otsu2933_thesisreview

別紙1
論文審査 の 要 旨
報告番号
乙第よヲうヲ号
石井 源
主査 相良 博典
論文審査担当者
副査 内田 直樹
副査 泉崎 雅彦
(論文審査の要旨)
<目的>
呼気中一酸化窒素(FeNO:Fl・aCtionalexhalednitricoxide)痍帯型測定器を使用し、コン
トロールされている喘息患者において、FeNO値の増減が示す意味について喘息コントロール
テスト(ACT:Astilma.COntrOltest)、呼吸機能と比較し検討した。
<方法>
ガイドラインに沿ってコントロールされた喘息患者108名に治療期間の前後でFeNO測定
とACT、呼吸機能検査を施行した。FeNO減少/増加群に分けACT、呼吸機能と比較検討し
た。
<結果>
FeNO減少群では、%FEVlは有意に改善していた(p=0.0010)が他の閉塞性障害の指標
は変化を認めなかった。FeNO増加群では閉塞性障害の指標の多くは有意に悪化を示した(%
聞Vl:p=0.0005、%V25:p=0.0130、%MMF:p=0.0161)。一方、いずれの喘息患者群また
は全対象患者においてもぎeNO値はACTや呼吸機能検査の指標と直接的には相関関係は認め
られなかった。
FeNOは日常臨床ではコントロールされていると考えられる患者においても変動があり、従
来なら治療の変更なく、継続治療となるところと考えられるが、FeNOを測定することにより
気道炎症の経時的変化が推定でき、特にFeNO増加時は気流制限の悪化を伴い、治療変更を
決める指標の1つになる可能性がある。
上記の点で本論文が新しい知見を得ており、学術上価値のあるものと考えられる。
論文題名: 気管支喘息の日常診療における呼気中一酸化窒素測定の有用性について
掲載雑誌名:昭和学士会雑誌 第75巻 第3号(平成27年6月)
(主査が記載、500字以内)