別紙1 論 文 審 査 の 要 旨 報告番号 乙 第 論文審査担当者 2930 号 氏 名 主査 中舘 俊夫 教授 副査 小風 暁 教授 副査 北見 由季 准教授 松澤 有希 (論文審査の要旨) 欧米ではニッケル(Ni)感作者が他の金属、特にパラジウム( Pd)にもパッチテストで陽 性反応を認めることが指摘されてきた。本邦における両者の交叉感作を検討する目的で 22 年間の結果を検討した。対象者は 1990 年より 2012 年までに歯科金属シリーズのパッチテ ストを施行した 1025 名(男 210 名、女 815 名、平均年齢 40.1 歳)で,試薬を背部健常皮 膚に貼布、2 日後に除去した。判定は 3 日後に ICDRG(International Contact Dermatitis Research Group)基準で+以上を陽性とした。Ni、Pd に対する陽性反応は 278 名(27.1%)、 71 名(6.9%)に認められ、Pd 陽性者 71 名のうち 55 名は Ni に対しても陽性であった。 Ni 感作/未感作群での Pd の陽性率は 19.8%/2.1%で、両者間にはχ 2 検定で有意差が認め られ、Pd の感作は Ni 感作による交叉感作からも生じると考えられた。 本論文は本邦における Ni と Pd の交叉感作について、今後の研究発展に意義があり、重 要な知見を有している。よって本研究における学術的価値が大いに認められ、学位論文に 値すると判断した。 論文題名:ニッケルとパラジウムの交叉感作に関する検討 掲載雑誌名:日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology Vol.9 No.3(Serial No.41):169-174,2015 (主査が記載、500 字以内)
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