Today’s Headline ご参考資料 ご参考資料 “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン アジア 2016年5月25日 蔡総統に求められる台湾経済の建て直し 台湾で8年ぶりとなる政権交代で、懸案となっていた対中関係について蔡総統は、過去を踏まえ、安定的な発展を進 めると述べ、現状維持を打ち出すことで無難に切り抜けました。今後注力するのは経済の建て直しと見られます。 台湾蔡英文総統:就任演説で「一つの中国」 に言及せず 台湾独立志向を持つ民主進歩党(民進党)の蔡英文氏が 2016年5月20日に第14代総統に就任しました。その後の台 湾株式市場(加権指数)は3%を上回る上昇率となるなど、蔡 総統就任の影響は小幅に止まっています(図表1参照) 。中 国は「一つの中国」原則と、その原則を確認したとされる 「1992年コンセンサス(合意)」の受け入れを迫っていました が、蔡総統は、就任演説で「一つの中国」原則に言及せず、 92年に中台双方の窓口機関が会談した「歴史の事実」を「尊 重する」と述べるにとどめました。 3つ目は、台湾経済の構造に変化が見られないことです。台 湾は電子部品の輸出に依存するビジネスモデルを発展させ たとは言い難い状況です。短期的にはiPhone7に関連した注 文による回復が期待されますが、中長期的なビジネスモデル の改善も必要と思われます。また、なかなか実現できていな い、台湾が独自のブランドと独自の技術で製品を送り出すと いう課題も残っています。ただ、鴻海精密工業(ホンハイ)が シャープを買収するなど変化の兆しも見られます。 台湾は今後、経済パートナーの拡大が必要で、国民党から 民進党への政権交代は台湾がどの方向に向かうべきかを国 民が選択した結果と考えられます。中国との関係を保ちつつ、 台湾が他国との関係をどう強化するかに注目しています。 どこに注目すべきか: 台湾政権交代、TPP、iPhone7、ブランド 台湾で8年ぶりとなる政権交代で、懸案となっていた対中関 係について蔡総統は、過去を踏まえ、安定的な発展を進め ると述べ現状維持を打ち出すことで無難に切り抜けました。 そこで今後は経済の建て直しに注力すると見られます。 見直しが必要な点の1つ目は中国との依存関係が強すぎる ことです。台湾のGDP(国内総生産)成長率は足元3四半期 連続でマイナスとなっています(図表2参照)。一方で、台湾の GDP成長率の推移を振り返ると、リーマンショック後、台湾経 済は急速に回復しました。経済危機に対応して中国が巨額 の財政政策を実施、台湾も恩恵を受けた面が見られ、2008 年に国民党の馬政権が成立、中国との関係が強化された のは幸運だったとも見られます。しかし、足元の台湾経済の 不振は中国の成長率の低下を反映しており、時間をかけて 中国との依存関係を見直す必要もあると思われます。 次に、台湾は中国経済以外との経済連帯協定に遅れが目 立つことも問題と見られます。実際、台湾は主要国では中国 以外ではシンガポールやニュージーランドと協定を結んでい る程度です。その意味で、蔡総統が就任演説で、環太平洋 戦略的経済連携協定(TPP)への加盟を求める方針を表明 したことは、台湾にとって重要度が高いと見られます。 ピクテ投信投資顧問株式会社 図表1:台湾加権指数の推移 (日次、期間:2015年5月25日~2016年5月24日) 10000 指数 台湾加権指数 9000 8000 7000 15年5月 15年8月 15年11月 16年2月 16年5月 図表2:台湾のGDP(国内総生産)成長率の推移 (四半期、期間:2006年1-3月期~2016年1-3月期、前年同期比) 20 % 台湾GDP成長率 (前年同期比) 10 0 -10 06年3月 09年3月 12年3月 15年3月 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 記載された銘柄はあくまでも参考として紹介したものであり、その銘柄・企 業の売買を推奨するものではありません。 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的と したものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用に よる損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆 あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、 その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、 作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本およ び利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構 の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりませ ん。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するも のではありません。
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