[今月のドクター] 理事長 齋藤 公正 医療法人 MSC 健康カルテ × 町のお医者さん 「若年者の肺炎」 【マイコプラズマ肺炎の特徴】 びくと、炎 症が気 管 支や肺 胞にも広がって、 ゼロゼロ音が聞こえるようになります。 (血液検査) マイコプラズマでは、 一般的な血 液 検 査は当てになりません。特 殊な診 断 方 感染 マイコプラズマ肺炎の典型例としては、 後初期に発熱し、 その後徐々に咳が強くなっ てくるのが特徴です。 理由は、 初期症状はマイ 特にマイコプラズ 今月号は若年者の肺炎、 マ肺炎についてです。 マイコプラズマ感染症とは、 マイコプラズマに よる細菌感染症の事です。感染者の3〜5% 法として、 血液中の抗体を検出する方法、 咽 その精度やコストの面から私は余り利用して どいくつかの方 法が実 用 化されていますが、 頭 拭い液のDNAや抗 原を検 出 する方 法な える物質を産生して肺や気管支の組織を傷 ズマは活性酸素という人の体にダメージを与 害します。その直接的な作用に加え、 感染し コプラズマの直接作用、 具体的には、 マイコプラ 菌とウイルスの中間の大きさで、 普通の細菌 いません。結局、 年齢、 病気の経過、 周囲の状 呼ばれます 。このマイコプラズマは、通常の細 と 異 な り 細 胞 壁 を 持っていません。です か た人 自 身の免 疫 反 応が過 剰に作 用し、 肺炎 況、 レントゲン所見などから総合的にマイコ の人に肺 炎 を 発 症し、 マイコプラズマ肺 炎と ら、 外来で処方されることの多いセフェム系抗 が引き起こされるとされています。 イルス程強くはないが、 感染期間が長期に渡 は、 マイコプラズマの感染力はインフルエンザウ でも昨年流行し、 今でも散見されます。これ 起こっている印象があります。私の住む地域 ろ一年のある時 期に地 域 的な小さな流 行が ことがありますが、 短期間で治ります。 として、 一時的ですが心臓に異常が見られる 発疹が見られる事もあります。稀な合併症 異常を示す事もあります 。時に、 いろいろな とがあ り ま す 。血 液 検 査 上、肝 臓の数 値が マイコプラズマ感染症の肺炎以外の症状と しては、 中 耳 炎、 副鼻腔炎などもみられるこ の指示に従って下さい。 投 与が必 要とされておりま すので、主 治 医 系の抗 生 物 質が無 効な場 合には、年 齢に応 イコプラズマが増えてきました。 マクロライド このマクロライド系の抗生物質に効かないマ ロマイシン、 クラリスロマイシン等ですが、 最近 マイコプラズマに効く薬はマクロライド系の 抗 生 物 質です 。よく 使 用されるのは、 アジス プラズマ肺炎と診断することが多いです。 生 物 質は細 胞 壁 を 破 壊 する事で効 果 を 発 揮するので、 マイコプラズマには効きません。 るためと考えられます。 【診断】 【肺炎以外の症状】 【マイコプラズマ感染症の症状】 ( 聴 診 )普 通の肺 炎では、 空気の通り道である気管支 【学校や幼稚園への出席について】 んどくないのですが、咳がいつまでも 治 まら ケースも多く、 逆に若年成人では「それ程し 幼 児ではこの段 階 までで自 然 治 癒していく 痛み、耳の痛み、乾いた咳などです 。意 外 と る感冒症状です。発熱、 疲労感、 頭痛、 のどの 間をおいて発症します 。初期症状は、 いわゆ て肺炎と確診するケースも 胸部レントゲンを撮って初め ロゼロし た 音 は 出 に く く 、 織で、 炎症を起こすため、 ゼ の外部にある間質という組 コプラズマは、 気管支や肺胞 音が聞こえるのですが、 マイ 図 )、聴 診 器でゼロゼロした 可です。ただし、 しつこい咳が続きますので、 ちろんお休み、 解熱して1~2日たてば登校 決めてください。目安は、 高熱が続く時はも ます 。医師と相談して登校や登園の時期を ないと認めるまでは、 出席しないことになり 過 ぎて症 状が改 善し、医 師が感 染の恐れが は決められていません。したがって、 急性期が じて他の抗 生 物 質に切 り 替 えま す 。長めの 【治療】 幼児から成人まで幅広い年齢層でかかり ますが、学童期、青年期によくみられます 。 肺 胞が傷 害されるため (下 や、痰 などの粘 液が貯 まる マイコプラズマ感染症は4年周期の流行と いわれた時 期 も あ り ましたが、最 近はむし もすぐに症状が出るのではなく、 2~3週の ただ、 マイコプラズマ感 染 症の人 と接 触して マイコプラズマ肺 炎は、学 校 保 健 安 全 法に おいては、 出席停止しなければいけない期間 炎までを発症している事があります。 激しい運動は少し控えた方がよいです。 153 なくて」と受診される方に、 マイコプラズマ肺 多いです。ただし、 経過が長 次回は「アレルギー」についてです! <経歴> 愛媛大学医学部卒 山田(現伊勢)赤十字病院 呼吸器科副部長 <現在> さいとう内科呼吸器科 三重スリープクリニック院長 三重ハートセンター非常勤医 File No.13 【伊勢市】 病気の基礎知識や予防法をアドバイス
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