鉄道構造物の維持管理について - 会計検査院

第
3
章
平成 24 年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果
鉄道構造物の維持管理について
第
2
節
第
87
四
(平成 24 年度決算検査報告 845 ページ参照) 国
旅
1
本院が表示した意見及び要求した改善の処置
四国旅客鉄道株式会社
(以下
「会社」
という。
)
は、鉄道営業法(明治 33 年法律第 65 号)等に基
づき橋りょう、トンネル等の鉄道構造物の定期検査を実施することとしており、会社が定め
た実施基準等に基づき、保線区等で定期検査として全般検査を 2 年に一度実施するなどし
て、構造物の健全度を変状の進行性等により判定するなどしている。そして、全般検査の結
果、詳細な検査が必要と判断された場合には個別検査を実施し、橋りょうについては、個別
検査の結果等により、橋りょう修繕計画を毎年度作成して修繕工事を順次実施することとし
ている。しかし、橋りょうの定期検査等において、修繕工事が必要な健全度と判定されてか
ら修繕工事が早期に実施されていなかったり、全般検査の検査記録が適切に整備されていな
いために構造物の維持管理に有効に活用できるものになっていなかったりしている事態が見
受けられた。
したがって、会社において、定期検査等の結果により、修繕工事の実施時期を定めるなど
した橋りょう修繕計画を適切に作成して、修繕工事を着実に実施するための具体的な方策を
検討したり、全般検査の結果が適切に記録されるよう、記録すべき項目を明確にするととも
に、検査記録の適切な整備を図ることについて保線区等に対して周知したりするよう、四国
旅客鉄道株式会社代表取締役社長に対して平成 25 年 10 月に、会計検査院法第 36 条の規定
により意見を表示し及び改善の処置を要求した。
2
当局が講じた処置
本院は、会社の本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、会社は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 26 年 3 月に、定期検査等の結果により橋りょう修繕計画に、修繕工事が必要とされた
橋りょうの修繕工事の実施時期を定めるなどした。そして、修繕工事を着実に実施するた
めの具体的な方策として、新たに修繕工事の管理表を作成し、これにより修繕工事の実績
及び進 状況の確認を行うこととした。
イ 26 年 4 月に、全般検査の結果が適切に記録されるよう全般検査に関するマニュアルを
改正して、検査記録に記録すべき項目を明確にするとともに、検査記録の適切な整備を図
ることについて保線区等に対して周知した。
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客
鉄
道
株
式
会
社