インドネシア:MEMR と PLN の不協和音

インドネシア:MEMR と PLN の不協和音
2016 年 6 月 30 日掲載
6 月 23 日付地元報道によると、エネルギー・鉱物資源省(MEMR)と国営電力会社(PLN)の間の確執が、
国の発電計画への投資家の信頼を弱めている。MEMR の大臣は、公聴会の際に、市場は、法令とその実行
では、一体感が欠如していると見ているとした。その結果、投資家たちは、大規模な 35,000MW 発電計画
への政府の言質の真剣さに疑念を抱き始めた。
PLN は、Sumatra-Jawa 間の 500 KV の高圧(HVDC)直流ケーブル建設を進めないと発表。理由は、予
算的に実現可能ではなく、Jawa では十分な電力供給があるとした。だが、MEMR の 2016~2025 電力調
達事業計画(RUPTL)では、HVDC 計画は南 Sumatra 5×600 MW の山元発電計画と並行していた。建設計
画の拒否は、月額 2,800 億 Rp のテイク・オア・ペイ(TOP)罰則や生産コストの増大に繋がる。
MEMR の電力長官は、融資 21.3 億 USD(30 年間)は合意しており、PLN が計画を継続しない理由がな
く、Jawa は計画が実行されなければ、電力低下や頻繁な停電に見舞われるとした。
PLN が HVDC 計画の継続に消極的なことだけが論争の元ではない。
MEMR の大臣は、
PLN が、
MEMR
の法令(例えば、2015 年の余剰電力買取に関する法令、マイクロ水力発電の関税・料金に関する法令など)
に反対する文書を発行したと主張。PLN 社長は、PLN 社は、MEMR と国営企業省の両方に責任を持つ会
社だが、MEMR は事業利益を考慮しない傾向があるとした。
ある研究所の幹部は、MEMR と PLN 間の一貫性の無い政策が、投資家を動揺させ、国の電化計画への
疑念を増幅させた。投資家は、政府が PLN に対する権限を持っていないと考えるだろうとした。また、
別の研究所の幹部は、今後の 35,000 MW 計画を検討している投資家たちに疑念を引き起こした。投資家
は長期コストを予測するが、対立する政策のもとではそれができないとした。
(石炭開発部 辻
誠)
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