解析学III演習問題

解析学 III 演習問題
2016.05.24
15 ai,j (i ∈ {1, . . . , n}, j ∈ {1, . . . , n}) は定数とし、
f (x) =
n ∑
n
∑
ai,j xi xj
i=1 j=1
(x = (x1 , . . . , xn ) ∈ Rn ) とおく。
(1)
∑∑
∂f
(x) =
ai,j (δk,i xj + xi δk,j )
∂xk
i=1 j=1
n
∀k ∈ {1, . . . , n} ∀x = (x1 , . . . , xn ) ∈ R
を示せ。ここで
δk,i =
n
{
1
( k = i のとき )
0
( k ̸= i のとき )
n
である。
(2)
∑
∂f
(x) =
(ak,i + ai,k ) xi
∂xk
i=1
n
∀k ∈ {1, . . . , n} ∀x = (x1 , . . . , xn ) ∈ R
n
を示せ。
16 f : R2 → R は C1 級であり、R2 の各点 (x, y) で
∂
fy,x (x, y) =
∂x
(
∂f
∂y
)
∂
fx,y (x, y) =
∂y
(x, y),
(
∂f
∂x
)
(x, y)
が存在し、そのうちの一方
∂
fx,y (x, y) =
∂y
(
∂f
∂x
)
(x, y)
が R2 の各点において連続であるとする。fy,x は先に y について偏微分してそのあと x に
ついて偏微分したものを表し、fx,y は先に x について偏微分してそのあと y について偏微
分したものを表している。
以下、(a, b) は R2 の固定した点とする。
(1)
)
(
1
(f (a + h, b + k) − f (a + h, b) − f (a, b + k) + f (a, b))
fy,x (a, b) = lim lim
h→0 k→0 hk
を示せ。
1
(2)
∫
1
f (a + h, b + k) − f (a, b + k) = h
fx (a + ht, b + k)dt
0
∫
1
f (a + h, b) − f (a, b) = h
fx (a + ht, b)dt
0
を示せ。
(3)
∫
fx (a + ht, b + k) − fx (a + ht, b) = k
1
fx,y (a + ht, b + ks)ds
0
を示せ。
(4)
(
fy,x (a, b) − fx,y (a, b) = lim
h→0
∫
1
(∫
lim
k→0
0
1
) )
(fx,y (a + ht, b + ks) − fx,y (a, b)) ds dt
0
を示せ。
(5) これを使って fy,x (a, b) = fx,y (a, b) を示せ。
17 a は Rn の部分集合 Ω の内点であるとする。したがって ∃ρ > 0 U(a; ρ) ⊂ Ω となっ
ている。ここで U(a; ρ) = { x ∈ Rn ; |x − a| < ρ } である。f : Ω → R は a において全
微分可能であり、G = (G1 , . . . Gn ) は R の開区間 I で定義されて Ω に値をとる写像であ
り、t0 ∈ I, G(t0 ) = a, 各 Gj は t0 において微分可能とする。
′
(f ◦ G) (t0 ) =
n (
∑
∂f
j=1
∂xj
)
(G(t0 )) Gj ′ (t0 )
を示せ。
18 f : Rn → R は Rn の点 a において全微分可能とし、
(
gradf (a) =
)
∂f
∂f
∂f
(a),
(a), . . . ,
(a)
∂x1
∂x2
∂xn
と書く。
(1) ベクトル u ∈ Rn を固定するごとに
d
(f (a + tu))(0) = u · gradf (a)
dt
を示せ。
2
(2)
Sn−1 = { u ∈ Rn ; |u| = 1 }
とおく。Sn−1 を定義域とする関数
(u · gradf (a))u∈Sn−1
は、ベクトル u が gradf (a) と同じ向き、すなわち、∃c ≥ 0
値 |gradf (a)| をとることを示せ。
gradf (a) = cu のとき最大
(3) 逆も成立つことを示せ。
√
19 複素数の全体を C と書く。関数 f : C → C と C の点 a = a1 + −1a2 (a1 , a2 ∈ R)
について、
(1)
∃c ∈ C ∀ε > 0 ∃δ > 0 ∀z ∈ U(a; δ)
f (z) − f (a)
<ε
−
c
z−a
がなりたつとき、
Re f (x +
√
√
−1y) と Im f (x + −1y) は (x, y) = (a1 , a2 ) において全微分可能
を示せ。ここで U(a; δ) = { z ∈ C ; |z − a| < δ } である。
(2) 逆は成立たない。反例を作れ。
3