2016 年 5 月 12 日 日本銀行帯広事務所 十 勝 の 金 融 経 済 概 況 1.全体感 十勝の景気は、着実に持ち直している。 すなわち、公共投資は、減少している。設備投資は、全体としては緩やかに増加 している。住宅投資は、全体としては緩やかに増加しているものの、一部に弱めの 動きがみられる。個人消費は、底堅く推移している。雇用情勢は、改善している。 また、生産は、緩やかに増加している。 先行きについては、国内外の需要動向や燃料価格などの各種コストの動向に加え、 為替・金融市場の影響などに注視していく必要がある。 2.最終需要の動向 公共投資は、減少している。 4 月の公共工事請負金額は、前年を下回った。 設備投資は、全体としては緩やかに増加している。 主要企業の設備投資をみると、15 年度は、大幅に増加した前年を下回るものの、 営業設備の新設・改修など、積極的な投資が続いた。16 年度は、大口投資が一服 しているものの、年度初としては、引き続き底堅い投資計画にある。 また、3 月の建築物着工床面積は、前年を上回った。 住宅投資は、全体としては緩やかに増加しているものの、一部に弱めの動きが みられる。 3 月の新設住宅着工戸数は、持家を中心に前年を上回った。 個人消費は、底堅く推移している。 主要小売店の売上高(3 月)は、衣料品の動きに鈍さが残るものの、食料品を 中心に高品質な商品を求める動きが引き続きみられたことから、前年を上回った。 耐久消費財をみると、自動車販売(乗用車新車登録届出台数、4 月)は、普通車・ 小型車、軽自動車とも前年を下回った。家電販売は、パソコンなどで弱めの動き 1 が続く一方、テレビや白物家電は堅調に推移している。 この間、旅行・観光関連をみると、主要温泉地の宿泊人数(3 月)は、外国人 観光客の増加などから前年を上回った。市内ホテルの宿泊人数(3 月)は、引き 続きビジネス需要、観光需要ともに堅調に推移している。また、とかち帯広空港 の乗降客数(3 月)は、前年を下回っているものの、ビジネスや観光での利用は 堅調である。 3.生産・雇用・企業倒産の動向 生産は、緩やかに増加している。 生乳生産量(3 月)は、前年を上回った。乳製品生産量(3 月)は、バターや ヨーグルト等の増産を主因に前年を上回った。製糖量(3 月)は、てん菜糖度の 上昇などから前年を上回った。 製材品生産量(3 月)は、梱包用材の受注減少などから前年を下回った。 雇用情勢は、改善している。 3 月の有効求人倍率(常用)は、16 か月連続で前年を上回った。 企業倒産は、概ね落ち着いた動きを示している。 4 月の企業倒産(負債額 10 百万円以上)は、皆無となった。 4.金融情勢 帯広市内金融機関の実質預金残高(3 月末)は、流動性預金を中心に増加して いる。 貸出残高(3 月末)は、前年を下回った。 貸出約定平均金利(3 月末、総合)は、銀行、信金とも前月を下回った。 以 2 上
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