(57)【要約】 【目的】 ゴムにシリコーンゴムを混ぜたポリマーアロ イで、どのような架橋剤でも使用でき、簡単に製造でき るものを提供する。 【構成】 本発明は、汎用ベースゴムにシリコーンゴム を混ぜたものである。シリコーンゴムは一液硬化型シリ コーンゴムの中から選ぶ。一液硬化型シリコーンゴムを 汎用ベースゴム素練り中に加える。汎用ベースゴムはど のようなゴムでも良い。ポリマーアロイの全重量を10 0部としたとき、汎用ベースゴムが95∼40重量部、 シリコーンゴムが5∼60重量部となるようにする。両 者を十分に混練する間に、シリコーンゴムがゴム中で硬 化しながら分散する。このようにしてできたポリマーア ロイは、シリコーンゴムがすでに硬化しているので、用 いた汎用ベースゴムに適した架橋剤で架橋できる。 (2) 1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリマーアロイの全重量100部が、ゴ ム95∼40重量部と一液硬化型シリコーンゴム5∼6 0重量部とから成り、ゴムに未硬化の該シリコーンゴム を加えて混練することによって、該シリコーンゴムを硬 化させながら、該シリコーンゴムをゴム中に粒子状に分 散させたものであることを特徴としたポリマーアロイ。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンゴムの優れ た性質を付与したポリマーアロイに関する。本発明のポ リマーアロイは、汎用ベースゴムと同じような取り扱い ができる。 【0002】 【従来の技術】シリコーンゴムは、炭素化合物には無い 数々の特長、すなわち高度の耐熱性、耐寒性、電気絶縁 性、水蒸気透過性、離型性等の性質を持っている。しか しシリコーンゴムには、機械的強度に劣る、酸やアルカ リに対する耐薬品性に劣る、高価である、などの欠点が ある。天然ゴム、スチレンブタジエンゴムなどの汎用ベ ースゴム(以下、汎用ベースゴムをゴムRと記載す る。)にはこれらの欠点は無い。 【0003】そこで、シリコーンゴムをゴムRに加えれ ば、シリコーンゴムの特長がゴムRに加わり、かつ安価 になると考えられる。実際にSEP(日本合成ゴム (株))というベースゴムがある。これは未架橋のエチ レンプロピレンジエンゴムに、未硬化のシリコーンゴム を加えたものである。これをベースゴムとすれば、シリ コーンゴム並の耐熱性を持ち、かつ酸アルカリに強く、 安価な成型物を作ることができる。しかし架橋する際、 エチレンプロピレンジエンゴムとシリコーンゴムとを同 時に架橋しなくてはならないので、架橋剤が限られる。 エチレンプロピレンジエンゴムの架橋に適した硫黄は、 シリコーンゴムを硬化できない。どちらも架橋できる過 酸化物を、架橋剤として用いなくてはならない。過酸化 物架橋は、臭い、離型性が悪いなどの欠点がある。 【0004】エチレンプロピレンジエンゴムは過酸化物 で架橋できるので、このようにブレンドしたベースゴム を作ることができる。しかし過酸化物で架橋できないゴ ムR、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブ タジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、クロ ロプレンゴムなどは、シリコーンゴムとブレンドしたベ ースゴムを作れない。 【0005】そこで、これら架橋剤の異なるゴムRにシ リコーンゴムを混ぜる方法が考えられている。いったん 硬化したシリコーンゴムを粉砕し、ゴムRに混ぜたもの である。このベースゴムは、シリコーンゴムはすでに硬 化しているので、ゴムRの架橋剤で架橋できる。しかし 素材自体が高価なシリコーンゴムに、硬化、粉砕の工程 が加わるので、安価なゴムRに混ぜても、高価なベース 10 20 30 40 50 特開平5−239270 2 ゴムになってしまう。 【0006】本発明は、上述した問題点を解決したゴム を、すでに発明した。(特許願平成2−163183 号)これは、二成分硬化型樹脂を使って、ゴムRを改質 したものである。この中で、二液硬化型シリコーンゴム を使うことについて述べた。ゴムRにシリコーンゴムの 主剤を混練し、次に硬化剤を混練して、シリコーンゴム を硬化したものである。このベースゴムは、シリコーン ゴムはすでに硬化しているので、ゴムRの架橋剤を用い て架橋できる。しかし、ゴムRにシリコーンゴムの主剤 を混練して十分に分散させ、その次に硬化剤を混練する ため、手間と時間を要した。また、硬化剤を加えてから も十分に混練しないと、互いに接触しない主剤や硬化剤 が、未反応のまま残ることがあった。混練が十分でない ベースゴムを用いて作った成型物は、未反応物質が経時 的にブルームしたり、未反応物質による劣化を起こした りする可能性がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた特長 を持つシリコーンゴムを他のゴムに加えたポリマーアロ イで、ベースゴムとして使うことを主たる目的としたも のである。シリコーンゴムを加えたこれまでのベースゴ ムの欠点、すなわち、 未架橋のゴムRと未硬化のシリコーンゴムを混ぜた場合 は、SEPのように、架橋剤が過酸化物に限られる。過 酸化物で架橋できないゴムRにシリコーンゴムを混ぜて も、両者を共に架橋することはできない。従って、ほと んどのゴムRは、未硬化のシリコーンゴムと混ぜられな い。 いったん硬化して粉砕したシリコーンゴムを用いると、 高価である。 前発明は手間と時間がかかった。またシリコーンゴムの 主剤や硬化剤が未反応のまま残ると、成型物にこれらが ブルームしたり、成型物を劣化させたりすることがあ る。 という点を改良したポリマーアロイである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明のポリマーアロイ の作り方を、簡単に述べる。 一液硬化型シリコーンゴムとゴムRとを選ぶ。 ゴムRと一液硬化型シリコーンゴムを混練する。 次にこれを詳述する。 【0009】 一液硬化型シリコーンゴムとゴムRとを 選ぶ。 一液硬化型シリコーンゴムは、常温∼280℃で、容器 から空気中に出すと、または空気中に出して触媒と混ぜ ると硬化するシリコーンゴムであれば、何でも良い。二 液硬化型シリコーンゴムは、主剤に硬化剤を加えて硬化 させるシリコーンゴムである。これと区別するため、明 細書では一液硬化型という記載をした。しかし、本発明 (3) 3 に用いることのできるシリコーンゴムの性状は、液状に 限られない。ゲル状でも固体状でも用いることができ る。また、シリコーンオイルと区別するため、シリコー ンゴムと記した。しかし、シリコーンゴムに限らず、シ リコーンレジン、ハードコーティング用シリコーンなど の中で、一液硬化型であればどれでも本発明で使用でき る。 【0010】一液硬化型シリコーンゴムは、硬化機構が 縮合型のものでも付加型のものでも良い。縮合型のもの では、硬化機構が脱アルコール型、脱アセトン型、脱ア ミン型、脱アミド型、脱アミノキシ型、脱オキシム型、 脱酢酸型、脱水素型、脱水型などがあるが、どれでも本 発明に使える。付加型のものも、どのようなものでも使 える。付加型のものの多くは触媒を必要とするので、適 当な触媒を選んで併せて用いる。触媒は、VIII族遷 移金属錯体の中から選ぶことができる。しかし白金化合 物が最も適している。上述したシリコーンゴムの中から 2種類以上を選んで用いても良い。 【0011】ゴムRは、汎用ベースゴムに限らず、すべ てのゴムの中から選ぶことができる。しかし、汎用ベー スゴムの中から選ぶと、コストダウン効果が著しくな る。汎用ベースゴムとしては、天然ゴム、スチレンブタ ジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、水素添 加アクリルニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴ ム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロ ピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレ ンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴムなどが挙げられ る。汎用ベースゴム以外としては、クロロスルホン化ポ リエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリン ゴム、各種フッ素ゴム、アクリルゴム、多硫化ゴム、エ チレン酢酸ビニルゴム、ポリノルボルネンゴムなど、ほ とんどすべてのゴムの中から選ぶことができる。また、 これらを適当な割合でブレンドしても良い。 【0012】 ゴムRと一液硬化型シリコーンゴムを混 練する。 選んだゴムRを素練りする。熱ロールや加圧式ニーダー 等を使うと良い。大体柔らかくなったところで、先に選 んだ一液硬化型シリコーンゴムを加えて混練する。両者 の割合は、両者の合計重量を100部としたとき、ゴム Rが95∼40重量部、シリコーンゴムが5∼60重量 部となるようにする。混練の温度は、ゴムRの素練りに 適した温度、またはシリコーンゴムの硬化する温度の、 いずれか高いほうを採る。混練時間は、シリコーンゴム が硬化するまでの時間を目安とする。およそ10∼30 分間が適当である。シリコーンゴムの硬化に触媒が必要 な場合は、混練中に加える。硬化機構が付加型のシリコ 10 20 30 40 特開平5−239270 4 ーンゴムの場合、白金化合物が触媒に適していることを 先に述べた。これを加える場合、シリコーンゴムに対し て、白金原子として1∼100ppm程度となるように する。 【0013】 【作用】一液硬化型シリコーンゴムは、硬化機構が縮合 型のものと付加型のものとがある。縮合型のものは、空 気中の水分によって、付加型のものは主に加熱によって 硬化して、弾性ゴムないしは硬質ゴムまたはゲル状ゴム となる。 【0014】本発明はこの一液硬化型シリコーンゴム を、ゴムRの素練り中に加える。ゴムRが柔らかくなっ ているところで加えるので、シリコーンゴムはゴムR中 に良好に分散する。分散しながら、シリコーンゴムは空 気中の水分に触れたり、加熱されたりする。これによっ て縮合型のものも付加型のものも硬化を開始する。空気 中の水分や熱によって、混練中にゴムRが変化すること はない。従って、混練によってシリコーンゴムだけが硬 化反応を起こす。およそ10∼30分間混練すると、弾 性ゴムないしは硬質ゴムとなったシリコーンゴムが、細 かい粒子となって、ゴムR中に分散したものとなる。シ リコーンゴムの量が60重量部程度までであれば、この 状態の物を得ることができる。 【0015】本発明者の前発明では、未反応のまま、シ リコーンゴムの主剤や硬化剤がベースゴム中に残ること があった。しかし一液硬化型シリコーンゴムは、反応性 に富んでいるので、10∼30分間混練すると、加えた シリコーンゴムのほとんどすべてが硬化する。低分子量 のものがポリマーアロイ中に残ることはない。従って、 本発明のポリマーアロイをベースゴムとして作った成型 物は、シリコーンゴムの未反応物質がブルームしたり、 未反応物質による劣化を起こしたりすることはない。 【0016】次に木発明の使用例を述べる。先のように して混練して作ったポリマーアロイは、ベースゴムとな る。シリコーンゴムの硬化が終わった後、必要な配合 剤、例えば老化防止剤、酸化防上剤、補強剤、充てん剤 などを、ポリマーアロイに加える。さらに10∼20分 間混練して、これらを分散させる。次に混練温度を60 ∼100℃に下げて、ゴムRの架橋剤、架橋促進剤を加 える。架橋剤は、ゴムRに適したものであれば、硫黄、 オキシム類、アミン類、過酸化物、樹脂加硫剤など何で も使用できる。10分ほど混練して、架橋剤を分散させ る。表1に、実施例に記載したものの配合を例示した。 【0017】 【表1】 (4) 5 【0018】これを用いて所望する形状の成型物を作 る。本発明のポリマーアロイは、シリコーンゴムの粒子 が、加えた配合剤と同じようにゴムR中に分散している ものである。本発明のポリマーアロイに配合剤を加えた ものは、汎用ベースゴムに配合剤を加えたものとまった く同じように取り扱うことができる。従って成型には、 ゴムの一般的な成型方法を採ることができる。 【0019】一液硬化型シリコーンゴムで硬化機構が縮 合型のものは、反応副生物を生じる。反応副生物は、ア ミン、アミド、オキシム、酢酸などである。反応副生物 40 はゴム分子やゴム成型物にとって好ましくないものが多 い。しかし、ゴムRとシリコーンゴムとを混練する際、 約120℃以上の熱を10∼30分間かける。この間に 反応副生物はほとんど揮散する。従って、本発明のポリ マーアロイを用いて作った成型物に、反応副生物が悪影 響を及ぼすことはない。特に反応副生物を嫌う場合は、 反応副生物が揮散し易いアルコールやアセトンなどであ るタイプの縮合型一液硬化型シリコーンゴムを選ぶ。 【0020】一液硬化型シリコーンゴムで硬化機構が付 加型のものは、反応副生物を生じない。従って、先のよ 50 特開平5−239270 6 うな問題点はない。付加型のものは、白金化合物を触媒 とする。ゴムRは、架橋剤、架橋促進剤に硫黄、リン、 窒素、すずなどを含む物質を用いること多い。これらの 物質は、白金触媒にとって触媒毒となる。しかし本発明 は、シリコーンゴムが硬化した後で、架橋剤や配合剤を 添加する。このため架橋剤などによってシリコーンゴム の硬化が阻害されることはない。どのような配合剤で も、本発明のポリマーアロイに添加できる。 【0021】また、一液硬化型シリコーンゴムは、硬化 後の硬度がゲル状のものから硬いものまで、さまざまで ある。適切な硬度のシリコーンゴムを選ぶことにより、 またゴムRとシリコーンゴムとの割合を調整することに よって、ゴム成型物の硬度を広い範囲で設定できる。 【0022】 【実施例】 例A)天然ゴムにシリコーンゴムを混ぜたポリマーアロ イ ゴムRには天然ゴムを用いる。シリコーンゴムには、東 レ・ダウコーニング・シリコーン(株)SH780を用 いた。天然ゴム60重量部を加圧式ニーダーで素練りす (5) 特開平5−239270 7 8 る。120℃で10分間素練りした後、先のシリコーン * 寒性や耐候性の備わった成型物を作ることができる。 ゴム40重量部を加え、さらに20分間混練する。この 【0027】このポリマーアロイを実際に使用した例を 間に、シリコーンゴムは小さな粒子になって分散しなが 述べる。(配合は表1参照)加圧式ニーダーでシリコー ら硬化する。このポリマーアロイをベースゴムとして用 ンゴムを硬化させたら、カーボンなどの充填剤を加え、 いれば、天然ゴムの優れた反発弾性や引張強度に、シリ 140℃で10分間混練する。ニーダーの温度を70℃ コーンゴムの高い耐候性が加わった成型物を作ることが に下げ、架橋剤を混練する。この配合を使用した成型物 できる。 は、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐油性に非常に優れてい 【0023】このポリマーアロイを実際に使用した例を る。航空機などの部品にも使用できるものである。 次に述べる。(配合は表1参照)加圧式ニーダーでシリ 【0028】例D)水素添加アクリルニトリルブタジエ コーンゴムを硬化させたら、炭酸カルシウムなどの充填 10 ンゴムのシリコーンゴムを混ぜたポリマーアロイ 剤を加え、さらに120℃で10分間混練する。次にニ ゴムRには水素添加アクリルニトリルブタジエンゴムを ーダーの温度を70℃に下げ、亜鉛華、加硫促進剤(2 選んだ。シリコーンゴムは、東レ・ダウコーニング・シ 種)、硫黄を加えて10分間混練する。この配合を用い リコーン(株)SH9731を用いた。水素添加アクリ て作った成型物は、引張強度が高く、耐候性や電気絶縁 ルニトリルブタジエンゴム60重量部を加圧式ニーダー 性も優れている。電線、電気関連部品に適している。 で120℃、10分間素練りする。ここにシリコーンゴ 【0024】例B)エチレンプロピレンジエンゴムにシ ム40重量部を加え、さらに20分間混練する。この間 リコーンゴムを混ぜたポリマーアロイ に、シリコーンゴムは細かく分散しながら硬化する。 ゴムRにはエチレンプロピレンジエンゴム(住友化学工 【0029】ここで選んだシリコーンゴムは、食品容器 業(株)エスプレン501)を用いる。シリコーンゴム 用である。そこでこのポリマーアロイを使用して、食品 には、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株) DC 20 用ゴムを作ることができる。架橋にはジクミルパーオキ 1−2577を用いた。エチレンプロピレンジエンゴム サイドを使用する。これを3重量部加え、170℃で1 70重量部を熱ロールで素練りする。120℃で10分 0分間加熱する。この成型物は、耐油性、圧縮永久歪に 間素練りしたあと、シリコーンゴム30重量部を加え、 も優れている。従って、例えば食品用ガラス瓶のゴムパ さらに20分間混練する。すると、硬化したシリコーン ッキンなどにも使用できる。 ゴムは、粒子となってエチレンプロピレンジエンゴム中 【0030】 に分散する。このポリマーアロイを用いた成型物は、シ 【効果】本発明のポリマーアロイは、未架橋のゴムRの リコーンゴムより安価で、シリコーンゴム並の耐熱性、 中に、硬化したシリコーンゴムの微粒子が均一に分散し 耐候性を持つ。しかもこのポリマーアロイは、先述した たものである。例えば前述したSEP、すなわち未架橋 SEP(1ページに記載)と異なり、すでにシリコーン のゴムRと未硬化のシリコーンゴムとを混ぜたベースゴ ゴムが硬化しているので、どのような架橋剤でも使用で 30 ムと比較すると、シリコーンゴムを硬化する必要がな きる。 い。従って、架橋剤は過酸化物に限られない。本発明の 【0025】このポリマーアロイを実際に使用した例を ポリマーアロイの架橋には、ゴムRの架橋剤であれば何 次に述べる。(配合は表1参照)熱ロールでシリコーン でも使用できる。架橋剤の選択ができるので、過酸化物 ゴムを硬化させたら、HAFブラックなどの充填剤を加 では架橋しないゴムにシリコーンゴムを混ぜることがで え、さらに120℃で10分間混練する。熱ロールの温 きる。汎用ベースゴムは硫黄を架橋剤とするものが多 度を80℃に下げ、亜鉛華や硫黄などの架橋剤を加えて い。本発明によって、汎用ベースゴムにシリコーンゴム 10分間混練する。この配合を用いて作った成型物は、 を混ぜたものを得ることができる。 耐熱性、耐候性が非常に高い。耐熱コンベヤーベルトな 【0031】汎用ベースゴムにシリコーンゴムを混ぜた どを安価に作ることができる。 ものとして、いったん硬化しこれを粉砕して作った粉末 【0026】例C)フッ素ゴムにシリコーンゴムを混ぜ 40 シリコーンゴムを用いたものがある。これと比較する たポリマーアロイ と、本発明は、シリコーンゴムの硬化、粉砕の工程が必 ゴムRにはフッ素ゴム(昭和ネオプレン(株)バイトン 要ない。従って、工程が簡単で安価である。 B−50)を使用した。シリコーンゴムは、東レ・ダウ 【0032】本発明者の前発明と比べた場合、本発明 コーニング・シリコーン(株)SR2410を用いた。 は、汎用ベースゴムとシリコーンゴムとの混練が、一工 フッ素ゴム80重量部を加圧式ニーダーで140℃で素 程で済む。本発明は工程が簡単で、製造に要する時間も 練りする。10分後、シリコーンゴムを20重量部加 短縮できる。また、ポリマーアロイ中に未反応物質が残 え、20分間混練する。この間にシリコーンゴムは分散 ることがない。本発明のポリマーアロイを用いて作った しながら硬化する。このポリマーアロイを用いれば、フ 成型物は、未反応物質がブルームしたり、未反応物質に ッ素ゴムの優れた耐熱性と、シリコーンゴムの優れた耐* よって劣化したりすることがない。 略語説明 (6) 9 NR EPDM FKM 老化防止剤PA 加硫促進剤M 加硫促進剤TS 加硫促進剤TT 加硫促進剤Diak 3 特開平5−239270 10 天然ゴム エチレンプロピレンジエンゴム フッ素ゴム フェニル−α−ナフチルアミン 2−メルカプトベンゾチアゾール テトラメチルチウラムモノスルフィド テトラメチルチウラムジスルフィド N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘ キサンジアミン
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