論 文 審 査 の 要 旨

別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号
乙 第2939号
論文審査担当者
氏 名
主査
後閑
武彦
教授
副査
大塚
成人
教授
副査
小林
一女
教授
佐藤
亜紀子
口蓋裂言語検査の鼻咽腔閉鎖機能評価と、内視鏡および側方頭部 X 線規格写真の評価と
の関連を示した論文である。
対象は口蓋裂初回手術後の 48 例で、裂型は唇顎口蓋裂 40 例、口蓋裂単独 8 例である。
口蓋裂言語検査に基づき、鼻咽腔閉鎖機能を「良好」
「ごく軽度不全」
「軽度不全」
「不全」
に判定し、分類できないものを「判定保留」とした。機器を用いた検査での軟口蓋、咽頭
間の間隙の程度は「間隙なし」「間隙小」「間隙中」「間隙大」の 4 段階で判定した。口蓋
裂言語検査の鼻咽腔閉鎖機能と、軟口蓋、咽頭間の間隙の程度の 4 段階判定の一致度の指
標として重み付きカッパ値を用いた結果、中等度から良好な一致度を示した。
本研究は、音声言語の聴覚判定を主体とした 口蓋裂言語検査による鼻咽腔閉鎖機能の評
価が機器を用いた客観的評価とほぼ一致すること、唇顎口蓋裂症例の顎裂部未閉鎖裂隙
は、音声言語の判定に影響しない場合でもブローイング検査で影響することがあり、鼻咽
腔閉鎖機能の判定に注意を要することなどを明らかにした。
本論文は口蓋裂患者の鼻咽腔閉鎖機能の評価に寄与するところが多く新知見を得てお
り、学術上価値があり学位論文に値するものと判定した。
論文題名:口蓋裂言語検査による鼻咽腔閉鎖機能の評価
―内視鏡検査、側方頭部 X 線規格写真との関連―
掲載雑誌名:日本口蓋裂学会雑誌
(主査が記載、500 字以内)
第 40 巻
第1号
30-37 頁
2015 年