平成 28 年度農作物病害虫発生予察技術資料第2号 イネいもち病の発生

平成 28 年度農作物病害虫発生予察技術資料第2号
平成 28 年(2016 年)6月 20 日
山 口 県 病 害 虫 防 除 所
イネいもち病の発生状況と防除対策
イネいもち病の発生状況は以下のとおりです。ほ場での発生の確認と防除の徹底を
お願いします。
1 発生状況
(1)補植用の置苗における発生は、6月 13 日(平年初発生6月 19 日)に山口市(農
林総合技術センター本場内)で認められた。本田における発生は、6月 14 日(平
年初発生6月 26 日)に岩国市及び長門市で認められ、いずれも平年に比べ早か
った。
(2)6月 14 日~15 日の巡回調査では、葉いもちの発生ほ場率 1.5%(平年 0.2%)、
発病株率 0.2%(平年 0.0%)で平年に比べ多かった(図)。
2 今後の予想
(1)対象地域 県内全域
(2)発 生 量 多
向こう1か月の気象予報(6月 16 日発表)では、降水量は多く、日照時間は
平年並みまたは少なく、葉いもちの発生に好適な気象条件が予想される。
3 防除対策
(1)葉いもちが発生している場合は、治療効果のある薬剤ですみやかに防除を行う。
(2)補植用の置苗は、早急に処分する。
ブ ラ ス タ ム
(3)山口県病害虫防除所ホームページ内の葉いもち発生予測システム(BLASTAM )の
情報を参考に、ほ場での発生に注意する。
4 防除上注意すべき事項
(1)防除にあたっては、「平成 28 年山口県農作物病害虫・雑草防除指導基準」を参
照し、農薬のラベルに記載の使用時期等の農薬使用基準を遵守する(山口県病害
虫防除所ホームページ参照)。
(2)防除を行う場合は、周辺の野菜等に農薬が飛散しないように注意する。
(参考)BLASTAM(ブラスタム)とは
葉いもちの感染・発生時期をアメダスデータ(気温・降水量・日照時間・
風速)で予測するシステム
45
発
生
ほ
場
率
(
%
)
40
H28年
35
H27年
30
平年
25
20
15
10
5
0
6月中旬
6月下旬
7月中旬
7月下旬
図 イネ葉いもちの発生推移
写真
いもち病によるずり込み症状(左 平成 27 年撮影)と
進行型病斑(右 進行型病斑では胞子形成数が多い)
8月上旬