[今月のドクター] 医療法人 MSC 健康カルテ 町のお医者さん 「高齢者の肺炎」 と報じていました。高 齢 者が肺 炎で亡 くな が多い場 合、あるいは大 量の誤 嚥、少 量でも 下や栄 養 障 害がある場 合、垂れこむ細 菌 数 ずしも 肺 炎になる訳ではなく、免 疫 力の低 む誤嚥があります。ただ、 誤嚥したからと必 ます。口腔内用スポンジブラシの使用も有用 指にガーゼを巻き付け、 奥から前へ拭い取り 唇と歯茎の間などの点検を! (図2)人差し 残 りかすの点 検が重 要です 。食 後に、 ほお・ つい先日も、 今 月のテーマは「 肺 炎 」です 。 昭和の大女優が 歳で肺炎で亡くなられた るケースは年々増 え続け、 2011年には日 です。(図3) 【肺炎死を減らすには】 発症します。 頻回に繰り返す等の条件が加わると肺炎を 歳以上であ り、肺 炎は高 齢 本 人の死 因の第3位になりました。死 亡 者 の %以上は 者 と若 年 者 を 分 けて考 える必 要があ り ま す。 1. 重症化する前に発見する事 なぜ高 齢 者は肺 炎で亡 くなるのでしょう か?その理由は①高齢者は発熱や咳・痰など が無い、 食事時間が長くなった等の症状には その意 識の上で、微 熱が続 く 事や何 とな く 元 気が無い事、発 語は少なくなった、食 欲 病の方は、 かかりやすいので注意が必要です。 特に脳 血 管 障 害 後や認 知 症やパーキンソン と1度摂取すれば終生免疫力がつくタイプ 2種 類 あ り、 5年 毎に接 種が必 要なタイプ 有用とされております。肺炎球菌ワクチンは て最も多い肺炎球菌の予防接種をする事が インフルエンザから肺 ワクチンに関しては、 炎になるケースが多い点からも、 インフルエン 高齢者は肺炎に 早期に発見するためには、 かかりやすいとの意識を常に持って置く 事、 る。② 誤 嚥が原 因の事 も 多 く、繰 り 返 す 人 の症 状が出にくいので気が付 くのが遅 くな 注 意が必 要です( 図1)。あるいは食 事 中の とあります 。もともと肺の病気があったり、 【死亡率の高い高齢者の肺炎】 も、薬( 抗 生剤 ) が効きにく く、治りにくい。 が多い。③色々な病気の合併や体力の面から 様子を注意深く観察する事も重要です。食 れば助かるはずです!ただ、 終末期の一症状 が絡んだ様な咳 る、 ゴロゴロと痰 が極端に速くな 本呼吸器学会や感染症学会では推奨されて かりやすい方は、 両者とも接種する事が、 日 脳梗塞後で嚥下障害があったりで、 肺炎にか を予 防 する事に有 効です 。歯 周 病と誤 嚥 性 繋がります。 ぐ事やよく笑う事も、免疫力を上げる事に 薬はなるべく飲まない様に!あと、 便 秘を防 なりやす くなることもあります 。不 必 要な やすくなり、 嚥下反射の低下が起き、 肺炎に 高齢者の方には薬が好きな方も多くいま す 。しかし、 かぜ薬、睡 眠 薬などで口が渇 き 位保持や歩行訓練を積極的に! きりほど肺炎を起こしやすくなります 。坐 肺炎を予防するためには、 日常 生 その他、 活の活動性を維持する事が大切です 。寝た います。 苦しめる場合もあります。 嚥している可 能 性が高いです。 【高齢者の肺炎の原因】 2. 予防 後に、 肺炎になるケースも多いです。 もう一つは誤嚥後に肺炎になる事です。 誤 嚥にも2通りあります 。食 事 中にむせる 肺炎の合併率が高いとのデータもあります。 予防のためには、 口腔ケアとワクチン接種 が二本柱と言われています。 ような摂 食・嚥 下 時の明らかな誤 嚥と、眠っ 口の中の細 菌の数を減らす 事は、 だらだら と流れ込むタイプの誤嚥が原因で起きる肺炎 ている夜間を中心に、 気づかないうちに口内 RSウイルスやインフルエンザウイルスに罹患 一つ目は、 かぜ症状から、肺炎になる事です 。 高齢者の肺炎の起こり方には大きく2通 りあります。 が増える等は誤 としての肺炎は、 無理な治療が返って本人を ザの予 防 接 種 を する事と、肺 炎の原 因とし ④老衰死の合併症として肺炎を起こしやす 事中に脈や呼吸 図3 す。 いくら高齢者でも、 早期に適切に治療す 図1 い事 等が挙げられます 。肺 炎は急 性 疾 患で 図2 95 60 まずはしっかり歯磨きする事。特に「摂食 嚥 下 障 害 」のある方では、 口腔 内の食べ物の 169 理事長 齋藤 公正 × 98 の唾液や細菌が、 だらだらと気管内へ垂れこ 次号は「若年者の肺炎」についてです! <経歴> 愛媛大学医学部卒 山田(現伊勢)赤十字病院 呼吸器科副部長 <現在> さいとう内科呼吸器科 三重スリープクリニック院長 三重ハートセンター非常勤医 File No.12 【伊勢市】 病気の基礎知識や予防法をアドバイス
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