北海道大学大学院医学研究科公衆衛生学分野 特別セミナー ソーシャル・キャピタルを活かした健康づくり ~日本の社会がもつ素晴らしい側面の健康への影響を解き明かす 講師:ハーバード公衆衛生大学院社会行動科学学部 学部長・教授 Ichiro Kawachi(イチロー・カワチ)先生 社会疫学とは,健康の社会的決定因子(social determinants of health)を研究する分野である。治療技術の進歩や病気の遺 伝子レベルの原因解明が健康に寄与するのは間違いないが,それ だけが健康を決定するわけではない。貧困や所得格差などの社会 的決定因子もまた健康に強く影響を与えるのである。 臨床医学は生死と病気の関係(治療)を取り扱い,公衆衛生は病 気と個人のリスク因子の関係(予防)を取り扱ってきた。社会疫 学 で は,個 人 の リ ス ク 因 子 と 社 会 的 決 定 因 子 という さらに” upstream”な関係を取り扱う点が特徴である。また,分子生物 学などが人間個人のレベルよりもミクロな世界へのアプローチで あるのに対し、社会疫学は一人の個人よりもマクロな社会に着目 し,健康の社会的決定因子を明らかにしようとするアプローチと 言うこともできる。 日時:平成28年5月30日(月)15:30~17:00 場所:医学部学友会館フラテ ホール 日本、ニュージーランド、米国と いう大きく異なる三つの文化を直 プロフィール:Ichiro Kawachi に体験したことで見えてきた「日 Harvard School of Public Health (HSPH) 本の良さ」。同時に健康の社会的 John L. Loeb and Frances Lehman Loeb Professor of Social Epidemiology 決定要因に着目する社会疫学の基 礎を学ぶことで、価値観の多様化 とともに、うまく機能しなくなっ Chair, Department of Social and Behavioral Sciences てきた公衆衛生活動にヒントを見 ハーバード公衆衛生大学院社会行動科学学部学部長・教授 いだすことができる、またとない 東京生まれ、12歳でニュージーランドに移住し、オタゴ大 学医学部卒業、同大学で博士号を取得。1992年にHSPHに 着任し、2008年から現職。 講演の機会です! 使命は社会疫学の研究と後輩の育成。そして、日本酒と 鮨のすばらしさを世界中に広めることである。 連絡先:医学研究科 公衆衛生学分野 *下記連絡先まで事前にお申し込みください。 メール:[email protected] 電話:(011)706-5068 担当:スチュアート江利子
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