平成28年 5月17日 青森河川国道事務所 企業立地の促進や「リンゴ」産業の活性化を支援 ~国道7号弘前・石川バイパス 4車線開通5年後の整備効果~ ■一般国道7号弘前バイパス(延長 10.2km)・石川バイパス(延長 4.6km)は、弘 前市街地及び藤崎町内の国道7号の交通混雑の解消や交通安全の確保等を目的に整 備を進め、平成23年度に全線4車線化が完成しました。 今回、開通5年後の整備効果についてとりまとめましたのでお知らせします。 ◆地域の雇用拡大に貢献し産業活性化に寄与 (事例①:工業団地への企業立地が進み、平成25年には製造品出荷額が過 去最高) ◆地域の基幹産業である「リンゴ」産業の活性化に寄与 (事例②:輸送時間短縮、走行性向上により、産業活性化を物流面から支援 し、市場価格も高まる傾向) ◆観光来訪者の円滑な移動支援の面から地域の観光活性化に寄与 (事例③:さくらまつり期間の渋滞が大幅に緩和(市中心部→大鰐弘前 IC 間 30 分以上短縮)) 【事業経緯】<弘前バイパス> 昭和 44 年度 事業着手 昭和 52 年度 全線 2 車線開通 平成 23 年度 全線 4 車線開通 <石川バイパス> 昭和 48 年度 事業着手 昭和 55 年度 全線 2 車線開通 平成 23 年度 全線 4 車線開通 <記者発表先:青森県政記者会、津軽新報社、建設関係専門紙> お問い合わせ先 国土交通省 東北地方整備局 青森河川国道事務所 たかはし ひでのり 副所長(道路) 高橋 秀典 (内線 205) (代表)017-734-4521 調査第二課長 佐々木 耕嗣 (内線 451) (直通)017-734-4570 さ さ き こうじ ひろさき 一般国道7号 弘前バイパス いしかわ 一般国道7号 石川バイパス 【開通5年後の整備効果資料】 0 平成28年 5月17日 国土交通省 東北地方整備局 青 森 河 川 国 道 事 務 所 0 1.事業の目的と概要 事業完了後5年経過 ○事業目的 ・弘前市街地及び藤崎町内の国道7号の交通混雑の解消、 交通安全の確保など 弘前バイパス計画概要 起終点 ひろさき ほりこし 弘前・石川バイパス ふじさきまち 車線数 ふじさき 単位:m 石川バイパス計画概要 起終点 みなみつがる ふじさき まち 7.0 2.0 ひろさき いしかわ とめおか ひろさき ほりこし かわい 7.0 4車線以上 2車線 ふじさき (至)南津軽郡藤崎町大字藤崎 T’10=23,798台/日 その他凡例 市役所・役場 H22センサス交通量 岩手県 DID(人口集中地区) 宮城県 T’10=23,798台/日 T’10=41,354台/日 23.5(4車線) 1.75 2.0 弘前バイパス 延長10.2㎞ T’10=32,383台/日 T’10=20,318台/日 :自)青森県弘前市大字石川字留岡 至)青森県弘前市大字堀越字川合 延長 :4.6km 幅員 :23.5m 道路規格 :第3種1級 設計速度 :80km/h 都市計画決定 :昭和48年度 標準横断図 事業化 :昭和48年度 用地着手 :昭和50年度 工事着手 :昭和53年度 暫定2車線開通:昭和55年度 4線車整備着手:平成19年度 4線車開通年度:平成23年度(H24.3) 単位:m 2.0 1.75 1 道路種別 評価対象区間 高規格幹線道路 一般国道 主要地方道・一般県道 T’10=11,933台/日 青森県 至)青森県南津軽郡藤崎町大字藤崎 延長 :10.2km 幅員 :23.5m 秋田県 道路規格 :第3種1級 設計速度 :80km/h 都市計画決定 :昭和45年度 山形県 事業化 :昭和44年度 用地着手 :昭和45年度 工事着手 :昭和46年度 福島県 標準横断図 暫定2車線開通:昭和52年度 4車線整備着手:昭和56年度 4車線開通年度:平成23年度(H23.4) 2.0 1.75 N 凡例 T’10=20,624台/日 かわい :自)青森県弘前市大字堀越字川合 みなみつがる 至 青森市 平面図 位置図 T’10=27,772台/日 ひろさき 23.5(4車線) 7.0 2.0 7.0 ほりこし T’10=18,764台/日 かわい (至/自)弘前市大字堀越字川合 1.75 2.0 石川バイパス 延長4.6㎞ T’10=17,939台/日 ひろさき いしかわ とめおか (自)弘前市大字石川字留岡 至 大館市 2.事業効果の発現状況(1) 企業立地による地域の活性化 【事例①】 ◆弘前・石川バイパス沿線には工業団地が造成され、企業立地も進み製造品出荷額も増加し平成25年は過去最高 ◆弘前市の有効求人倍率も過去5年間で最高となる等、弘前・石川バイパス4車線開通は地域の雇用拡大に貢献し産業活性化に寄与 ▼ 弘前市の製造品出荷額等及び企業立地の推移 ▼ 工業団地位置及び主要企業の主な材料搬入・製品出荷状況 N 弘前市内の工業団地 団地名 企業数 分譲完了時期 北和徳 6社 H3年7月 藤代 32社 H19年3月 弘前オフィス アルカディア 27社 2,000 1,600 弘前 バイパス 200 昭和50年以前の 企業誘致数累計:13 0 S50 S53 製造品出荷額 S58 S63 H5 H10 青森県有効求人倍率 石川 バイパス 1.00 223 弘前航空電子(株) 0.80 1日当たり大型トラック3台、 4tトラック1台分の電子 部品を関東方面に出荷 0.60 0.40 弘前航空電子(株) 関東方面から主に資材を 搬入 250 245 0.85 0.90 0.87 0.96 0.93 0.76 0.59 0.50 0.61 0.58 H22 H23 過去5年で最高の 有効求人倍率 H24 H25 H26 【資料】 有効求人倍率:青森労働局HP(毎年10月) 給与:工業統計 秋 田 県 関東方面へ 出荷 H20 0 H25 ▼ 従業員数の推移 (億円) 265 255 10 企業誘致数累計 H15 弘前市有効求人倍率 現金給与総額 20 資料:工業統計、H27ヒアリング調査 ▼ 有効求人倍率及び現金給与総額 弘前オフィス・ アルカディア 30 弘前オフィス・アルカディア 分譲終了 北和徳工業団地 分譲終了 386 400 藤代工業団地 40 藤代工業団地 分譲終了 600 資料:H19・H27ヒアリング調査 60 50 800 北和徳工業団地 2 (件) 70 1,200 1,000 関東方面から 材料を収集 1,941 弘前バイパス4車整備着手 1,400 H26年3月 青 森 県 S50の約5倍 石川バイパス4車整備着手 1,800 弘前航空電子(株) 従業員数:約800名 毎年、安定した 企業進出の実績 製造品出荷額は増加傾向 平成25年には過去最高額 (億円) 電子部品・デバイス・電子回路製造業従業者数 業務用機械器具製造業従業者数 (人) 245 5,000 225 4,000 205 3,000 185 165 145 2,000 1,000 0 従業者数は 約1.8倍に増加 4,473 1,416 2,465 1,791 3,057 674 H21 H24 資料:RESAS[従業者数(事業所単位)] 弘前市産業育成課 ○ 弘前市内の主な工業団地は、すべて分譲率100%です。 ○ 弘前市への企業の進出要因は、弘前・石川バイパスも含めた 充実した交通基盤も1つの要因となっていると考えます。 (H27.12調査) 2.事業効果の発現状況(2) 地域の特産品の物流効率化を支援 【事例②】 ◆弘前市の『リンゴ』生産量は日本一であり、近年の出荷量は増加傾向 ◆『リンゴ』の9割は、トラック輸送にて弘前・石川バイパスを経由し関東・関西等へ消費地ニーズに応じて出荷され、市場価格も高まる傾向 ◆弘前・石川バイパス4車線開通により、効率的な輸送が可能となり地域の基幹産業である『リンゴ』産業の活性化を支援 ▼ 全国市町村別リンゴの生産量TOP10(H18) JAつがる弘前 ○りんごは、最盛期に10t車で20~30台/日が出荷され、関東 方面へは、国道7号から大鰐弘前IC、関西方面へは、国道 7号を南下し日本海ルートで関西へ輸送しています。 ○所要時間は、大鰐弘前ICまでの所要時間は5分~10分程度 短縮し、特に冬期は走りやすくなっています。 (H28.2調査) ▼ JAつがる弘前 主なリンゴ関連施設とリンゴの出荷状況 至 青森市 生産量(千t) 200 100 資料:弘前シティプロモーションHP 177 0 弘前バイパス JAつがる弘前 最盛期には1日当たり 10t車で20~30台分の りんごを出荷 青森県 弘前市 39 37 長野県 長野市 青森県 青森市 市場価格 60.0 288 234 40.0 石川バイパス JAつがる弘前 りんご関連施設 3 至 大館市 関東・関西 方面へ出荷 資料:H27ヒアリング結果 20.0 30 青森県 青森県 平川市 黒石市 資料:りんご大学HP りんご販売数量(全国) 70.0 30.0 33 トラック 89.8% リンゴの輸送手段の 約9割はトラック 資料:青森県のりんご ‘15 ▼ 全国りんご販売数量と市場価格の推移 出荷量 (千t) 50.0 凡例 H26 29.4 千t 50 N その他 6.99% 鉄道 3.17% 弘前市は 国内一の リンゴ産地 150 ▼ リンゴ輸送機関別出荷実績 50.6 59.0 H18 年産 H20 年産 近年の出荷量は増加傾向、さら には市場価格も高まる傾向 261 263 50.0 51.5 市場価格 (円/kg) 400 315 300 59.6 200 10.0 0.0 100 H22 H24 H26 年産 年産 年産 【資料】販売数量:JAつがる弘前りんご課 市場価格:青森県のりんご ’15 青森県りんご商業協同組合連合会 ○近年の市場価格伸びの一因には、弘前バイパス、高速道路等の整備により臨機 応変に顧客ニーズ(価格)の高い消費地にトラックでりんごを輸送できるように なったことも挙げられます。 (H28.2調査) 2.事業効果の発現状況(3)観光の活性化 【事例③】 ◆弘前市は、来場者数230万人の『弘前さくらまつり』等多様な観光資源を有し、観光入込客は東日本大震災前の水準に回復 ◆弘前・石川バイパス4車線開通後は、弘前さくらまつり期間の渋滞が大幅に緩和する等、観光来訪者の円滑な移動支援の面から地域の 観光活性化に寄与 ▼ 弘前市観光入込客 ▼ 弘前市の主な観光拠点と入込客数 至 青森市 弘前さくらまつり N (千人) 5,000 230 万人 ※東日本大震災による影響 4,551 4,138 4,000 (H26) 4,676 4,570 4,509 3,000 運動公園前交差点 →大鰐弘前IC間 所要時間 30分以上短縮 弘前バイパス 資料:弘前公園HP 2,000 1,000 0 弘前さくらまつり来場者数 H22 H23 H24 H25 H26 資料:青森県観光入込客統計 ■弘前さくらまつり開催期間中の混雑変化(市中心部→大鰐弘前IC) ▼ 弘前さくらまつり期間中(4/29~5/5)の混雑状況(休日15~18時) 石川バイパス 運動公園前交差点 弘前バイパス 運動公園前 交差点 (H ) 車線開通前 4 大鰐弘前IC 22 (H ) 車線開通後 ▲ 4車線開通前 弘前さくらまつり 開催期間中の渋滞の様子 門外富岡 交差点 石川バイパス 堀越東側 堀越 交差点 交差点 27 岩舘 交差点 大鰐弘前 IC 30分以上短縮 4車線開通前所要時間 約42分 凡 例 (旅行速度) 10km/h以下 : 10~20km/h : 4 至 大館市 4 2,300 弘前市観光入込客 20~30km/h : 4車線開通後所要時間 約10分 30~40km/h : 40km/h以上 : 資料:プローブデータ 2.事業効果の発現状況(4) 道路交通環境の改善 ◆弘前・石川バイパス4車線開通に伴い、渋滞は大きく減少し、道路利用者の9割が渋滞緩和を実感 ◆また、渋滞緩和に伴い、弘前・石川バイパスを経由した大鰐弘前ICへのアクセス性も向上(所要時間が短縮) 至 大館市 ▼ 4車線開通前と比べて渋滞が緩和したと感じる人の割合 ▼ 最大渋滞長の変化 4車線開通前後における国道339号バイパス入口交差点 4車線開通前 4車線開通後 (m) 2,500 国道339号バイパス 入口交差点 最大渋滞長 あまり思わない 2.6% どちらとも いえない4.8% 2,000 至 大館市 至 青森市 1,500 至 青森市 至 青森市 1,000 国道339号バイパス入口交差点 弘前バイパス 渋滞方向 N 8割削減 2,200 ややそう思う 9.1% 500 0 思わない 0.0% わからない 4.3% 回答数 N=418 400 4車線開通前 4車線開通後 (H14) (H17) 資料:交通実態調査結果 資料:弘前バイパス・石川バイパス 観光期ヒアリング調査(H27年度) ▼ 藤崎町~大鰐弘前IC間走行速度(平日ピーク時) 藤崎町→大鰐弘前IC間 所要時間 10分短縮 ■ 4車線開通前(H15~19) ■ 4車線開通後(H24) (km/h) 45.0 7.5km/h向上 11.0km/h向上 40.0 石川バイパス 5 約9割の道路利用 者が『渋滞緩和』 を実感 そう思う 79.2% 上りは旅行速度が 11.0km/h向上 35.0 41.1 40.4 30.0 25.0 至 大館市 33.6 29.4 上り 下り 【資料】4車線開通前:旅行速度調査(H15~H19) 4車線開通後:プローブデータ(H24.7) 2.事業効果の発現状況(5) 交通事故の減少 ◆死傷事故件数は、弘前・石川バイパス4車線開通に伴いピーク時の約6割までに減少し、弘前・石川バイパス4車線開通は交通安全の 確保に寄与 ▼ 弘前・石川バイパス 交通死傷事故発生件数の推移 至 青森市 N (件) 160 120 93 93 弘前バイパス A区間 L=740m 80 B区間 L=200m 40 C区間 L=500m 0 D区間 L=1,970m 弘前 バイパス E区間 L=4,190m 99 113 95 106 死傷事故 件数 (件) 石川バイパス G区間 L=1,260m S58年度 C区間 4車線開通 S60年~H3年度 E区間 4車線開通 H6~H8年度 D区間 4車線開通 ※ 【分析対象区間 :A・B・F・I区間】 38 35 30 25 I区間 L=3,500m H11年度 B区間 4車線開通 81.3 102 93 78 H16年度 A区間 4車線開通 石川 バイパス H18年度 F区間 4車線開通 H22年度 I区間 4車線開通 86 89 78 85 90.0 28 80.0 59.0 2車線時3年間平均 4車線化後3年間平均 ※分析対象区間はイタルダデータにて分析が可能な区間 60.0 50.0 資料:イタルダデータ(H8~H25) H23年度 G区間 4車線開通 H23年度 H区間 4車線開通 資料:イタルダデータ(H8~H25)、 道路交通センサス(H2、H6)、 交通管理調査報告書(S57~S63) 70.0 15 至 大館市 死傷事故率 (件/億台キロ) 100.0 20 10 89 S57 S59 S61 S63 H2 H6 H8 H9 H10H11H12H13H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25 40 H区間 L=1,100m 全線4車線開通後は ピーク時の約6割に減 少(148→85件) 119 98 91 ▼ 弘前・石川バイパス 4車線開通前後における 死傷事故件数と死傷事故率 F区間 L=1,300m 6 104 148 140 135 127 126 114 交通事故発生状況
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