtに比例して大きくなる。等速運動
そのうち、t2に比例して急激に大きくなる。
・位置の大きさの変化がt的からt2的に切り替わる時刻
はいつ?
4.1 放物運動parabolic movement
2
1 g  2
g
r  v 0 t   t  sin  t  1
4  v0 
v0
・位置の大きさの変化がtからt2に切り替わる時刻t0はいつ?
2
1 g  2
g
t
~

sin

t0  1
  0
4  v0 
v0

だろう。
2v0
t0 ~
 sin   1  sin  2
g

である。
物体はt0までは概ね等速度運動、t0を超えると等加速度運
動と言える。
4.1 放物運動parabolic movement
・t0のときの原点からの距離r0は
r0 ~
・X軸上への落下点までの距離r1は
r0,r1,r2
r1 
r2 
1  sin 
2v 02 sin  cos 
g
v 0 sin 
2
・最高高さ到達点までの距離r2は
r0
 sin  

2g
4v 02
2g
g=v0=1のとき
r1 
v 02
g
r1
r2 
r2
θ
v 02
2g
2

2
4.2 空気抵抗
空気の粘性抵抗下でt=0でz=0、z方向に速度 -v0をもつ
質量mの物体の運動を考えよう。
粘性抵抗力は
運動の式は
v
F  Cv
v
maz  mg  Cvz
d 2z
dz
m 2  mg  C
dt
dt
を解こう
4.2 空気抵抗
空気の粘性抵抗下でt=0でz=0、z方向に速度 -v0をもつ
質量mの物体の運動を考えよう。
解析の方針:
粘性抵抗力は
運動の式は
v
F  Cv
v
1.まず大まかに特徴
を調べる。
maz  mg  Cvz 2.次に数学的解を
求める。
d 2z
dz
m 2  mg  C
dt
dt
を解こう
3.最後にきちんと解
の特徴をチェックする。
4.2 空気抵抗
dz
v
と置く。
dt
dv
m
 mg  Cv
dt
mg
V v
C
dV
m
 CV
dt
と置く。
dV
C
割り算と掛け算をする。
  dt
V
m
積分をする。
整理する。
vは・・・・・・・・
C
ln V   t  a
m
V e
C
 t a
m
v  Ae
C
 t
m
 Ae
mg

C
C
 t
m
4.2 空気抵抗
vはt=0で-v0だから、
mg
 v0  A 
C
よってvは
 mg
  m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C
従ってzは
C
 t
m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
4.2 空気抵抗
問:-v0=0のとき、落下のごく初期t<<小のとき、
v   gt
1 2
z   gt
2
と、近似できることを示せ。
-v0がゼロでない時どうなるか考えよ。
TA5
C

mg

 m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
4.2 空気抵抗
問:-v0=0のとき、落下のごく初期t<<小のとき、
C
C

t

t
mg
mg
mg
mg mg  C  mg

 m
m
v
 v0  e 

e 
~
  gt
1  t  
C
C
C
C  m  C
 C

C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0   1  e  
t
C C

 C
2
C



t


m mg
mg
m
mg
C
1
C
mg


m

t~
t
 t   t   
1  e  
C C 
C C m
2m   C
 C
1 2
  gt
2
4.2 空気抵抗
問:空気抵抗中の物体の速度v と位置z は次の式で書け
ることを学んだ。
 mg
  m t mg
v
 v0  e 
C
 C

C
C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0  1  e  
t
C C

 C
この運動はC→0 のとき、通常の自由落下運動の速度、
位置と一致することを示せ。
TA4
4.2 空気抵抗
C
 mg
  m t mg  mg
  C  mg
v
 v0  e 
~
 v0   1  t  
C  C
 C

 m  C
 v0  gt
C

t

m  mg
mg

m
z 
 v0   1  e  
t
C C

 C
2

m  mg
C
1
C


  mg
~ 
 v0   t   t   
t


C C
2m   C
 m
  v0t 
1 2
gt
2
4.2 空気抵抗
ストークス則
F  Cv  6 rv
終端条件
球形条件
η:流体の粘度 [Pa・s]
mg  Cv  6 rv
4
mg   r 3 g
3
2  g 2
g
2
v
r 
4 r
9
18
4.2 空気抵抗
問:-Z 方向に重力加速度を受けて落下運動する質量m
の物体が速さv で運動するとき、v及びv 2 に比例する抵
抗力F =-Cv +D v 2 を受けるとする。十分時間がたった
後、この物体の速度がどうなるか考えよ。
F  mg  Cv  Dv 2  0
C  C 2  4mgD
v
2D
4.2 空気抵抗
C→0なら
C  C 2  4mgD
mg
v

2D
D
慣性抵抗
D→0なら
C  C  4mgD
v
~?
2D
2
粘性抵抗
TA1
電気電子工学科E2 物理学及び演習 中間テ
スト問題 2008年12月18日(木)
問1. 惑星Qを調査中の二人の探検家が同時にそれ
ぞれ穴に落ちた。穴の深さは0.5mと10mだった。
落下時は惑星Qの重力加速度g (=1 m/s2)と、大気の
粘性抵抗(抵抗率C(=50 Nsm-1))のみが働く。0.5 mと
10 mの穴の底に達するまでの時間としてもっとも確か
らしい値をそれぞれ下表から選べ。二人の探検家の体
重はそれぞれ同じ質量50kgとする。
表1:0.5s, 1.0s, 1.5s, 2.0s, 2.5s, 3.0s, 3.5s, 4.0s,
4.5s, 5.0s, 5.5s, 6.0s, 6.5s, 7.0s, 7.5s, 8.0s, 8.5s,
9.0s, 9.5s, 10.0s
お話:オームの法則
電界強度中の電荷の運動以下の式で表される。
d 2 x m dx
m 2 
 eE
dt
t dt
ここでmは電荷の質量、tは運動のライフタイム、Eは電界強度である。
電荷の位置xが時間t=0でゼロ、速度ゼロのとき電界強度によって
生じる電荷の運動は上式を解くことによって与えられる。
問 上式は空気粘性抵抗下での物体の落下の式
d 2z
dz
m
について、
m 2  mg  C
C
dt
dt
t
mg  eE
とした場合に相当する。時刻tでの電荷の速度を求めよ。
お話:オームの法則
速度は
t
 
dx et E 
t
v

1  e 
dt
m 

単位面積当たりの電流は
i  env
だから電流値は、
t
 
e2nt E 
t
i  env 
1

e


m 

となる。ここで取り扱う時間tが電荷の運動のライフタイムτよりずっと
長い場合を考えよう。このとき、
であるから、電流と速度は、
e2nt E
i~
m
となり、時間に依存しない量となる。
お話:オームの法則
2
よって面積Sを通過する電流Iは I  S e nt E
m
であり、電界強度が一定なら、距離Lで電位降下はV=EL
となるから、
S e 2nt
I
V
L m
電流は電圧に比例する。
これがオームの法則である。
e2nt
係数  
を物質の電気伝導率という。
m
1
m
r


係数
を物質の電気抵抗率という。
2
 e nt
抵抗は R  L r  L 2m
である。
S
S e nt
4.3 束縛運動
TA5君が1m/sで地表を歩いている。
TA5君の質量は59 kgである。
地球の質量は5.9x1024 kgである。
作用反作用ルールに基づけば、
地球はTA5君と反対方向に運動量があるはずである。
なぜそう感じないのだろうか?
TA5君との作用反作用によって
地球はどのくらいの速さで動くだろうか?
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
時刻ゼロで質量mの物体を初速v0で傾角αの斜面上り
向きに打ち出した場合を考える。斜面と物体の動摩擦
係数をμとする。斜面に沿ってx座標をとる。時刻ゼロの
物体の位置を0とする。物体は斜面を移動して停止し、
その後斜面を下り始める。以下の①-⑩の欄の問をm,
g,(重力加速度), v0,α,μのうち適当な記号を用いて答え
よ。
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
物体が斜面を上るときの摩擦の力は(①)と書けるので、x方
向の運動の式は(②)となり、これを用いて時刻tにおける速
度は(③)と書ける。物体が位置0から斜面を上り停止するま
でに要した時間は(④)となる。そして物体が停止するまでに
移動した距離は(⑤)である。さらに物体が斜面を下るときの、
摩擦の力は(⑥)となるので、物体が斜面を下るときのx方向
の運動の式は(⑦)となる。物体が斜面を上って下り、再び位
置0の地点に戻ってくるまでに重力のする仕事(⑧)であり、
摩擦力のする仕事は(⑨)である。
よって位置エネルギーの基準点を
位置0に取ったとき、物体が位置0
にもどってきたときの力学的エネル
ギーは(⑩)となる。
電気電子工学科 物理学及び演習 中間テス
ト2005年7月1日(金)
4.3 束縛運動
時刻ゼロで初速v0で斜面上がり向き
に物体を打ち出した場合を考える。
斜面に沿って座標をとる。
1)摩擦が無い場合
θ
運動の式は、
d 2x
m 2  mg sin 
dt
v
g
(1)
F  mg sin  を与えるポテンシャルエネルギーがある
だろうか?
Yes,なぜなら(1)式は運動の向きによって変わらない。
ポテンシャルエネルギーは U ( r )  mg sin  x  C (2)
である。
4.3 束縛運動
時刻tでの位置と速度は
1
x (t )   g sin  t 2  v0t
2
v  t    g sin  t  v0
v
θ
(3)
時刻tのときの運動エネルギーEは、
1
1
2
2
E  t   mv  t   m  v0  g sin  t 
2
2
g
4.3 束縛運動
時刻tのときのポテンシャルエネルギーUは、
 1

U  mg sin    g sin  t 2  v0t   C
 2

1
  mg 2 sin 2  t 2  mg sin  v0t  C
2
1
2
  m  g sin  t  v0   C  v0 2
2
m 2
E  U  C  v0
2
よって、
運動エネルギーEとポテンシャルエネルギーUの和はい
つも一定。
4.3 束縛運動
v
(2)摩擦がある場合、動摩擦係数
をμとすると、運動の式は、
d 2x
m 2    N  mg sin 
dt
 mg sin    cos 
θ
この場合ポテンシャルエネルギーは
U (r)  mg   cos  sin   x  C
と書くことができるだろうか?
g
4.3 束縛運動
v
それはできない。
x地点の下りの運動の式は、
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
θ
g
同じ地点で、上りと下りの運動の方向によってかかる
力が違う場合はポテンシャルエネルギーを定めること
ができない。
4.3 束縛運動
以下の問題を考えてみよう。
x
v
0
v
0
時刻ゼロで、位置x=0であり、
初速v0で斜面上向きに物体を
打ち出す。
θ
g
x=x0で物体が停止した瞬間に
物体に打撃を加えて物体の速度をv0として斜面を下らせる。
時刻t、場所xに物体がいるときの諸特性は以下のとおり。
運動の式
上り
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
(1)
下り
d 2x
m 2  mg  sin    cos  
dt
(2)
4.3 束縛運動
速度
上り
下り
ただし、
v   g sin    cos  t  v0
v   g sin    cos  t  T   v0
v0
T
g  sin    cos  
(3)
(4)
(5)
位置
1
2
x


g
sin



cos

t
 v0t


(6)
上り
2
1
2
下り x   g  sin    cos   t  T   v0  t  T   x0(7)
2
2
(8)
v
ただし、
0
x0 
2 g  sin    cos  
4.3 束縛運動
x
斜面下り運動の停止条件を
考えてみよう。
速度は
ただし、
v0
θ
g
v   g sin    cos  t  T   v0
v0
T
g  sin    cos  
(4)
(5)
1
2
位置は x   2 g  sin    cos   t  T   v0  t  T   x0 (7)
2
v
0
ただし、
(8)
x0 
2 g  sin    cos  
4.3 束縛運動
止まるには速度がゼロになる必要がある。止まる時間は
v0
t
T
 g  sin    cos 
だから、条件は sin    cos   0
sin    cos   0
それでは、
のときの意味は何か?
速度と時間との関係をグラフに描く
と右図のようになる。
赤が停止条件
sin    cos   0
青は止まらない条件
sin    cos   0
  tan 
v
sin    cos   0
O
v0
T
t
sin    cos   0
4.3 束縛運動
・止まる条件の場合、赤の線に示すように時間Tから速
度は徐々に小さくなり、ついにゼロになる。
・止まらない条件では、速度は時間とともにかえって速く
なる。青の破線に示すように、
v
静止した物体が時刻
v0
v0
t

 g  sin    cos   g  sin    cos 
2v0  cos 

g   2 cos2   sin 2  
から等加速度運動を行うように見える。
sin    cos   0
O
v0
T
t
sin    cos   0
4.3 束縛運動
振り子の運動はおなじみである。
でも単純ではない。
円弧接線方向の力成分は
F  mg sin 
線運動量は
θ
d
p  ml
dt
dp
d 2
運動の式は、
 ml
 mg sin 
2
dt
dt
d 2
g
  sin 
2
dt
l

g
l
とおく。
l
mg
4.3 束縛運動
d 2
2



sin 
2
dt
d
を両辺に掛けて積分しよう。
dt
1  d 
2


cos   C


2  dt 
2
θ
l
最下点θ=0の角速度をω0とおくと
1 2
C  0   2
2
2
 d 
2
2

2

cos


1




0


dt


mg
4.3 束縛運動
d 2
2



sin 
2
dt
d d 2
d
2
  sin 
2
dt dt
dt
=
=
1  d 
2


cos   C


2  dt 
2
d
を両辺に掛け
dt
て
dt で積分しよう。
4.3 束縛運動
d

dt
2 2  cos   1  02
もし、最下点から見て高さHから振られた
とすると、
l0 
2 gH
H
0   2
l
d

dt
θ
l
エネルギー保存則
H
2 cos   1 
l
mg
微分方程式は振り子の運動が高さHに依存することを示
している。しかし式解くのは難しい・・・・・・
4.3 束縛運動
l
H 
2
から振り子を振り出すとしよう。

初期角度は  0  3
d
1
 2 cos     2 cos   1
dt
θ
l
2
さらにg=9.8, l=1としよう。有効桁2桁まで取ると、

g
~ 3.13
l
d
 3.13 2 cos   1
dt
mg
4.3 束縛運動

初期角度  0  からの変化を差分的に
3
数値計算しよう。
  3.13 2 cos   1t

i  i 1    3.13 2 cos i 1  1t
θ
l

mg
4.3 束縛運動
l
計算結果:H 
, g=9.8, l=1のとき、
2

g
0 

~ 3.13
であり、
3
l
θの時間変化は、
θ
l
mg
4.3 束縛運動
1周期は2.16 sである。
d 2
これを、θ<<小
2
~



2
の場合の解
dt
   0 cos t 

3
cos 3.13t と比べてみよう。(破線)
θ
l
mg
4.3 束縛運動
2
d
数値計算の結果、    2 sin 
dt 2
の運動の周期は、H=0.5, g=9.8, l=1
のとき、2.16 sだった。
θ
これに対し、θ<<小の近似解、
d 2
2
~



2
l
dt
mg
の場合の運動の周期は、2.01 sである。
なぜθ<<小の近似解の方が周期が短いのだろう?
TA1
4.3 単振動
P76[10] θ~0のときの振り子の角振動数は  
f  h  p g q i r 
g
l
の関数の微分は
f  h  p  g  q  i  r   h  p  g  q  i  r   h  p  g  q  i  r 
であり、
f h  p  g  q  i  r 



f
h  p
g q
i r 
dh  p 
p
ここで、 h  p  
dp
である。
4.3 単振動
θ~0のときの振り子の角振動数は
 g



1
2

g
l
1
l
1
1 1
  
g
2l
g 
g
1
l
1 1
  
g 
2  gl

1
2
1
l2
g l 

l l 
1  g l 
l  
 
2 g
l 
4.3 単振動
再び。X-Y平面において半径rを一定角速度ωで回転し
ている質量mの物体を考えよう。
Y
位置ベクトルは
r   r cos t , r sin t 
であるから、

m
運動量ベクトルは
θ
p   mr sin t, mr cos t 
力ベクトルは
F    mr 2 cos t , mr 2 sin t 
運動エネルギーは
1
mr 2 2
E
p p 
2m
2
X
4.3 単振動
・物体には F   mr 2 cos t , mr 2 sin t 
の中心向きの力が常に働いている。大きさは
F  mr 2
である。
・力によって運動の向きは刻々と変わる。
よって運動量は時間によって変化する。
p   mr sin t, mr cos t 
・しかし物体の速さは変わらない。
運動量の大きさも変わらない。
・よって運動エネルギーは時間一定である。
v  r
p  mr
mr 2 2

2
4.3 単振動
円運動のX成分だけ取り出してみよう。
x  r cos t
Y
p x  mr sin t

m
Fx  mr 2 cos t
θ
Fx  m x
2
Fx   kx
X
k  m 2
即ち等角速度円運動のひとつの成分は、単振動の運動をする。
周期は
2
m
T
 2

k
角振動数は  
k
m
4.3 単振動
d 2x
運動方程式は、 m 2  kx
dt
で、このような形の方程式の解は
x  a cos(t   ),  
k
m
の形になる。このような形の一つの角振動数の三角関数
で表されるような運動を、単振動(調和振動)という。
例えば、右図のような、ばね定数k、質量m
のおもりがついたばねの運動は単振動周期
m
k
運動である。
単振動は、半径aの円周上を定角速度ωで回転する点の
正射影と同じ運動である。
4.3 単振動
変位に比例する力が働く質量mの物体の運動方程式を
d 2x
m 2  kx
dt
と書く。   k / m
(1)
とする時、
(ⅰ) x  A cos t   
(ⅱ) x  A sin t   
(ⅲ) x  B sin t  B cos t
は、いずれも式(1)の解である.
4.3 単振動
問 変位に比例する引力が働くとき、質量mの物体の
運動方程式は
2
d x
m 2  kx
dt
(1)
で表される。   k / m
とする時、
次の初期条件が与えられた時の解を
x  A cos t   
の形に書いてみよ。
(ⅰ)t=0でx=a,v=0
(ⅱ)t=0でx=0,v=v0
(ⅲ)t=0でx=a,v=v0ただし、a,v0>0
4.3 単振動
問 変位に比例する力と一定の力を受けて運動する質量
mの質点の運動方程式は
d 2x
m 2  kx  F
dt
である。この方程式の解を求めよ。
初期条件がt=0でx=0,v=v0である場合の解を求めよ。
4.3 単振動の応用
2つの質量mの物体がそれぞれバネ常数kに繋がれて
振動している。さらに物体同士が新たなバネで繋がれ
ている場合の運動を調べよう。
2
1
k
m
k*
m
k
予言:・1と2が同位相で動く時角振動数はAである。
・1と2が逆位相で動く時角振動数はBである。
・よって1と2はAとBの角振動数の合成振動
になる。
4.3 単振動の応用
物体1と2の運動の式はそれぞれの変位をx1,x2とすると、
x1
x2
d 2 x1
*
m 2  kx1  k  x1  x2 
2
1
dx
d 2 x2
m 2  kx2  k *  x1  x2 
m k* m
k
dx
k
となる。上式は X= x1+x2, Y= x1-x2 とおいて解くように教わった。
d2X
m 2  kX
dx
d 2Y
m 2    k  2k *  Y
dx
4.3 単振動の応用
X及びYは振動数、
k

m
*
と   k  2k
m
で振動する単振動である。
k
X  X 0 cos
t
m
とおけば、
k  2k *
Y  Y0 cos
t
m
X  Y X0
k
Y0
k  2k *
x1 

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
X Y X0
k
Y0
k  2k *
x2 

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
ふたつのバネを新たなバネでつなぐことにより、2つの異なる振
動が生じた。不思議!
4.3 円運動と単振動
地球の重力により、図の矢印の方向に
運動する2つのシャトルを考えよう 。
シャトルAは北極から南極に貫くトンネ
ルを通る。シャトルBは地表すれすれを
一定速度で周回する。地球は真球であ
り、半径R、密度は均質な質量Mである。
シャトルは質量mであり、十分小さい。
トンネルも十分小さい。地球中心を原
点Oにとる。トンネルを貫く軸をY軸にと
り、図のようなX-Y平面をシャトルは運
動する。Z軸は紙面鉛直上向きが正で
ある。空気の抵抗は考えないとする。
地球は自転していないとする。
時間ゼロでシャトルは北極点におり、
右回りとする。
m
地球
北極点
Y
(0,R,0)
B(x,y,0)
A
θ
O
X
4.3 円運動と単振動
地球とシャトルの間に働く力は、 F  G
GM
F  mg だから、 g  2
R
mM
GM
m 2
2
R
R
である。
M= 5.974x1024 kg R= 6.37x106 m
計算すると g =9.81 m/s2 である。
重力加速度は地表いたるところで一定であり、地球の中心方向を
向いているから、X-Y平面上では a    g cos  ,  g sin  , 0 
の形をしている。
GM
2
加速度の大きさ a  R  g  2
R
角速度は
周期は
GM
ケプラーの第三法則

3
R
R3
R
R
T  2
 2 R
 2
=5060 s !
GM
GM
g
4.3 円運動と単振動
2 R
GM

 gR =7.9x103 m/s !
速度の大きさは v  R 
T
R
運動量の大きさは P  mv  mR  m gR
運動エネルギーは
P 2 mGM mgR
E


2m
2R
2
もしシャトルの重さが10トンだとすると、 E=3.1x1010 J !
最後にシャトルの位置は、時刻ゼロで北極点、右回りだから




 
r  t    R cos    t  , R sin    t  , 0 
2 
2  

4.3 円運動と単振動
地球トンネルを動くシャトルの場合を考えよう。
(0,y,0)にいるシャトルに働くY方向の力は、(x,y,0)にいる周回シャ
トルが受ける力のy成分に等しい。
d2y


2
Fy  ma y  m 2  m R sin   t   m 2 R cos t
dt
2

 m 2 y
だから、運動の式は
加速度は
Fy  m 2 y
d2y
a  2   2 y
dt
となる。これはバネの問題と同じである。
4.3 円運動と単振動
式を解くまでもなく答えは求められて、
シャトルの位置は(y軸上) y  R sin    t   R cos t


2

dy
3
v
t



R

sin

t


gR
sin

t


7.9

10
sin t
速度は  
dt
運動量は P  t   mv  m gR sin t
運動エネルギーは
周期は
mgR 2
E
sin t
2
4.3 円運動と単振動
地球トンネルを動くシャトルの運動のまとめ
1.北極にいるときの
速度はゼロ、加速度の大きさは
2.地球の中心で速度最大=7.9x103m/s,これは周回シャトルの
速度と同じ。加速度はゼロ。
3.運動エネルギーは北極でゼロ、地球中心で最大 mgR
2
これは周回シャトルの運動エネルギーと同じ。
4.北極から南極まで行って帰ってくるのに5060秒かかる。
これは周回シャトルの1周期と同じ。
5.運動は往復周期振動運動。バネの運動と同じ。
4.3 円運動と単振動
GM
万有引力を見直してみよう。 F  m 2
R
地球の密度をρとすれば、
4
M   R 3
3
だから
地表での重力加速度は
4G
ag
R
3
地球トンネルのシャトルが感じる加速度の大きさは、
このことは、地球の中心から距離yにあるシャトルが受ける重力的
力は地球と同じ密度を持つ半径yの球状物体から受ける力と同じ
であることを示している。
4.3 円運動と単振動
問: 前ページの議論を参考にして、あなたが地球から受ける重
力の大きさを中心からの距離の関数として下のグラフに描け。
重力の大きさ
M 1
r12  2
2
F  mG 2  mG

mG


r1
r12
Δθ
Δθ
r1
m
r2
球殻
ΔM2
0
R
(半径)
ΔM1
距離
5.いろいろな運動
5.1 空気抵抗のもとでの放物体の運動
5.2 減衰振動
5.3 強制振動
5.2 減衰振動
粘性抵抗下のバネの運動を考える。
・変位に比例した復元力がある。
・速度に比例した抵抗がある。
予想
抵抗が小さければバネは振動を続ける。
しかし抵抗はゼロではないから少しずつ衰える。
遂には止まってしまう。振動数は抵抗が無い場合より小
さく、周期は長いだろう。-振動をしながら衰える運動
抵抗が非常に大きければバネは自然長位置を越えて向
こう側に行くことができないまま衰え、遂には止まってし
まう。-振動せず衰える運動
5.2 減衰振動
バネを引っ張り、時刻ゼロで手を離した
場合を考えよう。
バネ常数k, 粘性抵抗係数α、
自然長の位置をゼロとする、
時刻ゼロではバネの速度は当然ゼロ。
k
m
これまでの勉強によって、運動の式は式のように書ける。
2
d x
dx
m 2  kx  
dt
dt
5.2 減衰振動
運動の式
d 2x
dx
m 2  kx  
dt
dt
整理
d 2x
k
 dx
 x
2
dt
m
m dt
解を仮定する
x  et
特性式

k
   0
m
m
2

解の条件
k
  

 
 
2m
 2m  m
2
5.2 減衰振動

k
  

 
 
2m
 2m  m
解の条件
一般解
xe


2m
t
k
  

  0
 2m  m
2

 Ae


2
   k

  t
 2m  m
2
   k
 
  t
 2m  m
2
 Be




を境に運動の形態が大きく変わる。
抵抗のないときの固有角振動数


抵抗因子
2m
k
0 
m
5.2 減衰振動
一般解
xe
① 0  
t
 Ae
 2 02 t
 Be

2
2





のとき、
0
x  e   t  Aeit  Be  it 
実数条件
  2 02 t
xe
t
 Ae
it
 A*e
 it

 e   t   A  A * cos t  i  A  A * sin t 
e
t
 p cos t  q sin t 
5.2 減衰振動
教科書の通りになる。
x=0の時刻t0は、
x  ae  t cos t   
t0   
x=0で見た振動の周期は
T
2



2
 n
2
 
2
0
予想通り抵抗が無いときより周期は長くなる。
振幅が減衰しながら振動する運動。
2
5.2 減衰振動
速度は? dx
dt
 ae
t
  cos t      sin t    
時刻ゼロで速度はゼロだから

tan    

加速度は?
d 2x
t

ae
dt 2

2
2




 cos t     2 sin t   

5.2 減衰振動
抵抗が無いときの位置と速度の計算例
速度
位置
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗が無いときの位置と速度の計算例
負方向復元力の 正方向復元力の
ために速さ増大 ために速さ減少
位置
速度
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗下での位置と速度の計算例
速度
位置
時間(s)
5.2 減衰振動
抵抗下での位置と速度の計算例
負方向復元力のために速さ増大するが、正方向粘性抵
抗力のために速度は位置ゼロになる前に減少に転じる。
位置
時間(s)
速度
5.2 減衰振動
一般解
xe
t
 Ae
 2 02 t
②抵抗が大きくなり、  0
 Be
  2 02 t
になると、ωは小さくなる。
x  e   t  Aeit  A * e  it 
 e  p cos t  q sin t 
t
 e  p  qt 
t
x  ae   t cos t   
 cos t  cos    sin t  sin   

 ae  cos    sin   t 
 ae
t
 t

5.2 減衰振動
  0 を臨界制動という。グラフの赤線の場合であ
る。βを少しずつ大きくすると、グラフのように、少しずつ
減衰振動の振幅が小さくなることが分かる。

tan    

位置
5
4
3
2
1
β=0
時間(s)
5.2 減衰振動

tan    

速度
速度を見てみよう。最初はゼロである。減衰振動の場合
は負から正へと変化する。しかし、βが大きくなると速さ
は小さくなる。臨界制動でもバネは動くから速度はある
がその向きは負のままである。
5
43
2
1
β=0
時間(s)
5.2 減衰振動
一般解
xe
t
 Ae
 2 02 t
③抵抗が非常に大きく 0  
xe
t

 Ae
 Ae


なら、
 2 02 t
    2 02 t
 Be
  2 02 t
 Be

 Be
  2 02 t


    2 02 t
過減衰という。二つの指数減衰関数の組み合わせで
ある。
5.2 減衰振動
速度はt=0で0だから、
xe
t
 Ae
   
 A e


 2 02 t

 2 02 t

 Be
  2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


過減衰という。二つの指数減衰関数の組み合わせで
ある。
 2 02 t
  2 02 t
t
  0 なら x  e
Ae
 Be

 

 Ae


 2 02 t
 Ae
02

t
2
5.2 減衰振動
位置
位置と速度をグラフで示した。臨界制動から、βが大きく
なるにつれて位置はゆっくり変化しゼロへと至る。よって
速さはβが大きくなるにつれて小さくなり、速さのピークは
小さくなる。
7, 9,11
20
β=5
速度
20
時間(s)
7, 9,11
β=5
5.2 減衰振動
xe
 at
e

t
b
のとき、bを時定数という。t=bのとき x 
xが実効的効果的な時間範囲をbで表す。
物理や電気工学で頻繁に用いられる。
x  Ae
02

t
2  なら時定数は
e
1
である。
2

2
0
ω0=5, β=20のとき、時定数は、1.6 s
抵抗が無いとき、 ω0=5は1/4周期を0.31 sで振動運動する
が、 β=20のバネは大きな粘性抵抗によりゆっくり運動するこ
とになる。
5.2 減衰振動のまとめ
運動の式
d 2x
dx
m 2 
 kx  0
dt
dt
k
0 
m
t=0でv=0のとき、
①減衰振動


2m

tan    

x  ae
t
  02   2
cos t   
t
②臨界制動 x  ae  cos    sin   t 
③過減衰
   
x  A e



 2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


5.2 減衰振動のまとめ
LCR直列回路
式は
2
d I
dI I
L 2 R  0
dt
dt C
電流は抵抗下のバネのおもり位置と同じ時間変化をす
る。
0 
1
LC
R

2L

1
R2
 2
LC 4 L
5.2 減衰振動のまとめ
LCR直列回路
式は
2
d I
dI I
L 2 R  0
dt
dt C
臨界制動条件:
L
R2
C
L
R2
C

1
R2
 2 0
LC 4 L
L
R2
C
なら減衰振動的に電流が流れる。
なら過減衰的に電流が流れる。
x  Ae
02

t
2
5.2 減衰振動のまとめ
問
L=1 mH, C=1 μF
R=10Ωのとき

1
R2
 2
LC 4 L
を有効桁2桁で求めよ。
問
2

2
0
3.12E+04
TA1
 RC となり有名なRC時定数である。
L=1 mH, C=1 μF、R=10KΩのとき
TA2
2

2
0
 RC を求めよ
5.3 強制振動
強制的に周期的力を加えて振動を
励起する場合を考えよう。
運動の式は
2
d x
dx
m 2 
 kx  mf 0 cos t
dt
dt
d 2x
dx
2

2



0 x  f 0 cos t
2
dt
dt
F
k
m
5.3 強制振動
d 2x
dx
2

2



0 x  f 0 cos t
2
dt
dt
F
k
m
解は一般解と特殊解
一般解は勉強したように過渡応答を与える。
つまり動き始めの様子を与える。
特殊解は力に応じた定常的動きの様子を与える。
元木君はギターを上手く弾いてくれた。皆さんは元木
君のFによる特殊解定常解を楽しんだ。
しかし、カーテンはあまり鳴らなかった。元木君は同じよ
うにFを仕掛けたが、相手の特殊解定常解は我々の耳
には届かなかった。
5.3 強制振動
F
d 2x
dx
2

2



0 x  f 0 cos t
2
dt
dt
k
定常解
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
0   2
TA1
2
cos  t   
m
5.3 強制振動
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
2
0  
2
F
cos  t   
k
m
固有振動数ω0を持っていても必ず外力の振動数にな
らって振動する。大変不思議だ。
しかし、よく見ると振幅は外力の振動数が固有振動数
に一致した時に大きくなる。共振という。
さらに抵抗βが小さいほど共振現象は顕著になる。
5.3 強制振動
x
f0

2
0

   2  
2 2
2
cos  t   
f0

04
 
1   
  0 

2
2
  2   2
 
  0 0 

f0

04
 
1   
  0 

2
2
2

1 
  2 
 Q  0 

cos  t   
cos  t   
F
k
m
0
Q
2
抵抗βが小さいほど共振現象は顕著になる。
Q値を用いるとQが大きいほど共振現象は顕著になる。
5.3 強制振動
0
Q
2
V
LCR回路の場合、
R
1

0 
2L
LC
だったから、
~
0 1 L
Q

2 R C
Rが小さいと共振振幅が大きくなる。
5.3 強制振動
固有振動数ω0を持っていても必ず外力
の振動数にならって振動する。
しかし、振幅は外力の振動数が
固有振動数に一致した時に大きくなる。
F
k
m
問 それではいろいろな振動数の外力が加わった時バネ
はどんな反応をするだろうか?
x
f0

2
0

   2  
2 2
2 
tan   2
2
0  
2
cos  t   
5.3 強制振動
元木外力Fのスペクトル
Ωカーテン
F
Ωギター
パワーF
k
ω
0
x
f0
2

 0 
m
   2  
2 2
2
cos  t   
2 
tan   2
2
0  
6. エネルギーとその保存則
6.1 仕事
6.2 仕事の一般的定義
6.3 仕事率
6.4 保存力と位置エネルギー
6.5 運動方程式のエネルギー積分
6.1 仕事
質量mの静止していた物体が力Fを受けてΔt秒間にΔrだけ
移動したとしよう。
物体が受ける仕事はW=FΔrである。
Δt秒間にΔrだけ移動したのだから
r
その間の平均速度は vav 
である。
t
しかし最初はv=0であった。ということは、
Δt秒後は v final
r
2
になる。
t
Δr
Δt
6.1 仕事
仕事mechanical workは、
W  F r  Fvav t  Fv final
Δr
t
2
Δt
と書くことができる。
力積(impact)はFΔtであり、これは運動量の変化量である。
静止していた物体は、力を及ぼされたことにより運動量を獲
得する。
p final  mv final  F t
仕事によって物体は力学的運動エネルギーを獲得する。
K  W  Fv final
t 1 2
 mv final  t  
2 2
p 2final  t 
2m
6.2 仕事の一般的定義
力を及ぼして物体が位置r1からrnまで移動したとき、
物体に与えた(損した)総仕事量は以下のように力と変位
の内積の集合として与えられる。
n

W   F j  r j 1  r j
j 1

物体が獲得した仕事はエネルギーが保存するときは当然、
n

W   F j  r j 1  r j
j 1
となる。

6.3 仕事率
単位時間当たりの仕事を仕事率という。
仕事
W  F  r[ J ]
仕事率
dW
1
P
[
Js
]  [W ]

dt
6.4 保存力と位置エネルギー
仕事

n
W   F j  r j 1  r j
j 1
が

U  r    F (r )  d r
r
r1
のように書けると仮定しよう。このとき、 F ( r )
は位置積分可能な関数でなければならない。U(r)をrに
おける位置のエネルギー、あるいはポテンシャルエネル
ギーという。このとき以下の関係がある。
 U U U 
F (r )   gradU  r    
,
,

y
z 
 x
6.4 保存力と位置エネルギー
物体がU(r)の下をrAからrBまで移動したとする。
位置エネルギーは U  rA  から U  rB 
となる。物体は U  rB   U  rA  の運動エネルギーを得る。
位置エネルギーの変化量と物体が獲得する運動エネル
ギー量は等しい。
r
この性質は
U  r    F (r )  d r
r1
のときのみ成り立つ。このときFを保存力という。
6.4 保存力と位置エネルギー
力が
F ( r )   gradU  r 
のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
6.5 運動方程式のエネルギー積分
力が場所積分可能な場合に僕らの運動の式はどうなる
のだろうか試してみよう。
d 2x
m 2  F  x
dt
0からxまで積分しよう。

x
d 2x
m 2 dx   F  x  dx  U  0  U  x 
0
dt
x
0

x
0
t
d x
d x dx
m  dx 
m 2 dx   m 2 dt   
0
dt
dt dt
2  dt 
2
2
位置エネルギー差
と同じ量の運動エネ
ルギーが発生する。
2 t
0
m
m
2
2
 v  t   v  0
2
2
6.4 保存力と位置エネルギー
力が
F ( r )   gradU  r 
のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
6.4 保存力と位置エネルギー
もし、物体が保存力の力によりある地点から移動して、再
び元に戻ったとする。このときポテンシャルエネルギーは
出発時点ともとに戻った時点では変わらない。よって運動
エネルギーも元に戻る。仕事ゼロ。エネルギーはもちろん
保存する。
6.4 保存力と位置エネルギー
問: 以下の力は保存力か?
1)
Fy  ky
Fx  kx
2)
kx
Fx  2
x  y 2  c2
3)
Fx  4kx  3ky
保存力
ky
Fy  2
x  y 2  c2
Fy  2kx
保存力
保存力ではない
6.4 保存力と位置エネルギー
問 スカラー関数Aは   gradA  0 が常に成り立つこと
を示せ。
 A A A 
gradA( r )   , , 
 x y z 
   gradA x


  gradA z   gradA y
y
z
 
 

A
A0
y z
z y
6.4 保存力と位置エネルギー
1)
もし
Fx  kx
Fy  ky
は保存力か?
 U U U 
F   gradU (r )   
,
,
 ならば、
y
z 
 x
Fy Fx
Fx
 2U Fy



0
y
yx x
x y
Fy
 2U Fz


z
zy y
Fz Fy

0
y
z
Fz
 2U Fx


x
xz z
Fx Fz

0
z
x
 F  0
kx
ky
0
y
x
ならば、Fは保存力である。
保存力&一回りで仕事ゼロ
6.4 保存力と位置エネルギー
2)
kx
Fx  2
x  y 2  c2
ky
Fy  2
x  y 2  c2
Fx 
kx
2kxy


2
2
2
2
2
2 2
y y x  y  c
x  y c 
Fy

ky
2kxy


2
2
2
2
2
2 2
x y x  y  c
x  y c 
保存力&仕事ゼロ
6.4 保存力と位置エネルギー
Fx  4kx  3ky
3)
Fy  2kx
Fx 
  4kx  3ky   3k C(0,b)
y y
B(a,b)
Fy

 2kx  2k
x x
O
A(a,0)
保存力ではない。一周した場合
仕事あり。
もし、 Fx  4kx  2ky なら保存力だった。だから、余るのは
kyである。OA,BCについて力kyの仕事が、一周したときの仕事。

A
O
A
Fx dx   kydx  0
仕事は-kba
O

C
B
C
Fx dx   kydx  kba
B
簡単な問題
重力がなく、空気抵抗もない空間で、図のように
バネにつながれた質量mの物体を、自然長を
原点として、原点からx0だけ引き伸ばし、時刻
k
ゼロで手を離した。
1)時刻tでの物体の位置x(t)を求めよ。
m
x
2)物体に働く力、F(t)を求めよ。
3) 力のF(t)のポテンシャルエネルギーを求めよ。
4) x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
5) 0から-x0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
6) -x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
7) 0からx0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
簡単な問題
1)時刻tでの物体の位置x(t)を求めよ。
x  x0 cos
k
t
m
2)物体に働く力、F(t)を求めよ。
F  t   kx  kx0 cos
k
k
t
m
3) 力のF(t)のポテンシャルエネルギーを求めよ。
F   gradU
m
x
1
U  kx 2
2
4) x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
W 

0
x0
F  dx 
k 2
x0
2
簡単な問題
5) 0から-x0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
W 

 x0
0
F  dx  
k 2
x0
2
6) -x0から0まで移動する時に物体がもらう
仕事を求めよ。
W 

0
 x0
F  dx 
k 2
x0
2
7) 0からx0まで移動する時に物体がもらう
仕事を求めよ。
W 

x0
0
F  dx  
k 2
x0
2
k
m
x
簡単な問題
以下の力は保存力か?
1.
F   kx,0
保存力
2.
F   kx, kx 
保存力ではない
3.
万有引力
4.
粘性抵抗力
Mm
F  G 3 r 保存力
r
保存力ではない
簡単な問題
力 F  ( x, y ) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  (  y , x )
2) F   x, x 
Y
O
X
簡単な問題
Y
力 F  ( x, y ) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  (  y , x )
2)
Y
O
O
X
F   x, x 
Y
X
O
X
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分がfx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとす
る。fが保存力であるかどうか調べよ。もし保存力な
らポテンシャルエネルギーを求めよ。
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分が fx=axy, fy=by2 (a,bは定数)と書けたと
する。fが保存力であるかどうか調べよ。
X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半径r
の円周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く場合
のfのする仕事を求めよ
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分がfx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとす
る。fが保存力であるかどうか調べよ。もし保存力な
らポテンシャルエネルギーを求めよ。
1
U   ax 2 y  C
2
問:X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半
径rの円周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く
場合のfのする仕事を求めよ。
1
円周: W    f x dx  f y dy    b  a  r 3
3
1
a 3
W  b  r
弦:
3
2
6.4 保存力と位置エネルギー
重力は F   0, mg , 0 
と書けるとき保存力であり、位置エネルギー
がmghのような関数で表現できる。
摩擦などがないときの重力下の運動は
保存力下の運動である。
これまで学んだ振り子の運動を保存力と
位置エネルギー観点から調べよう。
θ
l
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
TA1君:重力は保存力ですね。
TA2君:そうです。
TA3君:右図の振り子を考えましょう
TA4君:考えます。
TA5君:運動方向の力は F  mg sin  です。 θ l
TA1君:そうです。
TA2君:保存力なら力学的ポテンシャルUがある
はずです。そして F   gradU
にならなければなりません。
TA3君:そうです。当たり前です。
mg
TA4君:振り子を動かしているのは一定の重力だから、
ポテンシャルエネルギーはU=mgh
のような形にならなければなりません。
6.4 保存力と位置エネルギー
TA5君:そうです、別にいいじゃないか。
TA1君:良くありません、なんで F  mg sin  Y
が U=mghから出てくるか問題です。
TA2君:そうです。問題です。
θ l
TA3君:考えて下さい。
TA4君:考えましょう。
横軸をx、縦軸をyとしましょう。
X
そして最下点x=0,y=0のポテンシャル
O
エネルギーをゼロとしましょう。
mg
TA5君:そうしましょう。
TA1君:振り子の円弧の運動の方向はθ方向です。
TA2君:そうです。
TA3君:よって運動の位置の変数はlθです。
6.4 保存力と位置エネルギー
TA4君:そうなんですか?
TA5君:そうなんです、lが大きければ移動距離が
Y
大きくなります。
TA1君:つまり、 F   gradU の微分変数を
lθ にせよと言いたいんですか?
θ
TA2君:そうです。
TA3君:ふ~ん、まあいいや、そうしましょう。
TA4君:積分しましょう。
O
TA5君:積分しましょう。
TA1君:Fを積分します。
U  mgl cos  C
TA2君:よくできました。でもCが分かりません。
TA3君:最下点のUはゼロです。
l
X
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
TA4君:なるほど、そう決めました。
U  mgl 1  cos  
になります。それで?
TA5君: l 1  cos    y
です。
TA1君:え、ああ、そうね、それで?
TA2君:だから、
TA3君:だから?
TA4君: U  mgy
です。これはmghの形です。
TA5君:なるほど、よくできました。
Y
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
TA1君:でも異議あり、
 U
U
U 
F   gradU   
,
,


x

y

z


Y
と勉強しました。だからx、y微分積分を使いたいです。
θ l
TA2君: F   mg sin    mgx
l
です。
mgx 2
だから、 U 
C
2l
です。
X
O
あれ?いや違う。変だ、待てよ・・・・
TA3君:どうしたの?これでいいじゃん。
mg
TA4君:いや、ちょっと待って、ええっと・・・・
x、y積分を使うときは、
力もx、y成分を使わなければなりませんでした。
6.4 保存力と位置エネルギー
TA5君:そうなんですか?
TA1君:そうなんです。だから、
F   0, mg ,0 
です。
TA2君:そうですね・・・
TA3君:積分しましょう。
TA4君:積分しましょう。
TA5君:Fを積分します。
Y
θ
l
X
O
U  mgy  C
TA1君:よくできました。でもCが分かりません。
TA2君:最下点のUはゼロです。
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
TA3君:なるほど、そう決めました。
それで?
Y
TA4君: U  mgy
です。これはmghの形です。
TA5君:なるほど、よくできました。
変数によって力の成分を使い分けなければ O
ならないんですね。
TA1君:そうみたいですね。
面白いですね。
TA2君:面白いですね。
θ
l
X
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
重力は F   0, mg ,0 
である。振り子の場合は運動は自由
ではなく
x  l sin  y  l 1  cos  
の条件で束縛されている。即ち、x、y
成分は自由ではない。
運動は円弧の内に限られている。
円弧接線方向の力成分は、
F  mg sin 
である。
Y
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
そして運動はθ方向だから運動の式は、
d 2
g
  sin 
2
dt
Y
l
となる。
ポテンシャルエネルギーは、運動の方向の
変数lθで力を積分して求める必要がある。
F  mg sin 
から、最下点0とすると
U  mgl 1  cos  
となる。 y  l 1  cos   だから、
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
U  mgy
Uは、
である。
重力
F   0, mg ,0 
をy方向に積分して求めた場合、
U  mgy
と一致する。
それでは、よく近似的に用いられる、
θが小さいときの式
d 2
g
~ 
2
dt
l
Y
θ
l
X
O
mg
の場合のポテンシャルエネルギーはどうなるのだろう?
6.4 保存力と位置エネルギー
この場合、力は F  mg sin  ~ mg
だから、
1
U  mgl 2
Y
2
U  mgl 1  cos  
である。もともと
であった。θが小さいときはマクローリン
展開的近似ができる。
1 2

U  mgl 1  cos   ~ mgl  1  1   
2


1
 mgl 2
2
θ
l
X
O
mg
近似的運動の式も保存力とポテンシャルエネルギーの
理論に矛盾はない。
6.4 保存力と位置エネルギー
次にバネの運動を調べよう。
バネを引っ張り、時刻ゼロで手を離した
場合を考えよう。
バネ常数k, 粘性抵抗係数α、
自然長の位置をゼロとする、
時刻ゼロではバネの速度は当然ゼロ。
k
m
5.2 減衰振動のまとめ
運動の式
d 2x
dx
m 2 
 kx  0
dt
dt
k
0 
m
t=0でv=0のとき、
①減衰振動


2m

tan    

x  ae
t
  02   2
cos t   
t
②臨界制動 x  ae  cos    sin   t 
③過減衰
   
x  A e



 2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


6.4 保存力と位置エネルギー
代表例として減衰振動を調べよう。
t
x

ae
cos t   
①減衰振動
1 2
変位xのときバネのもつエネルギーは Bane  kx
2
である。
おもりmがバネから貰う運動エネルギーを考えよう。
2
1 2 1  dx 
K  mv  m  
2
2  dt 
2
1 2 2  t
 ma e   cos t      sin t    
2
6.4 保存力と位置エネルギー
抵抗が無いときの運動エネルギーとバネのエネルギー時間
変化はグラフのように相互に入れ換わり二つの合計は常に
一定である。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
二つの合計
6.4 保存力と位置エネルギー
運動エネルギーとバネのエネルギーの位置による変化は
グラフのようになる。運動エネルギーは位置を決めれば必
ず決まる。バネのエネルギーはポテンシャルエネルギーと
なる。保存力。
運動エネルギーK
バネのエネルギー
6.4 保存力と位置エネルギー
粘性抵抗が少し発生しβ=0.5のとき、運動エネルギーとバネ
のエネルギーは振動しながら時間とともに減衰する。二つの
合計も減衰する。バネのエネルギーは抵抗による熱などの
運動エネルギーで
はないエネルギー
二つの合計
変換される。
運動エネルギーK
バネのエネルギー
6.4 保存力と位置エネルギー
β=0.5のとき、位置に対して運動エネルギーはいくつもの値
をとる。保存力ではない抵抗が働く運動である。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=1のとき、運動エネルギーとバネのエネルギーは振動しな
がら時間とともにより速やかに減衰する。二つの合計も減衰
する。
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=1のとき、運動エネルギーは位置に対して極めて非対象
になり、且ついくつもの値をとる。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=2と大きくなると、運動エネルギーとバネのエネルギーは
振動しながら時間とともによりさらに速やかに減衰する。二
つの合計も減衰する。
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=2のとき、運動エネルギー、位置エネルギーとも非対象に
なり、負の位置の振幅は非常に小さい。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=5の臨界制動のとき、バネのエネルギーは振動せず減衰
する。運動エネルギーはピークを1つ持ちその後減衰する。
二つの合計エネルギーは振動せず減衰する。
5
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=5の臨界制動のとき、運動エネルギーとバネのエネル
ギーは正の位置のみ。
5
バネの
エネルギー
運動エネル
ギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
F  a  r  r
このような力を中心力という。
Mm
万有引力は中心力である。 F  G 3 r
r
そして保存力である。→ TA1君チェックせよ。
→ TA2君無限遠方をゼロとして
ポテンシャルエネルギーを求めよ。