2016/6/29 グローバル・マーケット・ トピックス 投資情報部 Brexit後の投資戦略:利回りがこれまでより一層重要に (6/24付ストラテガス社レポートより) 英国国民投票後の 英国のEU離脱を問う国民投票結果は「離脱」となった。この結果を受け、今後の投 資ストラテジーを考えるうえで、みずほ証券の契約先である米Strategas Research 投資ストラテジー Partners(P.3参照、以下ストラテガス社)の見解を以下にまとめた。 「離脱」決定後のマーケットの価格変動は大幅なものとなったが、ストラテガス社の見 方は劇的には変わっていない。 欧州と日本の株式市場はすでに弱気相場入りしている(これは継続する見込み)。 世界の金利はすべての年限で低下基調であり、金価格も上昇基調が続いている (ストラテガス社のターゲットは1オンス=1,450ドル)。米S&P500指数は世界の株式市 場において最もパフォーマンスが良い状態である。マーケットの状況は流動的であ るが、総じて、ストラテガス社の推奨する以下の投資戦略は有効であると考えてい る。 1)ストラテガス社が選定している「Thrifty Fifty」(*次ページ)ポートフォリオは、世界の 国債の30%がマイナス金利に陥っている環境において、合理的な国債代替資産と して、市場平均に対しアウトパフォームし続けよう。直近の英国離脱による株価下落 はそれらの銘柄の買い場となるだろう。 2)金融政策が効果の薄いものから少し有害なものへと移りつつある中、当局の政策 から生じる 「アルファ(市場リターンを上回るリターン)」という概念がより重要となる。 3)次期米大統領が誰になろうと、金融政策から財政政策へと軸足が移ることが予想 され、特にエンジニアリング企業や建設企業の投資妙味が増そう。 4)米国のみならず欧州やアジア太平洋においても、ナショナリズム的な気運の高ま りが航空や防衛産業に成長をもたらすだろう。 5)金と金関連銘柄は、マイナス金利が現実的な脅威となっている国々の投資家に とって魅力的である。ストラテガス社は実物資産への投資比率を引き上げる。 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 2016/6/29 グローバル・マーケット・トピックス 6)ストラテガス社の想定した下向きのショックは、上向きのサプライズよりも大きなもの となっているが、これまでのところの状況は、金融危機というよりも政治的な危機であ る。足元の市場の動きが金融システミックな危機に変異していくかどうかという点で、 重要なシグナルになるものとして、イタリアとスペインの銀行株の動きを特に注視し ている。 7) 欧州株式はおそらく割安であろう。しかし英国離脱の混乱が落ち着くまでには、 さらに安くなるであろう。新興国に対しては慎重姿勢を継続する。 ストラテガス社は、2016年は、これまで政治家エリート達が長きにわたって一般的な 人々に対して良いものであると言っていた理論(例えば、EU体制、通貨ユーロ、市 民の自由な移動、自由貿易)に対して、激しい反発が現れる年になるだろうと考えて いた。今回の英国国民投票は、この見方をかなり強めるものとなった。 *「Thrifty Fifty(スリフティ フィフティ)」(=「堅実な50社」)はストラテガス社が選定し ている国債代替的な株式を抽出したバスケット。ストラテガス社は「Thrifty Fifty」を 「New sovereign(ニューソブリン)」(=「新しい国債」)とも称している。なお、みずほ証 券ではストラテガス社のこのコンセプトを基に、独自で米国株、日本株の「ニューソ ブリン」企業を選定している(参照:みずほ証券投資情報部レポート「ニューソブリ ン」)。 ストラテガス推奨アセット・アロケーション(今後1~3年のパフォーマンスを想定) 株式 強気 やや強気 中立 米大型株 欧州株 米中小型株 日本株 英国株 債券 やや弱気 欧州株↓↓ 新興国株 (製造業・サービス)↓ 新興国株 (コモディティ) 非セーフヘブン債 米投資適格社債 米高利回り債 セーフヘブン債 米地方債 新興国債券 実物 資産 不動産 貴金属 農作物 工業用金属 エネルギー 通貨 米ドル 英ポンド 日本円 欧州ユーロ 豪ドル 加ドル 弱気 中国人民元 (注)セーフヘブン債とは米国、ドイツ国、英国、カナダの国債。非セーフヘブン債はセーフヘブン債を除く先進国国債。新興国株(製 造業・サービス)に含まれる代表的な国・地域は中国、チェコ、韓国、ハンガリー、台湾、トルコ、フィリピン等。新興国株(コモディ ティ)に含まれる代表的な国・地域は南アフリカ、ブラジル、インドネシア、ロシア、チリ、コロンビア、ペルー等。前回からの変更は、 ↑(同評価で選好度引き上げ)、↑↑(評価を1段階引き上げ)、↑↑↑(評価を2段階引き上げ)、↓(同評価で選好度引き下げ)、 ↓↓(評価を1段階引き下げ)、↓↓↓(評価を2段階引き下げ)。投資判断はドル建てにて実施。データは6/24時点 出所:ストラテガス社の資料よりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2016/6/29 グローバル・マーケット・トピックス ストラテガス社の米国経済見通し 2016 2017 実質GDP(四半期、前期比年率、%) 1QA 0.84% p 2QF 2.50% 3QF 1.50% 4QF 2.00% 1QF 2.00% 2QF 1.50% 3QF 1.00% 4QF 1.00% 消費者物価コア(四半期、前期比年率、%) 2.70% a 2.00% 2.20% 2.20% 2.20% 2.20% 2.20% 2.20% FF金利(期末値) 0.25% a 0.50% 0.50% 0.50% 0.75% 0.75% 1.00% 1.00% 10年国債利回り 1.78% a 1.50% 1.75% 1.85% 2.05% 2.15% 2.25% 2.35% (注)Fは予想、Aは実績、pは速報値、aは確報値。グレイのシャドウ部分は従来見通し(6月上旬)より下方修正。データは6/24時点 出所:ストラテガス社の資料よりみずほ証券作成 Strategas Research Partnersについて Strategas Research Partners(以下ストラテガス社)は、マクロ分析、投資助言、資本市場サー ビス等の提供にフォーカスした機関投資家向けのリーディング・ブローカーです。世界中の 債券・株式の機関投資家や企業経営者を顧客にしています。みずほ証券は、2015年6月1 日に、ストラテガス社と、調査サービス提供に関する契約を締結しました。本契約により、み ずほ証券はストラテガス社から定期的に米国のマクロ経済等の情報提供を受けており、当該 情報やデータ等を利用することが可能になっております。本資料においても、一部市場見通 しや経済情勢等につきまして、ストラテガス社から提供を受けた情報、データ等を使用して おります。 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2016/6/29 グローバル・マーケット・トピックス 金融商品取引法に係る重要事項 ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳 細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に 対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取 引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160629-15 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4
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