株式会社小島製作所 「ジャッキアップスリム短管工法及び管継手」 (特許 第5318897号) ① 応募発明等の概要 本発明は、集合住宅の上階と下階とを仕切るコンクリートスラブを貫通する既存の排水立 て管と、これと同軸に接続されている排水用管継手の更新に関するものであって、既存の排 水立て管をコンクリートスラブの上下で切断後、切断残部を貫通孔から引き抜き、その貫通 孔よりクリアランス分小さい外径を有する新たな排水用管継手の直管部を挿入するスマート な改修工法および排水管継手である。 ●目的:工事中の居住者や作業者のストレスを解消する排水立て管の改修 ●手段:①コンクリートスラブをはつらずに排水立て管を更新する。 ②手動油圧ジャッキ等で既設立て管を引き抜き、抜き孔にスッポリ入る直管部を有する継手 を挿通する。 切る 挿す 抜く ② 従来発明等の課題と開発ニーズ こ れ ま で 排 水 立 て 管 の 更 新 で は 、コ ン ク リ ー ト ス ラ ブ の 既 設 立 て 管 貫 通 部 に 、 新たな大径の貫通孔を破砕機等によって形成する必要があるため、工事が大掛 . かりになるとともに、大きな騒音、振動、大量の粉塵、多量のコンクリートが . らの発生が付き物だった。そこで、排水管更新工事において床スラブをはつら ずに、新しい排水管に交換できるJUST工法(ジャッキアップスリム短管工 法)を開発するに至った。 ③ 応募発明等の特徴 本発明に係る集合住宅の排水立て管の更新方法は、コンクリートスラブの貫 通孔に対してクリアランスを確保した状態で挿入できるように、外径寸法がク リアランス分だけ既存の排水立て管の外径寸法よりも小さく設定されており、 長さ寸法がコンクリートスラブの厚み寸法よりも大きく設定されている直管状 胴部を備える排水用管継手を準備する工程と、既存の排水立て管をコンクリー トスラブの上側と下側とで切断し、その既存の排水立て管と既存の排水管継手 とを撤去する工程と、コンクリートスラブの貫通孔内に残された直管切断残部 を貫通孔から引き抜く工程と、直管切断残部を引き抜いた後の貫通孔に対し、 準備した排水用管継手の直管部を挿通させる工程と排水用管継手に排水立て管 を接続する工程を有することを特徴としている。 本発明によると、既存の貫通孔の位置に大径の貫通孔を空け直す必要がない ため、更新作業工数を削減できるとともに、振動や騒音が小さく粉塵等の養生 が不要となる。 また工期の短縮により、居住者の断水ストレス(特に大便器の使用制限)を 大幅に抑え、居住者(特に弱者)に優しい改修施工が可能とな る。
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