「自浄サイクル」が加齢とともに停滞することを発見

2016 年 5 月 25 日
NEWS RELEASE
肌の「自浄サイクル」が加齢とともに停滞することを発見
劣化したヒアルロン酸やコラーゲンを分解、産生し
肌のうるおい・ハリ向上につなげる新たなアプローチを創出
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:三浦卓士)は、
1) 加齢や酸化などにより劣化※1 した肌内部のヒアルロン酸、コラーゲンを新しく作り変える
「自浄サイクル」が加齢とともに停滞すること
※1 低分子化あるいは断片化すること
2) シラカバとハトムギのオリジナル複合エキスに「自浄サイクル」機能を高める効果があること
を発見しました。
上記の発見に対し、シラカバとハトムギの複合エキスを配合した化粧料を使用することで、肌の「自浄サイクル」
が高まり、ヒアルロン酸やコラーゲンが産生され、健やかでうるおいとハリのある肌への改善が期待されます。
この研究成果は、6 月 3 日~5 日に京都で開催される第 115
図1. 細胞外マトリクスの分解・産生サイクル
回日本皮膚科学会総会および 8 月に開催される国際学会にて
発表されます。また、ポーラ・オルビスグループの株式会社ポー
新しい
劣化
ECM
ECM
ラから今秋発売される化粧品に活用される予定です。
細胞外
細胞内
肌の「自浄サイクル」機能が加齢とともに停滞
新しいECM
劣化ECM
肌の細胞の外側には、生体を構成する高分子の集合体であるヒア
産生
分解
ルロン酸やコラーゲン等の細胞外マトリクス成分(ECM)が存在します。
ECM(細胞外マトリクス)=ヒアルロン酸・コラーゲン等
ECM は加齢や酸化などにより劣化し、そのまま肌に蓄積されます。
図2. 加齢による表皮細胞内の分解機能の低下
通常、表皮及び真皮の細胞は、劣化した ECM を細胞内に取り込ん
で分解し、新しく作り変えて再び細胞外に送り出す「自浄サイクル」を
持つ、と報告されています(図 1)。
今回、ECM のヒアルロン酸とコラーゲンを対象に、細胞の「自浄サイ
クル」を促す分解機能に着目して研究を進めました。その結果、分解
に関与するリソソームの活性が、加齢により低下することが明らかとな
10μ m
りました。
若齢細胞
老齢細胞
(新生児由来)
(45歳由来)
ECM の分解には細胞内のリソソームという器官に含まれる複数の酵
※ECMの分解を行うリソソームを染色(赤色)
若齢細胞には活性化したリソソームが多数存在(白矢印)
素が関与します。若齢細胞と老齢細胞のリソソームを比較したところ、
老齢細胞の方がリソソームの活性が低下することが明らかとなりました(図 2)。
シラカバ、ハトムギ複合エキスが肌の「自浄サイクル」を高め、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促進
細胞の「自浄サイクル」を促進する素材を探索した結果、シラカバとハトムギの複合エキスに細胞内の分解機能
を高め(図 3)、結果として新たなヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促進する効果が見出されました(図 4、図 5)。
図3. シラカバ+ハトムギ複合エキスは表皮細胞の
ECM分解機能(自浄サイクル)を高める
**
増加
140
120
100
80
60
40
20
0
** ;P<0.01,
t-test
エキス
なし
シラカバ
+
ハトムギ
1600%
2000
増加
**
1500
1000
500
200
50%
180
増加
*
160
140
120
100
80
60
40
20
0
** ;P<0.01,
t-test
コラーゲン遺伝子発現量比(%)
(エキスなしを100とする)
ECM分解機能(%)
(エキスなしを100とする)
160
図5. シラカバ+ハトムギ複合エキスにより
真皮線維芽細胞のコラーゲン産生が上昇
2500
50%
ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現量比(%)
(エキスなしを100とする)
180
図4. シラカバ+ハトムギ複合エキスにより
表皮細胞のヒアルロン酸産生が上昇
エキス
なし
シラカバ
+
ハトムギ
0
* ;P<0.05,
t-test
エキス
なし
シラカバ
+
ハトムギ
【本件に関するお問い合わせ先】 (株) ポーラ・オルビスホールディングス コーポレートコミュニケーション室
Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543