第1章 食品表示の基礎

第1章
食品表示の基礎
生鮮食品と加工食品はどういうものか、また、
それぞれに義務付けられている表示項目、表示
方法について説明しています。
7
1 対象品目
8
1 対象品目
第1章 1 対 象 品 目
1 対象品目
(1)生鮮食品と加工食品の区分
基準
生鮮食品
(容器包装入りでなくても適用)
加工食品(容易包装入りのものに適用)
定義
食品表示基準(平成27年3月20日内閣府令第10号)
第3章 生鮮食品
食品表示基準(平成27年3月20日内閣府令第10号)
第2章 加工食品
加工食品および添加物以外の食品として、基準別表第
2に掲げるもの
製造または加工された食品として、基準別表第1
に掲げるもの
(1)
名称
(2)
原産地
(3)
下記の食品は、それぞれ定められた表示が必要
表示事項
(1)名称 (2)原材料名 (3)添加物 (4)内容量
(5)消費期限または賞味期限 (6)保存方法
(7)食品関連事業者の氏名または名称および住所
[遺伝子組換え農産物、放射線を照射した食品、特定 (8)
製造所または加工所の所在地、製造者の氏名または名称
保健用食品、機能性表示食品、乳児規格適用食品]
(9)栄養成分の量および熱量
(4)玄米・精米、しいたけ、食肉、水産物等は、個 (10)下記の食品は、それぞれ定められた表示が必要
[アレルゲンを含む加工食品、アスパルテームを含
別に定められた表示が必要(12 ページ参照)
む食品、特定保健用食品、機能性表示食品、遺伝
・しいたけの場合、栽培方法(原木、菌床)
子組換え食品、乳児用規格適用食品、別表第 15
・水産物の場合、解凍したものは「解凍」
、養殖
に掲げる加工食品(原料原産地名関係)
、輸入品]
されたものは「養殖」と表示
(11)トマト加工品、食肉製品、乳製品、レトルトパウチ食
品等は、個別に定められた表示が必要(17 ページ参照)
1
2
農産物(きのこ類、山菜類、たけのこを含む)
米殻、麦類、雑穀、豆類、野菜、果実
・収穫後調整、選別、水洗い等を行ったもの
・単に切断したもの
・米殻は、精麦または雑穀を混合したもの
・野菜および果実は、単に冷凍したもの
を含む
対 象 品 目
畜産物
食肉
・単に切断、薄切りしたもの
・単に冷蔵、冷凍したもの
を含む
乳
食用鳥卵
・殻付きのものに限る
3
水産物
魚類、貝類、水産動物類、海産ほ乳動物類、
海草類
・ラウンド、セミドレス、ドレス、フィレー、
切り身、刺身(複数の種類の盛り合わせ
を除く)
、むき身
・単に冷凍および解凍したもの
・生きたもの
を含む
1
2
3
4
5
6
麦類(精麦)
粉類(米粉、小麦粉、豆粉等)
でん粉(小麦でん粉、とうもろこしでん粉等)
野菜加工品(野菜冷凍食品、乾燥野菜、野菜漬物等)
果実加工品(ジャム、果実冷凍食品、乾燥果実等)
茶、コーヒーおよびココアの調製品(茶、コー
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8
9
10
11
12
13
香辛料(ブラックペッパー、ローレル、カレー粉、わさび粉等)
めん・パン類(めん類、パン類)
穀類加工品(アルファー化穀類、パン粉・ふ・麦茶等)
菓子類(米菓、焼き菓子、和生菓子、洋生菓子、チョコレート類等)
豆類の調製品(あん、煮豆、豆腐、納豆、きなこ、ピーナッツ製品等)
砂糖類(砂糖、糖密、糖類)
その他の農産加工品(こんにゃく、1~12以外の
ヒー製品、
ココア製品)
農産加工食品)
14 食肉製品(加工食肉製品、鳥獣肉の缶詰・瓶詰等)
15 酪農製品(牛乳、加工乳、バター、チーズ、アイスク
リーム類等)
16 加工卵製品(鶏卵の加工製品等)
17 その他の畜産加工品(蜂蜜、14~16以外の畜産
加工食品)
18 加工魚介類(素干魚介類、塩干魚介類、塩蔵魚介
類、加工水産物冷凍食品等)
19 加工海藻類(こんぶ、こんぶ加工品、干のり、寒天等)
20 その他の水産加工食品(18、19以外の水産加工食品)
21 調味料およびスープ(食塩、みそ、しょうゆ、ソー
ス、食酢、
スープ等)
22 食用油脂(食用植物油脂、食用動物油脂等)
23 調理食品(調理冷凍食品、チルド食品、レトルトパ
ウチ食品、
そうざい等)
24 その他の加工食品(イースト、粉末ジュース等、
21~23以外の加工食品)
25 飲料等(飲料水、清涼飲料、氷等)
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1 対象品目
(2)生鮮食品と加工食品の分類表
生鮮食品
単品の生鮮食品
の切断
単品の野菜の切断
農 産 物
キャベツ千切り
(注1)
単品の食肉の切断
加工食品
生鮮食品の
同種混合
生鮮食品の
異種混合
生鮮食品
と加工食品の混合
同一種類の野菜の組合せ 複数種類の野菜の組合せ
キャベツ千切り
+
赤キャベツ千切り
キャベツ千切り
+
カットトマト
(注2)
キャベツ千切り
+
ゆでたブロッコリー
同一種類の食肉の組合せ 複数種類の食肉の組合せ
畜 産 物
水 産 物
牛ロース
(注3)
牛ロース
+
牛もも
(注4)
牛ロース
+
豚ロース
(注5)
単品の水産物の切断
同一種類の水産物の組合せ
複数種類の水産物の組合せ
キハダマグロ赤身
(注6)
キハダマグロ赤身
+
メバチマグロ
トロ
(注7)
キハダマグロ赤身
+
甘えび
(注8)
牛ロース
+
牛塩タン
(調味したもの)
キハダマグロ赤身
+
蒸しだこ
※生鮮食品と加工食品の分類は、上記のほかQ&A Q1(142 ページ)を参照してください。
(注1)収穫後調整、選別、水洗い等を行なったもの、単に切断したもの及び単に凍結させたものは生鮮食品と
なります。また、オゾン水、次亜塩素酸ソーダ水による殺菌洗浄は、加工(新しい属性の付加)には当
たらないと考えられるため、生鮮食品となります。
(注2)複数の野菜を混ぜ合わせたものは、それ自身が一つの製品(調理された食品)であることから加工食品
となります。
(注3)単に切断、薄切り等したもの並びに単に冷蔵及び凍結させたものは生鮮食品となります。
(注4)複数の部位の組み合わせでも、同一の種類の食肉を混合したものは生鮮食品となります。
(注5)複数の種類の家畜、家きん等の食肉の組み合わせは、それ自体が1つの調理された食品となりますので、
加工食品となります。
(注6)マグロ単品の刺身にツマ、大葉が添えられている場合、全体としてこれが一つの生鮮食品であり、主た
る商品であるマグロについてのみ名称および原産地の表示が必要となります。
(注7)日本標準商品分類により、キハダとメバチは同じマグロ類に分類されていることから、同一の種類の水
産物を混合したものとなりますので、生鮮食品となります。
(注8)複数の種類の刺身を盛り合わせたものは加工食品となります。
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2 生鮮食品の表示
第1章 2 生 鮮 食 品 の 表 示
(1)表示項目の内容
①全ての生鮮食品に必要な表示(基準第18条第1項関係)
ア 名称
その内容を表す一般的な名称を記載してください。
≪農産物≫国産品:都道府県名(市町村名、その他一般に知られている地名も可)
輸入品:原産国名(一般に知られている地名も可)
≪畜産物≫国産品:国産である旨(都道府県名、市町村名、その他一般に知られている地
名も可)
輸入品:原産国名
イ 原産地
≪水産物≫国産品:水域名または地域名(主たる養殖場が属する都道府県名)。
(水揚げした港名または水揚げした港が属する都道府県名も可)
輸入品:原産国名
※生かき(生食用のものに限る。
)にあっては、
採取された海域または湖沼を記載してください。
(47 ページ参照)
※一般消費者に米穀を販売・提供する場合は、米トレサ法の規定に基づき産地情報を伝達
してください。
対象品目:玄米、精米等
②一定の要件に該当する場合に表示が必要となる事項(基準第18条第2項関係)
ア 放射線を照
放射線を照射した旨と放射線を照射した年月日を記載してください。
射した食品
(24 ページ参照)
イ 特定保健用
「特定保健用食品」の表示、許可等を受けた表示の内容、栄養成分の量および熱量、一日
食品
当たりの摂取目安量等を記載してください。
ウ 機能性表示
食品
(24 ページ参照)
生鮮食品の場合、加工食品における機能性表示の表示事項(「機能性表示食品」の表示、
科学的根拠を有する機能性関与成分等、栄養成分の量および熱量 等)に加え、保存方法、
食品関連事業者の氏名または名称および住所を記載してください。
(24 ページ参照)
エ 遺伝子組換 大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ
の8種類の農産物について「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」の表示が義務付け
え農産物
られています。
オ 乳児用規格 (27 ページ参照)
「乳児用規格適用食品」等と表示してください。ただし、乳児用規格適用食品であること
適用食品
が容易に判別できる場合は、その旨の表示を省略できます。
カ 内容量
・計量法第 12 条で定める特定商品のうち法第 13 条で定める表記義務商品を密封して販売
するときは、量目公差(政令で定める誤差)を超えないようにその特定物象量の計量を行
い、その容器包装に内容量を記載してください。(33 ページ参照)
・計量法第 13 条で定める表記義務商品以外の特定商品を密封し、内容重量または内容体積
を表記して販売するときは、量目公差(政令で定める誤差)を超えないようにその特定物
象量の計量を行ってください。
11
2 生鮮食品の表示
③食品の特性に応じて表示が必要となる事項(基準第19条関係)
基準別表第 24 に掲げる食品には、食品の特性に応じて表示が必要です。(47 ページ参照)
食品の特性に応じて表示が必要な事項の例(基準別表第 24)
玄米および精米
しいたけ
あんず、
おうとう、
かんきつ類、
キウイー、
ざく
ろ、
すもも、
西洋なし、
ネクタリン、
バナナ、
び
わ、
マルメロ、
ももおよびりんご
名称、原料玄米、内容量、調製年月日、精米年月日または輸入年
月日、食品関連事業者の氏名または名称、住所および電話番号
栽培方法
アレルゲン、保存方法、消費期限または賞味期限、添加物、加
工所の所在地および加工者の氏名または名称
食肉
(鳥獣の生肉
(骨および臓器を含む))
アレルゲン、保存方法、消費期限または賞味期限、添加物、加
工所の所在地および加工者の氏名または名称、鳥獣の種類 等
水産物
凍結したものを解凍したものは「解凍」、養殖されたものは「養殖」
④任意表示(基準第21条関係)
下記に掲げる事項を生鮮食品に表示する場合は、基準第 21 条の規定により表示してください。 ア 栄養成分および熱量
ウ 栄養機能食品に係る栄養成分の機能
オ 栄養成分または熱量の適切な摂取ができる旨
イ ナトリウムの量
エ 栄養成分の補給ができる旨
(2)表示の方法(基準第22条関係)
12
容器包装に入れられた生鮮食品
ア 表示場所
容器包装を開かないでも容易に見ることができるように、そ
の容器包装の見やすい箇所に表示
イ 文字の大きさ
・8ポイントの活字以上の大きさで表示してください。表示
可能面積が概ね 150c㎡以下のものは、5.5 ポイントの活
字以上の大きさで表示することができます。
・玄米および精米は、12 ポイント(内容量が 3㎏以下のも
のは 8 ポイント)の活字以上の大きさの統一のとれた文
字で表示してください。
容器包装に入れられていない生鮮食品
表示場所
製品の近くに掲示、見やすい場所に表示
(3)表示の特例(基準第20条関係)
第1章 2 生 鮮 食 品 の 表 示
下記に掲げる場合は、生鮮食品の義務表示事項について特例が認められます。
・名称(一部の生鮮食品を除く)
・原産地
ア 生産した場所で販売する場合、不特定も
しくは多数の者に対して譲渡する場合
・内容量
・食品関連事業者の氏名または名称および住所
・玄米および精米に関する事項
・栽培方法(しいたけに限る)
・解凍した旨(水産物に限る)
、養殖された旨(水産物に限る)
・名称(生産した場所で販売する場合、不特定多数もしくは多数
の者に対して譲渡する場合に限る)
イ 容器包装に入れないで販売する場合
・放射線照射に関する事項
・乳児用規格適用食品である旨
・内容量
・食品関連事業者の氏名または名称および住所
・基準別表第 24 の中欄に掲げる事項(栽培方法、解凍した旨、
養殖された旨を除く)
(4)表示禁止事項(基準第23条関係)
下記に掲げる事項を、生鮮食品の容器包装や近接した掲示等に表示してはいけません。
・実際のものより著しく優良または有利であると誤認させる用語
・表示すべき事項の内容と矛盾する用語
・製品の品質を誤認させるような文字、絵、写真その他の表示 等
13
3 加工食品の表示
3 加工食品の表示
(1)表示項目の内容
①全ての加工食品に必要な表示(基準第3条第1項関係)
ア 名称
・その内容を表す一般的な名称を記載してください。
・基準別表第4において、名称の表示方法が定められている場合は、それに基づいて記載し
てください。
・基準別表第5で定められた食品の名称は、その食品以外に使用することはできません。
・原材料に占める重量の割合の高い順にその最も一般的な名称を記載してください。
・個別のルールが定められている場合は、それに基づいて記載してください。
≪複合原材料の表示≫(155 ページ Q24 参照)
2種類以上の原材料からできている原材料(複合原材料)については、複合材料名の
次に( )を付して原材料を記載してください。
イ 原材料名
≪任意表示:特色のある原材料等≫(156 ~ 158 ページ Q25 ~ 27 参照)
使用した原材料が特定の原産地、有機農産物等特色のあるものであることを加工食品
に表示する場合は、当該特色のある原材料が製品の原材料に占める重量の割合を、その
表示の近接した箇所または一括表示の原材料名の次に( )を付して記載してください。
その割合が 100%の場合は使用割合の表示を省略することができます。
≪米穀の産地≫
一般消費者に米加工品を販売・提供する場合は、産地情報を伝達してください。
対象品目の例:米粉、米こうじ、米飯類、もち、だんご、米菓子、清酒、単式蒸留しょう
ちゅう、みりん等
伝達方法の例:容器や包装に記載、メニューや店内に産地を記載等
(35 ページ参照)
・原材料に占める重量の割合の高い順にその最も一般的な名称を記載してください。
・食品に使用される添加物は、原則としてすべて記載してください。
ウ 添加物
エ 内容量
オ 消費期限・
賞味期限
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≪原材料名と添加物の表示方法≫
添加物の表示方法は次のいずれかの方法で表示してください。
ア「原材料名」と「添加物」を、それぞれ事項名欄を設けて表示
イ「原材料名」の欄に添加物を明確に区分して表示
原材料名と添加物をスラッシュ(/)
、改行、別欄を設けるなど(161 ページ
Q30 参照)
・計量法第 12 条で定める特定商品のうち法第 13 条で定める表記義務商品を密封して販売
するときは、量目公差(政令で定める誤差)を超えないようにその特定物象量の計量を行
い、その容器包装に内容量を記載してください。(33 ページ参照)
・計量法第 13 条で定める表記義務商品以外の特定商品を密封し内容重量または内容体積を
表記して販売するときは、量目公差(政令で定める誤差)を超えないようにその特定物象
量の計量を行ってください。
・特定商品以外では、内容重量、内容体積、内容数量または固形量等を記載してください
(ただし、内容量を外見上容易に識別できるものについては、省略することができます。)。
≪消費期限≫
定められた方法で保存した場合で、品質が急速に劣化する食品には、衛生上の危害が
生ずるおそれのない期限を年月日で記載してください。
≪賞味期限≫
定められた方法で保存した場合で、品質の劣化が比較的緩やかな食品には、食品の品
質の保持が十分に可能な期限を年月日で記載してください。ただし、3か月以上品質保
持が可能なものは年月で記載することができます。
カ 保存方法
・期限表示の保存条件を具体的に記載してください。また、食品衛生法第 11 条第1項によ
り保存方法の基準が定められた食品には、その基準に従って記載してください。
・常温で保存すること以外に、その保存方法に関し留意すべき事項がないものは、保存方法
を省略することができます。
キ 食品関連事
第1章 3 加 工 食 品 の 表 示
業者の氏名 食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者の氏名または名称および住所を記載して
または名称 ください。
および住所
(ア)製造所または加工所(食品の製造または加工に関し、最終的に衛生状態を変化させる
製造または加工が行われた場所)の所在地および製造者または加工者の氏名または名
称を記載してください。
また、輸入品は、この代わりに「輸入者」として輸入業者の営業所の所在地および
氏名(法人の場合は法人名)を記載してください。
(イ)上記の規定にかかわらず、食品関連事業者の住所または氏名または名称が製造所もし
くは加工所の所在地(輸入品は輸入業者の営業所所在地)または製造者もしくは加工
者の氏名または名称(輸入品は、輸入業者の氏名または名称)と同一である場合は、
ク 製造所または
製造所もしくは加工所の所在地または製造者もしくは加工者の氏名または名称を省略
することができます。
加工所の所
在地、製造
※製造所所在地の表示は、政令指定都市および県庁の所在する市については、道府県名を
者または加
省略することができます。
工者の氏名
または名称 ≪製造所固有記号≫(Q50 ~ 63 171 ~ 177 ページ参照)
(ア)上記の例外として、原則として同一製品を2以上の製造所で製造している合にあって
は、消費者庁長官に届け出た製造所固有記号をもって製造所の所在地および製造者の
氏名または名称の表示に代えることができます。
(イ)製造所固有記号を表示する場合には、応答義務が課されます。
(ウ)製造所固有記号を使用する場合には、次のいずれかの事項も記載してください。
①製造所の所在地等の情報提供を求められたときに回答する者の連絡先
②製造所の所在地等を表示したウエブサイトのアドレス等
③当該製品の製造を行っている全ての製造所の所在地等、製造所固有記号
(39 ページ参照)
・熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの量を記載してください。
・たんぱく質、脂質、炭水化物の量、熱量には一定の値または下限値および上限値を記載
してください。
ケ 栄養成分の
・ナトリウムの量には「食塩相当量」(ナトリウムの量に2.54を乗じたものをいう。)を
量および熱量
冠し、一定の値または下限値および上限値を記載してください。
・栄養成分の量および熱量は、当該食品の100g、100ml、一食、一包装などの「食品単
位」当たりの量を記載してください。食品単位が一食分である場合は一食分の量を併記
してください。
②一定の要件に該当する場合に表示が必要となる事項(基準第3条第2項関係)
ア 特定原材料
および特定
原材料に由
来する添加
物
(アレル
ゲンを含む
食品)
(20 ページ参照)
容器包装された加工食品および添加物は、すべての流通段階で、特定原材料(7品目:卵、
乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)について表示が義務付けられています。また、特
定原材料に準ずるものとして 20 品目についても表示を推奨しています。
(ア)特定原材料を含む旨を、原則、原材料名の直後に括弧を付して記載してください。
(イ)特定原材料に由来する添加物を含む食品は、当該添加物を含む旨および当該食品に含
まれる添加物が当該特定原材料に由来する旨を、原則、添加物の物質名の直後に括弧
を付して記載してください。
15
3 加工食品の表示
「L-フェニルアラニン化合物を含む」等の表示が義務づけられています。
表示可能面積がおおむね 30c㎡以下であっても省略できませんが、表示可能面積がおおむ
テームを含 ね 30c㎡以下のものに限り、次の表示をすることができます。
(ア)添加物を表示する場合 「アスパルテーム(フェニルアラニン)」
む食品
(イ)添加物を省略する場合 「フェニルアラニンを含む」
イ アスパル
(24 ページ参照)
(ア)
「特定保健用食品」と記載してください。ただし、許可または承認の際、その摂取に
より特定の保健の目的が期待できる旨について条件付きの表示をすることとされたも
のは「条件付き特定保健用食品」と記載してください。
(イ)許可等を受けた表示の内容どおり記載してください。
(ウ)① 栄養成分の量および熱量は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食
塩相当量に換算したもの)および関与成分の 100g もしくは 100ml または一食
分、一包装その他の一単位当たりの含有量を記載してください。
② ①に定める成分以外の栄養成分を表示する場合は、その 100g もしくは 100ml
または一食分、一包装その他の一単位当たりの含有量をナトリウムと関与成分の
ウ 特定保健用
間に記載してください。
食品
③ ①および②に定めるほか、基準第3条第1項関係の表の栄養成分の量および熱量
の項に定める表示方法を準用します。
(エ)
「一日当たりの摂取目安量」、「摂取の方法」、「摂取する上での注意事項」は申請書に
記載した内容を表示してください。
(オ)
「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と記載してください。
(カ)関与成分が栄養素等表示基準値の示されている成分である場合、一日当たりの摂取目
安量に基づき当該栄養素等表示基準値に占める割合を百分率または割合で記載してく
ださい。
(キ)調理または保存の方法に関し、特に注意を必要とするものは、申請書に記載した内容
を表示してください。
(24 ページ参照)
エ 機能性表示 (ア)
「機能性表示食品」と記載してください。
(イ)科学的根拠を有する機能性関与成分等については、消費者庁長官に届け出た内容を記
食品
載してください。
(24 ページ参照)
オ 遺伝子組換 大豆、とうもろこし、ばれいしょ等を原材料とし、加工工程後も組み換えられたDNA
またはこれによって生じたたん白質が残る加工食品 33 食品群が表示義務の対象で、「遺伝
え農産物
子組換え」や「遺伝子組換え不分別」の表示が義務付けられています。
カ 乳児用規格 (27 ページ参照)
適用食品 「乳児用規格適用食品」等と表示してください。
キ 原料原産地名
(28 ページ参照)
原料原産地の表示を義務付けられた加工食品(22 食品群+4品目)については、主な原
材料が国産品の場合は「国産」である旨を、輸入品の倍は「原産国名」を記載してください。
ただし、国産品は「国産」の表示に代えて下記のとおり表示することができます。
≪農産物≫都道府県名(市町村名、その他一般に知られている地名も可)
≪畜産物≫飼養地(最も飼養期間が長い場所)が属する都道府県名(市町村名、その他一
般に知られている地名も可)
≪水産物≫生産した水域名、水揚げした港名、主たる養殖場(最も養殖期間が長い場所)
が属する都道府県名、市町村名、その他一般に知られている地名
ク 原産国名
16
(31 ページ参照)
輸入品には原産国名を記載してください。
原産国とは、「その食品に実質的変更をもたらす行為を行った国」をいいます。ただ単に容
器に詰めたり、ラベルを貼ったりした程度のものは実質的変更をもたらす行為に含みませ
ん。したがって、販売可能な形態で輸入される商品のほか、すでに加工された製品を輸入し、
国内で小袋に包装し直した商品についても、実質的変更をもたらす行為が外国でなされて
いれば、その原産国名を記載してください。
③食品の特性に応じて表示が必要となる事項(基準第4条関係)
基準別表第 19 に掲げる食品には、食品の特性に応じて表示が必要です。(48 〜 49 ページ参照)
食品の特性に応じて表示が必要な事項の例(基準別表第 19)
表示事項
トマト加工品
使用上の注意、形状(固形トマトに限る)、「濃縮トマト還元」
の用語 等
切り身またはむき身にした魚介類
生食用である旨
ゆでがに
飲食に供する際に加熱を要するかどうかの別
うに加工品
塩うに含有率、名称の用語 等
ふぐを原材料とするふぐ加工品
(軽度の撒塩を行ったものを除く)
第1章 3 加 工 食 品 の 表 示
食 品
原料ふぐの種類、漁獲水域名、生食用であるかないかの別 等
飲食に供する際に加熱を要するかどうかの別、凍結させる直前
に加熱させたものかどうかの別、生食用であるかないかの別
冷凍食品
④義務表示事項を省略できるもの(基準第3条第3項関係)
食 品
省略できる事項
・原材料名(特定保健用食品および機能性表示食品を除く。)
・添加物(特定保健用食品および機能性表示食品を除く。)
・内容量(特定保健用食品、機能性表示食品および計量法第13
条で定める表記義務商品を除く。)
・栄養成分の量および熱量(栄養表示をする場合、特定保健用
食品および機能性表示食品を除く。)
ア 容器包装の表示可能面積がおおむね
・製造所または加工所の所在地および製造者または加工者の氏
30c㎡以下であるもの
名(食品関連事業者の氏名または名称および住所の表示は要
しないとされているものを除く。)
・遺伝子組換え食品に関する事項
・乳児用規格適用食品である旨
・原料原産地
・原産国名
イ 原材料が1種類のみであるもの(缶
詰、食肉製品、特定保健用食品、機能 ・原材料名
性表示食品等を除く。)
ウ 常温で保存すること以外にその保存方
・保存方法
法に関し、留意すべき事項がないもの
エ 内容量を外見上容易に識別できるもの ・内容量、固形量、内容総量
オ 品質の変化が極めて少ないもののう
ち、でん粉、チューインガム、冷菓、
砂糖、アイスクリーム類、食塩、うま ・消費期限、賞味期限
味調味料、酒類、飲料水、清涼飲料
水、氷
カ 酒類、栄養の供給源としての寄与の程
・栄養成分の量および熱量(栄養表示をする場合、特定保健用
度が小さいもの、極めて短期間で原材
食品および機能性表示食品を除く。)
料(配合割合含む)が変更されるもの
キ 消費税法第9条に規定する事業者(課
・栄養成分の量および熱量(栄養表示をする場合、特定保健用
税売上高が1000万円以下の事業者)
食品および機能性表示食品を除く。)
が販売するもの(※)
※当分の間は、課税売上高が 1000 万円以下の事業者または中小企業基本法第2条第5項に規定す
る小規模企業者(おおむね常時使用する従業員の数が 20 人以下の事業者)についても適用されます。
17
3 加工食品の表示
⑤任意表示(基準第7条関係)
下記に掲げる事項を加工食品の容器包装に表示する場合は、基準第7条の規定により表示してください。
ア 特色のある原材料等に関する事項(30 ページ参照)
イ 栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムを除く。)
ウ ナトリウムの量(ナトリウム塩を添加していない食品の容器包装に表示される場合に限る。)
エ 栄養機能食品に係る栄養成分の機能
オ 栄養成分の補給ができる旨
カ 栄養成分または熱量の適切な摂取ができる旨
キ 糖類(単糖類または二糖類で、糖アルコールでないものに限る。)を添加していない旨
ク ナトリウム塩を添加していない旨
(2)表示の方法(基準第8条関係)
表示場所
文字の大きさ
・容器包装の見やすい箇所に表示してください。
・容器を包装紙で外装する場合は、外装紙に必要な表示をしてください。ただし、
透明の袋等を透かして商品の表示を確認できる場合は、外装パッケージにあえて
表示を行う必要はありません。
・文字の大きさは、8ポイントの活字以上の大きさで表示してください。
・表示可能面積が概ね 150c㎡以下のものは、5. 5ポイントの活字以上の大きさ
で表示することができます。
(162 ページ Q34 参照)
(3)表示の特例(基準第5条関係)
下記のア、イに掲げる場合は、右欄の表示が必要ありません。
ア 食品を製造し、
または ・原材料名(特定保健用食品および機能性表示食品を除く。)
・内容量(特定保健用食品、機能性表示食品および計量法第 13 条で定める表記義
加工した場所で販売
務商品を除く。)
する場合
・栄養成分の量および熱量(栄養表示をする場合、特定保健用食品および機能性表
示食品を除く。)
イ 不特定もしくは多数 ・食品関連事業者の氏名または名称および住所(特定保健用食品および機能性表示
食品を除く。)
の者に対して譲渡す
・原材料名
る場合
・原料原産地名
・基準別表第 19 中欄に掲げる表示事項
(4)表示禁止事項(基準第9条関係)
下記に掲げる事項を一般用加工食品の容器包装に表示してはいけません。
・実際のものより著しく優良または有利であると誤認させる用語
・表示すべき事項の内容と矛盾する用語
・産地名を示す表示であって、産地名の意味を誤認させるような用語
・内容物を誤認させるような文字、絵、写真その他の表示 等
18
(5)公正競争規約による項目
※公正競争規約
消費者庁長官および公正取引委員会の認定を受けて、事業者または事業者団体が自主的に定める業
第1章 3 加 工 食 品 の 表 示
界ルールです。不当表示を規制し、商品特性に応じた表示事項の義務や業界用語の使用基準等を定め
ています。
表示に関する問合わせ先は、「食品表示の問合せ先(182 ~ 186 ページ)」を参照してください。
19
4 一定の要件に該当する場合の表示
4 一定の要件に該当する場合の表示
(1)アレルゲンを含む食品の表示(基準通知 別添)
容器包装された加工食品と添加物にアレルゲンを含む旨の表示が義務付けまたは奨励されている食
品は、次に掲げるとおりです。
特定原材料
(7品目)
表示が義務付けられて
いるもの
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生
特定原材料に準ずるもの あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、
(20品目)
ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、 りんご、
ゼラチン
表示を奨励するもの
表示の必要な範囲
食物アレルギーは、人によってはごく微量のアレ
加工食品
ルゲンによって発症することがありますので、健康
危害防止の観点から、食物アレルギーを誘発する量
特定原材料等
を考える際には、特定原材料等の抗原(特定タンパ
ク)量ではなく、加工食品中の特定原材料、特定原
材料に準ずるもの(以下、
「特定原材料等」という。)
総タンパク
の総タンパク量として考えています。
それらの特定原材料等の含有量が、総タンパク量
として、数μg/ml濃度レベルまたは数μg/g
含有レベルに満たない場合は、表示の必要性はあり
ません。
(つまり、加工食品1㎏あたり、その特定
原材料等の総タンパク量が数mg未満であれば、省
略できます。)
抗原(特定タンパク)
アレルギーの原因物質
※1μgは1gの100万分の1です。
①特定原材料等の表示方法
・特定原材料等を原材料として含んでいる場合は、原則、原材料名の直後に括弧を付して特定原材料
等を含む旨を記載してください。
「原材料名(○○を含む)」の○○には、特定原材料等名を記載します。
特定原材料のうち「乳」は、「(乳成分を含む)」と記載します。
・添加物は、原則、添加物の物質名の直後に括弧を付して特定原材料等に由来する旨を記載してくだ
さい。
「添加物の物質名(○○由来)」、特定原材料のうち「乳」は、「添加物の物質名(乳成分由
来)」ではなく、「添加物の物質名(乳由来)」と記載します。
・基準別表第7の一括名で表示する場合は、一括名の直後に括弧を付して、特定原材料等に由来する
旨を記載します。また、基準別表第6の用途名を併記する場合は、次の方法で表示してください。
20
ア 「用途名(物質名:○○由来)」または「用途名(物質名(○○由来))」
イ 2 つ以上の特定原材料等から構成される添加物には、「用途名(物質名:○○・○○由来)」と表
示してください。
②特定原材料等の省略
イ 代替表記
特定原材料等と具体的な表示方法が異なるが、特定原材料等の表示と同一のもの
であると認められるものとして下記に掲げる表示を行う場合は、当該表示をもっ
て特定原材料等の表示に代えることができます。
ウ 拡大表記
原材料名または添加物名に特定原材料等または代替表記を含む場合は、特定原材
料等を使った食品であることが理解できるものとして、下記に掲げる表示を行え
ば、当該表示をもって特定原材料等の表示に代えることができます。
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
2種類以上の原材料または添加物を使用し、同一の特定原材料等が含まれてい
ア 繰り返しになるアレ る場合は、そのうちいずれかに特定原材料等を含む旨または由来する旨を記載
ルゲンの省略
すれば、それ以外の原材料または添加物のアレルゲン表示は、省略することが
できます。
特定原材料(基準通知 別表 3)
特定原材料
(食品表示基準で
定められた品)
特
定
原
材
料
代替表記
拡大表記(表記例)
表記方法や言葉が違うが、特定原材料と 特定原材料名または代替表記を含んでいるため、
同一であるということが理解できる表記 これらを用いた食品であると理解できる表記例
えび
海老、エビ
えび天ぷら、サクラエビ
かに
蟹、カニ
上海がに、マツバガニ、カニシューマイ
小麦
こむぎ、コムギ
小麦粉、こむぎ胚芽
そば
ソバ
そばがき、そば粉
卵
玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、
あひる卵、うずら卵
厚焼玉子、ハムエッグ
乳
ミルク、バター、
バターオイル、チーズ、
アイスクリーム
アイスミルク、ガーリックバター、プロセス
チーズ、乳糖、乳たんぱく、生乳、牛乳、
濃縮乳、加糖れん乳、調整粉乳
落花生
ピーナッツ
ピーナッツバター、
ピーナッツクリーム
21
4 一定の要件に該当する場合の表示
特定原材料に準ずるもの(基準通知 別表3)
代替表記
通知で定められた品目
表記方法や言葉が違うが、特定原材料に準ず
特定原材料名に準ずるものの名称または代
るものと同一であるということが理解できる
替表記を含んでいるため、これらを用いた
表記
食品であると理解できる表記例
あわび
アワビ
煮あわび
いか
イカ
いかフライ、イカ墨
いくら
イクラ、すじこ、スジコ
いくら醤油漬け、塩すじこ
オレンジ
—
オレンジソース、オレンジジュース
カシューナッツ
—
—
キウイ、キーウィー、キウイ、
キウイジャム、キーウィージャム、
牛肉
牛、ぎゅうにく、牛にく、
ビーフ、ぎゅう肉
牛すじ、ビーフコロッケ、牛脂
くるみ
クルミ
くるみパン、くるみケーキ
ごま
ゴマ、胡麻
ごま油、すりゴマ、ゴマペースト、
練りごま、切り胡麻
さけ
鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ
鮭フレーク、スモークサーモン、
紅しゃけ、焼鮭
さば
鯖、サバ
さば節、さば寿司
大豆
だいず、ダイズ
大豆煮、大豆油、
大豆たんぱく、脱脂大豆
鶏肉
とりにく、鳥肉、鳥、チキン、
とり肉、鶏、とり
焼き鳥、鶏レバー、チキンスープ、
ローストチキン、チキンブイヨン、
鶏ガラスープ
バナナ
ばなな
バナナジュース
豚肉
ぶたにく、ぶた肉、ポーク、豚にく、豚
ポークウィンナー、
豚生姜焼、豚ミンチ
まつたけ
松茸、マツタケ
焼まつたけ、まつたけ土瓶蒸し
もも
モモ、桃、ピーチ
もも果汁、白桃、黄桃、
ピーチペースト
やまいも
山芋、山いも、ヤマイモ
千切りやまいも
りんご
リンゴ、アップル
アップルパイ、焼りんご、
りんご酢、りんご飴
ゼラチン
—
板ゼラチン、粉ゼラチン
キウイフルーツ
特定原材料に準ずるもの
22
拡大表記(表記例)
キウィー、キーウィ
キウイソース、キーウィーソース
③表示例
【原則】
個別の原材料ごとに表示
(個別表示)
特定原材料等を原材料として含む旨、
材料等に由来する旨を、原材料名の直
□□、醤油(大豆・小麦を含む)、マヨネーズ(大
豆・卵・小麦を含む)、たん白加水分解物(大豆
を含む)、卵黄(卵を含む)、食塩、酵母エキス(小
麦を含む)
添 加 物:調味料(アミノ酸等)
、増粘剤(キサンタンガム)
、
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
または食品に含まれる添加物が特定原
原材料名:○○○○(△△、ごま油(ごまを含む))、ゴマ、
甘味料(ステビア)、◎◎◎(大豆由来)
後に括弧を付して表示します。
※添加物にも記載が必要です。
※「ゴマ」は代替表記
同じアレルギー物質を
省略する場合
原材料名:○○○○(△△、ごま油)、ゴマ、□□、醤油(大
同じ特定原材料名が複数出てくる場合
添 加 物:調味料(アミノ酸等)
、増粘剤(キサンタンガム)
、
は、2 度目以降は省略することができ
豆・小麦を含む)、マヨネーズ(卵を含む)、た
ん白加水分解物、卵黄、食塩、酵母エキス
甘味料(ステビア)、◎◎◎
ます。
※醤油に「大豆を含む」と表示することで、同様に大豆を含む、マヨネーズ、たん白加水分解物、◎◎◎の「大
豆を含む」および「大豆由来」を省略できます。
※醤油に「小麦を含む」と表示することで、同様に小麦を含む、マヨネーズ、酵母エキスの「小麦を含む」を
省略できます。
※マヨネーズに「卵を含む」と表示することで、同様に卵を含む卵黄の「卵を含む」を省略できます。
※「ごま油」は拡大表記
原材料の最後に
一括で表示する場合
原材料名:○○○○(△△、ごま油)、ゴマ、□□、醤油、
加工食品で使われている特定原材料
添 加 物:調味料(アミノ酸等)
、増粘剤(キサンタンガム)
、
を、最後にまとめて記載する方法です。
マヨネーズ、たん白加水分解物、卵黄、食塩、
酵母エキス、(一部に小麦・卵・ごま・大豆を含む)
甘味料(ステビア)、◎◎◎、
(一部に大豆を含む)
※個別表示よりも一括表示の方が文字数を減らせる場合であって、表示面積に限りがあり、一括表示でないと
表示が困難な場合等にのみ一括表示が可能です。
※一括表示を行う場合であっても、食物アレルギーの病態を理解し、どのような表示が患者にとってふさわし
いか考慮した上で表示するようにしてください。
※原材料と添加物の事項欄を分けずに記載する場合は、原材料欄の最後に(一部に小麦・卵・ごま・大豆を含む)
と表示します。
23
4 一定の要件に該当する場合の表示
(2)特定保健用食品(トクホ)
健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレス
テロールの吸収をおだやかにする」などの表示が許可されている食品です。
表示については、健康増進法の規定に基づき国が安全性および効果の審査
を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可をしたものです。
表示事項は、基準第3条第2項の表、第18条第2項の表、健康増進法に
規定する特定用途表示の許可等に関する内閣府令に定められています。
(3)機能性表示食品
事業者の責任において、疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く。)に対し、
機能性関与成分によって健康の維持および増進に資する特定の保健の目的が期待できる旨を、科学的
根拠に基づいて容器包装に表示するものです。
ただし、特別用途食品、栄養機能食品、アルコールを含有する飲料、ナトリウム・糖分等の過剰な
摂取につながる食品は除きます。
機能性表示食品に関する表示の内容、食品関連事業者に関する基本情報(食品関連事業者名および
連絡先等)、安全性および機能性の根拠に関する情報、生産・製造および品質の管理に関する情報、
健康被害の情報収集体制その他、必要な事項を販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出る必要
があります。
表示事項は、基準第3条第2項の表、第18条第2項の表に定められています。
(4)遺伝子組換え食品(基準第2条、第3条関係)
①義務表示の対象となる食品
ア 遺伝子組換え農産物とその加工食品のうち次に掲げるもの(農産物8作物および加工食品33食品
群)については、「遺伝子組換え」や「遺伝子組換え不分別」との表示が義務付けられています。
(基準別表第 16、17)
農
大豆(枝豆および大豆もやしを含む)、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、
作
アルファルファ、てん菜、パパイヤ
物
加
工
食
品
24
大豆(枝豆および大豆もやしを含む。)
1 豆腐類・油揚げ類
2 凍豆腐、おからおよびゆば
3 納豆
13 大豆たんぱくを主な原材料と
するもの
14 枝豆を主な原材料とするもの
15 大豆もやしを主な原材料とす
るもの
とうもろこし
1 コーンスナック菓子
2 コーンスターチ
3 ポップコーン
4 冷凍とうもろこし
5 とうもろこし缶詰およびとう
もろこし瓶詰
6 コーンフラワーを主な原材料
とするもの
7 コーングリッツを主な原材料と
するもの(コーンフレークを除く。)
8 調理用のとうもろこしを主な
原材料とするもの
9 1~5を主な原材料とするもの
なたね
綿実
アルファルファを主な原材料とす
るもの
てん菜(調理用)を主な原材料と
するもの
パパイヤを主な原材料とするもの
ばれいしょ
1 ポテトスナック菓子
2 乾燥ばれいしょ
3 冷凍ばれいしょ
4 ばれいしょでん粉
5 調理用のばれいしょを主な原
材料とするもの
6 1~4を主な原料とするもの
加
工
食
品
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
イ 基準別表第18に掲げる高オレイン酸遺伝子組換え大豆等を使用した加工食品(大豆油等)について
は、「高オレイン酸遺伝子組換え」や「高オレイン酸遺伝子組換えのものを混合」等の表示が義務
付けられています。
(基準別表第 18)
形 質
加工食品
1 大豆を主な原料とするもの(脱脂されたことにより、上欄に掲げ
る形質を有しなくなったものを除く。)
ステアリドン酸産生 2 1に掲げるものを主な原材料とするもの
高オレイン酸
高リシン
1 とうもろこしを主な原材料とするもの(上欄に掲げる形質を有し
なくなったものを除く。)
2 1に掲げるものを主な原材料とするもの
対象農産物
大豆
とうもろこし
②非遺伝子組換え農産物の表示
遺伝子組換え農産物と混ざらないように管理(分別生産流通管理)された非遺伝子組換え農産物お
よびその加工品は、遺伝子組換え食品に関する事項を表示する義務はありませんが、任意で「遺伝子
組換えでない」、「遺伝子組換えでないものを分別」の表示ができます。
③意図せざる混入について
大豆、とうもろこしは、生産・流通・加工の各段階で、遺伝子組換え農産物とそうでない農産物を
混ざらないように管理していても、一定の混入の可能性は避けられないことから、5%以下の意図せ
ざる混入であれば、分別生産流通管理された農産物と認められます。ただし、意図的に混入した場合
は、5%以下の混入であっても分別生産流通管理された農産物とは認められません。
④表示禁止事項
組換えDNA技術を用いて生産された農産物の属する作目以外の作目およびそれを原材料とする加
工食品には、当該農産物に関し遺伝子組換えでないことを示す用語を表示してはいけません。つま
り、本表に掲載されている農産物以外、たとえばキュウリに「遺伝子組換えでない」と表示すること
はできません。
25
4 一定の要件に該当する場合の表示
⑤表示方法
(ア)従来のものと組成、栄養価等が同じもの(除草剤の影響を受けないようにした大豆、害虫に強
いとうもろこし等)
表示例② 表示例① 遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換
分別生産流通管理が行われている遺
え農産物の分別生産流通管理が行わ
伝子組換え食品の場合
れていない場合
義務表示
名 称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者
義務表示
豆腐
丸大豆(遺伝子組換え)
、凝固剤
100 g
○○.○.○○
10℃以下で保存
○○食品(株)
福井県○○市○○ ○-○
名 称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者
豆腐
丸大豆(遺伝子組換え不分別)、凝固剤
100 g
○○.○.○○
10℃以下で保存
○○食品(株)
福井県○○市○○ ○-○
表示例③ 分別生産流通管理が行われている非
遺伝子組換え食品の場合
任意表示
名 称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者
豆腐
大豆、凝固剤
100 g
○○.○.○○
10℃以下で保存
○○食品(株)
福井県○○市○○ ○-○
名 称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者
豆腐
大豆(遺伝子組換えではない)、凝固剤
100 g
○○.○.○○
10℃以下で保存
○○食品(株)
福井県○○市○○ ○-○
注)分別生産流通管理(IPハンドリング)とは、遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産
物が、生産・流通・加工の各段階で混入が起こらないように管理し、そのことが書類によ
り証明されていることをいいます。
(イ)従来のものと組成、栄養価等が著しく異なるもの(高オレイン酸大豆、高リシンとうもろこし等)
義務表示
26
表示例
「大豆(高オレイン酸遺伝子組換え)」
(5)乳児用規格適用食品(基準通知)
乳児 ※用規格適用食品である旨の表示が義務付けられている食品は、「食品、添加物等の規格基
準」において規定された「乳児用食品」の対象食品と同じであって、次に掲げるとおりです。
1 乳幼児用食品(おやつ等)
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
2 ベビーフード
3 乳幼児向け飲料(飲用茶に該当する飲料は飲料水の基準(10ベクレル/kg)を適用します。)
4 いわゆる粉ミルク(乳児用調製粉乳、乳幼児を対象とした調製粉乳)
5 その他(服薬用ゼリー、栄養食品等)
※「乳児」とは『1歳未満』をいいます。
乳児用食品の表示
ア 表示の目的
食品中の放射性物質の基準値(規格基準)では、乳児用食品に基準値として50ベクレル/kgが
適用されています。消費者が、食品を購入する際にその食品が「乳児用食品」であるか容易に判
別できるよう表示基準が定められました。
イ 乳児用食品の範囲
乳児の飲食に供することを目的として販売するものをいい、消費者が表示内容等により乳児向
け(1歳未満)の食品であると認識する可能性が高いものを対象としています。
ウ 表示方法
(ア)乳児用食品の規格基準が適用される食品には「乳
児用規格適用食品」と表示します。
(イ)「乳児用規格適用、「本品は(食品衛生法に基づく)
乳児用食品の規格基準が適用される食品です。」
などの表示も使用可能です。
個々の商品の表示レイアウト等も踏まえて、消費
者に十分に見やすい位置、大きさ、色により表示
するようにしましょう。
エ 表示の省略
乳児用規格適用食品であることが容易に判別できる食品では、乳児用規
格適用食品である旨の表示を省略することができます。
この省略規定の対象は、以下に示す、いわゆる「粉ミルク」のみです。
①乳児用調製粉乳
②アレルゲン除去食品および無乳糖食品のうち乳児(1歳未満)
を対象としたいわゆる粉ミルク
③フォローアップミルク等の調製粉乳
27
4 一定の要件に該当する場合の表示
オ 紛らわしい表示の禁止規定
乳児用規格適用食品以外の食品にあっては、乳児用規格適用食品である旨の表示またはこれと
紛らわしい表示をしてはなりません。乳児用規格の対象でない食品に「乳幼児用規格適用食品」
や「乳児用規格適合食品」などの表示をすることは禁止されています。
なお、例えば「ベビー○○○」(当該食品が「小さい」という趣旨で「ベビー」という用語を
使用している場合)や「こども○○○」等の表記が付された食品であっても、対象年齢が1歳以
上であることが社会通念上明らかな食品については、この表記のみをもって、直ちに乳児用規格
適用食品と紛らわしい表示と見なされること(=紛らわしい表示の禁止規定に該当すること)は
ありません。
(6)原料原産地表示の表示(基準第3条,10条関係)
国内で製造された加工食品のうち、次に掲げる22食品群と4品目には主な原材料の原産地表示が
義務付けられています。
(基準別表第 15 関係)
食品群名
原料原産地表示の対象食品の判断
対象となる食品例
対象外となる食品例
1 乾燥きのこ類、乾燥野菜およ 乾しいたけ、切り干し大根、かん 乾 燥 野 菜 の フ レ ー ク お よ び パ ウ
び乾燥果実(フレーク状また しょ蒸し切り干し、干し柿、干し ダ ー、 乾 燥 パ セ リ、 乾 燥 バ ジ ル、
は粉末状にしたものを除く) あんず 乾燥ハーブ
2 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜
塩蔵きのこ、塩蔵ぜんまい、塩蔵
および塩蔵果実(農産物漬物
農産物漬物
山菜ミックス
を除く)
3 ゆで、または蒸したきのこ類、
野菜および豆類ならびにあん ゆでたたけのこ、下ゆでしたさと 缶詰、瓶詰、レトルトパウチ食品、
(缶詰、瓶詰およびレトルトパ いも、ふかしたさつまいも、ゆで 砂糖類を加えたゆであずき、煮豆、
ウチ食品に該当するものを除 た小豆、生あん、乾燥あん
野菜の煮物、ねりあん
く)
4 異種混合したカット野菜、異
種混合したカット果実、その
カット野菜ミックス、カットフルー
他野菜、果実およびきのこ類
ツミックス
を異種混合したもの(切断せ
ずに詰め合わせたものを除く)
カット野菜にクルトン、ゆでたブ
ロッコリー等をかけたもの、カッ
ト野菜にドレッシングをかけたも
の、カット果実に砂糖漬けを加え
たもの
5 緑茶および緑茶飲料
煎茶、玉緑茶、玉露、抹茶、番茶、 玄米茶(玄米の重量が 50%を超え
ほうじ茶
るもの)
6 もち
ま る も ち、 の し も ち、 切 り も ち、 米粉やとうもろこしでん粉から製
草もち、豆もち
造されたもち、あんを入れたもち
7 いりさや落花生、いり落花生、 いりさや落花生、いり落花生、い
炒った後で砂糖をからめたもの
あげ落花生およびいり豆類
り大豆、バターピーナッツ
8 黒糖および黒糖加工品
黒糖みつ、黒糖菓子
粗糖と糖みつ等を原料としたもの、
黒糖の割合が 50%未満の黒糖パン
板こんにゃく、玉こんにゃく、さ
9 こんにゃく(こんにゃく粉を
こんにゃく生芋、またはこんにゃ
し み こ ん に ゃ く、 糸 こ ん に ゃ く、
原料とするものを含む)
く粉の割合が 50%に満たないもの
しらたき
10 調味した食肉(加熱調理した
塩こしょうした牛肉、タレ漬けし 豚肉生姜焼き、ゆでたもつにタレ
ものおよび調理冷凍食品に該
た牛肉、みそ漬けした豚肉
漬けしたもの
当するものを除く)
28
11 ゆで、または蒸した食肉およ
び食用鳥卵(缶詰、瓶詰およ ゆ で た 牛 も つ、 蒸 し 鶏、 ゆ で 卵、 缶詰、瓶詰、レトルトパウチ食品、
びレトルトパウチ食品に該当 温泉卵
焼豚、味付けしたミミガー、燻製卵
するものを除く)
12 表面をあぶった食肉
鶏ささみのたたき
ローストビーフ、牛たたきにタレ
をかけたもの
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
13 フライ種として衣をつけた食肉 フライ衣をつけた豚カツ用の豚肉、
チーズささみかつ、鶏肉にシソを
(加熱調理したものおよび調理冷 香辛料入りの粉をまぶした唐揚げ
巻いて衣を付けたもの
凍食品に該当するものを除く) 用の鶏肉
14 合挽肉、その他異種混合した 合挽肉、成形肉(サイコロステーキ)、
食肉(肉塊または挽肉を容器 焼肉セット(異種の肉の盛り合わせ ゆで卵と野菜を盛り合わせたもの
に詰め、形成したものを含む) で生鮮食品のみで構成するもの)
15 素干魚介類、塩干魚介類、煮干
魚介類およびこんぶ、干のり、 みがきにしん、するめ、あじ開干し、
粉 末 わ か め、 み り ん ぼ し い わ し、
焼きのり、その他干した海藻類 しらす干し、煮干いわし、味付のり、
焼干いわし、くん製魚介類
(細切もしくは細刻したもの、ま 乾燥わかめ、干ひじき
たは粉末状にしたものを除く)
16 塩蔵魚介類および塩蔵海藻類
17 調味した魚介類および海藻類(加
熱調理したものおよび調理冷凍
食品に該当するもの、ならびに
缶詰、瓶詰およびレトルトパウ
チ食品に該当するものを除く)
18 こんぶ巻き
塩 さ ば、 塩 か ず の こ、 塩 た ら こ、
粒うに、練りうに
すじこ、塩うに、塩わかめ
ま ぐ ろ し ょ う ゆ 漬 け、 し め さ ば、
あ こ う だ い の 粕 漬 け、 も ず く 酢、 いわしのぬか漬け、塩辛製品、
食用油脂を加えたまぐろのすき身 鯖のへしこ
(ねぎとろ)
こんぶ巻き
缶詰、瓶詰、レトルトパウチ食品、
調理冷凍食品
19 ゆで、または蒸した魚介類お
よび海藻類(缶詰、瓶詰およ ゆでだこ、ゆでかに、釜揚げしらす、
缶詰、瓶詰、レトルトパウチ食品
びレトルトパウチ食品に該当 蒸しだこ、ふぐ皮の湯引き
するものを除く)
20 表面をあぶった魚介類
かつおのたたき
しょうが醤油をかけたもの、かつ
おたたきにたれをかけたもの
21 フライ種として衣を付けた魚介類 フライ衣をつけたカキフライ用の
(加熱調理したものおよび調理冷 カキ、香辛料入り小麦粉をまぶし 加熱調理したもの、調理冷凍食品
凍食品に該当するものを除く)
たムニエル用のしたびらめ
22 4または 14 に掲げるもののほか
ねぎま串、鍋物セット(生鮮食品 加工食品を混合した鍋物セット、
生鮮食品を異種混合したもの(切
のみで構成するもの)
鍋物、焼き鳥
断せずに詰め合わせたものを除く)
23 農産物漬物
たくあん漬け、らっきょう酢漬け、
なす塩漬け、調味梅干
24 野菜冷凍食品
ミックスベジタブル、ブロッコリー、
さといも、ほうれんそう
25 うなぎ加工品
うなぎのかばやき、うなぎの白焼き
26 かつお削りぶし
かつお削りぶし、さばぶし削り
ぶし、まぐろ削りぶし
※1~22に掲げるものは、原材料および添加物に占める重量の割合が最も高い生鮮食品で、かつ、当
該割合が50%以上であるものの原産地を原材料名に対応させて記載します。
※23~26に掲げるものは、基準第3条の個別の定めに従い原材料名に対応させて原料原産地名を表
示します。
29
4 一定の要件に該当する場合の表示
①原料原産地の表示
次のいずれかで表示してください。
表示例① 原材料名欄に( )で表示する方法
名 称 ゆでがに
原材料名 かに(A 国)
表示例② 一括表示に原料原産地名を設けて表示する方法
名 称 ゆでがに
原材料名 かに
原料原産地名 A 国
※②の場合、原料原産地名欄に記載箇所を
表示すれば、枠外に記載することもでき
ます。
表示例③ 原料原産地が複数ある場合の表示方法
名 称 干しぶどう
原材料名 ぶどう(A 国、B 国、その他)
※重量の多いものから順に原料原産地名を
記載してください。この場合、上位 2 箇
所以上を記載し、それ以下は「その他」
とすることもできます。
②特色のある原材料等の表示
ア 1つの原産地の原材料を表示する方法
当該表示に近接した箇所または原材料名欄に配合割合を表示してください。
(ア)福井県産の大豆の使用割合が100%である場合
表示例① 一括表示部分の原材料名欄で配合割合を表示する方法
原材料名
米、大豆(福井県産 100%)
、食塩
※使用割合が100%の場合「100%」を省略することができます。
表示例② 当該表示に近接した箇所に配合割合を表示する方法
福井県産大豆 100%使用(大豆に占める割合)
※使用割合が100%の場合「100%」を省略することができます。
(イ)福井県産の大豆を50%使用している場合
表示例① 一括表示部分の原材料名欄で配合割合を表示する方法
原材料名
米、大豆(福井県産 50%)
、食塩
表示例② 当該表示に近接した箇所に配合割合を表示する方法
福井県産大豆 50%使用(大豆に占める割合)
30
イ 複数の産地の原材料を表示する方法
当該表示に近接した箇所または原材料名欄に使用割合の多いものから順に配合割合を表示してく
ださい。
福井県産の大豆を 60%、B県産の大豆を 40%使用している場合
表示例① 原材料名欄で配合割合を表示する方法
原材料名
米、大豆(福井県産 60%、B県産 40%)、食塩
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
表示例② 当該表示の近接した箇所に配合割合を表示する方法
福井県産大豆 60%およびB県産大豆 40%使用(大豆に占める割合)
(7)輸入加工食品の表示
①原産国名を表示する必要がある食品
(ア)容器包装され、そのままの形態で消費者に販売される製品(製品輸入)
(イ)バルク(最終製品として包装されていないもの)状態で輸入されたものを、国内で小分けし容
器包装した製品
(ウ)製品輸入されたものを、国内で詰め合わせた製品
(エ)その他、輸入された製品について、国内で「商品の内容について実質的な変更をもたらす行
為」が施されていない製品(※)
※『輸入された製品について、国内で「商品の内容について実質的な変更をもたらす行為」が
施されていない製品』とは…
(ア)商品にラベルを付け、その他標示を施すこと
(イ)商品を容器に詰め、または包装すること
(ウ)商品を単に詰合せ、または組み合わせること
これに加えて関税法基本通達では、次の2点も含まれます。
(エ)単なる切断、単なる混合
(オ)輸送または保存のための乾燥、冷凍、塩水漬けその他これに類する行為
②原産国名
原産国とは、景品表示法に基づく、「商品の原産国に関する不当な表示」に規定されているとおり、
「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」のことを指します。
(ア)緑茶および紅茶…………………… 「荒茶の製造」が行われた国が原産国
(イ)インスタントコーヒー���� コーヒー豆の粉砕、抽出濃縮後の乾燥が行われた国が原産
国となるが、その後、混合された場合には、混合が行われ
た国が原産国(なお、インスタントコーヒーについては、
レギュラーコーヒーとともに公正競争規約では、生豆生産
国を併せて表示することとされています。)。
(ウ)清涼飲料・果汁飲料……………… 希釈した場合は希釈した国が原産国
(エ)詰め合わせ商品…………………… その容器に詰め合わされた個々の商品の原産国が原産国
31
4 一定の要件に該当する場合の表示
③表示義務者
食 品
表示義務者
製品輸入したもの
輸入者に表示義務があります。この場合の輸入者とは、輸入した製品の表示内容につい
て日本国内で責任を持つ者です。
・小分け包装や詰め合わせを行った業者が表示義務となる場合、加工者の表示が必要に
バルクの状態で
なります。なお、別途、輸入者を表示責任者として表示する必要はありません。
輸入されたものを
・販売業者が当該製品の表示内容に責任をもつ旨合意がなされている場合には、当該販
国内で小分け包装
売業者が表示義務者となることもできます。この場合、食品表示法の規定に従って、
した場合
加工者の表示が必要です。
表示例① 甲社がA国で仕上げ包装されたうなぎ蒲焼きを輸入し、そのまま販売する場合
名 称
うなぎ蒲焼き
原材料名
うなぎ、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、
発酵調味料(米、米こうじ、酒、砂糖、食塩)、水あめ、うなぎエキ
ス / 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、アナトー)、
増粘多糖類
内容量
2尾
賞味期限
平成○○年○○月○○日
保存方法
10℃以下で保存してください
原産国名
A国
輸 入 者
甲社 福井県○○市○○町○-○
表示例② 甲社がA国からバルク輸入したうなぎ蒲焼きを国内で小分けし販売する場合
名 称
うなぎ蒲焼き
原材料名
うなぎ、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、
発酵調味料(米、米こうじ、酒、砂糖、食塩)、水あめ、うなぎエキ
ス / 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、アナトー)、
増粘多糖類
内容量
2尾
賞味期限
平成○○年○○月○○日
保存方法
10℃以下で保存してください
原産国名
A国
加 工 者
甲社 福井県○○市○○町○-○
単に小分け包装した場合、製品の内容を実質的に変更する行為にあたらないので、
原産国としてA国の表示をする必要があります。なお、小分けの行為は加工食品
における加工行為に該当するので、輸入品であっても、加工者の表示が必要にな
ります。
(食品表示Q&A加工-159)
32
表示例③ 甲社がA国からうなぎ蒲焼きをバルク輸入し、乙社が加工せずに最終包装し、
丙社が表示内容を含めて責任を持ち販売した場合
名 称
うなぎ蒲焼き
原材料名
うなぎ、しょうゆ(大豆・小麦を含む)、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、
発酵調味料(米、米こうじ、酒、砂糖、食塩)、水あめ、うなぎエキ
ス / 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、着色料(カラメル、アナトー)、
増粘多糖類
2尾
平成○○年○○月○○日
保存方法
10℃以下で保存してください
原産国名
A国
販 売 者
丙社 ○○県○○市○○町○-○
加 工 者
乙社 福井県○○市○○町○-○
第1章 4 一 定 の 要 件 に 該 当 す る 場 合 の 表 示
内容量
賞味期限
丙社が表示内容に責任を持つ旨乙社との間で合意がなされている場合には、丙社
が当該表示内容に責任を持つことも前提として販売者として表示することができ
ます。なお、この場合であっても、加工者として乙社の所在地および氏名の表示
が必要です。
(食品表示Q&A加工-160)
(8)特定物象量表示が義務付けられている食品
下記に例示されている計量法第13条で定める表記義務商品を密封して販売する場合は、特定物象量
(特
定商品ごとに政令で定める物象の状態の量)
および表記者の氏名・住所を表記しなければなりません。
ここで、密封とは、容器に入れまたは包装して、その容器もしくは包装またはこれらに付した封紙
を破棄しなければ内容量の増減ができないようにすることをいいます。
1 精米および精麦
2 豆類(未成熟のものを除く。)
(1) 加工していないもの
(2) あん、煮豆、きなこ、ピーナッツ製品お
よびはるさめ
3 米粉、小麦粉その他の粉類
4 でん粉
5 野菜(未成熟の豆類を含み、漬物以外の塩蔵
野菜を除く。
)
(1) 缶詰および瓶詰、トマト加工品ならびに
野菜ジュース
(2) 漬物(缶詰および瓶詰ならびにらっきょ
う漬以外の小切りまたは細刻していない物
を除く。
)および冷凍食品(加工した野菜
を凍結させ、容器に入れ、または包装した
ものに限る。
)
(3) きのこの加工品および乾燥野菜
6 果実(果実飲料原料を除く)
(1) 漬物(缶詰および瓶詰を除く。
)および冷
凍食品(加工した果実を凍結させ、容器に
入れ、または包装したものに限る。)
(2) (1) に掲げるもの以外の加工品のうち、缶
詰および瓶詰、ジャム、マーマレード、果
実バターならびに乾燥果実
7 砂糖(細工ものまたはすき間なく直方体状に
積み重ねて包装した角砂糖以外のもの)
8 茶、コーヒーおよびココアの調整品
9 香辛料(破砕し、または粉砕したもの)
10 めん類(ゆでめんまたはむしめん以外のもの)
11 もち、オートミールその他の穀類加工品
12 菓子類
(1) ビスケット類、米菓およびキャンデー(ナッ
ツ類、クリーム、チョコレート等をはさみ、
入れ、または付けたものを除くものとし、
1個の質量が3グラム未満のものに限る。)
(2) 油菓子(1個の質量が3グラム未満のも
のに限る。)
(3) 水ようかん(くり、ナッツ類等を入れたも
33
4 一定の要件に該当する場合の表示
のを除くものとし、缶入りのものに限る。)
(4) プリンおよびゼリー(缶入りのものに限る。
)
(5) チョコレート(ナッツ類、キャンデー等
を入れ、もしくは付けたものまたは細工も
のを除く。
)
(6) スナック菓子(ポップコーンを除く。)
13 食肉(鯨肉を除く。
)ならびにその冷凍品およ
び加工品
14 はちみつ
)および加工乳ならびに
15 牛乳(脱脂乳を除く。
乳製品(乳酸菌飲料を含みアイスクリーム類
を除く。
)
※粉乳、バターおよびチーズを含
16 魚(魚卵を含む。
)貝、いか、たこその他水産
動物(食用のものに限り、ほ乳類を除く。)
(1) 冷凍貝柱および冷凍えび
(2) 干しかずのこ、たづくり、素干しえび、煮
干しまたはくん製したもの、冷凍食品(貝、
いか、えびに限る。)、調味加工品(たらま
たは、たいのそぼろまたはでんぶおよびう
にの加工品に限る。)
34
(3) 塩かずのこ、塩たらこ、すじこ、いくら、
キャビア、缶詰、魚肉ハム、魚肉ソーセー
ジ、節類および削節類、塩辛製品ならびに
ぬか・かす等に漬けたもの
17 海藻およびその加工品のうち、生鮮のもの、
冷蔵したもの、干しのりまたはのりの加工品
以外のもの
18 食塩、みそ、うま味調味料、風味調味料
カレールウ、食用植物油脂、ショートニング
およびマーガリン類
19 ソース、めん類等のつゆ、焼肉等のたれおよ
びスープ
20 しょうゆ、食酢
21 調理食品
(1) 即席しるこおよび即席ぜんざい
(2) 冷凍食品、チルド食品、レトルトパウチ
食品ならびに缶詰および瓶詰
22 清涼飲料水の粉末、つくだに、ふりかけならび
にごま塩、洗いごま、すりごまおよびいりごま
23 飲料(医薬用のものを除く)
5 特記事項
(1)添加物の表示方法
①添加物とは
添加物とは、それ自身のみで食品として通常食べられることはなく、また、食品の典型的な材料と
して用いられないもので、食品を製造、加工する際、いろいろな目的で食品に添加されるものです。
第1章 5 特 記 事 項
ただし、昔から一般に食品と考えられてきた砂糖や食塩などは除かれます。 添加物は、次のように分類しています。
1
指定添加物
天然、合成等の製造方法に関わらず安全性と有効性が確認されて、厚生労働大
臣により指定されているもの
2
既存添加物
食経験のある食品等の原料から作られ長年使用されてきて厚生労働大臣が認
め、既存添加物名簿に掲載されている天然添加物
3
天然香料
動植物から得られるもので、食品の着香の目的で使用される天然添加物
4
一般飲食物添加物
一般に食品として飲食に供されているものであって添加物として使用されるもの
[食品と添加物の関係]
食品
添加物
ふつうは食品として扱われる
が、使い方によっては添加物
扱いされるもの(一般飲食物
添加物)
(例:ジュースによる
着色。イカ墨による着色など)
35
5 特記事項
②添加物の種類
現在使用されている主な目的と食品添加物例は以下の表のとおりです。
使用目的別
食品の味を向上
させる
腐敗その他化学
変化による食品
の変質を防ぐ
栄養価の
維持向上
食品を美化し、
魅力を増す
分 類
グルタミン酸ナトリウム、グルタミン、タウリン
甘味料
サッカリン、アスパルテーム、カンゾウ抽出物、ステビア
酸味料
クエン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸
苦味料
カフェイン、ニガキ抽出物、ナリンジン
保存料
ソルビン酸、安息香酸、しらこたん白抽出物
酸化防止剤
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、トコフェロール(ビタミン E)
防かび剤
ジフェニル(DP)、イマザリル、オルトフェニルフェノール(OPP)
アミノ酸類
アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン
ビタミン類
アスコルビン酸、ニンジンカロテン
ミネラル類
亜鉛塩類、未焼成カルシウム、塩化カルシウム
着色料
食用赤色2号、アナトー色素、ウコン色素、クチナシ色素
漂白剤
亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄
発色剤
亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
光沢剤
カルナウバロウ、ミツロウ
香料
増粘剤
イーストフード
ガムベース
かんすい
酵素
食品の製造加工
に必要
チューインガム軟化剤
豆腐凝固剤
乳化剤
pH調整剤
36
添加物例
調味料
アセト酢酸エチル、バニラ、イチゴ
アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グァーガム
塩化アンモニウム、焼成カルシウム
エステルガム、エレミ樹脂
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
アガラーゼ、カタラーゼ
グリセリン、プロピレングリコール
塩化カルシウム、粗製海水塩化マグネシウム
グリセリン脂肪酸エステル、ダイズサポニン、植物性ステロール
クエン酸、リンゴ酸
膨張剤
炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム
その他
シリコーン樹脂、活性炭、流動パラフィン
③表示方法
添加物を食品に使用した場合は、原則としてすべて表示してください。表示するには一定のルールが
あり、それに従って表示してください。
(ア物質名 イ用途名併記 ウ一括名 エ表示免除(表示のいらない添加物))
ア 物質名
使用された添加物はすべて物質名表示が原則です。
品名、別名、簡略名、類別名のいずれかで表示してください。
品名(別名)
第1章 5 特 記 事 項
《品名と簡略名等の例》
簡略名・類別名
サッカリンナトリウム(溶性サッカリン)
サッカリン Na
簡略名
食用赤色 102 号(ニューコクシン)
赤色 102 号または赤 102
簡略名
しらこたん白抽出物(プロタミン)
しらこ
簡略名
L -アスコルビン酸(ビタミン C)
アスコルビン酸または V.C
簡略名
カンゾウ末(甘草末)
甘草
類別名
二酸化硫黄(無水亜硫酸)
亜硫酸塩
類別名
ラック色素(ラッカイン酸)
ラック
簡略名
β - カロテン(β - カロチン)
カロチノイド色素
類別名
硫酸アルミニウムカリウム(焼ミョウバン)
ミョウバン
簡略名
水酸化カルシウム(消石灰)
水酸化 Ca
簡略名
※簡略名等は決められた名称以外は使用できません。
イ 用途名併記
添加物の物質名だけでなく、その用途目的も合わせて表示した方がわかりやすいため、8種類の
用途のものには、その用途名と物質名を併記してください。
《用途名併記の例》
用途名
表示例
甘味料
甘味料(サッカリン Na)、甘味料(ステビア)、甘味料(ア
スパルテーム・L -フェニルアラニン化合物)
着色料
着色料(赤2)、着色料(黄4、青1、アナトー)
保存料
保存料(安息香酸 Na)、保存料(ソルビン酸 K)
増粘剤、安定剤、ゲル化剤または糊料
安定剤(CMC)、ゲル化剤(ペクチン)
酸化防止剤
酸化防止剤(BHT)、酸化防止剤(エリソルビン酸 Na)
発色剤
発色剤(亜硝酸 Na)、発色剤(硝酸 K)
漂白剤
漂白剤(亜硫酸 Na)、漂白剤(亜硫酸塩)
防かび剤または防ばい剤
防かび剤(OPP)または防ばい剤(OPP)
37
5 特記事項
ウ 一括名
添加物には、香料のように微量なものを多種類配合したものや、ガムベースのように複数の成分
を組み合わせることで初めてチューインガムの基材となるもの等があります。これらは、多種類の
物質名を表示するより、目的効果ごとに表示した方がわかりやすいので、一括名で表示することが
できます。
一括名で表示することができるのは14種類で、その目的に使用された場合に限られます。
《一括名の表示の例と目的》
イーストフード
ガムベース
かんすい
一括名
使用目的
イーストの栄養源
チューインガムの基材
中華麺の製造
苦味料
苦味の付与、増強
酵素
光沢剤
香料または合成香料
炭水化物やたんぱく質の分解等を行う
食品に光沢を与える
香りの付与、増強
酸味料
酸味の付与、増強
軟化剤
チューインガムを柔軟に保つ
調味料(構成成分に応じてグループ名を表示)
調味料(アミノ酸)
、調味料(アミノ酸等)
調味料(核酸)
、調味料(核酸等)
調味料(有機酸)
、調味料(有機酸等)
調味料(無機塩)
、調味料(無機塩等)
味の付与、調整剤
豆腐用凝固剤または凝固剤
豆乳を凝固させる
乳化剤
食品の乳化、起泡等
水素イオン濃度調整剤またはpH調整剤
適切な pH 領域に保つ
膨脹剤、膨張剤、ベーキングパウダーまたはふくらし粉
パン、菓子等の製造工程でガスを発生
して生地を膨脹させる
エ 表示免除(表示のいらない添加物)
次のような場合には、表示が免除されます。
●加工助剤
食品の加工の際に添加されたが、「①最終食品として包装する前に食品から除去されるもの、②
食品に通常存在する成分と同じになり、食品中に天然に存在するその成分の量を有意に増加させな
いもの、③最終食品にごくわずかなレベルでしか存在せず、その食品に何ら影響を及ぼさないもの」
のどれかに該当する場合。
●キャリーオーバー
「①原材料(添加物を含む)に対して添加物の使用が認められていて、②その量が許可されてい
る最大量を超えておらず、③食品が、原材料から持ち越される量より多量の該当食品添加物を含有
せず、④持ち越された添加物の量が食品中で効果を発揮するのに必要な量より有意に少ない」とい
うすべての条件に該当する場合。
ただし、最終食品において視覚、味覚等の五感で感知し得る効果を及ぼしている添加物(調味料、
甘味料、着色料、香料等)は、たとえ残留量が微量であるとしても効果は否定できず、キャリーオー
バーには該当しないため、表示が必要です。
●栄養強化目的で使用された食品添加物
栄養強化の目的で使用されるビタミン、アミノ酸、ミネラル。ただし、強化表示を行う場合は、
栄養成分表示ルールに従って表記しなければなりません。
38
(2)栄養成分表示の表示方法
容器包装に入れられた加工食品および添加物には、食品に含まれる栄養成分に関する情報を明らか
にし、消費者に適切な食生活を実践していただくために、栄養成分表示が義務付けられています。
また、食品に含まれている栄養成分および熱量だけでなく、その表示が一定の栄養成分および熱量
についての強調表示である場合には、含有量が一定の基準が満たすことが必要です。
①表示事項
第1章 5 特 記 事 項
●表示が義務付けられている栄養成分(5 成分)
熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム
●表示が推奨されている栄養成分(2 成分)
飽和脂肪酸、食物繊維
●任意で表示されている栄養成分
ミネラル(亜鉛、カリウム、カルシウムなど)、ビタミン(ビタミン A、ビタミン B1、ビタミン C など)
②表示の方法
熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の順で、別記様式
2により表示してください。それ以外の栄養成分もこれと併せて表示する場合には、別記様式3によ
り表示してください。
(別記様式2) (別記様式3)
食品単位当たり
栄養成分表示
熱量
たんぱく質
脂質
炭水化物
食塩相当量
食品単位当たり
kcal
g
g
g
g
●ナトリウム塩を添加していない場合の表示例
食品単位当たり
熱量
たんぱく質
脂質
炭水化物
ナトリウム
(食塩相当量
栄養成分表示
kcal
g
g
g
mg
g)
栄養成分表示
熱量
たんぱく質
脂質
―飽和脂肪酸
―n-3 系脂肪酸
―n-6 系脂肪酸
コレステロール
炭水化物
―糖質
―糖類
―食物繊維
食塩相当量
kcal
g
g
g
g
g
mg
g
g
g
g
g
たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、n-3 系脂肪酸、
mg
n-6 系脂肪酸、コレステロール、炭水化物、糖質、
糖類、食物繊維及びナトリウム以外の栄養成分
・義務表示となっている栄養成分以外で表示しないものについては、この様式中当該成分を省略してください。
・糖質又は食物繊維の量のいずれかを表示しようとする場合は、糖質及び食物繊維の量の両方を炭水化物の内
訳として表示してください。
39
5 特記事項
③強調表示
健康の保持増進に関わる栄養成分を強調する表示は、基準を満たした食品だけに表示できます。
補給ができる旨の表示
強調表示の
種類
基準
表現例
高い旨
含む旨
基準値(※ 1)
以上であること
・高○○
・○○豊富
・○○源
・○○供給
・○○含有
適切な摂取ができる旨の表示
強化された旨
含まない旨
・基準値以上の絶対差
・相対差
(25%以上)
(※ 2)
・強化された量又は
割合と比較対象商
品を表示
基準値(※ 3)
以上であること
・無○○
・○○ゼロ
・ノン○○
・○○ 30%アップ
・○○ 2 倍
低い旨
たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カリウム、カル
該当する シウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、
栄養成分 パントテン酸、ビオチン、ビタミン A、B1、B2、
B6、B12、C、D、E、K、及び葉酸
低減された旨
・基準値以上の絶対差
・相対差
(25%以上)
・低減された量又は
割合と比較対象商
品を表示
・低○○
・○○ 30% カット
・○○控えめ ・○○ g オフ
・○○ライト ・○○ハーフ
熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、
糖類、ナトリウム
(※1)食品表示基準別表第12 (※2)相対差はたんぱく質及び食物繊維のみ適用 (※3)食品表示基準別表第13
糖質を添加していない旨の表示
基準
ナトリウム塩を添加していない旨の表示
・いかなる糖類も添加していない
・いかなるナトリウム塩も添加していない
・糖類に代わる原材料又は添加物を添加していない
・ナトリウム塩に代わる原材料又は添加物を添加
・糖類含有量が原材料及び添加物の量を超えない
していない
・糖類の含有量を表示する
・糖類無添加
表現例 ・砂糖不使用
・ノンシュガー
・食塩無添加
(3)栄養機能食品(基準別表第11)
1日に必要な栄養成分が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品です。すでに
科学的根拠が確認された栄養成分が、定められた上・下限値の範囲内にある食品であれば、届出をし
なくても、国が定めた表現によって機能性を表示できます。対象成分は基準別表 11 に定める 20 種
類の栄養成分です。
40
(4)魚介類の表示方法
①魚介類の名称
魚介類の名称については、「魚介類の名称のガイドラインについて(平成 19 年 7 月 水産庁)」に
より、次のとおり記載してください。
ア 一般ルール
標準和名
第1章 5 特 記 事 項
(ア)魚介類の種毎の表示
種による形態や品質の違いが生産者や流通業者の間で認識され、これが取引価格に反映させて
いる場合は、原則として、種毎の名称を記載してください。
なお、種に応じて、標準和名を基本としつつも、より広く一般に使用されている和名があれば、
この名称を記載してください。
一般に使用される和名
キアンコウ
アンコウ
ホッコクアカエビ
アマエビ、ナンバンエビ
ババガレイ
ナメタガレイ
カラフトマス
アオマス
サケ
シロサケ
マスノスケ
キングサーモン
スケトウダラ
スケソウダラ
キハダ
キハダマグロ
クロマグロ
ホンマグロ
ムラサキイガイ
ムールガイ
ウシエビ
ブラックタイガー
コウライエビ
タイショウエビ
ガザミ
ワタリガニ
(イ)複数の魚介類の総称の表示
複数の種の間で形態や品質の差が判然でない等の理由から、種名の表示が困難であったり、あ
るいは消費者の商品選択にて有用でない場合は、属名、科名、広く一般的に使用されている呼称
等を勘案し、その生鮮魚介類の内容を的確に表し一般に理解されている名称を記載してください。
標準和名
ハマグリ
チョウセンハマグリ
シナハマグリ
マアナゴ
クロアナゴ
総 称
ハマグリ
アナゴ
(ウ)標準和名がない種の名称の表示
標準和名がない種については、広く一般的に使用されている和名、原産国での名称、通常の取
引名、学名等を勘案し、その魚介類の内容を最も的確に表し一般に理解されている名称を記載し
てください。
学名(原産国での名称)
Sardia pilchardus(サーディン)
表 示
イワシ
41
5 特記事項
イ 成長名、季節名
成長段階に応じた名称(成長名)や季節に応じた名称(季節名)があり、その内容を表すものとし
て一般に理解されるものであれば、それらの名称を記載することができます。
成長名の例:ブリ ⇒ ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ(東京)
ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ(大阪)
季節名の例:サケ ⇒ アキサケ・アキアジ(秋頃に産卵のために沿岸に回遊してきたもの)
ウ 地方名
地域特有の名称(地方名)があるものは、その地方名が一般に理解される地域
においては記載することができます。ただし、地元地域以外でも販売される場合は、
消費者がその魚介類の種を識別できるよう地方名に標準和名を併記してください。
本県における主要魚種の地方名と標準和名
地方名
呼称される地域
標準和名
ハモ
小浜市・大飯郡高浜町
マアナゴ
マガレイ
福井市
アカガレイ
エ 海外漁場魚介類および外来種
消費者に優良誤認(例えば分類学上無関係であるにもかかわらず高級魚類に似せた名称を付し
て、あたかもその類縁種であるように誤認させること)を生じさせないよう、一般ルールに従っ
てその内容を最も的確に表し一般に理解される名称を記載してください。
海外漁場魚介類および外来種の名称例
使用できる名称
標準和名(種名)
使用しない名称
左欄に代わる一般的名称
カラフトシシャモ
―
ニジマス
サーモントラウト
シシャモ
―
マジェランアイナメ
メロ、オオクチ
ギンムツ、ムツ
キングクリップ
―
アマダイ
シルバー
シルバーワレフー、ギンヒラス、ギンワレフー
オキブリ
アワビモドキ
ロコガイ(チリでの名称)
チリアワビ
―
ムラサキイタヤガイ、
パープリッシュ・スキャロップ
ホタテガイ
オ ブランド名
ブランド名(商品名)は、食品表示法に基づく魚介類の名称としては使用しないでください。
なお、ブランド名を任意に表示することは差し支えありませんが、景品表示法の不当表示や食
品表示基準の表示禁止事項に該当するような用語を使用してはなりません。
魚介類のブランド名の例
ブランド名
(商品名)
関サバ
越前ガニ
明石ダコ
魚介類の名称
(標準和名)
マサバ
ズワイガニ
マダコ
A
ズワイガニ
越前漁港
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B
ズワイガニ
(越前がに)
越前漁港
C
越前がに
越前漁港
②魚介類の生産水域名の表示方法
生鮮魚介類の原産地については、
「生鮮魚介類の生産水域名の表示のガイドライン」により、各々の
漁業実態に応じて、次に掲げる水域名のうち、実際の生産水域を表し、かつ一般に理解される水域名を
記載してください。
ア わが国周辺の水域名
第1章 5 特 記 事 項
(ア)一般に知られている地名+沖(近海、地先、沿岸等)の水域名
→(例)青森県沖、香川県沖、大分県沖、銚子沖、下田沖、明石沖、北陸沖、三陸沖、
東北沖太平洋、山陰沖、四国沖
(イ)一般に知られている個別水域の名称
海洋→(例)陸奥湾、富山湾、伊勢湾、相模湾、有明海、八代海、紀伊水道、豊後水道、
周防灘、遠州灘、熊野灘、玄海灘、津軽海峡、対馬海峡
内水面(湖沼、河川等)
→(例)琵琶湖、浜名湖、サロマ湖、猪苗代湖、宍道湖、石狩川、利根川、信濃川、
大井川、紀ノ川、吉野川、筑後川
(ウ)我が国漁獲統計海区に準じた水域名
43
5 特記事項
(エ)東日本太平洋における生産水域名の表示
東日本太平洋側で漁獲されたものについては、生産水域の区画を表示してください。
● 回遊性魚種
以下の水域区分図のとおり表示してください。
※
「北海道・青森県沖太平洋」は「北海道青森沖太平洋」または「北海道青森太平洋」、
「日
本太平洋沖合北部」は「日本太平洋北部」、と表示することが可能です。
沿岸性魚種
「○○県沖」
と表示してください。
●
魚種
「回遊性魚種」とは下記の魚種であり、これら以外は「沿岸性魚種」となります。
●
ネズミザメ ヨシキリザメ アオザメ いわし類 サケ・マス類 サンマ ブリ
マアジ カジキ類 サバ類 カツオ マグロ類 スルメイカ ヤリイカ アカイカ
44
イ 世界の水域名
(ア)FAO 漁獲統計海区による水域名
第1章 5 特 記 事 項
(イ)国名+沖(水域、近海)の水域を表す名称
(当該国の領海または排他的経済水域の海域で生産されたものに限る)
ウ 広域な漁場で操業する漁業種類の水域名
広域な漁場を移動しながら漁獲し、漁獲物を水域ごとに区分せずに一括して船上保管や
水揚げを行う場合は、実際の漁獲水域を表し、かつ「FAO 漁獲統計海区」や「我が国漁獲
統計海区」よりも広範な水域名を記載することができます。
→(例)日本海、インド洋、北太平洋等
エ 国際的な漁獲証明制度の対象となっている魚種の水域名
国際漁業管理機関による漁獲証明制度が導入されている魚種(メロ、冷
凍めばちまぐろ、冷凍みなみまぐろ、冷凍くろまぐろ)については、それ
らの漁獲証明制度の水域区分に準じた水域名を記載することができます。
(例)冷凍みなみまぐろ(ICCAT)
→ 太平洋、インド洋、地中海、大西洋等
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5 特記事項
(5)有機食品の表示
有機食品の表示については、平成 11 年の JAS 法改正により、有機農産物および有機農産物加工食
品の日本農林規格(有機 JAS 規格)を制定し、統一的な基準に基づいて生産または製造され、有機
JAS マークが付された食品にのみ「有機」・「オーガニック」等と表示することができます。
有機 JAS マークは、登録認定機関の認定を受けた事業者により、
有機農産物および有機農産物加工食品の日本農林規格に基づい
て生産または製造された有機食品に付けられるマークです。
①有機農産物の基準
(ア)原則として農薬や化学肥料は使用しない。やむをえない
場合、リスト化されたもののみ使用することができる。
(イ)種播きまたは植え付けの時点からさかのぼり 2 年以上、
禁止されている農薬や化学合成肥料を使用していない田畑
で栽培する。
(ウ)生産から出荷までの生産行程管理、格付数量等の記録を
作成する。
(エ)遺伝子組換え由来の種苗を使用しない。
②有機農産物加工食品の基準
(ア)水・食塩を除いた原材料の重量の 95%以上が有機農産物
または有機農産物加工食品である。
(イ)農薬や洗浄剤等から汚染を受けないように管理された工
場等で製造する。
(ウ)原則として化学的に合成された食品添加物や薬剤を使用
しないで製造する。
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