豪州:BHP 等が保有の石炭輸出ターミナル、債務借り換えを延期 2016 年 6 月 30 日掲載 6 月 24 日付け地元紙は、NSW 州ニューキャッスルの石炭輸出ターミナルを運営する企業 が、銀行の貸し渋りにより債務の借り換えを延期したと報じている。この企業は Newcastle Coal Infrastructure Group(NCIG)社であり、同社のシェアの内訳は BHP Billiton:35%、 中国の Yancoal 社:27%、米国の Peabody Energy:18%、Whitehaven Coal 社:11%及び タイの Banpu 社:9%である。 2016 年 6 月、NCIG 社は、厳しい市場の状況に鑑み 6 億 8,500 万豪ドルの債務の借り換 えを延期すると発表したが、実際には銀行が石炭の見通しに懸念を抱いており融資を渋った ためだと見られている。BHP Billiton は、銀行側から有利な条件を引き出すため、借り換え 予定の 6 億 8,500 万豪ドルのうち、1 億 8,500 万豪ドルを負担すると提案したが、融資を得 ることは出来なかった。 地元紙は、大企業であっても石炭関連のプロジェクトの資金調達に苦労すると報じている。 また、石炭は銀行にとって扱いにくいものになっており、石炭に係る環境面や経済面の懸念 が投資決定の際の大きな要素を占めるとするアナリストの見解も報じている。また、銀行が 化石燃料に係るビジネスに融資する際には環境ロビー団体からの大きな圧力もかかってく るとも報じている。 (シドニー事務所 山下 宜範 ) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すもの ではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのあ る可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機 構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。
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