三井物産の劣後特約付シンジケートローンをAに格付

NEWS RELEASE
2016年6月10日
【新規格付】
三井物産
劣後特約付シンジケートローン:
A
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
本ローンは、三井物産が借り入れる劣後特約付ローンで、主な特徴は次の通り。
(1) 期間
・期間は60年。2023年6月15日以降の利払日および税務事由、資本性変更事由の発生により期限前弁済が
可能。利率は2026年6月の利払日以降に0.25%、2043年6月以降、さらに0.75%ステップアップする。
(2) 利息の繰り延べ
・借入人はその裁量により、利息を繰り延べることができ、繰り延べた利息は累積する。
(3) 劣後性
・借入人に清算手続きの開始、破産手続きや更生手続き、民事再生手続き開始の決定をした場合、支払
いは借入人のすべての上位債務に劣後する。
・本契約の各条項は、上位債権者に不利益を及ぼす内容に変更してはならない。
R&Iでは、ハイブリッド証券の性質が、普通株式にどの程度類似しているかを資本性として評価して
いる。本ローンの資本性は「クラス3、資本性50」と判断した。劣後性に加え、利息繰り延べの可能性が
あることや三井物産の信用力を踏まえ、本ローンの格付を発行体格付の2ノッチ下のAにした。なお、本
ローンの格付は、利息繰り延べの蓋然性が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付とのノッチ差を拡
大することがある。
三井物産は日本を代表する総合商社。鉄鉱石、ガス・原油を中心に資源・エネルギー分野で、強固な
収益基盤を構築している。非資源事業でも強みはあるものの、事業ポートフォリオに占める資源・エネ
ルギー分野への依存度が総合商社の中でも高い。非資源分野の拡充による事業ポートフォリオの改善が
課題だ。積極的な投融資スタンスに変わりはないが、2017年3月期までの中期経営計画では、フリーキャ
ッシュフローの黒字化定着に向けて資産の入れ替えに注力している。大きな損失がなければリスク耐久
力は格付に見合う水準を維持できよう。
ただし、商品市況の低迷により収益力は以前より低下している。大規模な減損損失が発生して、リス
ク耐久力が大幅に低下する蓋然性が高まっていると判断し、2016 年 2 月に格付の方向性をネガティブに
変更している。三井物産の収益力・キャッシュフロー創出力は低下しており、中期的にみても格付対比
で改善の余地がある状態が続くとみている。
三井物産は、総合商社のビジネスが資源価格や外部環境の変化の影響を大きく受ける中、有利子負債
のうち一定程度を資本に類似する性質を持つ劣後特約付ローンで調達することで、収益力強化の加速を
目的とした成長戦略を補完しながら、資金調達の多様化と調達基盤の拡充を図る方針である。三井物産
は、期限前弁済する場合、同等の資本性を確保できる手段で資金調達することを基本方針にしている。
R&Iはこのような同社の方針を前提として、本ローンを財務リスク評価に織り込む。
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
©Rating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
【格付対象】
借入人:三井物産 (証券コード:8031)
名称
金額
借入実行日
借入満期日
格付
担保・保証
【参考】発行体格付
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■報道関係のお問合せ先
株式
会社
劣後特約付シンジケートローン
3,500億円
2016年06月15日
2076年06月15日
A(新規)
無担保
AA- [格付の方向性:ネガティブ]
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: 経営企画室(広報担当)
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信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
中島 快
細田 弘
信用格付を付与した日
主要な格付方法
2016年06月10日
事業法人等の信用格付の基本的な考え方 [2015.05.01]
総合商社 [2015.05.13]
ハイブリッド証券の資本性の評価と格付の視点 [2015.05.08]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載
しています。http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
三井物産、三井住友銀行
注
格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報
品質確保のための措置
情報提供者
決算書類、開示情報、個別債務に関する情報
公認会計士の監査済みである、またはそれに準じた信頼性が確保され
ている決算書類であること。一般に開示された、またはそれに準じた
信頼性が確保されている情報であること。
格付関係者
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約
定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債
務等の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何
ら意見を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来
の事実の表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその
他の意見についての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項
について、いかなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これら
の情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合
には、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信
用格付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性
が高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することが
あります。
■お問合せ先
■報道関係のお問合せ先
株式
会社
: インベスターズ・サービス管理部 TEL. 03-3276-3511
: 経営企画室(広報担当)
TEL. 03-3276-3438
格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1
E-mail. [email protected]
日本橋一丁目三井ビルディング
http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありません。また、R&Iは、信
用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に際し関連情報の正確性等につき独自の
検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につき、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発
行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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